伊達の主将にひとめぼれ4
ボツ文
試合形式で練習試合をしている。
「ボールよく見ろー!そこ、戻りおせーぞ!」
体育館に響く声に久しぶりに見る二口さんの姿。こうして見ると先日のことはやっぱり私の妄想だったんじゃないかって、そう思えてしまうくらいには遠い人に見える。
でもバレンタイン受け取ってもらえたし、少しは親しくなれたと思っていいだろうか。
「おっし、じゃあ10分休憩」
その声と共にコート内外にいたメンバーが散らばる。
休憩になったから話しかけられるかと言われればそうではなくて、タオルで汗を拭いスポーツドリンクを口にする二口さんを陰からじっと見つめていた。決してストーカーなどではない、体育館を突っ切って話しかける勇気がないだけだ。