(裏切り者の末路)

「悲しいよ」

ニィーベの表情はゴーグルによって見えはしない。

「どうして、師団を裏切った。仲間だろ?」

逃げ腰の相手にゆらり、ゆらりと近寄りながらニィーベは、腰に下げた剣に手をかける。

「た、助けてくれ…!」

相手の一言でニィーベは足を止めた。
もしや見逃してくれるのか、と相手が希望を持った瞬間

「どうだ?最後の絶望は」

一気に間合いを詰めて、剣を引き抜いたニィーベに打ち砕かれる。

「俺もそんな気持ちだった。お前に裏切られて」

悲しいよ、そうまた呟いた彼の口元は、弧を描く。




裏切り者の末路
(大将、あんたの障害は取り除いてやった)
(俺の親友にも手を出しかけたんだ。お前が悪い)

topへ