あたたかい朝

ぱちり、目を開ける。
まだ覚醒しきっていない頭で状況確認をする。
見慣れないベッド、見慣れない部屋、どこかで嗅いだことのある臭い。そっか、昨日はアーティさんのオフィスで仕事を手伝ってたんだっけ。

アーティさんの臭いがする布団の中で、まだまどろんでいたかったけれど、私はのそのそと起き上がり欠伸をひとつ。ぐーっと伸びをすればポキポキと骨が鳴った。窓から差し込む光が眩しい。朝だ。

ベッドから降りようとした時、手になにか固い物が触れた。
それは枕元に置いてあった小さなプレゼントボックスだった。そうか、今日はクリスマスだ。
しゅるる、とリボンを解き、箱をあけるとそこには蝶の模様が彫られている可愛い指輪があった。人差し指に嵌めればぴったりで。いつの間にサイズなんか測ったんだろう。


「……………」


指輪を見つめて、少し考えた後に指輪を薬指に嵌めかえた。
寝室から出て、アーティさんを探すとすぐに見つかった。昨日と同じ机に頭を預けて、毛布を被って寝息を立てている。その寝顔はなんともマヌケだ。あ、よだれ垂れてる。
きっと途中で寝てしまった私をベッドに運んだ後も、夜遅くまで頑張っていたのだろう。


「お疲れ様です、アーティさん」


労いの気持ちも込めて彼のおでこにキスを落とす。さて、まずはシャワーを浴びてから朝食を作ろう。そしてのそのそと起きてきたアーティさんはきっと私の薬指にある指輪にびっくりするだろう。その後はとことん私の我が儘に付き合ってもらうのだ。クリスマスはまだまだ始まったばかりなのだから。


あたたかい朝
君を待つ間、空を見上げた。