悔しそうに下唇を噛む承太郎の顔を最後に私の意識はぷつんと途絶えた。

*

どのくらい気を失っていたのだろうか。
ゆっくりと覚醒する。すぐ隣に誰かがいる、優しく頬を撫でられる…懐かしい遥か昔の思い出が甦った。

「ジョナサン…?」
「残念。…いや、ある意味正解か」

蜂蜜のようにどろりとした甘く低い声で、微睡んだままだった意識が一気に現実へと引き上げられる。
薄暗い部屋。真白いシーツ。勢いよく体を起こすと、すぐ隣から押し殺したような笑いが聞こえた。
そこらの女であれば卒倒しそうな色気を醸した裸体を惜し気もなく晒して、大きな枕に凭れている。爛々と光る赤い目が愉しげに細められた。

「随分待ったぞ、お前が再びこの世に産まれ落ちるのを」
「ディ、オ」
「DIOだ。もうお前の知る私ではない」

蝋燭の明かりに金糸の髪が反射して輝いている。ディオ。私の父に引き取られ、幼い頃から青春の日までを共に過ごし、そして、私の兄を手に掛けた、もうひとりの私の兄。
ディオは長く尖った爪先で自分の首をなぞった。そこには生々しい、皮膚の繋ぎ目がある。まるで無理矢理縫い付けたような。

「この体はジョナサンのものだ…昔のように3人で生きようじゃあないか」

ディオの指が私の頬を滑り下降する。じょうたろう。叫ぶ私の喉から赤い飛沫が溢れた。


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