(朱鷺と紅)
澄ました顔の、あの男が憎たらしい。私が収まるべき席に一番近いくせして、それを苦とする。なんと腹立たしいことか。
籠の中で苦しむ姿は、滑稽なこと。そんなに苦なのであれば、足掻くことをやめ、今すぐその命を散らせばいい。
あぁ。あぁ。お前だけは赦し難い。
見下した目を向ける、あの女が煩わしい。振り回されているのはこちらだというのに、罪は全てこちらにあるとする。なんと憎たらしいことか。
空の中を悠々と飛んでいると思い込んでいる姿は、哀れなこと。より縛られているのはどちらか。それにも気づかず、そのまま飛んでいると思い込んでいればいい。
あぁ。あぁ。お前もこの家に利用される可哀そうな子供。
topへ