(大したことじゃない)

大したことじゃない。

その言葉を心配してくれる彼に吐き続ける。

受けたのは私、背負ったのは私。関わろうとしたのは私。断らなかったのも私。

全部全部、自分が招いたことである。

だから。

だからこの、酷く息がしづらい状況も、私のせいであって。
もう嫌だ、見たくない、投げ出したいとかなんて、言えるはずもなく。

ただひたすらに、歩いて、歩いて、歩いて。

いつからだろう。

後ろを振り返ると、私が作った道は、"血の道"だった。

いつからだろう。

最初はあれほど様々な方向へ動いた心が、何も感じなく、ただただ受け止めるだけになったのは。

私は、

私の、

…。

「エレノア、もう、いい加減なんでも二つ返事で受けるの、やめたほうがいいよ」

「ここ最近ずっと、酷い顔してるよ」

「休んだ方がいいよエレノア、ねぇ」

彼は私をずっと心配してくれている。
彼がいるからまだ、私は。この意識を保っていられているのだろうか。

「…大したことじゃないよ。体力はある方。知ってるでしょ?」

ゆったりと笑う。

…そんな、悲しい顔をしなくていいのに。

私は大丈夫。

まだ大丈夫。

だって、まだ貴方という光がそばにいてくれるのだから。

「ロロ。大したこと、ないよ」



大したことじゃない、君はそういった
(そんな顔で言われても、)
(何の説得力もないんだよ…エレノア…)

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