(終末を征く者)

※6.0ネタバレあり


「あのね、ロロ」

最後の休息。終わりを終わらせる旅路を控えた夜。
エレノアは徐に口を開き、隣で眠るロロに声をかけた。

「うん…?」
「ありがとう。……お礼を言いたくて」

静かな声で言ったエレノアを、ぱちぱちと瞬きながら見つめたロロは「また突然だね?」と返した。

「ううん。ずっと、…ずっと思ってた。
貴方は、ずっと、私の…そばにいてくれて、支えてくれてる」

これが最後になると思わないけど、悔いが残らないようにと言われたし、この際今までの分全部、お礼を。そう言いながらエレノアはロロへと手を伸ばし、彼の手を握る。

「貴方がいてくれたおかげで、私はここまで歩いてこれたし、貴方が荷物を一緒に持ってくれたおかげで、私は何度でも立てた」

エレノアはグッと目を閉じ、今までの日々を思い出す。
辛くて苦しくて、でも進まないといけない時、誤魔化して一人で頑張って、ズブズブと泥の底に沈もうとしていたエレノアの手を引いて、引き上げたのはロロだ。
アレがなければ、エレノアの心は完全に死んでいたことだろう。
壊れかけた心を、甲斐甲斐しく世話をして癒してくれたのも、彼だ。

エレノアは、この世界で何より、ロロに救われていた。

「……絶望を謳う者。…その気持ちは、わからないことも、ない」
「………」

苦しそうに吐き出したエレノアを気遣うように見ながらも、ロロは静かにその言の葉を聞く。

「……ヘルメスも、メーティオンも、優しすぎたの。優しすぎて、気づかれなくて、一人で、苦しんでた。だからその、ええと、」

ごめん、まとまらなくて。とエレノアは謝る。いいよ、大丈夫。とロロは穏やかに返す。

「…こういう、希望も、あるんだよって。絶望に打ちひしがれても、立てるんだよって、伝えにいきたい」
「うん」
「…ヘルメスのところに、帰してあげたい…」
「エレノアらしいねぇ」

もぞりと近づき、抱きついてきたエレノアをロロは優しく抱き返した。
ズッと聞こえた鼻をすする音に、よしよしと彼女の背中をさすってやる。

「ロロも、帰ろうね。アーテリスに。
それでこれからもずっと、沢山のありがとうを伝えさせて欲しいし、ありがとうって思ってもらえるようなことを、したい」

大好きだよ、ありがとう。

そうエレノアは呟いた。



終末を征く者
(私は、私は諦めない…!沢山の想いを託されたから、沢山の想いに助けられたから…!)
(メーティオン!旅の終わりを、始めましょう…!)


これはロロくんもウルティマ道中消えたやつです。

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