(夏の話)
めんどくさ、と当時は素直に思った。いの一番にこの面倒くさい思いの絡まりに気づいたのは自分であろう。
仲のいい4人だった。よく一緒にいて、よく笑った。
最初は1人。中学くらいから友人だという男たち…の小さい方。出会った当初から、明らかだった。なんでもないフリをしていたがそいつは確かにもう片割れの友人のことを好いていた。
友人の域を超えているのは、明らかで。
なんで自分がこないなところに気付かんとあきまへんの。と溜息をついたものだ。恋は、愛は。人を狂わせる。よく知っている。
けれど小さい男は、この4人の関係を大事に、大事に。大好きな親友を、大事に。
『僕が女の子だったらなんか違ってたのかなァ』
そうあいつが言ったのは、いつだったか。
春時雨が秋雨に惚れた時期あたりだろうか。
小さい男は、氷雨真は聡い男だった。春時雨梅も、聡い女だった。最後までこの複雑に絡み合った思いに気付かなかったのは一番聡そうな秋雨良だけだ。
2年の中頃からマコは一歩引いた位置でお良とお梅のことを見守っていた。
自分の本当の気持ちを隠して。
アァ面倒くさい。
気づいてしまったばかりにある日思わず聞いてしまい、それからというもののマコのポツポツと溢れる想いを右から左へ聞き流す係をしていた。
酷いやつやって?いやいや、自分が恋だの愛だのに口を挟むわけありまへんよって。
ただのガス抜き係をしてただけですわ。
で、高校を卒業して数年後、久々にマコに呼び出された。
理由は明確だった。
机の上に置かれた一つの招待状を撫でる。
「親友の結婚、ねぇ」
風になびいてチリリーンと風鈴が綺麗な音を響かせる。
はらりと落ちた長い髪を耳にかけ、ゆっくりと目を閉じた。
「…気付かんふりして一歩も進まんかった自分も、仲間やな」
気づいた時には
(あんたの隣も埋まったよなァ…おセツ)
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