(ひとりぼっち)

「ウタイドリ。紅茶を入れてちょうだい。モノフクロウ。お話でもしましょう」

少女は黒いアンティークな椅子に座り、少し弾んだ声で言う。

"はぁいご主人様!美味しい美味しい紅茶を淹れてみせるわ!"
"ホホー!その間、チェスでもしましょうか"
「クスクス、アタシは馬鹿だから。チェスはできないわモノフクロウ。すぐ負けちゃう」

いつもならそう返ってきて、そう返したはずだ。だが少女の最初の声に返答する者たちはここにはいない。

「あぁ、嫌ね」

誰もいなくなってしまった。あの子たちもいない。あの人も…迎えに来てくれなかった。
少女は顔を歪め机に伏せた。

あぁなんて。どこまでも絶望的なのかしらと

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