公式無敗私闘惨敗

 吐く息は白く、街中が赤と緑に染まり出した頃。クリスマスライブ用の小物がほしくて、と言っていた弟子にばったりと出会い、暇つぶしについていくと――
「すっげぇな……」
 見たことはあっても足を踏み入れたことのないビルのワンフロア。物量に圧迫されて規模の掴めない衣装屋にたどり着いた。外観からするとかなり広いはずなのに、お情けていどの案内表示すら商品に埋もれている。シーズン真っ盛りだからか、特集として設けられたコーナーにはサンタだのトナカイだのというテーマだけでサイズからデザインまで山のようにあった。去年、バラエティショップで探したときをはるかに凌駕するラインナップに舌を巻いてしまう。
「こんなに真っ赤だとさすがに目が痛いっすね」
「あ?十四も着んじゃねえのか」
「サンタさんは着ないっすよ〜!……我は聖夜……祝福の星の下……神に背を向ける罪を共にする隠匿の共犯者……!」
「店ン中だっつうの」
「いだっ」
 ただでさえ服で溢れかえる店内でおかしくなられると面倒くさい。ちょうど良さそうな隙に脛を小突くと恨めしげな顔をされた。無駄に長い手をぶん、と振って、悩ましげに目元を押さえる仕草はライブでもやる動きなのかもしれない。残念ながらその言葉と動きだけで何を着るかわかるのはお前のファンだけなんだよ。ダークなんちゃらとか言ってたからおそらく黒い。いつも黒いじゃねえか。
「今年は空却さんは着ないんすか」
「着ねーよ」
「えぇ〜つまんないっすよ〜!」
 反撃、とばかりに口を開いた弟子が、獄さんむっつりだからなんのかんの言ってもベタでエッチなコスチューム好きですよ!と大真面目に大声でとんでもない発言を撒き散らす。
 かわいそうな拙僧のカレシ。もしかして……とざわついていた一部の客が、ムッツリなんだ……、と色めきだった。もしここで買い物をしたら即座にイコール獄が好きなコスチュームと思われる。
 不在のまま誤解されるカレシは、特別にコスチュームフェチではないものの、着てみせれば満更でもない顔をする。プレゼントの包装みたいなもんらしい。開封するまでのワクワクだとか、開封した後のドキドキだとか、喜ばせようとする気持ちが嬉しいだとかあるそうだが、ようするにむっつり助平なのだ。
「……いっそとんでもねえ趣味だと思わせるか」
「なんでそうなるんすか?!」
「使えるモンはデマでも風評被害でもってな。クリスマスに恋人にやらしい衣装着せてコスプレエッチしてるなんてドン引きだろ」
 ああ、そういう……と、驚愕でひん剥いていた目を生あたたかいものに変えて、弟子が胸を撫で下ろす。自分でベタにエッチな衣装が好きとか言ったクセに。
 たしかにクリスマスにサンタっぽい衣装、なら浮かれたカップル向けにいくらでもある。実際に着た。それはそれは盛り上がって、二度と着られない有様になって捨てたのは遠い記憶ではない。
「そうと決まりゃあ探すぞ!」
「えぇ……クリスマスっぽい、エッチな衣装……っすか?」
「ちげぇよ。『ヘブヘルってこういうのが好きなんだ……』って言われるようなドギツイヤツだよ」
「ひ、獄さんがかわいそうっすよぉ!あとそれ着るの空却さんっすよね?!」
「拙僧のカレシはコスプレが好きなんじゃなくて拙僧が好きなんだよ――つまり拙僧が着りゃドン引き確実のエロ衣装も好きになるって寸法よ」
 結果的に事実になるからデマでも風評被害でもなくなる。そりゃあんまりどうかしてる衣装は萎えるだろうが、ベタでエッチなコスチュームならイケるはずだ。我ながら完璧な算段が立てられた、と思っていると、可愛い一番弟子が恥ずかしそうにしていた。
「空却さんがすごいこと言うから……」
 じ、とこちらを見つめながら頬を赤らめ、少し興奮したようにじたばたとしている。相変わらず綺麗な顔と図体にそぐわない小動物めいた仕草をするが、何がすごいものか。
「ただの事実だっつうの」
 最初は頭をかかえてみせても、すぐに飛びついて、それどころか衣装に応じた揶揄までしてくる。つい乗ってしまって何度こっぱずかしいセリフを言わされたか。
 俺はそこらへんの男とは違う、とかっこをつけているが、そこらへんの男と同じに好いた相手のいやらしいかっこに反応する。
 さて、どんなえげつない衣装にしてやろうか。こちらはもう、かっこをつけたいオトコノコな恋人がオチてくれるなら紐同然の服でも、何もかもあらわな下着でも何の躊躇いもなく着れるのだから。



 クリスマスへの取り組みは人それぞれだが、そもそもは世界三大を冠する宗教の救世主の誕生日である。
 信徒以外には無関係な存在の誕生日を、年末商戦として利用しきっての盛り上がりは毎年すさまじい。冷静になると赤の他人の誕生日という理由も由来も失念して、チキンだケーキだプレゼントだデートだパーティーだとはしゃいでいるのは謎だ。
 言われずとも誰かの誕生日であるという来歴などどうでもよく、もはや年末の祭として定着したのだということくらいわかる。ただわかることと、それに納得することは別なのだ。
「……わかるか生臭坊主?」
「ん?ああ、乗れる祭と宴には乗るべし……ってなァ!」
「お前はそういうヤツだよ。知ってんだよ。だがそうじゃねえ……」
「なんだよ、ちゃんとクリスマスっぽいだろ」
「色は赤いけどな……!」
 ベッドの上、何がご不満だよ、と上目遣いで睨みつける恋人はそれはもう目に入れても痛くないくらいかわいい。かわいいが、かわいいだけで全てを許したら商売上がったりなのだ。
 土曜のクリスマスイブの夜、寺には関係ないからとお勤めを果たした後に家に訪ねてくる約束だった。準備はしてくるからとの連絡どおり、迎えた玄関先ですでに期待に濡れた目をしていた。
 師走らしい多忙で連絡すら途切れ途切れになり、直接の、それもこんな長く過ごせる逢瀬なんて本当に久しぶりになる。否が応でも互いに盛り上がるというもので、恋人の眼差しだけでずきん、とあらぬ場所が痛んだ。こちらもシャワーを浴び、髪を下ろし、寝巻き代わりのスウェットを着てリラックスしていたから、痛む場所の顕著な変化は文字通り浮かび上がってしまう。
 性夜なんて罰当たり甚だしい下品な言葉は大嫌いだが、土曜の夜、翌日を気にせずたっぷりとかわいい恋人を愛でられる喜びは、お祭り騒ぎに乗っかるのもやぶさかではなくす。準備をしてくるということは、恋人だって気持ちは同じなのだ。
 こんな艶っぽい顔のままここまで来たのか、それとも自分に会ってほころんだのか。前者だったらどうしてくれよう。珍しく持っていたかさばる手荷物を置き、靴を脱いでスリッパをつっかけようとする恋人を、そのままぎゅう、と抱きしめて閉じ込める。
「いきなりなにすんだよ」
「……お前、そんな顔でここまで来たのか?」
「そんな顔ォ?」
 どんなだ、と眉間に寄るシワすら久しぶりに見るものだから、ちゅ、ちゅ、と顔中にくちづけを落とし、抱きしめた手をそろそろと撫で下ろす。寒風で凍えそうな中、いつもの服の首周りだけをマフラーで埋めたかっこうはたいそう冷えたのだろう。指のたどり着いた先はひんやりと強張っていて、そう体温の高くもない自分の手がひどく熱く感じた。
 溶かすように、ほぐすように、指と手のひらで目的地――尻を揉む。くちづけもやめず、どんな顔をしていたのか教えろ、と噛みつく恋人の耳に、やらしい身体を持て余してるって顔だよ、と流し込めば、自分だってちんぽ硬くしてるクセに、と笑われた。
 いつもなら金属みたくきらめく目が蜂蜜のようにとろりとやわらかく光るのに、たまらずくちびるに近づくも、待て、と頬をほてらせて止められる。玄関は、と口籠るのが珍しく、手を離すと準備がある、と寝室に駆け込まれた。珍しいと言えば手荷物だ。あれが準備なのか。一体全体、何が待っているのだろう。言うまでもなく不埒で淫らなものなのだが、いつだって何もかも斜め上に飛んでいく恋人だ。お呼びがかかるまで予想でもしていよう。

 まず定番はサンタだろう。去年はそうだった。いやらしいサンタに散々搾り取られて、正しく濃密な性夜を過ごしたのだ。プレゼントはもらったと言ったらいいのかあげたと言ったらいいのか。後々、サンタビキニとかサンタワンピとかサンタボンテージとかあったと言われて頭を抱え、今も頭を抱えている。
 もともと外見だけなら百点満点だった恋人は、付き合いだして身体を重ねるようになってからは見えない場所まで完璧になってしまった。鍛えられたしなやかな身体に生じた、わずかなやわらかく甘い部分は丹念に愛でて育てた成果で、尻などはその最たるものだ。一見すると筋肉質で硬そうに見えるものの、手のひらで持ち上げ、揉みしだくと、むち、とはずむ。胸も近いものがあるが乳首の成長の方が著しく、尻ほどではないものの、以前よりもむに、とした感触がある。
 修行という鍛錬を欠かさぬまま抱かれ続けた身体は、健やかな力強さを失わずに艶めいた色香を増して花開き、結果として時折とんでもなく色っぽい仕草や雰囲気を醸し出すヤンチャなクソガキになってしまった。どこからどう見たって冬でも半袖短パンの子供みたいなヤツが、干支一周以上年上のオッサンに抱かれるために準備万端だと誰が思おう。
 ああでもトナカイのパターンもある。下世話なことを言うとサンタとソリを運ぶ乗り物だ。サンタと比べていささか色合いが地味だが、恋人がこちらを煽る材料としては十分すぎる。露出の激しいトナカイを模した衣装を纏い、四つん這いになって尻を振る姿を容易に想像できてしまっていっそ怖い。
 どんな衣装を着ていようと――そもそも勝手に何か着ると思い込んでいるが――色気も素っ気もない恋人が、自分を誘惑していやらしいことをされるためだと思うと純粋な喜びとともに途方もない興奮が湧き上がる。こちらの趣味を勘違いしている気もするが、損得勘定のない剥き出しの好意と、ほんの少しの下心と悪だくみが、無敵の子供の未だ物馴れぬ恋慕をあらわすようでたまらない。もう法的には子供ではないのだが、いつまでも出会った頃のような幼さを重ねてしまう。
 早く、早く呼んでほしい。名前を、その部屋に入る許しの言葉を。想像だけで股間を腫らす男に慈悲を与えてほしい。

 獄、と甘く濡れた声で部屋へと招かれたときの自分はそれはもうみっともなかった。開き直って腫れた場所も隠さずに入った寝室は、いつもと同じに振る舞ったつもりだったけれどドアを開閉するときの勢いが内心の興奮まで丸裸にしてしまう。
 思わせぶりに焦らした恋人は、おそらく本心からの恥じらいで照明を仄暗く設定していて、顔は少し隠すように俯いていて見えない。ベッドの真ん中あたりにぼんやりと浮かび上がる姿は、目が慣れるまでは存外スタンダードなサンタコスプレだと思っていた。――いたのだ。
 昨年よろしく『エッチでかわいいサンタさん』をしてくれるのだと思ってベッドに乗り上げて近づくと、頭を飾るサンタ帽は本当にサンタ帽だった。ファーで縁取られた三角帽子のゆるやかに折れた先っぽは、縁と揃いの真ん丸いファーがついていて愛らしい。問題は後ろ手をついてゆるく膝を立ててくつろぐ、首から下だ。
 赤いジャケット……と思ったものは素材が想像とは違っていて、擦れるとしゃわしゃわと鳴りそうだった。しかも前をジッパーで閉じるタイプのものなのに、開いたままにしているようで中に着ている白いTシャツらしきものが薄暗がりに浮かんで目立つ。エアコンをつけていたから寒くはないはずだけれども、胸の尖りのあたりをちら、とさりげなさを装って凝視すると、予想通りぷくん、と盛り上がっていた。
 単純なものでそれで、それだけでもうたまらなくなってしまって、ふらふらと吸い寄せられてしまった。直接でも布越しでも、じっくりたっぷりと愛でた場所は一撫でで極めてしまうくらい感じやすい。淫らな期待でふくれるのをいじわるにかわいがれば、きっと何もかもが溢れ出してしまう。
 飲み下した唾の音がいやに響くのを無視して、大事な場所を守るように立てられた膝に手をかける。真っ白い二本の門柱で隠された下は何を纏っているのか。お互いのは、と吐き出す息ばかりがするだけで、会話は何もない。
 ぐ、と無言で膝を割り開くと、かすかに触れた肌が熱くなった。一体どんなたくらみが潜んでいるのか。優しく暴いて、甘く責めて、ぐずぐずになった恋人のかわいらしい全てを手中におさめたい。
 そうして無抵抗に開かれた足のあわいには、どこでどう知って仕入れたのか、頭の奥の隅の方にある、とんでもなく古く懐かしい思い出を引きずり出すモノがあった。
「お、前……これ」
「獄ンときはこれだったんじゃねえの?」
 ぱ、と上げられた顔はほんのりと赤いが、当てが外れたように目をぱちくりとさせる。熟れてくすぶったままする表情としては幼さが混じって猛毒なのだが、それ以上の困惑でくちづけるのをなんとか耐えた。
「……俺もブルマーは小学校までだよ……」
「もしや履いて」
「ねえ!」
 知ってるよ、とタチの悪い冗談を言って笑う顔は楽しげだけれども、じ、と見つめてくる目の奥はどろりとした欲に濡れている。真っ白い肌をほんのりと彩る真っ赤なブルマーは、おそらく上に着ているTシャツとセットで、ジャケットは今ならわかるがジャージだろう。よく見たら足先は脛まである白いハイソックスで覆われていて、上履きまで履いていたらどうしてやろうかと思った。
 金のない学生のコスプレまがいのようなコスプレ、というかっこうに思わず嘆息すると、なんだよ、と不満そうにされる。そうして最初に戻るのだが、なんだよはこっちのセリフだ。
「あいにく、ブルマーで興奮はしなかったんだよ」
「じゃ、今はするってことだな」
 それはそうだがそうじゃない。なんでこんなコスチュームを選んだのか教えろ。似合わないとは言わない。今も膝は閉じることを許さない強さで押さえつけたままにして、ちらちらと見てしまう。むち、とした尻を包みきれず、少しだけはみ出して食い込むのに、ごく、と息を飲んでしまう。ただの厚手の女性用下着にしか見えないかつての運動着を魅力的だと思ったことはないのに。今の時期など寒そう、と同情したうっすらとした記憶はあれど、いやらしい目で見たことなどなかったのに。
「獄……ちんぽすっげぇ勃ってる……」
 はぁ、と熱い息をこぼしながら、じぃ、とうっとりとした目でいきり勃った股間を見つめられる。そう言う恋人だって赤いブルマーを窮屈そうにふくらましているのだが、揶揄するよりも速い、とくちびるを塞いだ。
 決して、決して、学生用運動着に興奮するような癖はない。ないのだが、何を着ても、しても、かわいい恋人を前に癖なんてものは容易く変わる。

 ちゅ、とくちびるをついばむようなものから、じわじわと小さな口の中を蹂躙する深いものへ。互いの飢えも相まって激しく水音の響くくちづけに、敏感に育てた身体はびくびくとはねた。ず、とベッドヘッドへと逃げだそうとする両手はそのままに、掴んだ膝は閉じるのを許さない。がくがくとふるえる足は、後腔での交わりに似た音と責めのくちづけに高められ、触れられてもいないのに極める間近の証明だ。イきたくない、と抵抗して、目をぎゅぅ、と引き結び、両手も限界まで後ろへ下がっている。
 ちら、と窮屈そうにしていた膝の間を見れば、すでに一部の色が変わっていた。形も先ほどよりくっきりとしていて、なんとも倒錯的な眺めが広がっている。こちらとてどっこいどっこいの状況ではあるが、恋人はもう少しかわいがればいやらしいおもらしでブルマーをぐしょぐしょにしてしまうだろう。もはやサンタどころではないが、そもそもこいつがブルマーなんか履いてきたのがおかしい。
「ふぅ、ぅ、ん……っ!」
 ぬ、ちゅぱぁ、と小さな口の小さな舌を巻き込んでくすぐり吸い上げる。よく回る頭と口を快感で封じ、拒絶も懇願もさせまいと畳み掛けると、一際強く目をつむり、肌を真っ赤にして鼻を鳴らした。とたん、ぷしゃ、とかわいらしい噴射音がして、しょろ、と控えめな水音が続く。
 がくがくとふるえていた足から力が抜け、腕もかくん、と崩れ落ちる。侵略したままのくちびるだけで支えられた身体は前にのめり、はしたない絶頂に導いた口姦を再度ねだるようになってしまう。
 口が繋がっていなければ、深いくちづけだけで達してしまった感じやすさをかわいい、いやらしい、とささやいたのに。そうすれば羞恥でまた感じてしまい、新しいシミを作ってしまう様も堪能できたかもしれない――頭をよぎる悪い考えを見透かしたのか、快感から抜けきらない目にぎ、と睨まれた。そんな目、かわいいばっかりで怖くもなんともない。
 くちびるを離し、ふらつく身体を胸元で受け止める。茹で上がってくったりした恋人がはぁ、と深く息を吐いた。
「コーフンしてんじゃねぇか……」
「お前にしないなんて言ってないだろ」
 ヘリクツだ、と吠えるが、こいつは一つ忘れている。
「キスだけでイキションしたクセ、に!」
 ぶつけないように寄りかかった身体を後ろに倒すと、崩れ落ちた両腕が倒れきらぬように身を支えた。ちょうどいい体勢になったのを見て、力が抜けて無防備な膝をがぱりと開く。何をされるかわかったのだろうがもう遅い。ふくれたままはしたないシミの広がるブルマーがあらわになってしまった。
「まぁだちんこ硬くしてんのなぁ……」
 こんなびしょびしょにしたのに、もしかして尻でイったのか、それならちんこでイかないと、と、怒りと恥じらいで赤い顔に、とうとうと話し続ける。言葉をかけるたびにばか、へんたい、と拙い詰りが返ってくるが、無理矢理暴いたふくらみもシミもさらに面積を増していた。
「そうだ忘れてた」
 こんなことになったからすっかり抜け落ちていたが、今日は使おうと思っていたものがある。ぱ、と手を離すと素早く足を閉じられたが関係はない。どうせ開くことになる。
 ベッド横のサイドボードから用意していたものを引き出すと、縮こまって浮いている恋人の腰から下あたりの一面に敷いて広げた。不思議そうにするものの聞いてこないのは、ある意味で鋭いのだろう。どういうものか聞いたら、それだけで恋人はきっと反応してしまう。
「なん、だよ……それ……」
 わずかに触れるとしゃわしゃわと音がする敷物の正体を問う声は、わからないのではなく違ってほしいのだと言っている。閉じた足をもじもじと擦り合わせ、ひく、とふるえるのは答えを知っていると自白しているも同然だ。
「ああ、わからないか」
 浮かした両足を捕まえて、ぺたん、と引き落とす。先までとは違う感触に居心地悪そうにするのを、ならすように内腿を撫でながら足を開く。
「お前がイクたびにおもらしすっから買った吸水シートだよ」
 開き直した足の間、濡れてふくれたブルマーを指先でつぅ、となぞれば、ぶるりとわななき、ぷし、と小さな飛沫が上がった。わずかに指を湿らせたのは透明で、匂いからすると尿ではない。
「こんな風に、なぁ」
「た、おるじゃ……っ」
「ダメだったろ?」
 これまではタオルを敷いたりしてきたが、とてもじゃないが間に合わなかった。マットレスまで染み込み、クリーニングに回すのも自分で片付けるのも億劫な洗い物の量とかわいい恋人との濃密な時間。両方を上手くやろうとした結果だ。
 なにより凛としていて快活な恋人が、いやらしく愛でるほどはしたなく乱れるのがたまらず、天井知らずに淫らに育ててしまったのは紛れもなく自分自身なのだ。責任の所在は二人よりも獄の方に少しだけ多くある。いくら感度がよく素質があったとしても、それを極地へ至らせたのは今日まで抱いた者が導いたからに他ならない。
「好きなだけ出しな」
「そんなん、ヤにきまってんだろ……っ」
 あからさまなおもらし対策は嫌がるだろうと踏んでいた。しかし、
「……じゃあ、なんでちんこはおもらししてんだろうなぁ……?」
「みんな……っ! さわんなぁ……っ!」
 子供のようにイヤイヤと駄々をこねるも、足は押さえられてもいないのにぱかりと開いたままになっているし、後ろについた手を前に出せば隠すことだってできるはずだ。見るな、触るな、と言う割に、そのどちらも歓迎するような見事な観音開きに説得力はない。真ん中でふくれているちんこだって、色を変えるどころか形まで浮き上がるほどぴったりと張りつき、今もぷぷ、と先走りとも潮ともつかないものを吹いている。
 そうだ、この天邪鬼のイヤは『嫌』じゃない。恥ずかしくて悔しくて嫌なのに『獄だから』と拒まない深い懐と愛情が、意地も矜持も曲げて受け入れてしまう。意地悪く甘え、かわいがるこちらが愚かな子供に思えるほど、寛容で途方もない慈しみ。
「本当に嫌ならちゃんと言えよ」
 こんなことは『嫌い』だからしたくないと、嫌がることをする獄など『嫌い』なのだと。そう言わなければ止まらないと約束をした。セーフワードだとしても胸を抉る言葉は、互いを傷つける茨でもあるが二人の関係の最後の砦なのだ。
 もっと怒って拒んで嫌がっていい。いつもいつも獄を小さな子供みたいに甘やかして、好き、の一念で全部許してしまう。いつかこの意地で死にやしないか、空が落ちてくる方がまだ現実的な想像が頭をぐるぐるとめぐる。
「……そんなに、せっそうに……きらい、って……いわせてぇのか……?」
 足を開いたまま、ぎ、と睨まれた。羞恥ではなく怒りに燃える目は、わずかに快楽ではない涙で濡れている。
「そんなわけねぇだろ……」
 できればずっと名前を呼んで、好きだと言ってほしい。それでも厭われ、拒まれることよりも、嫌とも言えずに二人の何もかもが壊れてしまう方が恐ろしい。そんなのは考えすぎだ、と笑うだろうが、広大な器の心に許され続け、愛し続けたから、くちづけだけで絶頂してしまうようになった。
 今日だってブルマーなんて履いてきたのは絶対に自分のせいで、獄のときはこれだったろう、と言ったのがその証拠だ。好きだと思ったのか、恋人の知り得ぬ学生時代に触れたかったのか、なんであれ獄のために選ばれ、着られた衣装なのは間違いない。
「嫌いじゃないなら、やめてやれないだけだ」



 ちょっと食い込んだりはみ出したりするのがエッチだったって人もいるっすね、と隣でスマホ検索をしている弟子が嬉々として話すのに、じゃあワンサイズ下げるか、とハンガーをがしゃがしゃと漁る。
 あんまり変態じみたのだとさすがに獄個人以外にチームの沽券に関わる、と必死の形相の弟子に説かれた。何を想像したかは知らないが、着るにしても着せるにしてもあんまりおかしなものは除外するつもりだった。お前の虫除けに選んだ、と言ったら存外満更でもない反応をするだろうが、その後に楽しくセックスに持ち込めなければ意味がない。
 そうして見つけたのが、年代別ギャップチェックというテレビ番組で見たブルマーだった。十四と二人、こんなのただのパンツだろ、と絶句しているのに、居た堪れない様子の獄がだよなぁ……と言っていたのを覚えている。あれは実際に知っている人間の反応だったから、もしかしたら不埒な思い出の一つや二つあるのかも知れない。これが獄の趣味だと思われても、学生時代を思い出して……とかなんとかならまあまあ引くくらいだろう。ちょうど赤もあったし、ジャージと靴下も合わせて買った。
「……レジの人、一瞬すごい目を見開いてたっすね……」
「『ヘブヘル、ブルマー』で検索すんのが楽しみだなァ?」
「ああ……獄さん……ごめんなさいっ……」
 そもそも注目される原因になった上、食い込みがいいらしいとかまでアドバイスしたやつがよく言う。ちゃっかり自分の小物まで会計をさせようとするから叩いたら、せめてチーム公認って感じにしようかと、とか呻いていた。どんなセックスをしていようがラップに関係はねえだろ。
 お互いにいいクリスマスになるといいっすね、とはにかむのに、聖夜の反逆者とかさっき言ってたよな、とは言わないでおいた。なにせこっちは性夜というのもはばかられるような、ただれたセックスをするのだから。

 下品だなんだと言われても最低限の恥じらいくらいはあるから、勃起したちんこを開けっぴろげなんて状態にされたら、イヤ、くらいは言う。
 ましてやおもらし対策の専用シートまで敷かれて、好きなだけイッて、もらしていい、なんて言われても、実際最後にはそうなるんだとしても、イヤ、くらいは言う。
 やっぱりこいつは拙僧が大好きなむっつりだ。ブルマーに興奮しなかった、と言いながら、股間をぱんぱんにしているし、ベッドを濡らすようなセックスをしないのではなく、いくらでも濡らしていいようなベッドにする。
 嫌いになんてなるわけがない。嫌なわけだってない。頭のすみっこの方で恥じらったり怒ったり悔しがったりする自分がいるのも嘘ではないけれど、恋人がオチてくれたから、それでいい。
「も……」
 言う気も予定もないセーフワードを設定してから、たびたび言わせようとする。いつかセックスの弾みで出る嫌と駄目が本当になって、それに気づかないんじゃないかと怖がっているのだ。普段はぱかすか叩いて雑に扱うクセに、恋人としての逢瀬では妙に大事大事にされる。
 同じでいいのに。同じように、大雑把に乱暴に、適当にいい加減に。家族の気やすさをそのままに触れてくれていいのに、頭の固い恋人は駄目だと言ってきかない。自分が触れるのは大事な臓器にも近い繊細な場所なのだ、と真剣な眼差しで叱られたものの、お前が気軽に叩く頭とて、大事な脳味噌が骨と膜に覆われているだけの繊細な場所なんだぞ。
 いつもこそばゆくなるほど優しくされて甘やかされて愛されている。今だって、もどかしくなるほど。
「ゃだ……っ」
「何が?」
 『嫌い』じゃないならいいだろう、と自分で足を広げるよう言われた。つぃ、と太腿を撫でられて、抱えるように手を添えると、違う、と付け根近くまで誘導される。足じゃわかりにくかったな、と詫びるような声の奥に、見知った熱の気配があった。
 足――というよりも、股。もっと言うとはしたなくもらし続けるちんこと、その下でひくつく尻穴を見せろ、と言われ、両手でぐ、と広げて見せた。すでにがに股になって広げた状態になっていたのに、さらに卑猥な部分を見せつけるかっこうをさせられて、羞恥で頭のてっぺんから火がついたように熱くなる。じっとりとした視線から逃れたくて俯いても、隠しきれないほてった肌から汗がしたたって止まらない。
「ちんこ、いてぇ、から……」
「ああ」
 なんでもない風に平坦な声なのに、視線と一緒に全身に絡みついて離れない。触れていないはずなのに、見られてもいないはずなのに、服の下、体の一番奥、全部がびくびくひくひくと脈打って、気持ちいい、もっと良くなりたい、とのたうち回る。
「上も下もつんつるてんだもんなぁ? ちんこも乳首も浮かせやがって……ジャージだけか、サイズあってるの」
 そりゃちんこ痛いだろうよ、となんの汁かわからないものでべちょべちょになって、ほとんど丸出し同然のさきっぽをくりゅくりゅと撫で回された。突然の刺激に恥ずかしいかっこのまま、腰がねだるようにへこへこと動いてしまう。は、ぅ、ともれ出た嬉しそうな声が恥ずかしくて口をふさいでも、ふぅふぅと興奮しきった息が喉奥から鼻に抜けていく。
 俯いた視界の端、痛いくらい腫れたさきっぽが、弱点を知り尽くした指先にかりかりこりこりとくすぐられてはとぷとぷと汁を垂らす。勝手に動いて止まらない腰のせいで擦れて、ちんこも、実はずっと勃起したままの乳首も、気持ちよくてたまらない。先走りとも潮ともつかない汁で、意地悪な指も、ちんこも、その下でぱくぱくしている尻穴もぐしょぐしょになっている。
「さきっぽ撫でられながら腰振りオナニーすんのきもちぃか?」
 答えろ、とばかりに尿道口を爪先でぷちゅ、とほじられて、びくびくとのけ反ってしまった。ふ、ふぅぅ……っ、と息だけがもれたものの、衝撃でひときわ強く擦れたちんこは埋まった爪先の隙間からびゅびゅっ、と吹きつけるように射精をしてしまう。爪、指はもちろん、ブルマーにもべったりとこびりついた精液は、他の透明な汁よりもずっと目立って恥ずかしい。
 しかもイッたのはちんこだけじゃない。触られもしないまま期待だけで勃起していた乳首は、ぴちぴちに張りついたシャツとの摩擦で極めてしまったし、その煽りを受けて尻穴も絶頂してしまった。さんざんかわいがられた乳首は、達してもちんこよりも尻に響くように躾けられている。その上、今日はワンサイズ小さなブルマーがじわじわと食い込んで、尻穴の表面をずっと擦り上げていた。だから今、乳首で胎から、ブルマーで外からイカされた尻穴が、物足りなそうにひくつくのがわかってしまう。
「気持ちよさそうにイキやがってまぁ……」
「ふぁぁぁ……」
 呆れたような声は、新しい意地悪をしようというたくらみを含んでいて、まだゆるく揺れるままの腰を止められない。さきっぽからつぽ、と抜かれた指を惜しんで、ぬと、と半透明の汁が爪先にまとわりつき、知らぬ間にぽっかり開いた口から甘え媚びた喘ぎがもれた。
「さっき言ったけどな、俺もブルマーなんて小学校以来なんだよ」
 全然興奮もしないし、初めて会った時のお前よりさらに小さなガキを思い出させるような服を着られたままじゃセックスできない――絶頂でにじんだ目に、神妙な顔つきで恋人が語るがそんなの嘘だ。今もぱんぱんにふくれたそのちんぽはなんだと言うのか。
「うそ、つけ」
「――って思ってたんだよ」
「は、ぇ……?」
「お前のせいでぜぇんぶぶっ壊れたよ。なぁ、まだ嫌でも、嫌いでもないんなら、責任とってくれるだろ?」
 そうしてずぃ、と押しつけられたちんぽは馬鹿みたいに硬くて熱くて、布越しにちょっと擦れただけなのに尻穴はきゅんきゅんきゅうきゅうと吸いつこうとした。
「ま、て! まてって……っ」
「こっちは速く速くって言ってるが?」
 気づけば食い込んでいたはずのブルマーはずらされ、ちんこはそのまま、いちおう布一枚分隠されていた尻穴がさらされていた。股を広げるように添えた手は離す前に上から押さえられてしまい、あらわにされた尻穴がくぱ、くぽと開閉するのを見せつけるような体勢をとらされる。
 テントを張ったスウェットが、挿入するみたいにくち、と音がする近さで添えられて、汗と、それ以外のいやらしい体液がぶわりと吹き出した。
「やぁらし……」
「だれがさせてんだよっ」
「お前だよ――俺のちんぽをイライラさせるために、わざわざつんつるてんのやらしい服を着て、ベッドの上で待ってたお前が今ここで起きてること全部をさせてんだよ」
 精一杯の抵抗を怒気を孕んだ声で一蹴され、ギラついた目に頭のてっぺんから爪先まで舐め回される。目的と理由は他にもあるけれど、一番のものをあらためて言葉にされるとぞくぞくと背がふるえた。ひゅ、と喉が鳴って、は、と息を吐くと、スウェットを押し上げるちんぽにちゅぱぁ……と尻穴の縁がしゃぶりついてしまう。
「ほら、俺は挿入れようとしてねえのに……なぁ?」
 お前が自分から咥えようとしているんだと言外にささやかれ、否定したいのにまた。ちゅぱ、ちゅ、ちゅぽ、とくちづけに似た水音が下から響いて恥ずかしい。
「ふ、ぅ、ぅぅ……んっ」
 恥ずかしくて、離れてほしいのに、裏腹な体が許してくれなかった。布越しに張りつめたさきっぽに肉縁をこりゅ、と擦られ、甘く達し、ぷしゃ、とおもらししてしまう。
「おもらしシート敷いててよかったろ」
 いつもならとっくにベッドもびしょびしょになるところを防がれている、と言われてもわからない。ちんこからもらす以外に汗だって出ていて、目からも涙があふれている。全身ずぶ濡れのびしょ濡れで、どれだけ効果があるのかピンとこない。
「わかん、ね」
 気持ちよくて、恥ずかしくて、イッて、イカされて、もらして、気持ちよくて、恥ずかしくて、気持ちよくて、気持ちよくて、はずかしくて、きもちよくて……もう頭がぐるぐるしてなんにもわからない。
「ひとやが、すき……」



 意地悪をしすぎた恋人はすっかりふにゃふにゃになって、とろんとした目でじ、とちんぽを見つめた。幼い告白を最後にふ、は、と息を吐くばかりのくちびるが、ん、と引き結ばれると同時に、見せつけるように広げた後腔をぐ、とさらに前へ――ちんぽへと擦りつけた。
「ひとやが、すきで、すき、だから……もし、がきんとき、ぶるまー、やらし、って……おもってたら……」
 ぬりかえたかった、じぶんとのいやらしいきおくにぜんぶ――珍しい凛気と独占欲で切羽詰まった声がいじらしくて胸を締めつける。過去の恋人を匂わせても、今、隣にいて、これから先を共にするからと余裕すら見せる恋人の心の隅に生まれた我儘が愛おしい。
「……あと、ぶるまーはかせてこーふんする、やべえやつっておもわれたらいいとおもった」
 照れ隠しには強烈すぎるセリフに、やらかしそうなことを考える。容易に浮かぶ諸々に明日以降、エゴサーチをすべきか否かを考えて、やめた。
「お前なら何着たってイイよ」
 事実、なんの興味もなかったブルマーで興奮して、ここまで恋人をぐずぐずにしてしまったのだ。たとえ嗜好を歪めたのが恋人自身だとしても、変態でもヤベェヤツでも甘んじて受け入れよう。こんな布切れ一枚で身も心も嵐のど真ん中に立たされたみたいにさせるのは、この世にたった一人だけだ。
「ひ、ゃぁ……」
 ちゅぽ、と挿入りこんでいたさきっぽを抜くと、うっとりとした恋人が小さく喘ぎ、後腔を寂しさか期待でか、きゅぅぅ、とひくつかせる。見せつけるようにスウェットを下ろすと、ぶるんっ、とちんぽが飛び出した。
 ぴっちりとしたブルマーと違い、ゆったりとした生地とはいえ、やはり解放感がある。なにより何度となく甘イキしていた恋人を目の前にしながら耐えていたのだ。さきっぽの湿り気は恋人のナカのうるみだけではなく、自分自身の先走りも十分に含まれている。
「……今日はナカ、拡げてないのか?」
「ん……したけど、ぶるまーだと、うしろ、ふくらむし……」
 せんせぇにならしてほしかった、とぽんやりと言われ、固まった。わざわざつんつるてんのサイズを着ているから、いつものように玩具で拡張すると浮いてしまうのだろう。乳首もちんこもくっきりと形がわかってしまっていたし、尻に食い込むのだって作戦のうちだろう。だが『せんせえ』はどっからきた。
 同級生プレイ――と自分で言ってしまうのもどうかと思うが――ならわかる。さすがに小学生の頃とは思わないまでも学生時代にブルマーに興奮したのではないか、という理由での着用なのだ。くん、とか先輩、とかならわかる。どうして先生になった。
「せんぱい、のが……よかったか?」
 こちらの疑問を見透かして、プレイの方向性のすり合わせをされる。いやだからどうしてそうなるそうじゃない。年齢差なら一番的確なのは教師と生徒ではあるが。深まる困惑に答えるように、ちんぽに後腔がすり寄せられた。
「せっそぉのせぇで、ぜぇんぶこわれたっていってたから……せきにん、とるぜ……?」
 無垢な輝きをたたえた眼差しに嘘はなく、快感でうだったままおかしな理論が成立してしまったのだろう。せんせ? せんぱい? そうつぶやきながら、ブルマーに覆われたままのちんこからだらだらと淫汁をしたたらせ、ちんぽを撫でる後腔を濡らす。じゅぷじゅぷと音を立てて交わる残滓を吸水シートが吸っていた。
「……こんなやらしい後輩置いて卒業できねぇだろ……!」
「ひゃ、はぁ……っじゃ、せんせ……?」
 にんまり、といたずらが成功したとばかりに口角を上げる顔が嗜虐心をくすぐる。すっかりちんぽになついて、おもらしまみれのすけべな穴でちゅぱちゅぱおしゃぶりをはじめているクセに。
「先生でも先輩でも……ヤることは同じだろ?」
「ひ、ぁんっ!」
 いいかげん我慢ならず、ぐずぐずびちょびちょのおまんこに押し入った。ずりゅん、と慣らすつもりで気持ち優しくさきっぽを挿入れたものの、待ちに待った生ちんぽに浅瀬を一突きにされた衝撃でイッてしまったのだろう。びくんっ……と強くのけ反り、奥に侵入する余地も与えずにきゅんきゅうとおまんこを締めつけた。
「まぁださきっぽしか挿入れてねぇだろ」
「は、ぅあぁ……りゃて、しゃきっぽ、ぐりぐり……っ、きもちぃ……かりゃ……」
 本当に亀頭しか飲み込んでいないはずの敏感おまんこは、ゆっくりと浅瀬の気持ちいいところをこね回して広げ、きゅう、と締めつけるのを割り開いて奥に進もうとするだけでいく、いく、と綺麗な恋人の顔を幼いくしゃくしゃのものに変えてしまう。
 押さえつけられているとはいえ、自分でおまんこを見せつけるように広げてちんぽのさきっぽをちゅぽちゅぽ咥え、羞恥と快感で顔を真っ赤にして絶頂宣言をする――ブルマーフェチとは無関係にいやらしくて、かわいくて、たまらない。
「……せっそぉの、しょぅがくせぇまんこ、きもちぃ……? ひとや、せ、んせ……?」
「他人を勝手に犯罪者にすんじゃねぇ……っ!」
「あっ、ま、て! ひ、ゃああぁっ!」
 とろとろにとけきった目で、萎えるスレスレの煽りをされていきり勃ったちんぽをぐぅ、と自称・小学生のおまんこに一気にねじ込む。いちおう慣らしてあったことと、仕込んだローションとおもらしでびしょ濡れなこと、なによりおまんこに絶対忘れないように覚えこませたちんぽなことが重なって、甘イキしっぱなしの肉壁はみちみちと強引に割り開かれるのにすら悦んで根本まで飲み込んだ。どちゅん……っとちんぽで届く一番奥と、ぶっくりとふくれきったさきっぽがはしたないくちづけを交わすと、恋人は満足げにほぅ、と感嘆をもらし、ちゅ、ちゅ、と咥え込んだちんぽにおまんこで愛撫をはじめる。
 それにしてもとっくに成人したのに顔立ちと言動で年齢より幼く見積もられる恋人が言うと一切合切洒落にならない。さすがに小学生には見えない……見えないはずだ。中学生は危ないかもしれない、と煩悶していると、しょろろ、と静かな粗相の音が響き、淫靡な後ろめたさがちくちくと刺さる。
「ひとゃせんせ、が……、こどもぉまんこ、いじわるすっからぁ……」
 もはや色の変わっていないところのないブルマーをさらに重たくして、恋人が甘くなじった。いじわる、と言いながらも、一番おまんこを気持ちよくしておもらしさせているちんぽのことは決して離さない。むしろいっそうのこときつくきゅうきゅうと絡みつき、いじわるをされたがっている。
「小学生のクセに大人ちんぽでいじわるされてイキまくって……なぁに言ってんだよ!」
 どちゅちゅっ、と限界までふくれたさきっぽで、自称・小学生のおまんこの、きつく、熱く、やわい、一番奥の奥、ちんぽでかわいがってやると簡単におもらしイキしてしまう場所を耕してやった。まだほぐれきらず、ちんぽと擦れても少しそっけない、触れ合う機会がなかったのを拗ねるようにつれない秘奥の肉壁が、素直ではない恋人の心を映すようで、ぐん、と天井を超えてちんぽが張りつめる。
「ふ、ゃ! ぁ! あぁ! あぁぁんっ! なか、やっ! やぁ……っ! ちんぽ、でかい、からぁ……!」
「"小学生"のちっちぇガキまんこ……でっかい大人ちんぽのこと、だぁいすき、ってしゃぶりついてるぞ?」
 どちゅ! ばちゅ! とクレームを無視して、ちんぽをむちゅむちゅと包み込むすけべなおまんこをかき回せば、ひ、ひぐ、と本当の子供のように泣き出した。おもらしだってずっとしているし、ひどく悪いことをした気分になってしまう。
「ひ、ぅ、ふぅ……ゃ、ゃぁ……ひと、ゃせんせぇ……っ、も、ゃあ……」
「今更泣いても遅いんだよ。これから大人ちんぽでぎゅうぎゅうのガキまんこに抜く暇も無く溜めに溜めたちんぽ汁、ぜぇんぶ射精してやるからなぁ……?」
「やぁ! やぁらぁっ……! も、ぉまんこ、むりぃ……!」
 さめざめと、哀れっぽく、いたいけな仕草でほろほろと涙をこぼれ落とし、舌足らずに淫らな仕打ちの中止を懇願する。どこまで演技で、本気か。本人だって曖昧かもしれない。ただ、二人で決めたストップはかからないまま。
「……かぁわいくて、やぁらしい、"くうちゃん"が、せんせいのちんぽでいじわるされて、おもらししながらきもちぃ〜ってなるのが、怖くて、嫌で、ひどいことするせんせいが嫌いなら、今すぐやめてやる」
 ずっぷりと根本まで貫いたちんぽをさらにぐ、と押し込んで、綺麗なばっかりの金色の目を見つめながら最後通告をする。もしも本心から拒絶したいのに約束の言葉を言わないなら、もう止められない。涙と懇願が真実でも、約束を先に破ったのは恋人なのだから。
「空却……」
 じ、と合わせたぽんやりとうるむ目から答えはなく、代わりにナカをきゅ、と締めつけられた。今までもちゅぽちゅぽと舐めしゃぶられていたけれど、それとは違う、意図的な締めつけが返事をするように控えめに動く。
「ばぁか……ないて、やだ……って、いっても……はらませろよ」
 せっかくそれっぽいふんいきだったのに、と残念そうに細められた目にむっとすると、ちゅ、とくちびるを食まれた。
「せきにん、とってやるっていったろ……」
 まだ重なり、触れ合ったままのくちびるで紡がれた言葉は、こちらが言うべきものな気がしたが、反論の間もなく腰を後ろへと引かれる。ぬぅ……とあたたかいナカからほんのわずかに追い出され、思わず追いかけようとすると、だめ、と止められた。
「……だから……"くう"のおまんこ……♡ ひとやせんせぇのちんぽじるで、い〜っぱい♡ まーきんぐ、しろよ……♡」



 年上の恋人が自分や弟子のような年下の子供に甘いのはもはや周知の事実で、そこには複雑なようで単純な理由がある。過去だとか、環境だとか、時代だとか、性質だとか――全部混ざったそこにあるのはあまりにも真っ当な心だけだ。本来ならば守りたいもので、手助けして、止まった足をもう一度後押しするようなものでしかない。愛はあるかもしれない。大人としての慈しみが。だから恋なんて、それも情欲を含んだものなんて、抱くような男じゃなかったのだ。

「ふ、ぅあっ♡ むう……♡ ん、むう、ぅぅぅ〜〜〜〜……っ♡♡」
 ちんぽ汁でおまんこマーキング――とんでもなく下品な生中出しのおねだりの直後、喋るな、とばかりにくちびるをふさがれて、引いた分以上に腰を近寄せられる。上からしたのか下からしたのかもわからない、派手な水音を立てた粘膜同士の交わりは、ぬちゅ、ぬちち……と鼓膜が羞恥で焼けそうなほどいやらしく、余計に強く絡みついてしまった。唾液で溺れかけて解放されたものの、馬鹿になってしまった口では舌足らずに喘ぎ、端から飲み下し損ねたヨダレをこぼしてしまう。その間にもはしたないおねだりを叶えようと、今まで触れられずにいた場所への愛撫が施されはじめた。
「ひぁっ♡ ゃぁーーーー……っ♡ しょ、こ♡ ひゃ、め……♡ ちぃ、くびぃ♡ ゃあぁぁぁぁぁっ……♡♡」
 くちびるから顎を伝い、喉、首筋、鎖骨――器用に歯を立て、くちびるで食み、舌で舐めてくすぐられ、ただでさえワンサイズ小さな服は汗まみれの体のせいでさらにぴったりと張りついて、ぷっくりと腫れあがった一番弱いところを隠せない。ちゅぅ……、ちゅ、ちゅぽ、ちゅぱぁ……と左右のとがりを交互にかわいがられ、濡れた白いシャツの下からすっかり濃い桃色に変わった硬くしこる肉粒が浮かんでしまう。
 乳首だけで絶頂――それもちんこよりもおまんこで――してしまう体は擦れるだけで甘く達していたのに、いやらしく躾けた恋人からの愛撫と、ぶっくりとふくれきったちんぽでのおまんこへの突きで深く重い快感に沈められて戻れない。乳首に吸いつく音は赤ん坊と同じなのに、さきっぽの小さなくぼみを舌先でくじる理由は、おまんこと同じにやわく張りつめた性感帯をほじってイカせたい、という悪い大人の企みだ。
「いくっ♡ いくっ♡ いくぅっ♡ ちくび、も♡ おまんこもぉ……っ♡♡ ひとやに、やらし、されて……♡♡ また……っ♡」
 硬く尖りきって戻らなくなるまで舌で叩かれた乳首を、すぼめた舌先でごしごしと擦られるたび、おまんこがちんぽをきゅぅぅん……っと締めつけてしまう。恋人専用に拓き、形を覚えたナカにぴったりとおさまったちんぽを、根っこからさきっぽまで、丁寧に採寸するようにきゅうきゅうと搾り上げると、少しだけ動きが鈍くなる。
 感じている。はしたない絶頂宣言にか、おまんこでの愛撫にか、器用で勤勉な手練手管に翻弄されっぱなし自分だけじゃない、恋人も――。ちんぽでほじられる胎の奥近くから、ぞくぞくぶるぶると湧き上がる快感と愛おしさ、よろこびが止まらない。これ以上熱くなりようがないはずなのに、肌がぶわりと燃え上がる。
「ひとゃ……っ♡ ひとゃぁ……♡♡ ひとゃも、きもちぃ……? せっそ、の……ひとゃ、せんよぉおまんこ……♡♡」
 乳首とおまんこでイかせようとしている恋人から、言葉での返事はもらえない。けれど一番近く、一番深いところで繋がっているから、お互いにわかる。一緒に気持ちよくなってくれて嬉しい、もっと、もっとよくなりたい、二人だから生まれて、共有できるよろこびを、もっと感じたい、そう、思っているのが。
「ふあぁぁぁ……っ♡ ひとゃも、きもちぃんだ……♡ せっそ、の、おまんこ……っ♡ せ、そぉも、きもちぃ♡ ひとゃのちんぽで……っ♡ おまんこ……っ♡♡ ぉま、んこ♡ また♡ ぃ、くぅ……っ♡♡♡」
 とっくに馬鹿になったちんこは不随意におもらしをしていて、ぷし、ぷし、と短く何かを吹き出すだけだったのに、乳首とおまんこがいく♡ いく♡ と騒ぎ出してからぷるぷると耐えるようにふるえだした。イく寸前の力みなのか、ゆるく弱くふくれたちんぽは、ぴくぴくとしたまま今度はひと雫ももらさない。不思議に思いながらも、完全に種付の準備に入ったちんぽの一突きで頭から追い出されてしまった。
 乳首と連動して優しく舐め回すようだった突きが、特定の――ちんぽのさきっぽでしか届かない、一番奥の、一番敏感で、一番いやらしい、恋人の子種でマーキングされて、絶頂する――場所への激しいものへと変わり、意識するより速く、体が反応する。おまんこの一番気持ちいいところに余さず子種を注いでもらえるように。
 尻たぶに当たるだぷん、としたきんたまの中身をねこそぎ搾り取ろうと、おまんこがさらにきゅん、きゅう、とちんぽに縋りつく。きつく締まるほどちんぽは力を増して、おまんこをさらに強くほじり出す。
 密着が深くなるほど粘ついた水音よりも肌が触れ合う音が強く響き、胎の奥からするとちゅん、みちゅ、むちゅ、というちんぽにしゃぶりつく音が自分にだけ聞こえているようで恥ずかしい。外からはぱんっ、ぱんっ、と尻を打ち据える、空気が弾けるような音が鼓膜を揺らした。
「ひとゃ……っ♡ ひとやぁっ♡ はゃく♡ はゃ、くっ♡ ひとゃの、こだね……♡♡ せ、その、ぉまんこ……♡ ちょぉだぃ……っ♡ ほしぃ……っ♡ びゅぅぅぅって♡ いっぱぁぃ……♡ おまんこたねつけされて、ぃきたぃ……っ♡♡♡」
 全身、頭のてっぺんから爪先まで、いやらしく躾けられた体をじっくりたっぷり甘く苛まれ、もう耐えられない。はやく、はやく、甘くやわくイかされ続けたおまんこを、容赦ない種付で深く痺れるようにイかせてほしい。思い出し、想像するだけで乳首もちんこも硬くなり、おまんこはむちむちとはしたなくわなないてしまう。汗で濡れ、精とも潮ともつかぬ淫水に塗れ、胎に仕込んだローションで滑るのに、なおも飢えて渇く貪欲で淫らな体がちんぽに甘え、媚びる。
「ひ、とゃ……?」
「……」
 おまんこへの責めがふ、と優しくなり、ここまできて寸止めされたらどうしよう、と恋人を見つめると、乳首をしゃぶっていた顔が上げられた。落ち着いてみえるけれど、ぎらぎらとした、凶暴な、発情した色の目に、ぞくぞく、と背がふるえて、きゅん、とおまんこが反応してしまう。
「……この……っ」
 はしたないおまんこに一瞬顔をしかめたものの、すぐに元に戻って、ちゅ、ちゅ、とくちづけられる。触れるだけのくちづけすら、おまんこがきゅん、きゅん、とふるえてしまうのが恥ずかしいのに、ついにキスだけでイくすけべなおまんこになった……♡ というのによろこんでしまう。
 何度も重ねられたくちびるが離れた後、はぁぁ……と甘く達したと暴露する深い息をもらすと、欲情の色をさらに濃くした恋人にささやかれた。欲望を抑え込むために低く、それでもはみ出した欲のせいでくらく甘い、逆らい難い、声。
「……しょ、しょうがくせい、なのに……っ♡ ちっちゃい、こども、おまんこ、なのに……っ♡ ひとゃせんせ、の♡ でっかい……♡ おとなのおちんぽ……♡♡ ぜぇんぶ、おしゃぶりする♡ いやらしぃ、おまんこで♡ ごめん、なさぃ……っ♡♡♡」
 責任を取ってくれるのだろう? と要求された、仕掛けたいたずらの完遂のために馬鹿丸出しのセリフを口にする。もはやヤケクソで笑い出しそうですらあるのに、火がついたままの体と、じっとりとした眼差しでぞくん、と胎がふるえ、また、イく――……ッ♡
「……それで?」
 甘く達し、そのまま深く落ちかけたのを、恋人の冷たく燃える声と目が引きずり上げる。びく、と目をしばたたかせ、回らない舌を動かす。
「……だ、から……っ、いやらしぃ、くうの、こどもおまんこ……っ♡ ひとやせんせ、のぉ……、おとなおちんぽでたねつけして……♡♡ ちんぽじるでいぃっぱいっ……♡ の、おとなおまんこにして……♡♡」
 何度となく体の奥深く、掻き出すことすら困難な胎の最深部に射精されてきた。そんなことで大人になれるなら、この男を手に入れるのはどれほど容易かったか。口から吐き出す言葉から欲望以外が剥がれ落ちるほど、頭の片隅で冷静な自分が叫ぶ。
 胎が溺れるほど浴びた精よりも、大人にも、子供にもなれない自分をそのまま大事にして、愛してくれたから、ここにいる。幼い愚かさを綺麗なものみたいに大切にしてくれたから、自分も欲しくなった。……結局、めちゃくちゃになったけれど。
「……ひ、とやぁ……っ」
 もう、本当の本当に限界で、ぷつん、と頭の中で何かが切れる。好きで、好きで、こんなに近くにいるのに足りなくて、満たされない。ごっこあそびのていも忘れ、名前を呼ぶ。ひとや、ひとや、すき、すき、すき……ひとや。
 真から子供に戻ってように拙く呼び、愛を告げるのに、困ったように眉を下げて、ふ、と息を吐く。このやれやれ、と言いたげな顔が嫌いではない。むしろ好きで、またすき、と言ってしまう。
「俺もだよ」
 返事がないと思っていたら、そう、いつもの調子で言われたはずなのだけれども、残念なことにそこから記憶が曖昧になっている。



 好き放題にこちらをかき乱すだけかき乱した恋人は、暴れるだけ暴れると過ぎた快感でふわふわになってしまった。かわいらしくひとや、すき、と言うだけの恋人は、稀少ではあるけれども体に悪い。
 だからくちびるをくちびるでふさぎ、爆発寸前のちんぽでおねだりどおりに種付してやるために、おまんこをぐりゅんっとほじくった。
「む、ぅん……っ♡」
 とろとろの金色をさらに甘く、淫らにとろかして、深いくちづけを堪能する。常の快活さも、稚気も、小匙一杯ていどの妖しさも、全ていやらしく熟れた色香に飲み込まれた。
 下腹部――ちんこや尻を起点に、いやらしく触れたらいやらしく感じるように教えた身体は、上下揃って同じように責め立てると、ひどく乱れる。今ならばくちびるを、口内を、舌を絡めて暴き立てるように愛でると、自然とちんぽと交わるおまんこを想起してしまうように仕込んだからだ。
 小さな口で一生懸命に感じ、味わい、達する。下の小さな口と同じに、本来ならば性器ではなかった場所をはしたなく悦び、本来の性器以上の快感を得る。
「ん、んんぅん……っ♡ ん♡ んんーーーーぅっ……♡♡」
 お互いに、もうこれ以上の言葉はいらない。幼さを装った求愛は音ではない熱を欲しがって胎をうずかせている。今よりももっと深く、くちびるを、ずっと繋がったままの場所を。
「んっ♡」
 じゅぷんっ……と、ついにおまんこの最後の一線を越え、滅多に挿入らない秘奥へと踏み込んだ。閉じかけていた目が見開かれ、きん、と瞳孔が鋭く尖る。ぶるる……と頭のてっぺんから爪先まで引き攣ったようにふるえ、ぎゅんっ、とおまんこが痛いほど締めつけた。ぐ、と息を詰め、負けじと腰をぐりぐりと押しつける。
「んん♡ んぅっ♡ ん、ぅんっ♡」
 ふうふうと鼻から出る息が激しく熱く、押さえつけた足がぴんと張り、びくびくと陸に打ち上げられた魚のように跳ねた。ぐるりと白目をむきかけた目が再びとろけ、まぶたが落ち、睫毛が影を落とす。おまんこの締めつけも少しだけやわくなり、腰を押しつけた分だけ深く、ちんぽがぐりゅりゅっ、と秘奥を犯してしまう。
「んぅーーーーーー……っ♡♡」
 まだ少し硬い秘奥をとちゅとちゅと優しくこね、みっちりとした肉壁に馴染むようにさきっぽをゆっくりとゆする。おぼこいおまんこにちんぽの形を覚えさせたときのように、もう動いて、と懇願し、おまんこが勝手にむちゅむちゅとちんぽをしゃぶるようになるまで。
「ん、む、ぅぅ……っ♡んぅっ♡……ふ、ぅ……♡」
 爆発寸前のちんぽを意地で耐え、ちゅ、とちゅ、と秘奥をほぐし続けると、息と一緒にもれる喘ぎが甘くなり、ちんぽを食む動きが変わった。少し前のうぶさはなりをひそめ、さきっぽのくぼみをちゅぽちゅぽとほじくり、明確に子種をねだっている。おまんこも根こそぎ搾り取ろうときゅんきゅんと動き出し、根っこからの締めつけが強くなった。
「ふ、は……っ」
「は、ぁ……っ♡ ひ、ぉゃぁ……♡♡」
 一気に何もかも吐き出してしまいそうな誘惑にめまいがして、くちびるを離す。一瞬さびしげに揺れたくちびるのあわいから、しびれてしまい損ねた舌をてろりと垂らし、いとけなく、色に溺れた声で愛おしげに名前を呼ばれた。回らぬ口をはくはくと動かして、形だけでくり返し名前を描き、愛を歌う。
「……一生、勝てねえんだろうなぁ……」
「ん……?」
 何度目かのつたない告白に観念し、おまんこと秘奥の搾るままにまかせ、一番熱心にさきっぽをしゃぶった場所へと子種口を合わせた。ちゅとん、という今までに比べたら優しいはずの刺激に、こちらのいまさらな白旗が上手く聞こえなかったのか、少しだけ傾げた首が、ひくりと跳ねる。
「なぁ、これからずっと負けてやるから……」
「ひあっ♡ な、んにゃ、あっ、あぁぁぁぁぁ……っ♡♡」
 そばにいてほしい――ピアスのない裸の耳たぶを食み、恋われた愛を返す。離れたくちびるの分まで隙間を埋めるように交わった胎の奥に子種を放った。
 びゅぅっ、びゅる、びゅぅぅぅうううううう……っ、きんたまに溜めこんだ精は尽きず、ぴったりとくっついたやわな肉壁に休むことも逃げることも許さずに注ぎ込む。身悶え、喘ぎ、泣き、もらし、それでもなお終わらぬ種付に途中からうっとりと目を細めだした恋人に反し、おまんこと秘奥は砂漠で渇きを癒すように、無遠慮に撒かれた種にむちゅむちゅと吸いつき、嬉しげに飲み下した。
 硬くおぼこい仕草をしていた秘奥が、すっかり熟れた様子でちんぽをしゃぶり、尿道に残ったわずかな子種すら吸い出したのはさすがに不安になるほど淫らで、真面目に貞操帯の購入を検討してやめた。自分以外にこの恋人が抱かれるわけがない。
「ぁ♡ふぁ……♡」
 長い射精がようやく終わり、やわらかくなったちんぽとおまんこの隙間からどぷ、と子種があふれ出した。今もあわく絶頂し続けている敏感なおまんこは、肉壁を伝いなぞる精子にすらきゅう、きゅんと反応し、ちんぽを再びみち、と包んでしまう。
 徹底的に抱き、教え込み、覚え込ませた居心地のいいおまんこはこういうときに本当に毒になる。射精と違い終わりのない快楽に晒され、気絶するまで止まれない胎での絶頂を終わらせる前に、こちらがおまんこによくされてしまうのだ。
 本当に空っぽになっていればそれで幕を引くこともできるが、今日はまだきんたまはずっしりと重く、むっちりとしたおまんこは容赦なくおかわりを要求している。それ以上に十分すぎるほど子種を浴びたのに、甘く身悶えながらちんぽをしゃぶり、もっともっとと子種を欲しがる恋人のしたたり落ちるような色気から逃れる術があったら教えてほしい。
「だして……♡」
 恐ろしく甘い声がして見れば、金色の目はまだ強く欲情していた。高く登り詰めた快感の上からおりられない恋人が、どうにか逃げようとしていた心を見抜いて、きゅ、とちんぽを締めつける。抱きたくないわけではない。むしろ抱いていいならば射精しつくすまで抱いてやりたい。ただ、そうした後の恋人が、とても人前に出せない有様になるのだ。
 数日……一週間近く引きずる快感の余韻を、恋人は住職が認めた精神力で耐え忍ぶのだが、自分と二人きりのときは隙だらけになる。それこそ何一つ欲を煽るつもりのない――髪の毛をやわく撫でるていどの――動きでびくんっ、と跳ね上がり、射精のない絶頂を迎えてしまう。大丈夫だ、悪い、とつとめて普段通りに振る舞われるほど、余計に抑えつけた色気と欲望が香り立つ。さらに言えば二人きりでなければくすぶる欲をお首にも出さずにいる恋人が、二人きりならばとタガを外し淫らに乱れるのが覿面に効く。
 他人には見せられない姿を自分になら見せてもいいと恋人に甘えられるのはたまらない。ましてや一人でも立ち続ける強さを持つ恋人に頼られるなんて、恋人としてだけではない家族と呼び合う者としての喜びもある。
 ……もちろん、何日も前の快感を新鮮に引きずり続け、何をされてもいやらしく感じてしまう恋人があんまりそそって、おとなげなくおかわりをしてしまうこともあるのだが。それにしたって身体のうずきにふるえる恋人が、自分も辛いから、と咎めるどころか許してしまったりする。恋人からもう無理、と持て余した欲に塗れた身体を投げ出されることもあるが、どちらにしろ快楽で狂った身体が余計に苛まれるのだ。
 だから今、これ以上は抱きたくない。あふれる子種まみれのおまんこに、もっと奥まで射精して擦りつけ、匂いが移るほど射精したくないと言ったら嘘になる。けれども数日経ってなお、抱いた直後のようにひくひくとちんぽを食むしぐさをするおまんこを見せられて、玩具じゃ満足できない、と泣きつかれる方が辛い。
「……ダメだ」
 互いの先々を思うなら断って、引きずる余韻が少しでも楽になるようにここでやめるべきなのだ。それでどれだけ駄々をこねられ、臍を曲げられ、泣かれたとしても、余韻でほてる胎を服の上から優しく撫でただけで、わけもわからず喘ぎながら、おもらし絶頂されるよりいい。たとえ今、どれほど辛そうにされても、こちらだって辛い――辛いのだ。

「はぁ……ぅっ♡ ふあぁぁぁぁ……♡♡♡」
 ――結局、覚者どころか俗に塗れた男、それも久方ぶりの逢瀬でかわいくてしょうがない恋人を抱いた男が、自分専用、などと言ってはばからないぷりぷりのおまんこでおねだりされて勝てるわけがない。おかわりをしたのかされたのか、新しくついたシミとあふれた子種は何一つ言い訳のしようがない。助平、スキモノ、変態、なんとでも好きに罵るがいい。
 かわいくてかわいくてしょうがない恋人に、引きずる余韻の切なさすら抱かれたからだと思うと愛おしい、なんて言われてなおも断るのは馬鹿だ。反対意見の奴は好きに振られてくれ。俺は一生この恋人に逆らわないと決めた。
「満足したか……?」
「したぁ……♡♡」
 抱いて、抱いて、抱きつぶす寸前のあらゆる装飾も武装も砕けた恋人がぽんやりと微笑む。寝顔に近い険のない顔は自分だけしか知らない表情の一つで、たとえ今日から一週間ていど、近くにいてもいなくても懊悩するハメになってもおねだりを聞いてよかった、と思わされる。
 すでにちんぽは抜き、後始末へ向けて準備をはじめていた身体はくったりとして、ずっと押さえつけた太ももに不穏な指の痕がつき、さんざ舐めしゃぶった乳首は透けて浮いたまま。ジャージですら袖や腕のあたりはあられもない液体でどろどろのびちゃびちゃで、渦中のブルマーなど絶えずおもらしをするちんこをずっと覆ったままだったから、脱がすのが怖い。クロッチ部分をずらしただけの後腔周辺も言うまでもない有様で、荒淫で少し腫れた肉縁が痛々しいのに注ぎ込まれた子種に塗れ、呼吸に合わせてくぽくぽと奥に注ぎ込んだ分をこぼすのに、空っぽになるまで射精したはずの股間が痛む。
 あらためて全身を見ると背徳感というべきか、罪悪感というべきか、比較的綺麗なのは申し訳程度にかぶられたサンタ帽だけだ。いとけない表情と装いで欲を煽り、二目と見られぬまで犯させようとする最低な悪趣味だと思うのに、覚えたての馬鹿な猿のように飛びついてしまう。今だってそうだ。
「ひとゃはぁ……、まんぞく、したか?」
 性に溺れ切った上目遣いと、愉快そうに上がる口角が最高に扇情的で、つい音を立てて唾を飲み下す。それを聞き逃すわけもなく、ん……♡ と喘ぎながら再び後腔をくぱぁ……と開いてみせた。
「こいよ……♡ せきにん、とるぜ……♡」
 ひくんっ……とふるえた肉縁から、とろ、と精子が伝い落ちて、すっかり存在を忘れていた吸水シートを汚す。念には念を、と重ね敷きしていたシートは大変に優秀で、一番上はぐしゃぐしゃになって破損していたものの、下のシートとベッドは無事だった。
 問題は、誘いを無碍にされた恋人がさんざ種付したナカから子種を掻き出すように、じゅぼじゅぼとオナニーをはじめたことだ。無尽蔵の体力と修練がセックスにも適応されるとこういうことになる。ふわふわとした恋人が見たくて潰さなかったせいだろう。どちらにしろこれ以上の負担はお互いの身体に過ぎた毒になる。
「今度は俺が責任取る番だよ」
 何をするとは言わず後腔で遊んでいた指を抜くと、期待に満ちた眼差しが向けられた。由緒ある寺の後継と謳われる者がとてもしてはいけない熱視線に、自分が取るべき責任はこんなちっぽけな寝室のただれた一夜では贖えないと思い知る。
 一瞬の逡巡を感じたのか、ちゅ、とほんのり赤くふくれたくちびるが鼻先へと触れた。やわらかくあたたかい、視線とも体温とも違う熱さに目をしばたたかせる。
「おもてぇなら、もってやる」
 ずっと、いっしょう、しんだあとも、そばでてをかしてやる……舌足らずなままつたなく紡がれる言葉なのに、こんなに頼もしいことがあるだろうか。自分は恋人を狭い檻に閉じ込めてしまったように思っていたのに、たった一言、たった一瞬で全てを壊してしまった。いつだって何もかもめちゃくちゃにするクセに、一等大事なことだけはちゃんと掴んで話さない。
「……やっぱ勝てねえなぁ……」
「あ? じんぐうじじゃくらいいがいにかてねぇもんあんのか?」
 ――その分、住職の未熟、むらっけがある、という言葉を思い知りもするのだが。
 あんまりできた恋人すぎても気後れしてしまうから、今ぐらいがちょうどいいのだろう。どうせすぐにでも自分にはもったいない人間に育ってしまうのだ。今しかない恋人との時間を楽しもう。
 そのためにも一つ、言わなければならないことがある。
「ベッドで他のヤツの名前を呼ぶんじゃねえ!」
 半分は本当に怒りながら指を構えると、いたずらな光を灯して綺麗な金色が笑った。



 後日、ベッドでのスパイスに使ってしまった友人からネットで話題になっているんだけども、とブルマー購入時の話を聞かされるハメになるのをまだ知らない。
 が、話題の中心はブルマーではなく恋人の清々しく堂々とした惚気らしく、プライベートに踏み込む気はないけれど仲睦まじいようでよかった、と悪意と皮肉の欠片もない善意と本心から祝福されて、なんとも複雑な心持ちになるのもまだ知らない。
 明日も知らず、ただ目の前の恋人を愛でていた。

2023/1/3


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