アイを暗誦

無惨夢「だめな僕をどうか許して」続編。






無限城の中、囚われた1人の鬼殺隊の娘が居た。娘の隊服は破かれ、所々肌が露出していた。鬼の巣窟の中でその陶器のような白く美しい肌に食い付きたい鬼は沢山居たが、誰一人としてそれをする者は無かった。
その娘、●は無惨のもの。恐ろしくて鬼は誰も彼女に手出し出来なかった。


「●ちゃーん」
「……………」

生活をする為に与えられた部屋に上弦ノ弐である童磨が現れ、●は咄嗟に隊服から覗く肌を羽織りで包み隠した。

「あれぇ?元気?●ちゃん今日も可愛いね」
「……………」

●はやつれた顔で童磨を睨みつけた。話しかけないで、あっちへ行ってと訴えかけるような瞳だ。だが、童磨はそんな事気にもしていない。

「ねぇ?食事は摂れてるの?人間はさぁ、すぐ死んじゃうんだからしっかりたべないと」

そう言って、童磨は信者からの贈り物だろうか、大量の高級そうな果物や穀物を●の前に置いた。

「あと、これ。その服破れちゃってるでしょ?」

童磨は翠色の綺麗な柄着物を●の肩にふわりと掛けた。上物の絹が使われているのか肌触りも良く、とても軽かった。

「素敵な柄でしょう?今日食べた女の子が着てたんだけど、●ちゃんに似合いそうだったから血が付かないように」
「やめて!!」

●は肩に掛けられた着物をギュッと握りしめ、涙を流した。
もう、嫌だ…こんな所、早く抜け出したい。
当然のように人を喰らう鬼と居たらこっちがおかしくなりそうだ。私の感覚が正常なうちに早くここから…

●は空腹と睡眠不足、鬼に囲まれているが故の心労でまともな生活を送れていなかった。それに鬼には致命的な太陽光も、人間には必要不可欠な物であるが、この空間には一筋の太陽も届かない。

●は、命からがらすがるような思いで童磨の胸に飛び込んだ。

「わっ、●ちゃん?」
「…お願い、私をここから出して下さい」
「……ああっ!無限城の外へ出たいって事かな?」
「あの男は最近はここに来ていません。お願い、お願いです」

●は童磨の胸元から見上げ、必死に頼み込む。その瞳は潤んで今にも泣きそうだ。

「●ちゃん…」

童磨は自身の胸に縋り付く●を優しく抱きしめた。その間も必死に頼み込む声が聞こえる。

あったかくて、柔らかいなぁ…
そうだ!

童磨は少し背を屈めると、●の唇に口付けた。●は驚き、急いで離れようと肩を押すが、童磨の手が後頭部に周り、そのまま引き寄せられてしまう。

「んん…!」

まともにやりあっても勝てない相手に、寝不足と疲労も加わって、もはや無抵抗に等しい状況。

力も入らないし、ビクともしない。●の目から涙が溢れ出てきた。童磨は唇を離すと、鼻先が触れ合う距離で話し始めた。

「ねえ、●ちゃん。俺の口付けを受け入れてくれたら、外に出してあげるよ」
「…そと、に?」
「うん。俺が満足するまでね」
「外に出してくれるの?」
「いいよ」

外に出られる。
目の前のそのご褒美に、●は自ら童磨の顔を引き寄せ口付けた。それに童磨は少し驚いた顔をしたが、すぐ目を閉じて●の背中に手を回した。
『満足するまで』どうしたら童磨が満足するのか、必死で考えた。

あの男…無惨はいつも口の中へ舌を……

●は童磨の口腔内へ舌を入れた。童磨の舌と自分の舌を絡ませ、吸い上げる。そして童磨も真似するように●の舌を吸い上げたり口腔内を堪能し始めた。

「んっ……はっ…」

次第に●の口から悩ましい吐息が漏れ始め、頬から耳まで赤くなっている。

はやく、はやく…!満足してよ…!


そう願った瞬間、突然童磨の唇が離れた。
●が薄ら目を開けると、背後から無惨に髪の毛を掴まれ、首を引き千切られている童磨の姿があった。その血が●の顔にかかる。


「何をしている」
「あ………あ………」

空気が針に変わったかのような怒気が、肌を全身を突き刺してくる。すぐにこの場から立ち去りたい。
無惨は童磨の首を投げ捨てると、●へ歩み寄ってくる。●は、反射的に後ずさる。

怖い、空気が痛い。
もうすぐ外に出られたのに、どうして今日に限って……!

無惨は後ずさる●を壁に追い詰めた。血管の浮き出る赤い目が、自分を見下ろしてくるので、耐えられず目を伏せた。

「●から口付けたのか?」
「…………」
「なぜだ?なぜ。理解出来ない」
「…………」
「まさかとは思うが…」
「………」


「童磨に惚れたのか?」

その瞬間、無惨のこめかみ付近の血管から血が噴き出した。

「えっ!?」

自分に降りかかる突然の出血に●は思わず声を上げた。無惨は●の顎を掴み上を向かせる。

「んぐっ」
「許さない。●は既に私のものだ」

無惨はそう言うや否や●の唇に口付けた。口腔内で無惨の舌が暴れ、舌と舌が絡まり合う。無惨は●の両腕を持ち、自らの首元に回した。

「●が私を引き寄せるのだ。もし離したら人を食う」

そう言われ、●は言われるがまま無惨の後頭部に手を回し、自ら角度を変えて深く口付けた。無惨もまた●の腰に手を回し、引き寄せた。『人を喰らう』という脅し文句に●が逆らえないのをいい事に、無惨は自らの欲求を満たしていく。



「んん〜。いいなあ。俺も●ちゃんが欲しくなっちゃったよ」


ーーーー
無惨夢、おまかせということで
続編書かせていただきました。
無惨様との絡みより童磨との絡みのが多いですかね、すみません!!!
童磨に横取りされて怒る無惨様です。
リクエスト小説なのでR無しで書きましたが反響があれば無惨童磨で続編書こうかな…と思っています。
ありな様、リクエストありがとうございました。

2021.11.22

top