2024/09/23 - 月島

ケイはクールで彼女の私ですら何を考えているのかよくわからない。いや、クールなのか?‥自分で言っててわからなくなってきた、それでさえもないのかもしれない。そんな彼は彼女の私が隣にいるにも関わらず、ヘッドフォンをして数学のノートに視線を落としている。



#HQプラス #819プラス


なんでも、テストで赤点を取ったら部活の遠征が叶わないんだそうだ。「まぁ、僕は赤点と無縁だけどね」なんて余裕を見せていたがやはり高い点数でなければ満足しないようだ。

そんなことから私は放置、見事な放置プレイ!ケイの家で一緒に勉強だ、なんて浮かれた私がばかでした。こんな状態ではケイが本当に私のことを好きなのか疑問に思ってしまう。隣にいるのにわざわざヘッドフォンして、遮断されているようでなんだか虚しい。

「…ケイ、」

ヘッドフォンのコードを引っ張って名前を呼んだ。ようやくそれをとってこちらを見てくれる。

「…ん?」
「ねぇ、ケイの中のランキングで私って何位?」
「なに、急に、」
「…唐突に気になって…」
「〇〇はランク外」

ま、まじですか。いや、急に聞いた私も悪いけど、そんな答えが返ってくるなんて思いもしなかったから。せめて2位とか3位とか。ランク外って、結構ショック。

まさかの返答に戸惑っている私を見て、彼は意地の悪い笑顔を浮かべている。(こっちはショック受けてるのに、なにが可笑しいんだ)

「…なによ」
「いや、想像通りの反応だなぁと思って…くくっ」
「そりゃショック受けるでしょ!せめて2位とか3位とかさ…」
「それで満足なの?」
「高ければ高いほどいいけども…」
「ふっ。ほーんと、〇〇はバカだね」

特別ってことだよ、なんて言われてじわじわと顔に熱が集まる。だって、そんなの狡いじゃん。

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