▼エリナ
ディオにキスをされた。私の頭の中にはズキュゥゥゥンが響き渡り、側では少年があの有名な台詞を叫んでいる。
憎きジョナサンのガールフレンドのファーストキスを奪ってやったことでディオは満足げだった。しかし残念ながら私は見た目は麗しい少女であれど中身は成人済みのお姉さんである(オバサンとは言いたくない)。キスなんていくらでもしてきたし、なんならバージンすらとっくに捨てている。肉体的にはファーストであれど、精神的にはなんらダメージはない。むしろディオのような美少年とキスできたなんて成り代わり役得過ぎる。ンフフ。
「み…見ろよ、笑ってやがる…」
「気味悪ィぜ…」



▼しのぶ
温くなっていたカレーを温め直す。お風呂に入ってきたら、と言うと黙ってリビングを出ていった。
激しかった動悸が収まっていく。静かにため息を吐いた。恐らくあれはもう吉良吉影になっているのだろう。やはり漫画で読むのとは違う、殺人鬼を目の当たりにするのは恐ろしい。
朧気な記憶を辿っていく。確かこのポジションにいた"しのぶ"という女性は殺されていなかった。大人しくしていればなんら問題はないのだ。面倒なことは主人公たちにやらせておけばいい。
バスタオルを脱衣所へ持っていくと、丁度吉良が出てきた。ぱちりと目が合う。…川尻浩作はこんなに男前だっただろうか?



▼ジョルノの母親
彼が私の息子になったのは彼が2歳頃のことだ。所謂"成り代わり"だった。私は彼の母親として転生しているらしかった。
女手ひとつで育て上げ、15歳になったあたりでようやく気付いた。我ながら鈍いにも程があるが、普通そんなこと思いもしないので仕方無い。
息子の名前は初流乃。急に髪色が変わったと困ったように申し出てくる彼には、どこか父親の面影がある。
ジョルノだったか…!非常に不味いことをしたと思った。愛情たっぷりに育てた可愛い息子は将来教師になりたいと目を輝かせている。私はとんだ原作ブレイカーになってしまった。


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