「またオサムくんのとこ?」
「うん!」
「新作のお菓子やったら教えてな」
「りょーかい!」
……あれはいつだったかな。放課後中庭でお菓子を食べながら友達を待っている時、不意に声をかけて来たのがオサムくんだった。ゲームに夢中になっていたためびっくりして顔を上げれば、横に置いていたお菓子に釘付けになっている彼。
『……食べる?』
『ええの?』
『ははっ、そんな目で見られたらダメなんて言えないよ』
『ありがとう。……うまっ!これどこで買うて来たん?』
『これはね△コンビニの新作です、今日発売の』
そう告げればキラキラした目をして、帰り買うわ!なんて笑っていた。多分きっかけはこれ、部活が休みの日に彼とお菓子の交換会をするようになったのは。今日もまた、屋上で待ち合わせておすすめのお菓子を持って行く。
「ごめんね待った?」
「全然俺もさっき来たとこやし」
「意識したってもええよ」
「わざとやし」