いつも通りの朝。
重い瞼を擦りながら時計を見ると、いつもよりは早いが起きる予定の時間よりも遅い時間を指していて飛び起きる。
いつものように構ってほしそうなカルピンを横目に急いで準備をして家を飛び出した。
今日は、特別な日。
学校へ着き部室へ行くと、まだあまり人が来ていない。
それを狙って早めに来る予定にしていた。
キョロキョロと見回すと、目当ての人物を見つけた。
いつも誰よりも早く来てドリンクの準備をしている先輩は、マネージャーとしてすごいと思う。
その姿をなんとなく眺めていると、先輩が俺に気づき目が合う。
「あれ。おはよう越前くん。今日早いね?珍しい。」
「…うぃっす。名前先輩こそ、いつも早いっすね。」
「んーそう?まぁやること色々あるしね。」
先輩はいつものようにへらへらとした笑顔を浮かべた。
その笑顔が、愛しいと思った。
「先輩、」
「ん?」
「誕生日、おめでとうございます。」
「…え。」
先輩は驚いたように瞬きをした。
「覚えてたの…?」
「当然。」
「まさか越前くんに一番に言われるとは…びっくりした。」
「そう。」
誰よりも早くおめでとうが言いたいなんて、柄にもないことを思ってしまったのは、先輩のせい。
「名前先輩」
「えっ」
「好きだよ」
今日は、特別な日。
fin.
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