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「みーんなを元気にして、あげ、るん!桐谷スバルです!よろしくお願いしまーす!」
画面の向こうではつらつとした笑顔を向けながら自己紹介をしているのはアイドルの桐谷スバル。
この疲れ切った心と体を癒すパワーを彼女は持っている。
彼女がSNSを始めるというから、僕は彼女の為だけにSNSをはじめた。
正直何が面白いのかはわからない。
それでも、彼女の今を知ることができるから続けている。
彼女の今を知ることができるんだから今の技術も捨てたもんじゃないと思ったよ。
彼女のどこが好きなのかと聞かれたらどこと答えるべきなのかはわからない。
そもそも何を理由に部屋中がこんなに彼女のグッズでいっぱいになるほど
彼女を好きになったのかもよく覚えていない。
僕の中の何かが、彼女の純粋で真っ白な心に反応していたのかもしれないけど
本当のところは自分でもよくわからない。
「スバルと握手ができて、写真も撮れるよ!みんな、来てね〜!」
手元の画面で彼女がイベントの宣伝をしている。
ファンイベントだとか言ってたような気がするけど、行く気はない。
いわゆる"同担"という種類の人間が嫌いだから行く気になれないのも事実。
僕に触れたその手でまた別の男に触れるなんて考えただけでも吐き気がする。
彼女に会いたい、彼女に触れたいという感情はあるけれど僕以外の人間に笑顔を向けている瞬間だって見たくない。
ややこしい理由ではあるけどこれが僕なりの彼女を愛する方法なんだ。
「僕だけを元気にしてくれたらいいのに。」
みんなをじゃない
僕だけでいいんだよ。