突然俺らのクラスにタコが現れて、担任をやるだの、来年の3月には地球を爆発するだの、頭の悪りぃ俺には全く意味わかんねぇし、理解したくもなかった。
そんなことより、俺の隣に座ってやがるコイツの方がよっぽど奇妙で気持ち悪りぃ。
「なんだか面白くなりそうだね、寺坂君」
「…ケッ、知るかよ」
学校の有名な優等生ちゃんがなんで落ちこぼれのE組なんざに居るんだよ。…コイツとは本校舎にいた頃に少しだけ話したことがあったが、思えばあの頃から俺なんざに話しかけてきて胸糞悪かった覚えがある。
俺がテキトーにあしらっても、嫌な顔せずヘラヘラしながら「寺坂君、それでね」なんて、どうでもいい話が始まるんだ。名字の周りに居たヤツらはご丁寧に「名字さん、ソイツに近付かない方がいいよ…」「あんなサルと関わると名字さんまで…」なんてご教授しやがる。
それでも名字は「友達とお喋りしちゃダメなの?」と言えば周りのヤツらは黙り込み、そそくさと立ち去った。いつから俺とテメーはトモダチになったんだよ、なんて意味を込めた顔をすれば「寺坂君って、ほんと面白いよね」と、ぬかしやがった。
ホント意味わかんねぇ。
俺がそんなこと考えてるなんざ知りもせず、隣からは「非日常だ…まるで少年漫画みたい」なんて呑気なこと言ってやがる名字の横顔を無意識に眺めていた。
…コイツ睫毛長ぇな。
「ねえ、寺坂君もそう思わない?」
不意打ちで視線が絡み合った。
「テメッ、バカこっち見んじゃねぇよブス!」
「…どうしようきーちゃん、寺坂君に怒られちゃった」
ふざけた口調でいつの間にか仲良くなった狭間によしよしと頭を撫でられ慰められていた。狭間はこちらに視線を向け「あ〜あ、女の子にブスは酷いわよ」と、その言葉に自然と舌打ちが零れた。
「クソッ…。あー、ブスは言い過ぎた。………すまねえ」
俺の性格を知っている狭間が素直に謝る俺の姿に目を見開いた後、すぐにいつものからかう笑みに戻り「素直じゃないわね〜」と、ぼそりと呟いたが近くにいる俺には勿論聞こえる訳で「うっせえ!」と一喝すればクラスから一気に注目を浴びる羽目になった。
斜め前で意味あり気な笑みを浮かべる狭間と隣でくすくすと笑う名字が嫌でも目に入る。
「寺坂君ってさ、よく面白いって言われない?」
「あ?っ言われたことねえよ!!」
ホント胸糞悪りぃなクソッ!!
とりあえず、さっきから俺の様子を窺いながらニヤニヤとムカつく顔してやがる松村と吉田はあとでぶん殴るから覚えとけ。
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