履いてない

 ……こいつ、はいてねえ……。
 すべすべとした太ももとその周辺のギリギリを行ったり来たりする。布地がないか探せども、触り心地バツグンの肌の感触しかしない。
 天を仰いで、大きく息を吐く。この部屋に、この格好。どう考えても『そういう意味』しかない。これで「そんなつもりじゃなかった」なんて言うやつじゃない。まごうことなき据え膳だ。
「すけべ」
「っ……起きたのか?!」
「……なんどもやらしく触られてぐーすか寝てられるほど呑気じゃねえんだわ……」
 一切言い訳のできないセクハラ行為を現行犯で咎められ、自分でも驚くほどの速さで手を引いた。起こすつもりで仕掛けたが、よもやはいてないなんて思うまい。
 うめきながら起き上がり、寝起きらしい重たげなまぶたを長い袖でこする。指より長くふわふわとゆれるのがいかにも頼りなげで庇護欲がそそられた。横たわっていたときは気にならなかったが、こうしてみると首回りが大きく開いている。綺麗な鎖骨は労せずして見えてしまっているし、もうワンサイズ大きければ胸元もあらわだっただろう。小柄なだけで細くもか弱くもない身体が、着るもの一つで寄る辺ない幼さを醸し出すのに覿面にヤラれてしまう。
「で」
「で?」
「アマグニセンセイ的にどうかって聞いてんだよ」
 どう。
 どうと言われたらお前それは。
「抱く」
「ヒャハ!除夜の鐘も形無しってなあ……でもま、優しく抱いてくれよ、ダーリン?」
 たぶん生足に目がくらんだ時点でタガが外れていたのだ。悪戯が成功した子供と同じ顔で笑う恋人を、そのまま腕の中に引きずり込んだ。

 かわいい子牛を抱きしめて、フードの上から頭、額、まぶた、鼻頭、頬、くちびるとキスを降らせる。
 熱い息をこぼすそこに割り入ろうとついばみ続けると、不満そうに止められた。
「待てよ」
「あんだよ」
「サービスしてやる」
 どけ、と突き放されて後ろに倒れ込む。こういうとき、つくづく広いベッドでよかったと思う。そもサービスというならもっとホスピタリティ精神を持ってほしいものだが、オーバーサイズのパーカーにもたつきながら腹に跨る姿に溜飲が下がった。
 どうやら跨ろうと足を開くと裾がきつく、ずり上がってしまうらしい。おそらく、いや間違いなく下には何も着ていないから焦ったのだろう。控えめに股間のあたりを引っ張りながら、それでも尊大に微笑んだ。
「動かなくていいぜ」
「そりゃどうも」
 深いフードの奥、挑むような、誘うような、蠱惑的な金色が、愉しそうに細められる。興奮を隠さない呼吸と体温が、いっそうぶわりと強くなった。
 何時間前からか、抱かれるためだけに、ベッドの上でいやらしい格好で待っていたのだ。くすぶったまま眠った火が、叩き起こされ燃え上がる。
 長い袖からもぞもぞとマニキュアの落とされた無垢な指先が這い出て、その幼さと反する婀娜な仕草できっちり上まで上げきられたジッパーにからみついた。
 つぅ、と下され、開かれる中から上気した肌が覗く。胸、腹、そして、いまだ隠すように手を置かれた下腹部。
 パーカーの前はもう半分に分かれている。ジッパーを掴んでいた方の手も重ねられて、肝心要の場所だけが閉ざされたままだ。本物のストリップさながらに焦らしやがって。
「……見えねぇぞ」
 秘所を隠したまま、ゆらゆらと揺れる身体を急かそうと声をかけるも返事がない。むしろだんだんと揺れが小刻みになっていく。ひ、ひ、と喉まで鳴らしだして、本格的におかしいと思った瞬間ー
「ひっくしょい!」
「きったねえな!!」
 盛大にくしゃみをした。ギリギリ片手の袖で押さえたが、風圧と飛沫が上から降ってきた。
 そりゃな。いくらエアコンつけてたって、全裸にパーカーだけで、あんだけ襟ぐりあけて足丸出しにしてりゃあな。鼻をすすりながらクソ、と吐き捨てる顔がところどころ赤く染まっているのが年相応より幼く見える。
「んな格好してるからだよ」
「"んな格好"に興奮したくせに」
 かわいくないことを言うふてくされた顔がかわいくて仕方ない。
 時折ひどく積極的に、大胆に、肌を合わせようとしてくる。二人で並んでいてご兄弟ですか?なんて言われた後にこんなふうになる。その場では似てねえだろなんて茶化すくせに、二人きりになったとたん、目がお前は自分のものだと訴えてやまない。けして焦燥なんてしおらしいもんじゃない、獰猛な独占欲だ。まだ子供の、それも跡取りの坊さんのくせに十六も上のおっさんに執着して。
「本当にとんだ大たわけだよ……」
 必死で隠そうとする秘所を見ないよう、触れないようにしながら再度パーカーのジッパーをしめなおす。抵抗しないのはくしゃみを直撃させた後ろめたさか。じじ、とてっぺんまで上げきると、不満げな目とかち合った。
「……やんねえの」
「また唾かけられたらたまんねえからなぁ」
「いつも唾よりとんでもねえもんかけられてんのに?」
「色っぽいもんはいいんだよ」
 所在なさげな身体を引き寄せて、腕の中に押し込める。広いベッドの上、目の前にいるのに迷子みたいなツラをするのはやめてほしい。ずりずりとベッドヘッドに寄りかかり、抱きしめた子牛をもみくちゃにする。
「う、わっ!なにすんだ!」
「あっためてんだよ。唾かけられたくねえから」
「しっつこ……」
「お前がひっかけたんだろうが……」
 このクソガキ、と弱い腹をくすぐった。パーカーごしでも効果はあるらしく、ヒィヒィ言いながらのたうち回る。体育座りするように足をたたんで、動かせないように手を挟みこまれた。
「どうだ、動けないだろ……!」
 ヒィ、ゼェ、と情けなく息を上げているのに偉そうでびっくりする。ぎゅうぎゅうと腹と太ももに拘束された手のひらはたしかに動かせない。だが、
「尻、出てんぞ」
「あっ」
 膝をばたつかせれば裾がまくれる。そのまま足をおりたためば、自然と太ももと尻があらわになる。こちらから全てが見えるわけではないが、ちらちらと覗く肌が増えたから間違いないだろう。当然、変わらず下は全裸だ。
「そんなにちんぽほしいかぁ……」
「ちげぇよバカ!」
「はいはいわぁってるよ」
 こういうところがまだまだガキで、かわいくて、そそる。一生懸命に対等になろうとしたり、年々大人びて強くなる挑発的な色気もたまらない。けれどもやはり苛烈な太陽のような少年だった恋人に惚れたのだ。分別がつくまで手を出さないとしたことを後悔はしないが、どうしようもなく魅せられた光が変わらず手の中にあるのが嬉しい。
 動揺でゆるんだ拘束を抜け出して、パーカーの上から臍の少し下あたりを両手でさする。円を描くようにくり返すと、時折ぴく、びく、とふるえだした。一度は伸ばした足をまた引き寄せてきゅう、と小さくなる。
「ここ、いつもちんぽ挿入ってるとこ」
「しってる……っ」
「俺のちんぽ、大好きだもんなぁ……?」
「そういうの、キショい、んだよッ」
「ホント素直じゃねえなあ」
 照れ隠しで意地を張ってそんなことないと言い募るほど、余計に恥ずかしくなるというのに。大人しく撫でられるだけで気持ちよくて、胎の中を犯されているのを思い出してイキそうだと言えばいいのだ。
 いくら裾がたわんでいても勃起しているのくらいはわかる。フードだけはかぶったまま、まさに頭隠して尻隠さず。とっくに全身ですけべなことをねだっているのだから、隠さず出せばいいものを。
 撫でる手を止め、ぐ、と押し込むようにする。胎の中の泣き所を外から刺激するのは、夜を共にしはじめてからの仕込みだ。ここがいいのだと内から外から意識するように教えてやると、色恋に慣れない子供は素直によくきいた。どんなに悪態をついても、それは耐え難い快感に意識を保つための最後の抵抗だ。
 高いプライドの冠を奪うのもいい。けれどそれをしたらきっと互いに望む関係から遠くなる。だからなるたけ納得して降伏してもらう。馬鹿な大人を甘やかしてくれ、と。惚れた弱味につけこませてくれ、と。
「ちょっ、やめ……この、ばか……!」
「誰が馬鹿だって?」
「ひとりしかいねえだろ!」
「お前と俺で二人だろ」
「ーこのッ」
 そう言えば自分が折れると思っているな、と眼差しで責めてくる。フードで隠れてもわかるのは、何度となく浴びた色と欲で熱を帯びた視線だからだ。
「なあ」
 先まで押していた腹を、とん、とん、とノックする。中に入れてほしいと乞うように。変わる刺激にふるりと一度だけ身をよじった。

 おずおずと足が伸ばされ開かれる。
 顔をフードに埋もれさせたまま、見慣れた肢体が恥じらうように赤く染まり、拘束された腕で隠すのを諦めた秘部が晒された。裾を持ち上げたちんこは、先走りをこぼしてびしょびしょに濡らしている。
「やっぱちんぽほしいんじゃねえか」
「ぅるせぇ」
 抱き込んだままの身体はどくどくと脈打って、ちんぽ、なんて言うたびにぴん、ぴく、と反応した。意地を張られてもかわいいだけだ。本当に隠そう隠そうとしているものは、全部丸見えなのだから。
 膝裏に手を回し、子供に用足しさせるようにぱかりと足を開く。抵抗はなかったが、肌がまた赤くなる。さっきは自分から誘い、上に乗り、服を脱いだクセに。
 足を持ち上げると、いよいよそれらしいポーズになった。はしたないシミが広がる股間のせいで本当に粗相をしてしまったようで、いじわるをしたくなる。
「……さっさと入れろよ」
 ずぅっと当たってんだよ、と尻を揺すられた。しぶしぶ付き合っている体を装っても声は興奮で上ずって、ちんこは期待を押さえきれずにぷぷ……といやらしいおもらしを増やしている。
「でもちんぽいらないんだろ?」
 身体はほしくてほしくてたまらない、と疼いているのに、形と色以外は刺々しいくちびるに"ほしい"と言わせたい。
 中をほじるときと同じ動きで、尻のあわいに股間のテントを擦りつけて、挿入を拒む恋人に無理強いするのは犯罪だ、素股も性行為の一つだから気にするな、と優しく諭すそぶりを見せる。すぐにでも挿入れてもらえると思っていたらしい身体が、落胆と焦燥で熱を帯びた。
「ヤサシイダーリンで嬉しいわ……」
 恋人との、我慢くらべがはじまる。

 それからしばらく互いに言葉少なに擦りあった。
 はぁ、と切なげな吐息をもらしながら腰がゆれ、やわやわとした尻にしごかれて、前がどんどん窮屈になっていく。挿入れないまでもせめてジッパーを下ろしたい。じわじわ先走りもしみてきた気がする。
 あるいは蒸れた尻からしたたった汗か。いやらしく拓いた後腔はわずかな刺激でも達してしまうから、汗なんて量ですまない。確実にプラグで栓をして、ちんぽの形になった胎の準備を万端にしている。
 抱かれるために、身体を磨いて、煽るような服を着て、寝室の、寝床の上で待ってーああ、クソ、挿入れたい。
 頭が痛くなるほど股間が痛んで、それでも自分から仕掛けた手前、折れるのは絶対に嫌だった。きんたまがぎゅんぎゅんと働いて、目の前の恋人に種付したいとちんぽが泣く。
「ひとや、ちんこきつくねぇの?」
 腰をふりながらぽんやりとした声で問われる。
 きつくないわけないだろうが。そんなやらしい動きで尻コキしててわからんとは絶対に言わせない。だからこれは煽っているのだ。
「キツイ、がー」
「せっそうの」
 食い気味に、熱で浮かされたような声に遮られる。ふわふわとした、ときおり深く荒い呼吸の混じる、声。
 ん、と力を込めた呻めきと共に、股間に何かが当たった。
「せっそうのなか、はいんねえの……?」
 恋人の髪より少しだけ明るい赤色の塊。ダイヤ型のアナルプラグがぬめりをまとって転がっていた。
 とたん、とぷぷ、とあふれてこぼれた淫液が股間とベッドに広がり、ちゅぷ、ちゅ、ちゅぽ、と収縮する後腔がみだらな音で誘う。
「なか、だしたくねえの……?」
 深くかぶったフードの奥、うだった金の瞳が飢餓を訴えてゆらめいた。白旗として抜け落ちたプラグの代わりを埋めてほしいと、小さなみじろぎ一つでちゅっ、ちゅ、と鳴る。
「お前がちんぽいらねえって言ったんだろ」
 素直にほしいと、気持ちよくなりたいと、一言ねだられたら挿入れてやるつもりだった。こっちだって挿入れたくないわけがないのだから。なんなら今すぐにでも押し入って、腹一杯にしてやりたい。
「いらねえとはいってない」
 たしかにそうは言っていない。いないが、意地っ張りで天邪鬼な恋人にたまのいじわるをしてはいけないだろうか。舌足らずな話し方は、快感でぼうっとしているときと同じで、ずうっとちゅ、ちゅぅ、と鳴いている後腔の方がよほど素直だ。
「じゃあ、ほしいって言えよ」
 とろとろと淫液をこぼす肉縁にぐ、と布越しにちんぽを当てる。ぱんぱんに膨れて熱い股間に、にちゅ、とねばついたものが触れた。びく、と掴んだままの身体がふるえ、ちゅぅ、ちゅ、と吸いつくような音がする。
「ひとやも、いえよ」
 持ち上げた足を軽くゆすれば、ぷちゅ、ぱちゅ、と食いついた。そこら中、びしょびしょになって、自分の先走りかもわからない。直接触れなくともちんぽがほしくて仕方ないなんてまるわかりだ。それなのに、ああ、
「クソ……ッ」
 抱えていた子牛をごろんと転がし、限界までたかぶったちんぽを解放する。べちょべちょになった生地とジッパーがひっかかってもどかしくて、ぢ、と嫌な感触がしたのに気づかなかったフリをした。
 欲情してとろけた金色が寝床に落ちた拍子にわずかに瞠目して、こちらを見たと思ったら、ぼ、と燃えるように頬を染める。視線を泳がすのにちらちらと様子をうかがい、くちびるをきゅ、と噛みしめた。
 そのままズレたフードをかぶり直し、小さくまるまる頭に、ちゅ、ちゅ、とくちづけを落としていく。いやいやする赤ん坊みたいに逃れようとするのを追いかけて、ようやく捕まえた耳に懇願を流し込む。
「俺が悪かった」
 だから空却の中に、自分のためだけに拓かれた胎の中に、挿入れさせてほしい、自分のものだと胎の中に注ぎこみたい、あふれて、こぼれるまでー
 フードの下の熱が増していく。二人して互いが欲しくて欲しくてたまらないのに、どうしてか欲しがられたくて、言葉にして欲しくて、こんなに近くにいるのに。
「なあ、寒いんだよ」
 吐く息も、全身も、燃えるように熱い。焦れて、焦がれて、布一枚しか阻むもののない恋人がまだ遠い。
「……ウソつけ……」
 あつくるしいんだよ、と呻く恋人の、おもむろに開放された隙間から覗く耳も、それはそれは熱かった。

 低く、甘い声で乞われるのが好きで、ついやりすぎてしっぺ返しをくう。
 ベッドに転がされたと思ったら、ぎんぎんに勃ち上がったちんこがそびえ立っていた。当たるな、と思ってはいたけれど、まさかここまでとは。硬く張りつめ、びきびきと血管が浮き、とぷ、と先走りのしたたるちんこは、きんたまもぐぅ、とぱんぱんに膨らんでいる。
 思わず隠れてしまったが、さんざん据え膳で誘ってやったのだから問答無用でつっこんだっていいものを。爆発しそうなイチモツをぶらさげてなお、くちづけと共に愛と許しを乞うなんて。観念してフードを開けた先には、欲望を抑えるのに必死な恋人がいた。
 全てを捧げた相手にまだ求められたい、過去も、今も、未来も、魂のひとかけらのこぼれもなく。自分が、そうだから。
 空却だって獄が欲しい。宝物みたいに扱うクセに、誰よりも何よりもめちゃくちゃに乱して、壊して、狂わせる、獄の全てを胎に注がれたい。
 無言で両足の膝裏に腕を回し、抱え上げる。はしたなくくぱくぱとわななき、とろとろと仕込んだローションをこぼす肉縁が見えるように。
「はやく、こいよ」
 何度もしてきた行為なのに、良い子で待っていた恋人の目の色が変わって、マンガみたいに胸がどきどきとする。
 足をつかまれ、つぷ、とちんこが入ってくるのがスローモーションに見えた。灼熱の塊にナカをぬ、ぬぅ、と割り開かれて、本当にゆっくりなのだと思い知らされる。
 じっくりと熱と形を教え込むように進む腰が、顔が、近くなって、ぴたりと合わせていた膝頭も開かれてしまう。
 ぎらぎらした、情欲まみれのケダモノの目に射抜かれて心臓が跳ねた。これ以上ないくらい脈打っていたのに、まだ上がある。どくどくと耳の奥で響く心音が全身を駆けめぐって、咥えこんだちんこも締めつけた。
「ひ、ぅ」
 きゅぅぅぅ、とナカでくっついて、じわじわと動いてぴったりとハマる。ずっとずっと気持ちいいのに、尻にばちん、ときんたまが当たって、根本まで全部入ったら、きっともっと気持ちいい。こちゅこちゅとわずかに擦れて、弱いところをくすぐられると外から撫でさすって高められた胎は甘くとろけてイッてしまう。
 足からはずれた手で袖を掴み、だらしなく嬌声を上げようとする口を塞いだ。そうでもしないとず、ぬ、とナカから抜け出す刺激と、あとに待つ責めに耐えきれない。今もずっと気持ちよくて、びくびくと胎がふるえているのに。
「くち、あけな」
 言葉とともにぴたりと止まった恋人が、ふぅふぅと息を吐きながら睨めつけた。イラついているときによく似た強い眼差しだけど、全然違う。ガキだ子供だとのたまう相手に向けるには色も欲も、情も濃い。
 手を離したら恥ずかしい声と心が丸裸になってしまう。とっくのとうでいまさらの、好きで好きで何をされても愛おしくなる自分が。何もかも暴かれてしまうのに凶暴な目の奥の甘えと稚気がわかって許してしまう。ズルイ、大人。
「あっ!まて、って……!」
 ズルイ、ズルイと思うのに、欲しがられたいという目に負けて、手を外したら、ずぷん!とちんこが押し入ってきた。
 こうなるなんてわかっていたのに、待ってなんてくれないのに、かちかちになったちんこが敏感になったナカの壁をずりゅずりゅと容赦なくえぐりこむ。
「は、うぁ……っ!やっぁ……ふ、あぁ……っ!」
 頭がちかちかして、真っ白になって、口から勝手に音が出て、行き場のない手が気づいたら自分の乳首をいじっていた。厚手の生地なのに、くっきりと勃起した乳首が浮き上がって、こしゅこしゅと擦るとナカをきゅぅぅぅ、と締め上げる。ぐ、と呻く声がして、ちんこの動きが止まった。ちんこはかたいままナカでびくびくとしていて、必死で射精をこらえている。
「ちんこ、びくびくしてる……」
 ぼんやりと、かわいい、とつぶやいたのがスイッチになったのか、奥まで一気に突き立てられた。
 ばちゅん!とナカを激しく深くえぐり、逃げることを許さない押し潰しでぴくりとも身体を動かせない。尻に当たるぱんぱんのきんたまに、コレがナカに全部注ぎ込まれるのだと想像したら、ちんこにきゅんきゅんきゅうきゅうと媚びてしまう。
 興奮して尖りきった乳首を根本からしごいて、真ん中のくぼみを爪先でぐりぐりえぐると、ずっと先走りをおもらししているちんこからぷし、ぷしゃ、とはしたない水音が響いた。これから一番気持ちよくなるのに、まだこれからなのに、もう、びしょびしょに、腹まで濡らして。
「ひとやぁ……」
 乳首をいじめる手が止められず、おもらしも止められない。甘く達し続けるナカはトドメを刺されるのを待っている。途切れた言葉の代わりにきゅうぅぅ……、と胎を締めつけて見上げた。
「……チッ!」
「あ、あっ!ゃ、あ!あ、あぁっ……!」
 舌打ちを合図につかまれた足を押し上げられ、ちんこが当たる一番奥の、もっと奥、をばちゅんばちゅんとえぐられる。硬く張り出したさきっぽにぐりゅぐりゅとかき回されたり、どちゅどちゅと突かれるたびに頭も体もバカになって、口からもちんこからもだらだらよだれが垂れてしまう。
「あ、あはぁ……ふ、ああぁ〜〜〜……」
 乳首は搾るみたいにぎゅうぅ、と押し潰しっぱなしで、寄せられてすぼまった真ん中のへこみを爪先でくすぐると、ちんこからびゅぅっとひときわ激しく潮を吹いた。きもちよくて、ぷしゅ、ぷ、と吹き出し続けても指を止められない。
「この……っエロガキ……!」
 当然、ナカもちんこに中出しをおねだりして、きゅうきゅうきゅんきゅんとからみつく。苦しげに顰められた眉根に、我慢しないで出せばいいのにときゅぅぅ……とダメ押しに尻に力を込める。
 しかしホントにやらしいカラダになった。最近では親父にすら人前でみだりに肌を出すな、と今までと別の意味でしかられる。ふとした瞬間、カラダがうずいて、切なくて、小さくもれる喘ぎと吐息を噛み殺す。エロガキ、なんて。頭のてっぺんから爪先まで、ぜんぶぜんぶお前の好きにさせてやっただろ。
「……えろがきが、すきなくせに……」
 煽ってやろうと見つめた目が、ぎ、と燃えた。
 さすがにまずい、と思ってももう遅い。
「ーああ、大好きだよ」
 足が、体が、さらに折りたたまれて、どちゅん!と真上から貫かれた。切羽詰まった顔の、欲情した目に、自分が映る。
「は、ゃぁ〜〜〜〜〜……ッ!」
 ぶちゅ、ぬちゅ、とねばついた音が結合部から響いて、一番奥の、一番弱いところをかすめた。ナカをえぐるちんこも、ぺちぺちと当たるきんたまもあつくて、ぱんぱんで、はやく、はやく、
「だせよぉ……」
「いわれなくっても、な……っ!」
 ずん、と体ぜんぶで押し潰されてぴったりハメこまれた。もう、絶対に逃げられない。限界まで拓いたと思っていたのに、ぐりぐりとほじりながら押し入られるのに、ちゅぅぅぅ……とちんこに飢えたナカが甘えて媚びる。今にも射精しそうなさきっぽがぱくぱくとわななくのにちゅぽちゅぽと吸いついて、くすぐったくてきもちいい。
「ふぁ……だして……なか、の、ぉく……!いっぱい……っ」
 ぷちぷちゅ、泡立つくらいかき回されて、目の前のくちびるに食らいつく。熱い舌とねちねちとからみあって、上から下から恥ずかしい音を立てる。離れたくないのに舌が口中を這い回って、もうわけがわからない。歯の裏をちろちろとくすぐる舌を甘噛みすると、慰めろと言わんばかりに舌をすくわれる。
「ふ、出すぞ……!」
 しびれた舌を解放され、呼吸を整えている最中、ぶちゅん!と一気に突き倒された。かひゅ、と喉から空気が抜けて、びくん、と体が勝手にのけ反る。ナカへの快感でただつかんでいるだけだった乳首をぎゅぅぅ、と強く押し潰して、また体が反りかえる。
 逃げるように背も腰も浮くのに、いやらしく膨らんだ性器だけはもっともっととはしたなく前のめりで、乳首もちんこもぴん、と勃ち上がって恥ずかしい。壊れた蛇口みたいに透明な汁をもらし続けるちんこは射精を忘れていた。
 でも、そんなのぜんぶ、のしかかった恋人に封じられてしまう。際限なくイキ続ける体を、何をされても気持ちよくなる体を、いやらしくてはしたない、はずかしいことをぜんぶ受け入れてしまう心を、捕まえられてしまう。
「あ!あ!ゃあ……!!」
 与えられる快感から一切逃げられないまま、最奥をぐりぐりえぐられてびゅるる、びゅぅぅぅ……!と子種を注ぎ込まれる。十分すぎるほどぬめっているのに、砂漠に水をまかれたみたいに喜んで、ちゅうちゅうちゅぱちゅぱとさきっぽに吸いついて、もっと出せと催促する。
 うだった頭にすけべ、というつぶやきが聞こえて、反応する間もなく尿道の残滓を出すために腰をゆるくふられた。
「う、ぁ、なか、……ふぁ……っちんこ……ゃあ……はぁ……」
 きんたまの中身をほとんど出してなお硬いままのちんこに蓋をされて、体もがっちりと押さえ込まれて動けない。乳首も勃起したまま戻らず、ちんこだけはへにゃりとして白濁まじりのおもらしをしている。
「空却……」
「ひとゃ……?」
 まだ快感から抜け出せない。種付された体勢のまま拘束されて、物理的にも動けない。
 その状態で恋人が、何かを乞うように名前を呼ぶ。
「もう、一回」
 申し訳なさそうに、恥じらうようにねだる顔に反して、ちんこは力を取り戻して膨れ、有無を言わさぬ体勢も変わらない。それでもいやだと言えばきっと離してくれる。だから、許してしまう。
 不安げなくちびるにちゅ、と触れるだけのくちづけをして、ナカをきゅぅ、と締めつける。
「あいしてるぜ」
 舌足らずに告げた愛は了承以外のなにものでもない。
 もう一度寄せたくちびるを貪られたまま、胎をめちゃくちゃにされるのは、あと数秒後。

2021/10/10


BACK
作文TOP/総合TOP