よしなしごと
▽2020/03/03(Tue)
盧笙先生
高校3年間ずっと、担任の先生が好きだった。
まわりが”ろしょー先生”と気軽に呼ぶ中、意識するのがこわくてかたくなに躑躅森先生と呼び続けていた。
進路相談で志望校の推薦について話し合っている時、
「自分なら大丈夫やと思うで。生活態度もええしな。みんなろしょー先生って呼んでるのに律義に名字で呼んでくれるくらいやし」
とふいに言われて驚愕する。
「え、なんで知って」
「気づいてるて、そんくらい。受験がんばり。応援してるで」
その言葉に後押しされ、受験は見事合格。
卒業式。
意を決して一緒に写真を撮ってもらえないか頼んだところ、彼は快諾。
初めてかすかに触れた肩が緊張で震えた。
これでもう会えなくなる。
思わずこぼれた涙を、卒業式のせいだと勘違いした盧笙から差し出されたハンカチがチェック柄だったことさえまだ覚えている。
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