『なにしとん!?自分!!慰めとか要らんわ!!惨めなだけやんか!!』


同情なんて要らん。
そんなんされるだけ自分が滑稽に見えるやんか。


「五月蝿いねん。」
『なっ!!!んん!?』


まさかこんな、こと、
白石が、キス、した?


『なんで…』
「あんなぁ、なに勘違いしとるんか知らんけど俺が好きなのはお前や。名前。ずっとずっと好きやった。」
『…………は?』


照れた様にはにかんだ白石に脳内処理が全然おいつかへん。
待って、これ、え?白石が、私を、好き?


「おーい、なんか言ってや。俺放置とか恥ずかしいんやけど?」
『なっ、嘘やろ?』
「嘘でキスしたりするかい。本当に好きや。」


そう言って白石はまたキスをした。






『えぇえええええええええ!?!?!』









――――――――…



「蔵りん!名前ちゃん!!おめでと!!!!」
「やっと引っ付いたんかいな」
「いやー、しかし名前ちゃん蔵りんの事ホモや思てたのはウケたわー!」
『小春ちゃんどつくで。』



その日の部活は部員達からからかわれて、終いにはオサムちゃんに祝いやとか言ってコケシ大量に渡されて、白石と結ばれたのは嬉しいけど機嫌は悪くなる一方やった。

なんやねん祝いのコケシて。いらんわ。
てか白石がホモかと思ってたとか暴露してしまった私の恥ずかしさ考えろや。




そんなこんなで部活が終わって帰ろうとしたとき、後ろから白石によばれた。



「ちょ、待ち」
『何?』
「ほら、一緒に帰ろか。」



そう言って笑顔の白石は手を差し出してきて、あまりの嬉しさに私の機嫌はすぐに直ってしまった。

我ながら現金なやつ。
でも、今この瞬間だけはこの幸せを噛み締めて…


「白石と名前や!!ヒューヒュー!やで!!ヒューヒュー!!!」
『ッ…』
「ちょ、名前!?」
『金ちゃんよくもこの…幸せを邪魔しおったな…』
「えっ!?なんや、名前怖いで?」
『待たんかゴルァ!!!!!!』
「ひいいいいいい!!!」




恋人ぽく無い関係に白石が悩むのはまた、別のお話。






END


K





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