「今日は一緒に寝よっか」


「ああ…今日は一緒にいたい」


リビングのソファから身を起こし、寝室へと向かう。


その間も彼は僕の手を離すことはなかった。


「電気を消していい?」


「すまない。ありがとう」


弱々しく言う彼に僕は微笑む。


電気を消し彼の隣に横たわると彼は僕を抱き締めた。


「君が抱き締めて来るなんて久しぶりだね」


“何かあった?”


なんて言葉は出さない。


「…」


彼はただ僕の胸に顔を埋めるだけでなにも答えはしない。


「…おやすみ」


全く重くない瞼を閉じ、ただただ彼の温もりを感じた。