邂逅
寒気を加えた風が、崩れた四年前――ここ三門市に、後に『
つまり、四年前のあの日以来、住民の暮らす市街地で
(昨日で6件、今日も夜中に1件、昼間に三門第三中学校で1件、こっちは計2体出現。続けざまに川のところで1体、木虎ちゃんが撃破。その後別の場所でも爆撃が続いて、最初の報告でも18名が死亡、重軽傷者は100名以上……)
忍田さんからの報告を思い出し、小さく溜息を吐く。早く原因を見つけなければ、より被害が拡大することだろう。けれど悩ましいことに、開発室総出でもこのイレギュラーな
上司の忍田さんに頼まれて、わたしも昨日の夜から
(昨日の夜なんかは、調べるどころか
抉られてボロボロになった壁から、校舎の中へと侵入する。今日
誰もいない夜の学校は静かで不気味で、今にもお化けが出てきそう。正直ちょっと、テンションがあがる。
パキ、パキ。散らばったガラスを踏み抜いて歩いていたら、どこからかガタリと音がした。
「……?」
重たいものを動かすような音。耳を澄ますけれど、向こうもこちらに気がついたのか音は止んでいる。けど、この真っ直ぐな廊下で隠れられる箇所なんて限られている。不自然に盛り上がった瓦礫の後ろか、その奥の階段の踊り場。並んだ教室の中という可能性もゼロではないけれど。
「……こんな時間に学校にいるなんて、幽霊?それとも、昨日から
わざと挑発するみたいに声を上げて、廊下を突き進む。ネズミ一匹だとしても、わたしの目からは逃げられない。とっ捕まえて、何もかも吐かせてやる。
瞬きなく足を進めたら、不意に小さな瓦礫が飛んできた。払い落した直後、視界の隅で走り去る白色を捉える。
(……ッ、制服?)
随分小柄な体躯だったけれど、服装は確かにこの中学校の制服だった。幽霊でも
眉を寄せながらも、逃げた少年を追いかけようとして。
ピピピ!
突然、スマートフォンに着信が入った。迅からだ。
「……はい」
追跡を中断し、通話に出る。「よ〜、お疲れお疲れ」軽い調子で告げる彼に肩を竦め、ぽっかりと穴の空いた壁際まで戻った。吹き抜けてくる夜風が気持ちいい。
「今、イレギュラー
「うん。ちょうど三門の第三中学校」
「それ中断して、戻ってきていーよ。というか、戻ってきてほしい」
「……さっき変な人影みたけど、それが関係してる?」
「まあ、そんなとこ。イレギュラー
「エ」
さらりと告げられた言葉に、苦虫を嚙み潰したような声が出た。「何今の声」と電話の向こうで迅が苦笑する。
「なんにも……ッ、なんにも役に立てなずにいいところ全部持ってかれる……ッ」
「なんだそんなこと」
「そんなことじゃないし!」
ムキー!と怒りの声を上げて、校舎の廊下から飛び降りる。