03


スタジオの最寄の駅で降り、

スタジオまで歩いた。どこもかしこも

SAKURA.SAKURA.SAKURA。

本当嫌になる。SAKURAの存在だけが

大きくなっていって、本当の自分が

取り残されてるみたいになる。

少し早足でスタジオの中に入った。

そこにデビュー当時からずっと付いてくれている

マネージャーの横山侯隆がいた。

横「お疲れさん。今日は遅かったな。」

「担任に呼び出されたの。」

横「そうか。アルバムの曲順調か?」

「ぼちぼちね。」

横「間に合うんか?」

「当たり前でしょ〜。」

横「そやったらええわ。」

「ねぇ侯くん。」

横「なんや。」

「あのさ、なんで私ここにいるんだろうね。」

横「なんやねんいきなり。笑」

「町中に私のCDの宣伝ばっかりで、

同じ人なはずなのに向坂桜良は

置いてきぼりにされてるみたい。」

横「考えすぎや。」

「怖いんだよ。」

横「なにがや?」

「顔出しして、みんなが私のこと知って私の歌が売れなくなるの。」

横「気にしすぎや。桜良。

お前の歌は顔見せようが見せまいが一緒や。」

「やっぱ侯くんは優しいね。」

横「普通や。」

「まあ、いいや。笑 じゃあ、今からスタジオ篭るね!」

横「はいはい。頑張って。」