よしなしごと

▽2020/06/14(Sun)
エラムの料理がまずい
「うっ・・・!」
ふいに口元をおさえたナルサスさんにエラムくんは目を丸くする。
「どうかなさいましたか、お水を」
「・・・いや。なんでもない。##NAME1##、ちょっと来なさい」
突然、部屋の隅に召喚されて不思議に思ったものの大人しく従う。
「なんですか?」
「今日の料理は君が作ったのか?」
「?いいえ、エラムくんです。私にあんな豪華なごはん作れるはずないでしょ」
だろうな、と口にする相手に「ちょっと」と返す。
「だが味付けは?すこしは手伝ったんじゃないのか?」
「いやあ、お恥ずかしい話ですが全然・・・完全にお呼ばれです」
「では総菜でも買って来たんだろうか」
普通にお料理してましたよ、と言えばますますナルサスさんは頭を抱えた。
「ふたりともどうされたんですか」
心配そうなエラムくんの声に、「いや、なんでもない」と立ち上がる。
「ちょっと、エラムの料理を食べてみてくれないか」
「?はい・・・」
言われるがまま、ひと匙すくってシチューを口に運んだ。
「ぐっ・・・!」
なんだこれは。駆け抜ける衝撃を一言で言い表すとしたら、
「(まずい・・・!)」
だった。

***





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