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お昼は、家から持ってきたご飯があるからと、烏野の方に戻ることにした。
流石にアウェイすぎて食欲でないし。
といっても、烏野にも慣れたわけではないけどさ、それでも清水がいるといないとでは全然違う。

さーて、向こうもぼちぼち休憩入ってるみたいだし、音駒もあと数人でサーブ練習が終わるから、私もそろそろお昼かなぁー。


音駒のリベロさんは律儀にも、最後まで残ったサーバーに付き合い、「ナイッサー」と笑顔でレシーブを上げている。

全然いいサーブな気がしないのは、彼のレシーブが素晴らしいせいだ。きっちりセッター返しなんだから、終わった気がしない。
そう思ったのは私だけではなく、最後まで残っていた彼も、なんだか複雑な表情を浮かべながら、サーブの練習を終えた。

「ヤクさん、ナイスレシーブ!」と叫んでいた。ヤケだ。

体育館の端っこでそれぞれが昼食の準備をしている中、清水の隣に腰を下ろす。

「午後も町田は音駒?」
「いや、得点頼まれた。」
「午後は一緒だね」

清水も得点か、良かった。少し不安だった気持ちが和らいだ。清水がいるととても心強い。

選手の円の中に入って昼食をすませると、軽くアップを取りそれぞれのコートに集まった。

午前中とは違い両チーム共ユニフォームに着替え、監督コーチの周りに円陣を組んでいる。音駒は眩しいくらいに真っ赤なユニフォームで胸元に音駒と書かれていた。

なんだろう。やっぱりユニフォームを着ていると3割り増しくらいにカッコよく見える。音駒も烏野も。

音駒側のコートに飲み物とタオルを準備し、得点ボードの横に着いた。

そして、直井コーチのホイッスルで試合が始まった。

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