よしなしごと
▽2020/03/30(Mon)
環くんと同居(アイナナ)
一緒に暮らすことが決まった時のこと。
部屋の中を見回している私に環くんは言った。
「俺、まずい時はまずいって言うよ」
「え?」
「メシ。そういうの、全部やってくれるから一緒に住むんだろ?」
まだ高校生の環くん。
彼の学生生活とアイドルとしての生活、両方をフォローするために同居することになった。
正確に言えば、彼が私の部屋へ居候するというのが正しい。
「(いくらお抱えアイドルだからって、社員の家へ住まわせるってどうなの・・・)」
思うところがないわけじゃないけど、決まったものはしょうがない。
社長には仕事以外の面でもたくさんお世話になっているのだから頭が上がらないというのもある。
「こらこら、勝手に触らない」
「へーい。あ、」
なにこの写真、と彼は言ったそばから興味を持つ。
「カレシ?」
「まさか。弟」
へー、と彼は呟く。
「あんま似てないね」
「二卵性だからね」
「え?もしかして##NAME1##さん双子なの?」
そだよ、と返事をすると「ほえー」と環くんは目をパッチリさせる。
「仲良いの?」
「どうかなあ・・・悪くはないと思うけど。お互いひとり暮らしだからね」
そういえばしばらく会っていない。
でも、どうでもいいことで連絡は取り合ったりもしているのでいい距離感だとは思っている。
「今度からはふたり暮らしじゃん」
「あ、そっか」
「そうだよ。よろしくね、##NAME1##さん」
そう言ってにっと笑った環くんにはたと現実を思い出す。
そうだった。今日から年下の男の子と一緒に生活しなきゃならないんだった。
私の緊張をよそに彼は、
「ねー俺の部屋どこ?」
とドアの向こうを覗き込んでいる。
「あ、そっちは私の部屋!」
「そなの?わり」
ああ、不安でいっぱいだ。
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