■月と戦慄
「――ふっざけんなああああああ!」
ものすごくイイ笑顔で職場へ戻って行く神父……購買部店主の背中へ吠える青タイツもといランサー。
「泰山麻婆って、そんなに」
自分の横に立っているギルに聞いてみる。恐ろしき罰よ、とかなんとか心なしかgkbrしつつ呟いていたからには、現物を知っている?
「うむ。あれはない。紅洲宴歳館泰山という魔窟で精製されしダークマター。いや、旨味は確かにあるのだがな、それを上回って余りある辛味いや寧ろ痛みと痺れ……口にしたら最後、唇は腫れ腹は壊れる事確定的にあきらかな地球外の物質よ」
ランサー同様、神……購買部店主の立ち去った方へ視線を投げたまま、真顔で語るギルガメッシュ。
購買に、し、店主イチ推し麻婆豆腐が初入荷した時の異様な警戒っぷりや、九階での四川の香辛料disり様は単に辛い物嫌いなだけかと思っていたが、し店主謹製泰山麻婆と聞いたランサーも同じ反応ときた。
恐らく二人とも、どこかの世界線で件の麻婆を食べ(させられ)た経験があるのだろう。
そして、そのトラウマが魂レベルで刻み付けられてしまった、と。一体どれだけの破壊力があるというのか。恐るべし泰山麻婆。
「ン、でも旨味はちゃんとあるんだ?」
「これでもかと盛られた花椒と、その花椒の黒さを真っ赤に覆い隠す量の、ラー油から作られた唐辛子油に旨味の全てが打ち消されているがな」
「それ何てポイズンクッキング……」
花椒山盛りだけでも相当なのに通常、サラダ油と唐辛子で作るところの唐辛子油をラー油使用。それは確かにきけんぶつ。例え舌喉が耐えられたとしてもきっと消化器系が耐えられない。
ジョロキアが含まれないだけまだマシだが、味付けがカオスなだけのDDの食卓の方が、まだ身体に優しい気がする。そんな代物を1分で10皿も完食かぁ……。
「うーん」
眼鏡を直しなおし考える。
どんな縁かは知らないが先のソードオアデス、ギル凄くすごーく楽しそうに財宝ぶっぱしてたよな。しかも開幕鎖で麻痺らせた挙げ句。
いや自分もギルの魔力ブースト優先な礼装セレクトしたり‘エリクサーの出し惜しみはしない(キリッ’とか言っちゃってたけども! ていうかオシリスで全状態異常シャットアウトからのースキル連打指示だしたの全部俺だけどね! その、殺られる前に殺れというか……。
……。とにかく。英雄王もこの余興(サブイベント)愉しんでいたようだし、経験値とSm、おまけに非売品な礼装までお土産にくれちゃった青タイツ兄貴にいくらかでも報いる事はできないだろうか。
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