(君の隣)
最初は頼られてるんだって、必要とされてるんだって、嬉しかった。お父さん、お母さん。私は、成長出来てるだろうか。そんなことを思いながら、色んな人の思いを受け取って。
この思いの重みが、なんだか心地よかった。
けど、頼られて、任されて、進んで、進んで、進んで。
数々の出会いと、別れを経て。
思いを拾って、拾って、拾って、拾い続けて。
随分とこの両手は、この身体は重くなった気がした。
それだけ思いを託されることをしてきたし、思いを連れて行くと決心する別れもあった。
私は、思いを捨てることができない。
今までよくしてくれた人たちの思いであるならば、尚更だ。
「…オルシュファン、」
今は亡き友を想う。
私はまた、大切な人を亡くしてしまったよ。そう心で呟いだが、オルシュファンが応えることはない。
しっかりしなければ。どこまでも思いを連れて行くと決めたのは自分であり、思いを託されたのもまた自分である。
私は、その思いに応えれるよう役目を果たさなくてはならない。
英雄殿さえいれば、英雄殿が来てくれたのならば!!
私はその期待に応えなくてはいけない。
そして、拾い続けて、歩き続けて、戦い続けて。
ついに自分が潰れそうになって。
助けてくれたのはロロだった。
1人じゃないよ、一緒にいるよ。
そう言って、側で支えてくれて。一緒にこの思いを持ってくれて。
ロロの手回しで暫く任務をすることが入らなくなって、ゆっくり色々話したり、ご飯食べたり、散歩をして景色を見たりして。
私はまだ私であれたことを認識できて、危うく暗闇の奥底まで落ちるところだったとため息をついた。
貴方がいるからまだ頑張れる、と思ってたけど貴方がいたから休むことができるのね。私は。
貴方と一緒なら、私は生きていけれる。幸せを感じられる。
…多分、まだ無茶はすると思うけど、きっと貴方は私の心配をして、私に怒ってくれるのでしょうね。
やっぱり思いは拾わずにはいられないし、連れて行ってしまうけれど…大丈夫。潰れなんて、しないから。一緒に持ってくれる人がいるから。
ロロ。私、貴方がいてくれてよかった。
私の思いは、貴方が拾ってくれてるのよね、きっと。
ありがとう。大好きよ。
どこまでも共に、貴方の隣に立てていれたなら良いと、そう思う
君の隣
(1番私が安心して休める場所)
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