なんて優雅な休日
フローリングに柔らかな日差しが落ちる、過ごしやすい秋の日。
美味しいパスタでお腹も満たされて、七海の選んだいいソファに寝転んで、大好きな手に頭を撫でてもらって、顔を上げると髪を下ろしてリラックスした七海が本を読んでいて。なんて優雅な休日だろう、とうっとりする。
2人揃っての休日なんて、いつぶりだろうか。
今日はゆっくりしよう、と決めていたから。いつもより少し遅く起きて、いつもより贅沢な朝ごはんを食べて。几帳面な七海のおかげでそこまで溜まってない家事をゆっくり片付けて。
お昼は七海がメインで作ったからその洗い物を引き受けた。終わってリビングに向かうとソファにゆったりと座る七海は読書中だった。
邪魔するほどじゃないけど、でも構ってほしくて、七海の膝に頭をのせて寝そべる。
「早苗。」
「うーん、まって、」
うわ固。てか高。太ももの筋肉すご。
うーんちょっとこれは膝枕むり。
そう考えてうつ伏せになり、肩ごと七海の膝に乗り上げて、腕を伸ばしてスマホを眺める。
こちらが落ち着けたのを察したのか、ため息のあと大きな手が髪に触れる。ゆっくりと撫でられて、心のうちがとろとろとゆるんでいく。ちらりと七海を盗み見ると、切れ長の目を細くしていて胸があたたかくなる。
七海の手が好きだ。
鉈を振り回したり直接殴りつけたりするこの硬い手が、とても繊細に触れてくれるのを知っているから。
ゆるりとやってきた眠気に抗わずに目を閉じようとしたとき、ふいに、後頭部を撫でていた手が首筋を掠めた。
「んっ、」
思わず溢してしまった声を、七海はちゃんと拾ったらしい。手の動きがいやらしくなってきた。
指先で耳の輪郭に触れるか触れないかの動きを繰り返す。それからその指で首筋をなぞる。もどかしい刺激に腰がびくびくする。
あたたかな手が離れて、ちょっとさみしくなったところで、甘く震えていた腰にその手を当てられた。
「ひゃ、」
ゆるやかな快感を溜め込んでいたところを急に触られて、身体が跳ねた。
「な、なみ……、」
たまらず見上げると、七海はいつの間にか文庫本をローテーブルに置いてこちらを見ていた。
脇の下に手を入れられ、猫を伸ばすみたいに持ち上げられる。体勢を変えたいのが分かったので、七海と向かい合うようにして、さっきまでクッション代わりにしていた太ももの上に腰をおろす。
向かい合ってちゃんと顔を見ると、悪戯されてすっかりその気になってしまった私とは対照的に、七海はまだ平然とした顔をしていた。
それがなんだか気に入らなくて、シャープな頬に両手を沿えてこちらからキスを仕掛ける。
ちゅ、とかわいらしい音がした。そのまま何度も繰り返す。
「ん、んぅっ? んゃ、っは、」
気づいたら、腰を押さえられ、逃げられなくなっていた。するりと差し入れられた舌にまた身体が跳ねる。
上顎をゆるゆると舌の先でなぞられると、合わせた唇の端から声がもれてしまう。七海の舌がゆっくりと私の舌に絡む。すり合わせて、吸われて、噛まれて。溢れた唾液もくぐもった喘ぎも飲み込まれる。
「んふ、んんっ、ぁ、っ」
頬に沿えていた筈の手はいつの間にか太い首にまわされていた。
ふとももに七海の手が触れて、一瞬遅れて背中がぞわぞわとする。部屋着のワンピースの下はブラトップとパンツだけだから、裾をめくればすぐに素肌が見えた。露出した内ももをさすられる。
もどかしい、
「腰が揺れてますよ」
「、ぅるさい、」
指摘されて顔が熱くなる。赤くなっただろう顔を見られたくなくて、七海の頭を抱き締めるようにしがみつく。指が下着のクロッチ部分をかりかりと引っ掻いた。
「ぁ、んっ」
下着の中に指が入ってくる。濡れたひだをそうっとなぞり上げて、そのまま陰核を押される。
「や、あぅ、」
太い指がなかに入ってきて、濡れているのを確かめるように浅い抜き差しを繰り返す。
「っは、あっんん、ひぅ……、」
逃げるように腰が浮いた隙に、下着を膝近くまで降ろされる。
「あ、ちょっ、ひっ、あぁっ、な、ななみっ、」
障害物がなくなって自由に動けるようになった指が2本に増えて、中を拡げるように動く。
優しく、ゆっくりした動作のせいで、余計にひとつひとつを深く感じてしまう。
次第に、お腹側のきもちいいところをぐりぐりと押されて、視界がちかちかする。
あ、だめ、きちゃう、
「やあっ、あっん、っあ、〜〜ッ!」
駄目押しとばかりに陰核をつぶされて、頭が真っ白になった。
なかにある七海の指をきつく締め付けてしまっているのが自分でも分かる。
「ぁ、はぁ、ななみ、」
「は……」
さっきよりちょっとだけ七海の鼓動が早い。興奮、してくれてる。
指が引き抜かれて、途端になかがさみしくなる。
ちゅ、ちゅ、と宥めるようにキスされて、碧い目を至近距離で見つめる。七海は色が白いから、血行がよくなるとすぐ分かる。より一層どきどきしてきた。
ここで最後までするのかな。ゴム、七海の部屋にあるんだけど。
「掴まっていてください、」
「え? うん、うわっ、」
左腕1本で縦に抱え上げて七海が立ち上がったので、急に高くなった視点に怖くなりしがみついた。
辿り着いた昼下がりの寝室は、明かりがなくても部屋の様子が分かる。
うわ、私たち、こんな明るい時間にえっちなことしてたの。
ベッドに優しく降ろされて、ワンピースとブラトップをまとめてぺいっと脱がされる。膝に絡まったままのパンツもベッドの下に放られた。
気づけば七海も服を脱いでいて、仰向けに寝転んだ私に覆い被さる。素肌どうしが触れて、そのぬくもりに安堵する。出来るだけ触れあう面積を増やしたかったから、首に手をまわして引き寄せる。
頭を抱えられた七海は、さっき触らなかったぶんを取り返そうとでもしているように、いつも以上に胸を揉んでくる。
別にそんなに大きくないから何が楽しいのか分からないけど、七海は私の胸を触るのが結構好きで、私も胸にじゃれる七海を見るのは好きだ。
先端を避けて白い膨らみを唇で噛む七海の、形のよい頭を撫でて、きんいろの髪をすく。
「、七海ってさぁ、ん、おっぱい好きなの?」
「……そういう訳ではないですが、」
「ん?」
「アナタのやわらかいところは、好きです。」
「……私も好きだよ、七海のおっぱい。力入れてない時ふにふにしてて、」
「……、」
「ひゃっ、や、」
返しが気にくわなかったのか、先端をやわく噛まれる。反対側も指で摘ままれてこりこりされると、背中が反って、もっとしてほしいみたいな格好になってしまう。潰すみたいに舌の先でぐりぐり押して、赤ちゃんみたいに吸われて。
やっと胸から手を離した七海がいちど身体を起こして、ゴムの封を切る音がする。それから入り口にかたいものがあてられて、期待に腰が跳ねる。
いいですか、と掠れた声がしたので、うんと頷いた。
ぐち、と濡れた音がして、熱いものが私のなかにゆっくりはいってくる。
「あっ、あつ、あぅっ、んぁっ、」
そのままゆったりとしたペースで抜き差しされて、ぐちゃぐちゃといやらしい水音がする。
「あぅ、あっ、きもちい、ななみ、」
段々と深いストロークから奥ばかりをこつこつと突く動きに変わっていって、きもちよすぎて、あたまがばかになる。力が入らなくて、頭までとろとろなのに、なかは七海をきゅうきゅうと締め付ける。
もっとして、だして、おくに、なかに、
「っ早苗、」
「ひぅ、ん、あっだめ、だめっ、ぃく、いっ!」
抜けそうなくらい腰を引いてから、一息に一番奥のきもちいいところまで押し込まれて、頭に火花が散る。
「うあっ、やぁあん! ーーッ!!」
「っは、ぁ、くっ……」
びくびくしてる七海もゴム越しに射精したのが分かって、なんだかもったいなくなる。なかにくれたらいいのに。
「んっ、はぅ、ぁ、はぁっ、」
「っ、はぁ、ぁ、」
しばらく抱き合ったままで、お互いの呼吸が整うのを待って、七海が離れていく。抜けていく感覚も気持ちよくて、甘えた声が出た。
ふと枕元の時計を見たら16時過ぎで、夜ご飯どうしようかな、なんて思うけれど、七海が新しいゴムを取り出しているのが見えたから、まあいっか。
なんて優雅な休日
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