カクテル言葉にご用心



 南雲くんはやたら距離が近い。
 何か喋る時は覗き込むようにして話してくるし、食堂では絶対隣の席に座ってくる。銃の訓練の時は「教えてあげる〜」って後ろから密着してくるし(実際ちゃんと教えてくれるから何も言えなかった)、ふとした時に肩が触れ合うことなんか数えきれない。だからと言って彼が直接的に好意を伝えてきたことはなくて、変に意識していると笑われたくなかったわたしは、やたら人との距離が近いひとなんだと思うことにした。
 そうして彼のそのパーソナリティースペースの狭さは、大人になってからも変わらなくて、本当にタチが悪い。

「ん。次どれがいい〜?」

 お洒落なバーのカウンター。空になったわたしのグラスに目敏く気づいた彼は、相変わらず身を寄せるようにしてこちらへ問いかけた。傍から見たら恋人同士だと思われるくらいの距離の近さ。
 後ろのテーブル席から視線を感じるのはきっと、こいつの見た目がやたらいいからだと思う。悔しいけれど、昔から顔がいいのだ。酔った勢いでそんなことを零したりしたら笑われるか引かれるかがオチだから、絶対に口を滑らせるものかと思いながら、わたしは「あんまり強くないやつがいい」と返した。こういうお洒落なバーにはほとんど来ないから、どれが良いかと聞かれても正直難しい。

「強くないやつか〜〜、じゃあこれとか」

 と、彼は「モーニンググローリーフィズ」と書かれた文字を指し示す。
 モーニンググローリー……朝顔?
 首を傾げるわたしに南雲くんは薄く笑って、「ウイスキーにレモンジュースとかソーダとか、あと砂糖とか。そういうの混ぜたやつだよ」と説明してくれた。耳元で囁くように言ったのは、他のお客さんの迷惑にならないように、だろうか。こういうことを平然とするんだから、つくづく罪な男だと思う。

「甘い?」
「甘めだと思うよ〜」
「じゃあそれにする」
「分かった〜。飲めなかったら言ってね、僕が代わりに飲むし」

 そうやって微笑んだ南雲くんにつられて、その後も気になるお酒を色々と飲んだことは覚えている。スコーピオンとか、プレリュードフィズとか。どれも飲みやすいお酒で、調子に乗ってしまったのかもしれない。ぼんやりした頭のまま店を出て、タクシーに乗って。それから、それから?

「ぁ……っ」

 柔らかい感触が、体の至るところに触れている。霞む視界の中に南雲くんがいる。あれ、なんだっけ。何してるんだっけ。よく分かんないけれど、南雲くんの手はひんやりしていて気持ちがいい。

「ん……」
「なあに?手、気持ちいい?」
「ぅん……」
「そっか、嬉しいな〜。もっと触ってあげる」

 お酒で火照った体を彼の指が撫でている。あれ、そういえばなんで直に触られてるんだっけ……服は?
 ふと視線を落としたら、すぐにあられもない姿の自分が映った。服どころか、ブラジャーすら解かれて胸の膨らみが露わになっている。さっと血の気が引いた。

「待っ、なぐも……っ、んぅ……っ」

 起き上がろうとするより早く、唇が深く塞がれて押さえつけられた。舌が絡めとられて、自然と腰が浮く。

「ぁ、んん……っ、ふ……っ」

 あ、やだやだ、これダメ……ッ。息ができないのと、気持ちいいのがぐちゃぐちゃで、頭がぼうっとしてくる……!

「〜〜ッ♡♡」

 やっとのことで唇が離れた時には涙で視界が滲んでいて、荒い息を零すので精一杯だった。
 南雲くんはそんなわたしをどこか楽しそうに見下ろして、額や目尻にキスを落とす。それは、勘違いしてしまいそうなくらいに優しくて。ちゃんと嫌だって言わなきゃいけないのに、ぶっ飛ばす勢いで抵抗しなきゃいけないはずなのに、熱っぽい瞳で見つめられたらもう何も言えなかった。

「ねぇ、気持ちい?」
「ん、ぅ……っ、ぁ、それ、やだぁ……っ」
「やだ?本当に?」
「ひぅぅ……っ♡」

 いつの間にかぴん♡と立っていた乳首を摘まんだり弾いたりしながら、南雲くんが問いかける。

「本当に嫌ならやめるから、ちゃんと言って?」

 本当に嫌?やめる?こんなに気持ちいいのに、体中びくびくするくらいの快感が走るのに。そんなの、そんなの。
 
「ぁっ、ひぁっ♡やだやだ、やめないでぇ……っ♡」
「あは、やめてほしくないんだ〜?乳首きゅうってされるの、そんなにいい?」
「ぁ〜ッ♡それ、それぇ♡」
「うん、これね。ほら、もっとしてほしいなら、ちゃぁんと気持ちいいって言うんだよ」
「〜〜っ♡んっ、ぁ、や、言わな……っ♡ひぅぅ♡♡」
「ん〜、さすがにまだ恥ずかしい?」

 「仕方ないなあ」と零しながら、南雲くんが愛撫する。体を反らして反応していたら、その内彼は胸の先端を口に含みこんだ。

「ぁっ♡〜〜ッ♡」

 生温かい舌にまで弄ばれて、もう訳が分からない。時折、吸い上げられたり噛まれたりしてそれだけでもおかしくなりそうなのに、「気持ちいい?」なんてやたら整った顔が見上げてくるんだから堪らない。

「すごいね、その内乳首だけでイッちゃうんじゃない〜?」
「ぁ、ぁ♡ひゃん……っ♡」

 ぢゅるるっ。わざとらしく音を立てて吸い上げて、南雲くんが唇を離した。「はー♡はー♡」と荒い息と一緒に涎も零しているわたしはさぞ滑稽だろうに、彼はまるで愛しいものを見るみたいに目を細めている。

「いっぱい感じちゃって、かわいい〜♡こっちも……、あは、すっごい濡れてるね〜?もっと早く脱がせてあげればよかったや」
「……っ♡♡」

 意地悪くそう言った彼に、ぐしょぐしょになったショーツが取り攫われる。
 すっかり濡れそぼった蜜つぼは、彼の指を簡単に呑み込んだ。長くて骨張った指が、中を掻き回して、ぞくぞくするのが止まらない。

「ぁっ、それ、そこ、ばっかりぃ……っ♡」
「うん、気持ちいいね〜♡大丈夫大丈夫〜♡」
「は、ぁ♡ぁ、やぁ〜♡♡だいじょ、ぶ、じゃ、んぁぁ♡」

 くりくり、とんとん。やたらと敏感なところを執拗に責められて、蕩けるくらいの快楽が襲ってくる。だらしない喘ぎ声が、びくびくするのがずっと止まらない。

「も、だめぇ♡ぁ、ぁぁ〜♡♡そこ、ばっかぁ♡あひっ♡ぁ……っ♡」

 と、不意に南雲くんが指の動きを止めた。それどころか、指を引き抜く様子すらみせて、わたしは「なんでぇ」と半泣きになる。もうちょっとだったのに。とんでもなく気持ちいのがそこまできてたのに。
 南雲くんはわざとらしくにっこり笑って、「だめ、なんでしょ?」と一言。

「本当に嫌ならやめるって、僕言ったじゃん〜」
「ぁ、やだやだ♡」

 熱い蜜つぼの中から、刺激が引いていく。駄々をこねる子どもみたいに首を振ったら、南雲くんはちょっと楽しげに笑って「離したくないってきゅんきゅんしてるね」と言った。
 それから、「ほら。嫌じゃないならなんて言うの?」と誘導する。再びゆっくりと動き始めた指にぞくぞくして、「もっとぉ♡」快楽に溺れたどろどろの声を出す。

「うん、もっと?」
「もっと、いっぱいくりくりして、ほしぃ♡さっきの、気持ちいところ、いっぱい擦って♡♡」
「え〜、どこっだったっけ?こっち〜?ここ?」
「んぁぁ♡いじわるっ♡いじわるっ♡」
「でも十分気持ちよさそうだよ〜?まだ足りないの?」
「ぅんっ♡ぁ、足り、にゃい♡もうちょっと、うえの、とこ♡ぁ、ぁへ♡〜〜ッ♡♡」

 一生懸命おねだりをしたら、ついに南雲くんの指が一番気持ちいいところに当たった。「それ、それぇ♡そこ、好きぃ♡」やだとか駄目とかを言ったら、またやめられちゃう。快楽に素直な言葉を何度も繰り返していたら、その内唇を塞がれた。舌と舌が絡まって、唾液が混ざり合って、おまけに乳首までこりこりされて、もう訳が分からない。

(ぁ、もうだめ、だめだめ、何も考えれない……っ♡♡も、きもちよすぎて、頭おかしくなっちゃうぅぅ♡♡)

「ひ、んぁーーーーっ♡♡♡」

 あられもない声をあげて、頭の中が真っ白になる。

「イっちゃった〜?かわいい♡」

 涙が浮かんだ目尻に、南雲くんは優しく口づけた。
 そうして、未だにひくついているナカから指を引き抜くと、これ見よがしにそれを舐め上げる。

「ナカ、すっごいきゅんきゅんしてたね〜。そんなに気持ちよかった?」
「は……♡ぁ……♡」

 蕩けた瞳で荒い息を零すことしかできないわたしに、南雲くんは「僕も気持ちよくなりたいな〜♡」と意味深な笑みを浮かべると。あっという間に衣服を取り去って、すっかりそそり立った熱を当てがった。

「ひっ……」
「大丈夫、ゴムはちゃんとつけたから〜」
「そうじゃな、ぁ、まっ、そんなの、入んなぃ……っ♡」
「入るよ〜。ここだって、欲しい欲しいって吸い付いてきてる♡」
「ぇ、ぁ、あ゛ーーーッ♡♡」

 ずりゅりゅ、ずちゅ♡
 南雲くんの言葉通りに、彼の熱杭はわたしのナカを圧迫しながらも収まって、あっというまに奥まで押し進む。

「あー♡気持ち……っ♡君も、気持ちよさそう……♡」
「ん、ぁ♡ぁ♡奥ぅ♡」
「あは、奥が好きなんだ〜♡いいよ、いっぱい突いてあげるからね……っ」
「ひ、ぁっ♡ぁ♡ぁ♡はげし、はげしぃ♡」

 無遠慮に突き上げられて、悲鳴みたいな嬌声を出す。ぐちゅぐちゅと水音が響いて、ぎしぎしとベッドのスプリング音が響いて。それらが、もっと情欲を掻き立てる。

「ぁ゛♡ぁ、ひぃ♡んぁっ♡」
「ん……っ、ナカ、すっごい締まる……っ♡すっご、子宮口まで当たってるんじゃない、これ?ほら、ここ気持ちいね〜♡奥、とんとん♡ってされるの、いいよね?とんとん、とんとん♡」
「ぁ゛♡ぁ゛♡とんとん、しゅご……っ♡」
「うんうん♡気持ちいい時は何て言うんだっけ〜?ほら、もう分かるよね?やだ、だめ、じゃないよね♡」
「はっ♡はっ♡好きっ♡それ、好き♡きもちい♡きもちいの、もっと♡」
「あは、えっちでかわい〜♡♡ね、一緒にイこっか……っ♡」

 南雲くんがまた腰の動きを早くする。熱くて硬いのが奥を擦って、快感がどんどんどんどん昇ってくる♡ぱんぱん打ちつけられて、繋がったところからぐちゃぐちゃって音がして、もう気持ちいい声しか出てこない♡

「ひぁぁ♡〜♡♡ぁ♡ぁ♡も、イク、イクイクっ♡イッちゃ〜〜っ♡♡」
「ん、ぁ……っ♡」

 甲高い声を上げ、一際大きく体が跳ねる。それと同時に南雲くんが体を震わせた。どくん、と繋がったところが熱くなって、彼の言葉通り一緒に絶頂したらしいことを悟る。

(〜〜ッ♡♡こんなの、おかしい、のにぃ……♡)

 お酒に酔って友人と、しかも南雲くんとなんて。弄ばれて捨てられる、そんなこと分かっているのに、「あーんして、舌出して?」なんて甘えるように言われたら応じることしかできなかった。唾液までもが絡まって、また頭の奥がとろんとしてくる。お腹の奥がじんじん疼いてくる。

「またしたくなっちゃった?かわいい〜」

 よっぽど物欲しそうな目をしていたのか、南雲くんがくつくつと笑った。そうやって、わたしたちはまた体を繋げる。



 翌朝目覚めたら、「おはよう」と微笑む南雲くんがそこにいた。わたしが起きるより先にさっさといなくなるんじゃないかと思っていたけれどそうはならず、彼はすっかり体がだるくなってしまったわたしをエスコートするみたいに、家まで送り届けてくれた。
 ただ、それだけだった。何か関係が変わったわけじゃない。南雲くんはあの夜のことを気にする素振りも見せずに、相変わらず近い距離でわたしに話しかけてくる。思い出すのは、わたしだけ。肩が触れる度に、指が触れる度に、あの熱を思い出してしまうのは、わたしひとり。
 悔しくて虚しくて、忘れようと仕事を詰め込んで日々を過ごしていたら、ある日またバーに誘われて、わたしは性懲りも無く彼に着いていくことになる。

(なんで断らなかったんだろ……)

 クラシック音楽の流れる薄暗い店内で、わたしはそっと息を吐いた。
 この間比較的飲みやすかったスコーピオンをちみちみと飲んでいく。もう二度と、酔ったり流されたりしない。そんな風に決心していたら、不意に南雲くんが「カクテル言葉って知ってる?」と問いかけた。
 ちらりと視線を向けて、

「花言葉的なやつ?」
「うん、そう〜。カクテルにもそういうのがあってね」

 と、ごく自然な動作で彼はわたしのグラスに触れた。骨張った指がわたしの手の甲をなぞって、

「スコーピオンは、『瞳で酔わせて』」

 思わず、顔が熱くなる。

「……っ、そんなの、知らなかったし……」

 が、この反応が間違いだった。
 南雲くんはきょとんとした後、揶揄うように目を細めて、「うん、別にカクテル言葉で選んだなんて思ってないよ〜」と笑った。続けて、「でも、図星だった?」と耳元で囁かれて、身体の奥がきゅうとなる。
 何を言っても負ける気がして、俯いて黙っていたら、「ちなみに僕は分かって選んでるよ〜」と暴露された。

「この間君に勧めたモーニンググローリーフィズは『貴方と朝を迎えたい』」

 どっ、と心臓が鳴る。あれは、単に飲みやすいお酒を選んでくれたわけじゃなかったらしい。そういうお誘いが、裏に隠されてた。じゃあ、今彼が飲んでるやつは?

「これはね〜、アフィニティ。気になる?」

 気にならないと言ったら嘘になる。おずおず頷いたら、ぐっと身を寄せた彼がこれでもかというくらい甘く告げた。

「……『触れ合いたい』」

 ど直球な言葉に、喉の奥が小さく鳴る。
 南雲くんはわたしの前にそのカクテルを移動させると、「飲んでみる〜?」といつもの調子で尋ねた。でも、その目の奥に確かな熱が宿っていることをわたしはもう知ってる。だって、これはそういうお誘いだから。カクテル言葉まで教えて、わたしに選択権を与えて。
 ずるい、ひどい。
 そうは思っても、あの夜の熱が思い出されてどうしようもなくて。結局わたしは、彼が差し出したアフィニティを受け入れることになる。

「ほら、どこをどうされたいの?」
「〜ッ♡んぅ……っ♡は、ぁ♡」

 南雲くんの指が、唇が、身体のあちこちをなぞっていく。けれど、決定的な快楽は未だに与えられていない。もどかしく太腿を擦り合わせるわたしに、彼は「してほしいことがあるから、誘いに乗ったんだよね〜?」なんて、意地悪だ。

「ね、言わなきゃずっとこうだよ〜。僕はそれでも楽しいけど」
「ぁ♡ぁん……っ♡」

 さっきから彼の手はわたしの胸を包み込んで遊んでいる。時折指が先端の周りをくるくると円を描くようにして動いて、それがひどくもどかしい。もっと触って、もっとちゃんと触って。前みたいに、ぎゅうってしてほしい♡

「ね、お願い。ちゃんと言って?」

 言葉と同時に、耳朶が舐められた。「はぁんっ♡」びりびりと体に電気が走るような快感があって、口が開く。「は♡ぁ♡」とだらしない声が出て、もう、だめ♡

「南雲くん、ちくびぃ♡乳首も、さわって♡ぁんっ♡ぁ〜〜っ♡それ、それきもちぃ♡ん、ん〜〜っ♡」

 きゅう〜って指でつままれて、視界がちかちかした。自然と腰が動いちゃって、恥ずかしいのに止められない。

「ぁっ♡はっ♡」

 それから、ぷっくり膨らんだ先端を指の腹でくりくりこね回されて、どうしようもなく気持ちがいい♡

「あは、だらしない顔、かわいい〜♡乳首くりくり、気持ちいいね〜♡ほら、気持ちいい時はなんて言うの?」
「ぁっ♡ひぁ♡それ、それぇ♡」
「こーら。それ、じゃなくてちゃんと言って?弱い乳首もっといじめてほしいですって、言えるよね〜?」

 あ、やだやだ♡そんな恥ずかしいこと、言わない♡言いたくないっ♡
 そう思うのに、頭はどんどんぼーっとしてくる。そんな状態でとどめとばかりに「上手に言えたら、舐めてあげる」なんて囁かれたら、もうダメだった。

「ぁ、ぁ♡言う、言うからぁ♡ちくび、弱いの♡好きぃ♡ひ、ぁ♡きもちぃ♡もっと、もっとぉ♡」
「えっちなこと言っちゃった〜♡かわいいね、名前ちゃん♡ほんっと、かわいい……♡」
「ぁ♡ぁ゛♡ひゃ♡それ、ぁ♡舌で、くりくりされるの♡」
「うんうん、気持ちいいね〜?ほら、こうやって指できゅうってされるのと、舌で舐め回されるの、どっちが好き〜?」
「ひぁ♡ぁ、どっちも♡♡どっちも、しゅごい♡♡ぁ♡や、きもちぃ♡へんに、なっちゃ♡♡ぁ゛っ!?〜〜ッ♡♡」

 突然、下腹部からもバカみたいな快楽が襲って悲鳴をあげる。

「ひっ♡」

 くちゅくちゅと響く水音。南雲くんの指はいつの間にか蜜つぼへと伸びていて、感じすぎてぐずぐずになったところを擦っている。

「ぁ゛♡ぁ゛ーーーッ♡や、へん、それぇ♡ひぅ♡」
「こーら、逃げないで。いっぱい気持ち良くなって?乳首でイケるように、練習しよ〜?」
「ぁっ♡ぁ♡ぁ♡も、んぁ♡しゅご、ぃの、きちゃぅぅ♡ひぁ♡ぁ、だめだめ、やらっ♡そんな、舐めちゃ、んぁ♡ひぁぁっ♡」

 乳首ぺろぺろされて、下もくちゅくちゅ虐められて、もう無理…っ♡気持ちい、気持ちい、気持ちい♡♡

「ぁ♡イクッ♡イク……ッ♡ん、んぁーーッ♡♡」

 悲鳴みたいな声で絶頂して、体に快感が駆け巡る。

(ぁ……♡もぅ、わたし、おかしぃ……♡)

 よしよしって頭を撫でてくれる南雲くんに身を任せていたら、口の周りを舐められてそのまま唇が重なる。南雲くんは、キスも上手。
 覆いかぶさった彼の背中に腕を回す。寝転んだ彼は体を寄せて、わたしを恋人みたいに抱きしめた。その胸板に顔を押し付けて、わたしは目を閉じる。



「ひぁ♡ぁっ♡ぁ♡んっ♡ぁ〜ッ♡♡」

 後ろから腰を打ちつかれて、その度に嬌声が零れる。ベッドに押さえつけられて、ぴったり密着されて、逃げ場はなかった。ナカをぐちゃぐちゃに突かれるだけでもやばいのに、南雲くんは両手で胸を揉みしだいてくる。

「ぁうっ♡ぁ、ひっ♡」

 その手が先を触らないのは、いつものこと。わたしは口を半開きにしたまま、「なぐもくん、なぐもくん♡も、おねがぃぃ♡」だらしなく、教え込まれたおねだりをする。

「ぁっ♡ぁ゛っ♡ちくび、ぎゅーって、してほしぃ♡ひぁっ♡」
「うん、上手におねだりできたね〜♡はい、ど〜ぞ♡」
「んぁぁ♡きもち、きもちぃ♡すき♡も、イッちゃ、ぁぁ♡♡すぐ、イッちゃぅ♡♡」
「いいよ、ほら。好きな時にイッて?」
「ぁっ♡んぁぁっ♡♡」

 ぎゅうって先端が摘まれると同時に一際強く腰を打ちつけられて、意識が飛ぶくらいの快感が走る。それでも、南雲くんは腰を緩めない。

「ひ、ぁ♡イッた、イッたのにぃ♡」
「うん、知ってる〜♡でも、僕はまだイケてないし〜……っん、は……っ♡」
「ぁ♡ぁ♡ぁ♡むり、むりぃ♡おかしぃ、おかしくなっちゃぅ♡♡」
「そうだね〜、イッてるとこがんがん突かれて、気持ちいね〜♡……っ、は、そろそろ、僕も……っ」
「ひ、ぁっ♡ぁ♡ぁ゛ーーッ♡♡」
「んぁ……っ♡」

 耳元で南雲くんが吐息を零した。その体が小さく震えている。
 お互い荒い息を零しながら、引き寄せられるみたいに唇を重ねた。

 ……あれ以来、南雲くんは定期的にわたしを抱く。「今日飲みに行こ〜」ってバーに誘われて、「飲む?」とカクテルを差し出されたらそれが合図。今日は何だったっけ。シェリー、だったっけ。
 飲まないって言ったらいいだけ。もっと言えば、そもそも飲みの誘いを受けなければいい。それができないのはきっと、南雲くんが与えてくれる快楽にもう溺れてしまっているから。心の中で「今日で最後」と繰り返すのは、何回目になるか分からない。そうやって、また、今日も。

「ぁっ♡ぁ♡なぐも、く……んっ♡はや、くぅ♡」

 ぐずぐずにされた蜜つぼをひくつかせて、両脚を広げたままみっともなく手を伸ばしたら、「素直だね〜♡」と笑った彼が自身のものを押し当てた。「んぁ♡ぁっ♡」硬くて熱いのが、ずぶずぶナカに挿ってくる。

「はっ♡ぁ♡〜〜ッ♡♡ぉく、までぇ♡」
「すんなり挿ったね〜。ナカ、すっかり僕の形になってる」

 恍惚とした眼差しを向けて、南雲くんがゆっくりと腰を揺する。じわじわ攻められて、気持ちが良くて、視界がちかちかする。

「ん、ぁ♡なぐも、くん♡きもちぃ♡」
「よかったー♡僕も、気持ちいよ」
「ぁ゛♡ぁ、それ♡そこ、そこぉ♡」
「んっ、ここ?ここ、が、なぁに?」
「ぁ♡ぁ♡ぁ〜〜ッ♡しゅご、ぃ♡ひんっ♡とんとん、やばぁ♡♡ぁ、あっ♡もっと、もっとして♡いっぱい、ついて、ほし……、ぁあ゛〜〜ッ♡♡」
「かわいい〜♡ほら、いいところぐちゃぐちゃに突きながら、乳首もいじってあげる♡」
「〜〜ッ♡♡ぁ、それぇ♡それ、すき、好きぃ♡きもちぃ♡ぁ゛、ひっ♡」
「うん、いっぱい気持ちよくなってね〜♡好きな時に、イッていいから……っ」

 涙で滲む視界の中で、南雲くんが僅かに眉を寄せて唇を噛んだ。ああ良かった、南雲くんも、気持ちよくなってくれてる。

「……んっ♡あは、今、ナカすっごい締まった……っ」
「ぁ♡なぐも、くん♡んっ♡んぅ♡ぁ♡」

 貪るみたいなキスをされる。舌が絡まって、唾液が混じりあう。自然と下腹部が疼いて、彼の熱をもっともっとって求めてしまう。

「ぁ♡も、イッちゃう♡なぐもくん、イッちゃぅ♡♡」
「ん、いいよ、好きなだけイッて……っ」
「〜〜ッ♡♡」
「……っ、僕、も……っ♡」

 激しく打ちつけられて、身体中に快感が走った。声にもならない声を発して、わたしは達する。



 そんな日々が続いていた、ある日のことだった。

「よければこのまま、食事でもどうですか」

 任務先で知り合った男性から、そんなお誘いを受けたのだ。
 殺し屋を生業としてる割には物腰が柔らかな人で好印象だった。落ち着いて大人びていて、黒いスーツがよく似合っている。

(……そういえば、今日は南雲くんから誘われてないな)

 真っ先にそんなことを思ってしまって、思わず唇を噛んだ。いつのまにか彼からの誘いを喜んでしまっている自分がいて、それが嫌になる。いい加減やめようと、この間も思ったところなのに。
 それからふと、これはチャンスかもしれないと思った。仮にこの後南雲くんから誘われたとしても、別のひとと食事に行ってるから無理だと断れるし、何より今後もこの人との付き合いが続くならそれを理由に南雲くんの誘いを断ることができる。
 そう考えたら、言葉はするりと口を零れていた。

「ぜひ、ご一緒させてください」
「良かった。お勧めのお店があるんです」

 ほっとしたように笑った彼は、近すぎず遠すぎない、絶妙な距離感でわたしの隣を歩いてくれる。彼のお勧めだというお洒落なレストランに着いた際には、当然のように扉を押さえてエスコートしてくれた。お酒もそれなりに飲んだけれど、そのままホテルになだれ込むなんてことはなくて、彼はわたしと連絡先の交換すると「よければまた誘わせてください」とタクシーで駅まで送ってくれた。
 本当に、何から何まで紳士的なひと。南雲くんとは大違い。
 アパートの階段を登りながら、ちょっとだけ浮かれていたのは事実だ。これでやっと、まともなお付き合いができそう。
 そんなことを思って玄関の扉を開けた時。
 背後で人の気配を感じて、あっと思った時にはそれ・・はわたしごと部屋の中に入り込んでいた。

「さっきまで一緒にいた男、誰?」

 壁際に押し付け、どこか暗い目で見下ろしてくるのは南雲くんだった。抵抗しようと身を捩るも、一層強く押さえつけられてどうにもならない。というか、いつから、どこから見ていたんだろう。あと、若干機嫌が悪そうなのも意味がわからない。

「……何で答えないの。まさか彼氏?」

 尋ねる南雲くんの瞳に、少しだけ動揺の色が浮かぶ。それが、無性に腹が立った。自分は適当にわたしのこと抱くだけのくせに、どうせ誰でもいいくせに。わたしに彼氏がいたからって、そういう誘いを断られたからって、何だというのだろう。
 ほとんど反射的に、「そうだとしても、南雲くんには関係ない」叫ぶようにそう言っていた。そうして、たかが外れたみたいにわたしは続ける。「すごく紳士的なひとなんだから」「南雲くんと違って大事にしてくれる」「もう会いたくない」感情のままに吐き出される言葉を、南雲くんは黙って受け止めて。全部言い切って徐々に冷静さを取り戻したわたしは、彼が何も言ってこないことに段々と恐怖を覚えるようになる。そして、その嫌な予感は的中した。

「言いたいこと、それで全部?」

 めずらしく抑揚のない声が降ってきて、思わず顔をあげる。冷たさすら感じる瞳がわたしを見下ろしている。
 たまらず逃げようとするけれど、力でも技術でも彼に勝てるわけがなくて。

「そんなにあいつのことが好きなんだ」

 言うや否や、南雲くんがわたしの唇を塞いだ。突然のことに、ひゅっと喉が鳴る。彼の舌が唇の隙間をなぞって、口内へと侵入する。

「ふ、ぁ……っ、やぁ、んん……っ♡」

 いつもみたいに舌が絡めとられて、自然と下腹部が疼いてくる。それを悟られないように体に力を入れても、彼の舌が口内を乱すたびに体がびくびく震える。甘い声が出る。「あは、あいつがかわいそうだな〜」口付けの合間に、彼はそんなことを言う。涙を浮かべた瞳で意味を問いただすように睨んだら、「だってそうでしょ」と、彼は今日はじめての笑みを浮かべて、

「僕とのキスだけで、こんなにとろとろになっちゃうくせに」

 意地悪くそう言った南雲くんに、思わず押し黙る。
 悔しい。恥ずかしい。けれど、その言葉は事実でもあった。彼が唇を離す頃にはわたしの体はすっかり力が入らなくなっていて、彼の支えがなかったら立つことすらできない。

「どうせここも……、ああ、ほら。かわいいことになってるよ〜」

 南雲くんが雑にシャツを剥ぎ取って、ブラジャーを解いた。膨らみの先端は、果実のようにぷっくりと膨らんで主張している。

「ん、ぁ♡はぁ……っ♡」

 やわやわと胸を揉みしだかれ、噛み締めたはずの唇から声が漏れた。次いで耳元に息を吹きかけられて、「ひぅ♡」どうしたって体が反応する。
 やだやだ、これ、駄目なやつ。もどかしくて、もっと刺激がほしくて、何度も何度も教え込まれた言葉を言ってしまいそうになる。

「ぁ、やぁ♡なぐも、く♡ひぁ♡♡」

 彼の骨張った指が、わざとらしく胸の先端を掠めた。一際甘い声が出る。

「なぁに?彼氏以外に触られて感じてるの?」
「ぁ♡んっ♡ちがっ♡」
「違わないでしょ」
「ひ、ぁ゛ーーーッ♡♡ぁ♡ぁ♡」

 南雲くんの指が胸の先端を引っ張って、たまらず背中を反らせて喜んだ。ぞくぞくとした快感が全身を走って、うそ、わたし、今イッた……?

「あーあ」

 悪戯に声が降りかかる。

「彼氏でもない男に乳首弄られてイッちゃったんだ〜。ほんっと、えっちな子になっちゃったね」
「ぁ、だから、ちが……っ」
「あれ〜?僕の勘違いだった?ちゃんとイかせてあげれなくてごめんね」
「ぁ゛〜〜ッ♡ぁ、ひ♡それ、それぇ♡」

 言うや否や、南雲くんは胸の先に齧り付くみたいにキスをした。生温かい舌が果実のように膨らんだそれを転がしたり吸い上げたりする。

「ぁ゛♡ぁ、んぁぁ♡♡ァッ♡!?」

 いつのまにかベルトが外され、スーツが半端に下げられていた。南雲くんの手がショーツの中に滑り込んで、ぐずぐずに糸を引いている蜜つぼを撫でる。悲鳴みたいな声が上がった。

「ぁっ♡ぁ♡ひ、ぁぁ♡♡そんな、こすっちゃぁ♡♡ん♡んっ♡」

 だめ♡だめ、これ♡刺激が強すぎる♡何度も教え込まれた気持ちいい感覚が昇ってきて、我慢なんてできるわけない。半開きになった口から、「きもちぃ♡♡」なんて情けない声が溢れる。

「ぁっ♡ぁ♡〜〜ッ♡♡ふぁぁ♡♡」

 ぎゅうっと南雲くんにしがみつくみたいにして絶頂する。「は…♡ぁ…♡」と掠れた声を出して震えるわたしに「今度こそイケたね〜♡」と南雲くんは目を細めて。
 それから、いとも簡単にわたしの体を抱きかかえると、奥の部屋まで運んでベッドに押さえつけた。雑に服が脱がされる。南雲くんもシャツを取り払う。床に投げ捨てられた衣服がぐちゃぐちゃに絡まる。

「ねーえ」

 甘えるみたいな声をした南雲くんが、すっかりそそり立ったそれを蜜壺の入り口に押し当てた。

「〜〜ッ♡」

 触れられた部分が酷く熱い。硬いのがゆっくりと動いて、早く欲しいと言わんばかりに反応してしまう。

「もっと気持ちいいの、ほしいよね」
「ぁっ♡〜〜ッ♡ひぅ……ッ♡」

 先っぽが、ゆっくりと挿ってくる。やがて訪れる馬鹿みたいな快感を待ち焦がれていたら、不意に彼は熱杭を引き抜くような動きをした。

「ぁ♡や、なんでぇ……♡」
「え〜、だってほしいって言ってくれないし」
「んぁ♡ぁっ♡はっ♡」

 彼の大きな掌がが胸を掴む。

「僕の、ほしいの?彼氏じゃない男に犯されたいんだ〜?」
「ひぅっ♡ぁっ♡ぁ♡むね、そんな、乱暴にぃ……っ♡」
「こうやって虐められるのも好きだよね〜。ほら、ほしいならちゃんと言って?教えたでしょ」
「ぅあ♡ぁ♡んっ♡」

 くちゅ、くちゅ…って、南雲くんが体を揺するたびにどろどろになった蜜が絡む音がしている。耳元に、南雲くんの熱い吐息がかかる。
 もっと、もっとしてほしい♡
 段々と頭の中がそればっかりになってくる。これまで幾度となく与えられた快感を思い出す。教え込まれた言葉だけが脳内を支配する。

「ぁっ♡ぁ〜〜ッ♡なぐも、くんっ♡なぐもくん♡♡」
「うん、なぁに?」
「南雲くんの、ほしぃ♡ナカ、いっぱい、突いてほし、〜〜ぁっ、ぁ゛〜〜♡♡」
「よく言えました〜♡んっ♡奥まで、いっぱい、してあげる……っ♡」
「ぁっ♡それ、好き♡それ好きぃ♡ひぅ♡ぁ♡ぁ♡」

 ずん♡ずん♡って遠慮なく突かれて、気持ちいいのが止まらない。

「ねえ、気づいてる?君、自分から腰振ってる♡」
「ぁ♡あっ、だってぇ♡きもちぃ♡これ、きもちぃ♡」
「あは、嬉しいな〜♡そんなに僕のが好きなんだ♡」
「んぁっ♡ぁ♡ぁ♡好きっ♡〜〜ッ♡ひぅぅ♡ぁ、それ♡しゅごっ♡ぁ♡ぁ♡」
「ん、素直ないい子にはご褒美あげなきゃね〜♡次、何してほしい?」
「ひぅ♡ちくび、舐めてほし、〜〜ッ♡♡ぁ゛♡ぁ、それぇ♡♡」
「これ?君ほんっと、乳首弱いよね〜♡かーわい♡」
「ぁ♡ぁ♡きもち、きもちぃ♡もっと、もっとしてぇ♡……っ、ぁ♡ぁ、なんで、やめ、んっ♡ん、ふぁ♡♡ぁ♡」

 すっかり開発された乳首を舐めてもらえて蕩け切っていたら、不意に南雲くんは舌を離した。一気に切なくなって半泣きになったわたしの唇を南雲くんは貪るように塞いで、舌をねじ込んでくる。唾液が絡まって、口内までも犯される。頭の中が甘く痺れる感覚。キス、気持ちい♡キスされながら突かれるのも、好き♡♡

「とろとろになって、かわい〜♡気持ちい?好き?」
「ぅん♡きもちぃ♡すき♡」

 何を聞かれてるのか、何を答えてるのかすらも段々曖昧になってくる。ただただ彼の言葉に頷いて、与えられる快感に身を任せるだけ。だってそうやって教え込まれたから。本能が、それが正解だって言ってるから。
 南雲くんが、乳首をぎゅうって摘まんでくれる。「ひぁぁ♡」キスの合間に悲鳴のような喘ぎ声を零してわたしは悦ぶ。すごい、すごい。もう、全身気持ちいい♡びくびくが止まらない♡

「僕とのセックス気持ちいね〜。ほら、言って?『南雲くんとのセックスがいちばん』って」
「ひぅ♡きもちぃ♡なぐもくんのが、いちばんきもちぃ♡」
「『南雲くん、好き』」
「好きぃ♡なぐもくん、好き♡好き♡」
「うん、僕も好きだよ、大好き〜♡♡」
「ぁ、ひ♡ぁ♡ぁ♡も、んぁぁ♡♡」

 快楽の波が襲ってくる。いちばん気持ちいのがきちゃう。
 南雲くんの動きに合わせて媚びるみたいに腰を揺すったら、「イッちゃいそう?」と甘く囁かれた。こくこくと頷いて、「きもちいの、ほしぃ♡♡」なんておねだりをする。南雲くんは目を細めると、唐突に「じゃあ付き合う?」なんて問いかけた。

「ひぁ♡ぁ♡付き、合う……?」

 一瞬意識が引き戻されたのは、行為の最中に聞き慣れない単語だったからだと思う。
 南雲くんが腰の動きを緩くする。それから、「さっき僕のこと好きって言ったじゃん」と拗ねたように呟いた。ゆっくりした動きながら、彼が当てがった熱杭は時折弱いところをずりゅ…♡と押し上げる。「ぁ゛♡そ、こぉ♡」もっとしてと腰を揺すろうとするのに、彼が腰元を押さえつけるせいで身動きが取れない。

「ぁ、やだ♡これ、やだぁ♡」
「もどかしい?もっとしてほしい?」
「してほしい♡もっと、いっぱい突いてほしぃ♡イキたい、イキたぃ♡」
「ほら、もうそんなこと言うまでになっちゃってさ〜。こんなえっちな子、僕じゃないと駄目だよ」
「ひぁ♡ぁ♡ぁ♡なぐもくん、それぇ♡それ好き♡すき♡」
「これ、ね〜。ね、僕のことは?僕のことも好きだよね?好きって言わなきゃ、続けてあげない♡」
「ぁ♡ぁ♡すき、すきぃ♡南雲くん、すきっ♡やめないで、ぁ♡ぁ゛♡〜〜ッ♡」

 再度彼の熱杭が蜜壺の中を搔き乱す。待ち焦がれていた快感に、今度こそ何も考えられなくなる。
 さっき、何に違和感を覚えたんだっけ?もう、分かんない。分かんなくても、きっと問題なんてない。

「名前ちゃん。今度は、ちゃんと言えるよね〜?……僕と、付き合う?」
「ひぁ♡♡」

 どろどろになった奥を何度も擦られて、舌を絡められて、胸を弄ばれて。全身が性感帯になったみたいにどこもかしこも気持ちが良くて、難しいことなんて考える余裕がない。でも、今度はちゃんと言わなきゃ。それで、今度こそちゃんとイカせてもらいたい……っ♡

「んっ♡ん♡すき♡つきあう、なぐもくん、つきあうからぁ♡ぁ゛♡ぁ゛〜〜ッ♡そりぇ、しゅご♡♡ぁ♡くる、しゅごいの、きちゃぁ♡♡ぁ♡ぁ♡ひぁぁ♡も、イッちゃ、ぁ゛〜〜〜ッ♡♡♡」
「……っ♡ナカ、すっご……っ♡」

 溺れる子どもが助けを求めるみたいに、南雲くんの背中に腕を回してしがみつく。焦らされまくったせいか、今まで以上の、怖いくらいの快感が襲い掛かって来て意識が朦朧とする。それでも、南雲くんは腰を止めない。

「ぁ゛♡ぁっ♡イッた、も、イッてる♡ひぁ♡ぁ♡も、むり♡むりぃ♡へん、へんに、なっちゃ♡ひぁ♡ぁ、ぁ゛〜〜ッ♡」
「無理じゃなぁい♡ね、もうちょっと、がんばって♡僕も、そろそろ、イクから……っ♡」
「ぁっ♡ぁっ♡ひぅ♡」
「〜〜ッ♡はっ♡きもちぃ♡」

 南雲くんの息が荒くなる。彼も限界が近いらしい。うれしい、わたしで感じてくれてる♡最早全く働かない頭の中で、そんなことを思う。

「ねーえ♡ナカ、出していいよね?僕と付き合うんだもん」

 そう強請られて、南雲くんがゴムをしていなかったことをようやく知る。たぶん、普段だったなら「さすがにダメ」と暴れたのだろうけれど。今のわたしが正常な判断なんてできるはずがなくて、「んぁ♡ぁ♡」喘ぎながら、こくこく頷くだけだった。

「かわいい〜♡ね、おねだりしてみてよ。『ナカに出して』って」
「ぁ゛♡〜〜ッ♡ひぁぁ♡ぁ、ナカ、ナカにぃ♡んぁぁ♡出し、へ♡ひぁ♡ぁ♡ぁ゛っ♡」
「あは、呂律回ってない…ッ♡いいよ、い〜っぱい出してあげるから、全部、受け止めて……っ♡んっ♡」
「ぁ゛っ♡ぁ゛♡ひぅ♡んぁぁ♡きもち♡きもちぃ♡あへっ♡ぁ、ぁ、ぁあ〜〜〜ッ♡♡」
「は……っ♡で、る……っ♡〜〜ッ♡」

 南雲くんがぶるりと体を震わせた。「んぁぁ……♡」すごい、熱が入ってくる♡どくどく、奥に出されてる♡

「は、ぁ……♡ぁ……♡ん♡」

 だらしなく唇を半開きにしたままのわたしに、南雲くんがキスをする。舌絡め取られて、気持ちいい、うれしい♡

「もう逃げないでね、名前ちゃん」

 キスの合間に告げられた言葉は、ぼうっとする頭の中にはきちんと入ってこなかったけれど。うん、うん、と何度も頷いていたら、南雲くんは「もっかいしたくなっちゃった」と体勢を変えてまた奥を突いてくれて、それが、気持ちよくて、幸せだ。


2024.01.29



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