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先日キバナと食事にいったその日の晩。家まで送ってもらい(といっても近所なのでついでだと思う)テレビを見ていると、ポケスタの更新通知があった。わたしが通知登録しているのはただ一人だけで、うきうきした気持ちで画面をタップした。


「え…なんだこれは」


思わず口に出てしまった。いや、本当に意味がわからないのだ。これはキバナのアカウントで間違いないよね、うん。画面に映し出されたのは何故かパスタを食すわたしの姿で。


【kibaka241
 昼飯と
 オレさまの女…なんつって】


リアルタイムでぶわっとコメントが増える増える。誰?とかショックというのが大半で、美味しそうだとか、少数だがおめでとうございますというコメントもあった。いや、すごく嬉しいんだけれどね?いつ撮った?肖像権って知ってる??

.

ちょ、あのキバナさん


キバナ

どうした?


.

いやあのどうしたじゃねーですよ


キバナ

オマエ、動揺しすぎ(笑)


.

や、ちょっと、なに考えてるかわかんないなんなのていうか肖像権


キバナ

載せるって言ったらいいよって言ったぜ?


キバナ

まあそんな事より


.

そんなことって…


キバナ

ホントにオレの女になれば?




はい?あ、キバナさんもしかして酔っていらっしゃる?言動が急すぎてついていけてない。なんて返信しようかしばらく迷っているとインターホンが来客を告げた。


「はーい」
「よっ」


ドアを開ければわたしを悩ませている張本人が立っていて、呑気に片手を軽く上げ挨拶なんてしてくるもんだからいよいよ理解が追いつかない。なんで来たのかと問うと返信がないからだと答えた。


「え、あれって冗談…でしょ?ほら、いつものノリみたいな」
「そう思ってるだろうと思ったから来た」
「えっと…」
「エリーゼ」


バトルのときのような真剣な眼差しをしていることから本気で言っているのだと察する。気恥しさから目を合わせていられなくて視線を泳がせその場を凌ごうとしたのだが、彼の大きな手が頬にそっと添えられ強引に、でも優しく顔ごと視線を合わせられた。そしてわたしの名を呼んだその声色は、驚く程に甘かった。


「な、なに?」
「……ぷっ、マヌケな顔だな」


甘い雰囲気だと思ったのも束の間、親指と人差し指で頬をむにっとされて唇を突き出すという変な顔にさせられてしまった。


「ちょっと、なにすんのよ」
「でも…そんなマヌケな顔でも可愛いと思ってるんだぜ?」


ふいうちはよくないと思います。



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