親友は不思議っ子!


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※庭球ネタ
※不思議っ子な夢主(多分)←
※口調がコロコロ変わる
※話の纏まりゼロ


突然だが、此処神奈川にある立海大附属中学校にはある“名物”が存在している。
その名物とは、主に3年C組で見られる光景だ。

『―――あ、』

一人、ある少女が3年C組である自身のクラスに入ってきた人物を目にすると、嬉しそうに声を上げた。 その声に気付いた相手も、フッと柔らかな笑みを浮かべ真っ直ぐに少女の元へと歩み寄った。

『ゆっきー、おはよー。』
「おはよう、愛称。」

挨拶を交わす二人の周りは、端から見ても分かるくらいほんわかとした空気を醸し出している。
今しがた“愛称”と呼ばれた少女の名は苗字 名前。
そしてお気付きの方もいるだろうが“ゆっきー”と呼ばれた人物の名は幸村 精市。
3年C組で見られる名物とは、この二人のやり取りだ。
かといって、別段面白い会話や行動があるわけでもなく、ただ単に会話をするだけである。しかし端から見れば、先程言った通り二人が会話をしだしたり側に居るだけで何故だかほんわかとした優しい雰囲気が出来上がるのだ。 その光景に周りは自然と和んでいたり癒されていたりしていたせいか、いつの間にかそれが“名物”となって知れ渡っていた。

『朝練お疲れ様であります。』
「フフ、ありがとう。」

何故かビシッと敬礼のポーズを取る名前に、幸村は微笑みながら言った。

「あれ、そう言えば何でジャージ着てるの?」

ふと、制服姿ではない事に気付き幸村は首を傾げた。 幸村が言った通り、名前は一人だけジャージ姿で席に着いていた。

『うむ、実はですね、猫さんと戯れていたら、気付けば猫さんの毛にまみれてしまっていたのだよ。』
「朝から何やってるの。」
『申し訳ない。』
「いや、謝られても。」

苦笑する幸村を見ていた名前は、『あ、』と何かを閃いたような声を上げると椅子から立ち上がった。 その様子をきょとんとしながら幸村が見つめていれば、名前は着ていた上のジャージを脱いでそれを肩に掛けた。

『じゃーん。』
「?…あ、もしかして俺の真似?」
『正解なのだー。』

幸村が当ててくれたのが嬉しいのか、名前は楽しそうに笑いながらクルッと一回転する。

『ゆっきーの真似ー♪…あ、』

クルリと一回転をした拍子に肩に掛けていたジャージがパサリと落ちる。それを幸村は拾うと、埃を叩いてからもう一度名前の肩に掛け直した。

「フフ、あんまり動くと落ちるよ。」
『むー?ゆっきーは全然平気じゃないかー。』
「コツがあるからね。」
『コツ?』
「うん。もう一度回ってごらん?」
『?』

名前は首を傾げながら言われた通りにもう一度クルッと一回転した。

『ほ?』
「フフ。」

すると今度は落ちる事なく肩に掛かったままだった。 試しに二、三回動いてみても落ちる事はない。

『おぉ〜!凄い凄い!落ちないぞー。』
「そうすればあんまり落ちないんだ。」
『ゆっきー凄いなー。ありがとー!』
「フフ、どういたしまして?…あ、そうだ。」
『?…ほ?』

幸村は思い付いたように鞄を漁ると、いつも幸村が使っている色違いのヘアバンドを取り出して、名前の頭に付けだした。名前はきょとんとして幸村を見つめてから、直ぐにへにゃっと笑った。

『おー、ますますゆっきーみたいになったー。』
「良かったらあげるよ、それ。もう使ってないやつだったから。」
『む、いいの?』
「どうぞ。」
『ありがとうございます。』

笑いながら礼を言うと、幸村も微笑みながら名前の頭を撫でた。

そしてそんな二人を遠巻きに眺めていたクラスメイト達は、今日もそのやり取りに和んでいたそうな…。


end.

―――――――
…んー?夢主ちゃん、不思議っ子か…?
いまいち不思議っ子の定義?が分からん。そしてもはやカップルだな、こいつら。
これで付き合ってないんだぜ?一応親友って設定になってるんだぜ?
なんなのホント。自分で自分が分からない。
ホントなんなの。