(二人で)
やばい、どうしよう。陽気な声が台所から響く中、無色シロヤは深刻そうに頭を抱えた。
(京子先輩が料理してる…!)
各軍の対立にも決着がついたこの年のクリスマス。
世間はいつも以上に浮かれモードだし、八千代京子のテンションもついでにMAXであった。
京子の料理の腕前は壊滅的である。
一言でいうとポイズンクッキング。
シロヤは初めて食べたあの料理をいろんな意味で忘れるのとができない。
(いやでも最近美味しくなってきたから、上手く…?)
ついでに彼は気づいていない。
笑顔で作って食べてくれ!と渡してくる彼女の好意を無下にはできず、食べ続けた結果味覚が大変狂ってきている事を。
「シーローヤーッ味見してくれ!味見!」
「あ、はい。…っ」
これはやばい。と小皿に入ったものを見て思った。
(紫…!!紫!!!の液体!!
なんだ!?何が入っ食べられるのかこれは!?)
「あ、うまい」
「本当か!」
見た目の割にはいけるな…と思いながらシロヤは頷き、京子はぱあっと笑顔になり、クロエに教わったからな!上手くなっただろう!と言いながら台所に戻る。
ちなみに常人が先ほどのものを食べると三途の川から誰かが手招きすると思うのでやめよう。
「そういえば今日クロエはどうした?」
「用事があるとかなんとか」
「へぇ珍しいな。いつも意地でもついてくるのに。まぁ邪魔だから来なくていいがな!」
私は二人きりで嬉しいよ、シロヤ。と京子はシロヤの座るソファの横に座る。
「…そうですか」
プイッとシロヤはそっけなく答え横を向く。
しかしその耳はほのかに赤く、京子はくすりと笑った。
「来年も再来年も、一緒にいような!シロヤ」
ぎゅっと抱き着いてきた京子を、シロヤは目を細め見つめた後、頭を撫でる。
「そうだな。もう、立場気にしなくていいしな」
寒い冬も二人でいれば
(マフラー!これ!色違い!)
(あぁ、あったかくなるな)
(ふふふクロエに自慢だ!)
(張り合うなぁ…)
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