よしなしごと

▽2020/06/15(Mon)
無題
「おーい、バンちゃん!」
フロアに響いた声に驚いて振り向く。
「(え、)」
まさか本人がいるなんて思わなくて、呼吸を忘れてしまう。
「(うそ、なんでいるの!?)」
うわあ本物、かっこいい、じゃなくて社員なんだからちゃんとしなきゃ、ああでも好き・・・。
ていうか、目、目が合った。
「あの、私はこれで!」
その場を離れようとするのを万理さんの腕が引き留める。
「いや、どこ行くんだよ」
「ここじゃない場所へ!」
なんで、と彼は苦笑いを浮かべる。
「いいじゃん。せっかくの機会なんだから話してけば。あ、もしかして」
あの中にいるんだ?と聞かれて思わず顔が熱くなる。
「あ、赤くなった」
「〜っ万理さん!」
そう言った私の声と誰かの声が重なった。
「お疲れ様です」
「お疲れ様、大和くん。みんなもお疲れ様」
万理さんも隅に置けないなー、と大和さんは笑う。
「こんな美人と事務所でいちゃついてんだから」
「あはは、だってさ。よかったな、なまえ」
「もう・・・!すいません」
頭を下げると、
「彼女は俺の後輩のみょうじなまえ。俺と似たような仕事してるけど、現場には出ない感じ」
「そうでしたか。初めまして、和泉一織といいます。いつもお世話になっています」
「あ、こ、こちらこそいつもお世話に・・・!」
ひゃー!顔が小さい、肌が綺麗、整いあそばしている。

「アイドルグループのオーディション・・・?」
そう、と万理さんは頷く。
「新しい試みなんだ。でも、絶対に成功すると思ってる」
「たしかに・・・うちに男性アイドルグループはいませんね」
けれど今はアイドル戦国時代、勝算はあるのか。
私の考えを読み取ったように彼は続ける。
「うちはあまり大きくはないけど、社長の人を見る目は確かだからね。プレッシャーもあるけど、俺はむしろ楽しみだよ」
「そうですね。私はまだ詳しくは知らないけど、万理さんがそう言うなら。どんなグループになるんでしょうね」
入社した時から面倒を見てくれた万理さん。
尊敬している社長と先輩の言葉なら間違いない。
「そうだ。来週、新しい子が入ってくるんだよ」
「へえ・・・」
「##NAME1##も知ってる人だよ」
私も知ってる人。誰だろう。
「ヒントは・・・うーん、見た目に似合わないガッツの持ち主」
「ええ、それじゃ分かんないんですけど・・・」
「きっと










「おーい、バンちゃん!」
フロアに響いた声に驚いて振り向く。
「(え、)」
まさか本人がいるなんて思わなくて、呼吸を忘れてしまう。
「(うそ、なんでいるの!?)」
うわあ本物、かっこいい、じゃなくて社員なんだからちゃんとしなきゃ、ああでも好き・・・。
ていうか、目、目が合った。
「あの、私はこれで!」
その場を離れようとするのを万理さんの腕が引き留める。
「いや、どこ行くんだよ」
「ここじゃない場所へ!」
なんで、と彼は苦笑いを浮かべる。
「いいじゃん。せっかくの機会なんだから話してけば。あ、もしかして」
あの中にいるんだ?と聞かれて思わず顔が熱くなる。
「あ、赤くなった」
「〜っ万理さん!」
そう言った私の声と誰かの声が重なった。
「お疲れ様です」
「お疲れ様、大和くん。みんなもお疲れ様」
万理さんも隅に置けないなー、と大和さんは笑う。
「こんな美人と事務所でいちゃついてんだから」
「あはは、だってさ。よかったな、なまえ」
「もう・・・!すいません」
頭を下げると、
「彼女は俺の後輩のみょうじなまえ。俺と似たような仕事してるけど、現場には出ない感じ」
「そうでしたか。初めまして、和泉一織といいます。いつもお世話になっています」
「あ、こ、こちらこそいつもお世話に・・・!」
ひゃー!顔が小さい、肌が綺麗、整いあそばしている。

「アイドルグループのオーディション・・・?」
そう、と万理さんは頷く。
「新しい試みなんだ。でも、絶対に成功すると思ってる」
「たしかに・・・うちに男性アイドルグループはいませんね」
けれど今はアイドル戦国時代、勝算はあるのか。
私の考えを読み取ったように彼は続ける。
「うちはあまり大きくはないけど、社長の人を見る目は確かだからね。プレッシャーもあるけど、俺はむしろ楽しみだよ」
「そうですね。私はまだ詳しくは知らないけど、万理さんがそう言うなら。どんなグループになるんでしょうね」
入社した時から面倒を見てくれた万理さん。
尊敬している社長と先輩の言葉なら間違いない。
「そうだ。来週、新しい子が入ってくるんだよ」
「へえ・・・」
「##NAME1##も知ってる人だよ」
私も知ってる人。誰だろう。
「ヒントは・・・うーん、見た目に似合わないガッツの持ち主」
「ええ、それじゃ分かんないんですけど・・・」
「きっと



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