(今日は何の日?)
「ユリアン」突然来店を知らせるベルがなったと思うと、作業場に影がさす。
声で誰だかはわかるので、ユリアンは手元でしている作業から目を離さない。
「ユリアン!!」
何時もなら気にせずに話すのに今回は怒鳴られ、少し驚きながらもしかして思い浮かべた人物と違ったか…?とユリアンは顔を上げた。
「…やはり、ニィーベじゃないか」
「あ?」
やっぱり立っていたのは予想した通り、薄い金髪に、この国ではあり得ないぐらい暑そうな服装、そして威圧感のあるゴーグル。ニィーベ・ホワイトその人だ。
「お前せめていらっしゃいませくらい言ったらどうなんだ」
「お前だからどうでもいいと思った」
「どうでもいい!?俺に似た声の別人だったらどうするつもりだ…」
ブツブツという目の前の人物に、わざわざ店に来て自身の名前を呼ぶ奴は数少ないし、お前の声を聞き間違えるわけないだろ…と密かに心の中で返しておく。言い返すと後が面倒だからだ。屁理屈言うな、からグチグチと説教が始まる。
「ーそれで、今日はどうした」
まだ少し続きそうなのを途切れさせるため、わざと話をそらす。
見た所ゴーグルを直して欲しいわけではないことは、奴についているまだ綺麗なゴーグルでわかる。
「あぁ、今日夜7時」
「?」
「うちへ来い」
そう言ってニィーベは踵を返す。
「おい待て、話が見えん」
「いいから来い。来なかったら海に突き落とす」
そう言いながらニィーベは魔法の呪文を唱え始める。
ニィーベが出た後追いかけるようにユリアンは後を追ったが、扉を開けた瞬間突風が起きる。
思わず目をつぶって開けた頃には、ニィーベの姿は見えなかった。
「あいつ、仕事でも抜けてきたのか…」
時間がないときは大体魔法使って帰るよな、と思いながら夜7時ね…と呟きユリアンは作業へと戻っていった。
今日は何の日
(あいつ、絶対忘れてると思うんだが、どう思う?ベンティスカ)
(ドーイだね!それには!)
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