(隠して見つからないように)

自分が愛想がない方だとは自覚している。
だから、この横で朗らかに笑う彼女の笑顔がより一層眩しく見える。

そんな彼女を慕う人も多い。

…かくいう自分も、彼女のことを好いている1人である。が、

告げるつもりはあまり無い。
先ほども述べた通り、あまり愛想もよくないし、彼女にはもっと陽だまりのような人が似合うのだと、僕は思う。

あぁそれでも。
僕が彼女と組んで行動を共にするせいか、僕が強くて寄れないのか。堂々と言い寄ってくる輩は少ない。

共に任務に関われることと、その間会話ができることにほのかな幸福を感じる。

出会いの邪魔をしている可能性もあり申し訳なく思うが、それでも君がまだ僕の知らない表情で誰かに笑いかけることがないのだと思うと、安堵する。

そして少しでも君の瞳に自分の姿を映してもらえてるのだと思うと、優越感を感じるんだ。

…我ながら何とも、不審者じみた考えをしていると思う。

気持ちを告げて、この"よく話す仕事仲間"の地位から転げ落ちたくない。
もう二度と話せなくなるかもしれない状況は、作りたくない。

恐ろしくて。だから今日も僕は何でもないふりをして、君に仕事の話をするのだった




隠して見つからないように
(好きだ)

(結局、後々ポロリと言ってしまうのだけれど)

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