邪恋騒乱・後

 太陽。それもとびきり暑い夏の。
 そんなものがある日突然、自分の目の前に人間の形をとって現れて、天上天下唯我独尊、傍若無人、天衣無縫に暴れ回った。
 どうして俺の周りには厄介な奴らばかりが集まるのだ。面倒くさいから関わりたくないのに頼まれたら断りきれない性分が悪いのか、いつかの自分が見落として守れなかったものを二度と取りこぼしたくないからか。
 どちらにしろ、こちらを滅茶苦茶に引っ掻き回すくせに振り向きもせずに飛び出して行ってしまう子供が、いつからか頭と心の真ん中に居座るようになってしまった。



 作務衣の隙間からちらちらと覗く、熱を帯びてうすら赤い真っ白の腹と、そこに灯る卑猥なネオンサイン。最初に見せられたときから変わらず、可愛らしいピンク色に光っている。光っていない方がいいのだが、事後のリアクションでわかってもいたことだ。淫紋などという卑猥な名前のまじないが解除されていないことは。
 常ならば鋭くすらある金色がうるんで、上等な蜂蜜のようにとろけきり滴り落ちる。性欲もろくにない子供が強制的に植え付けられた快感でこぼした雫は、おそろしく清らかで透明だった。持たず、知らない快楽を無理矢理に開かれた花は、おぼこなとまどいで余計にそそる。
 まじないが見えた方が効果の有無がわかるから、と仰向けにさせた身体はくったりとしていて頼りない。飛んで跳ねて暴れ回る子供がびしょびしょの下半身を御しきれず、こちらの足と絡むように投げ出した。こんなことになると思っておらず着たままの上半身――さすがにスカジャンは脱いでいる――もあらぬ汁に塗れて濡れ、一部は乾いてシミになっている。取り繕うことも出来ないほど乱れている子供といえば、うんうんと唸りながら足を持ち上げようとしていた。
「何してんだ」
「ん……? らて、いれんだろ?」
 それ、とおもむろに顎でさされたゴムに、気まずさが押し寄せる。たぷ、とつまんだ指先にかかる重みはまあまあな量で、たまってたのか? と何の気なしに聞かれるのに、最近は特にな、と多少の含みを持たせて返せば、ほぉか、とふにゃふにゃと笑った。
 この人命救助で犯罪防止のためのセックスをはじめて小一時間。いつものような会話に安心し、同時に勃起してしまう。お互いに上はほぼ着たまま、下はだいたい裸の状態で隠すものはないけれど、自分のことでいっぱいいっぱいの子供は気づいていないらしい。
 自分が『家族』と呼び、信頼しきって身を委ねた大人が、自分に懸想しているなど。

 はじまりはなんだったか、きっかけはなんだったか。こちらの年齢でも性別でも肩書でも揺らがない意志を持った子供は、年齢相応に考えなしではあったけれどまばゆく見えた。飾らない偽らない心でお前はなんだと問うてくる目は子供と言うにはあまりに聡く、大人と言うにはあまりに無垢で、気づけばしょうがない、と許してしまっていた。
 映画や小説みたいなドラマティックな理由なんてない。強烈な出会いと、そこからはじまった騒がしい日々の積み重ね。当たり前になっていた腐れ縁を、死ぬまでどころか死んでも続く『家族』になるのを自然と受け入れてなお、気づいてなんかいなかった。
 獄、その子の事が好きなんだね。ほんの少し前、慣れた様子で愚痴を聞いていた恋人が、穏やかな声音の裏に忍ばせた感情をあえて滲ませた言葉に、そういう『好き』じゃない、と言えなかった自分にまず驚いた。互いに年齢も同じ、天職とも言える仕事に就いていて、趣味人同士で分野は違えど気が合った。それぞれに多忙ですれ違いも多かったけれど、パートナーと呼ぶには十分満たされていて、今後のことを考えて籍を入れようか、なんて話し合いも増えていた。その矢先だ。
 気づいてないんだろうね。でもずっと、その子のことをあのバカが、あのクソガキが、って言う獄の話を聞いてきたからわかるんだよ。否定も取り繕いもせず驚き黙る――最初の反応で決めていたのだろう。すっかり腹を括った清々しい顔で、お互い籍入れる前でよかったね、と言われて、呻き声のような相槌しか打てなかったのを許してくれる、最後までいい恋人だった。
 しかしながら元恋人から心変わりを指摘され、うすぼんやりと意識したところで、入籍まで考えた相手にフラれた事実の方が重かった。一部の親族はともかく両親はお前が幸せならそれが一番だと、喪失の悲しみに抗うように末の子だからと甘かったのに拍車がかかり、便り以外は何も求めてはこない。自分でも若い頃のような遊びや惚れた腫れたは潮時だと思っていたし、未来を共に歩むパートナーが欲しくもあった。いなくたってそれはそれで身軽だし、人恋しくなったなら分別ある大人同士の嗜みをしたっていい。そんな折に出会って意気投合したのが素晴らしくよく出来た元恋人だったのだが、過ぎた話をしても仕方がない。
 そもそも高齢化社会の中では若手でも十代からすればオッサンで、そうでなくとも自分が高校生だった時に赤ン坊の相手とどうこうなりたいなんてまるで考えられなかった。どうしたって間違いなく実力と才はあるけれど、面倒くさいクソガキにしか見えない。元恋人がパートナーではいられないと思うほどの感情が自分の中にあるなんて、とても信じられなかった。よく言うボタンのかけ違えみたいなことで、少し時間と距離を置いたらよりが戻せるんじゃないかとすら思っていた。

 フラれたにも関わらず未練がましいことを考えていた馬鹿な男が、自身のことすらおぼつかぬ愚か者で、元恋人が無自覚な愚か者を深く愛してくれていた賢者だと教えられたのはたった数時間前だ。
 元恋人がその子と言って決して名前を呼ばなかった子供に、素っ頓狂なオカルト現象に巻き込まれたから『セックスしてほしい』と言われた時、得体の知れない通り魔にはらわたが煮えくりかえると共に、選ばれた喜びが胸に広がった。父親はともかく年齢が近い十四もいる中で、お前がいい、と言われるのは覿面に効いた。普段の尊大さよりも殊勝さが際立ち、いくらか申し訳なさそうに『抱いてほしい』と言われるのに倒錯した色気すら感じて、危うく勃起しそうになるのをこらえながら即物的すぎる目覚めに自己嫌悪が湧き上がった。
 そりゃあフラれる。まるで自覚などなかったくせに、限られた選択肢と異常な状況下とはいえ、セックスをするなら他の誰よりもお前がいい、と言われて動揺や忌避するよりも先に簡単に喜んでしまったのだ。セックスの対象イコール恋愛の対象ではないとしても、当の『その子』の眼中に『そういう相手』として自分が筆頭に上がったことに可能性を見出してしまった。生意気なクソガキとしか思っていなかったのに、ずいぶんな掌返しだ。
 もしや淫紋とかいうまじないのせいかと疑ったものの、獣欲に晒され続けたと愚痴る目の前の子供の眼差しに揺らぎはない。さすがに心労がたたったのか、いつもより疲れて素直な目は信頼と安心を隠しもせずにいる。常ならぬいたいけな弱さを醸す金色に優越感を感じてしまうのが恥ずかしい。
 『家族』と呼び合い、心底から互いを認め合う絆があるからこそ悪意あるまじないを弾くのだろう――恩義のある住職の言葉は正しく、そして全てではない。恐らく淫らな恋慕を強制的に植えつけるまじないより先に、近しい感情を抱いていたならば作用しないのだ。体質差はあれど酒や煙草を常飲している人間と、初めて飲む人間では心身の反応は違う。成長途中の者に摂取を禁じられるほど強い影響力を持つ物質は、慣れない者にはまさに毒だ。それと同じことが起きている。
 ただ、きっと今『実は好きだった』などと言っても信じないだろう。変な気の使い方をされたと思われるか、淫紋が別の方向に働いたと選択肢から排除されるかだ。なにより『家族』として力を貸したいという気持ちとて嘘ではない。むしろゴールイン間近でフラれた理由より、よほどそちらの方が強かった。……自覚が急すぎて実感が追いつかなかったのも正直なところだが。
 だから何度も確認してしまったし、他に手段もあると言うから甘えていいんじゃないかとも思った。いっぱしぶっているが、まだまだ子供なのだ。自罰的ですらある言動も許せなくて、土壇場でも問い詰めた。本当にいいのかと。この子供が一度決めたことは貫き通す性分だと知りながら、退路を断つのを手伝うように。

 『家族』として憤り協力する心の裏に、目覚めたばかりの不埒な恋慕をする者としての心がある。元恋人とレスだったわけではない。淫紋の効果も微塵も感じない。けれどおぼこな子供に尻を剥き出しにして挿入を乞われると頭の中に嵐が起きて、最近ではなかったくらい強く勃起した。
 淫紋の効果で濡れるという尻は、たしかに最初に広げられたときのナカは綺麗な桃色で、ぷりぷりとしながらもきゅっと引き締まっていた。そうと知らずにローションを出そうとするのを止められて見たナカは、充血してもっと濃い桃色に変わり、存在しないはずの愛液で濡れそぼってぷりゅぷりゅとぬめり、きゅぅ、きゅん、とナニかをねだって蠕動する、性器へと変貌していたのだ。
 まばたきの間にいやらしく匂い立つ身体になった子供が、こちらのよこしまな心など知らないまま、挿入を乞い、それどころか勃起をするか、セックスをできるかを心配する。そのたびにけなげに広げられた尻が、準備万端のアピールをして愛液を吹きこぼし、みちゅみちゅといやらしくひくついた。
 残念ながらずっと勃起している。痛いくらいつっぱらかって、汗と汁まみれになるのがわかったからシャツ以外を脱ぎ捨てた。ぶるん、とまろび出たちんぽは、目の前で淫らに濡れ蠢く処女穴に種付したくて仕方ないとばかりにぐんぐん張りつめる。心は誰よりも多くと交わり繋がっているのに、身体は誰も知らない――はずなのに、ちんぽの味を知っているような熟れ方をして、喧嘩腰に誘う。アンバランス、ギャップ、想定外の子供の仕草に参りながら、どうにかいつものやり取りを思い出して話していた。『家族』として、苦境を乗り越えようとしているのだと、これは怒りでの勃起で決して欲情なんてしていないのだと。何よりも自分に言い聞かせて。
 何も知らずに喘ぐ子供に淫紋のせいでお前だけが焦れているのだと余裕ぶったふりをして、内心は同じだった。美味そうにぱくぱくとする穴を見るだけで腹までそり返るちんぽになんとかゴムをつける。底意地の悪い変態なら生でさせたがるような気もしたが、ぽっかりと開いた桃色の粘膜を自分の精子まみれにするなんて考えただけでくらくらした。
 うぶな心と反対に身体は欲しい欲しいとびしょ濡れになって愛液を吹き、挿入れたらきっとしゃぶりついて搾りとられる。そうしたらこの子供の小さな尻の中になど、重くぶら垂れるきんたまの中身がおさまるわけがない。それを別れたばかりでたまっていると思われるのも、淫紋の影響で精力が増していると思われるのも嫌だった。
 性に無関心な心は、すでにこれまでの人生で味わったことのない快楽に犯されて、抗いながらも受け入れなくてはいけない矛盾になき喘ぐ。子供ははやく、はやくと、身体も心も急かすけれど、ともかく終わらせようという心を発情して種付をねだる身体がバラバラにしてしまう。
 挿入れる準備は出来たものの、こちらもこちらで逡巡して動けなかった。ベッドに突っ伏した子供は自分ばかりがはしたなく欲情していると思い込んで、恥じらいながらもぴゅうぴゅうと愛液を吹きこぼす。尻のあわいから覗くちんこは硬くとがりながら先走りをもらし、尻のうずきだけでは達しきれないまま、あまくやわくイッているのだと、尻ともどもけなげな雫をしたたらせた。
 自分が断れば、退けば、目の前の子供はもっと苦しむことになる。今だって子供がたまたま強靭な精神力の持ち主だから自分以外に明かされることのなかった欲に溺れる姿を晒して悶えているのだ。出来ることをしなくては嘘になる。たとえ子供に自分の本心がバレてしまったとしても。
 ぷりんとした綺麗な尻を掴み、絶頂を待ちわびてわななく尻穴に、窮屈そうにゴムに覆われたちんぽを押し当てる。ほんのさきっぽだけしか触れていないのに、じゅぶぶ……とうるんだ粘膜に歓待された。みずみずしい果実を割り開くようなのに、熱く、むちむちと肉厚なナカは、ヴァージンとは思えない淫らなうねりでちんぽに媚びてくる。
 まじないの効果で高められた部分もあるだろうが、穴からほど近いちいさなふくらみは、さきっぽやくびれ、茎でずりゅずりゅと擦ってやると、きゅぅぅ……と締まり、ぶわりと愛液があふれだす。これは男の身体特有の性感帯で、おそらくまじないが消えた後もここはずっとイイはずだ。気遣いでゆっくり挿入をしていたが、身体に教え込むように、自分でも覚えるように、ずぅぅぅ……とふくらみを撫で回した。そのたびにきゅん、きゅう、と素直に跳ねるのに、まじないが解けた後のセックスなどありえないのに期待してしまう。淫紋は消えたのに、と恥じらいながら乞い願われたい、などと愚かな夢を見てしまった。
 ばちん、ときんたまが尻に当たるので目が覚め、ちんぽを根っこまで挿入したと気づく。ちゅぱちゅぱと舐めしゃぶられ、きゅん、きゅう、と締めつける尻穴が、処女だとも性器でないとも信じられない。本人もわけがわからないのか突っ伏したきりだから、動かずに馴染むまで待ってやった。ハジメテだという子供より先に絶頂を迎えたくなくて、すさまじい快感を耐えるのはこちらも同じだ。
 しかし尻があまりに良すぎるのか、ちんこからもぷし、ぷしゃ、とおもらしをしているのに本人はまるで気づいていない。当たり前だがちんこでの絶頂しか知らない身体は、尻の穴で極めてもよくわからないのだろう。ただただ気持ちいいだけで、ちんこと尻の反応からすると甘くイッてはいるはずだ。そうでなければ意地で立っている足ががくがくと震えているわけがない。
 このまま放っておけばもう何度か甘イキしただけで足は崩れ落ちるだろう。こんなセックスよりもよほど過酷な修行をしている子供が快感には弱く、四肢を投げ出しぷりぷりとした尻だけを高く掲げ、ちんぽをねだる。そのくせ頭と心だけは抗う様など見せつけられたら、素直になるまで意地悪い言葉でかわいがりたくなってしまう。そんな浅ましい妄想だけで膨らみそうになるちんぽを宥め、あくまでも『家族』を思い、配慮して振る舞う大人として、ふるえる足をたたみ込んだ。大丈夫だと抵抗するのを丸め込むと、まかせる、と言って大人しくなった。
 こちらを巻き込んで本意ではないセックスをさせていると思い込んでの負い目と、経験のなさからされるがままの子供がいたいけでたまらない。子供のおぼこい仕草や、先のようなよこしまな考えでふくれるちんぽにすら、よくわからないけどそういうものか、という様子でん、んぅ、とあえかな息をもらしながら尻で受け止め、とろとろの肉壁で歓待してしまう。性に淡白な子供には過剰な快楽が、少なからず聡い頭に影響を及ぼしているのは間違いない。淫紋などというふざけたまじかいがなければ、この子供がこんな有様になるわけがないのだから。
 子供は自分のことを『家族』としか思っていない。唐突に突きつけられ、最悪のタイミングで自覚した好意は、きっと実ることはない。そして実らせようとも思ってはいない。今この場で告白しても淫紋の効果と誤解されるように、後日全てが片付いた後に告白しても抱いた責任を取ろうとしていると取られるだろう。それくらい、脈がない。
 そのかわり望んだ形ではないけれど、性の香りのしない子供の肌を誰よりも先に暴いたのは自分になる。無理矢理とはいえ欲情し、はしたなく乱れた仕草、うぶなまま淫らになった変化にとまどう声。誰も知らない場所に自分の存在を教え込むくらいよろこびごと、小さく畳まれた子供を囲み込み、上から覆い被さった。
 逃げも隠れも出来ないように――もっともそんな力もないだろうが――閉じ込めた子供に、安心しきって身をゆだねられ、なかにだして、と縋られる。どんな顔をしてこんないやらしいおねだりをしているのか。きっとこの場にふさわしくない、幼い顔をしているはずだ。自分の身に降りかかった災いを『家族』と呼ぶ相手と退けられると信じて。
 子供の純真さに痛むわずかに残った良心に悪心が哄笑を上げた。健やか故に愚かな、自分が性の対象にされるなんて思ってもいない子供の信頼を踏みにじっているのに、何が楽しいのか。否、それこそが愉快なのだろう。何も知らない子供に親切ごかしなことをする、みっともない大人が。
 やわやわにとろけているのにきゅうきゅうと締めつけ、ぴっちりと吸いついてむちむちとしごかれるのに危うく何度持っていかれかけたかわからない。子供が心を置き去りに甘く熟れた身体に振り回されて、はやくはやくと幼く迫るたび、本当に好いて好かれた結果、抱いていると勘違いしそうになる。
 ――違う、違う、違う! 腕で、足で、全身で、閉じ込めて囲い込んだ子供は自分の身体を弄ばれること以上に、自分のせいで周囲の人間を巻き込むことを悔やみ、苦しんでいる。甘くなき喘ぎながらも戦っているのだ。決して、決して、俺を好きなわけじゃない。そういう意味で好きになる日だって来ない。わかっているのに、まじないでいじられなければ欲を持たない心身に爪痕を残そうとしてしまう。
 これが終わったら『家族』に戻る。お互いにいつか笑い話に出来るまで黙ったまま、触れ合い重ねた肌はまじないへの対抗手段だったと言って、それ以上は何もなかったのだと言い聞かせる。そう出来ると信じられたから、今、ここにいるのだ。
 とっくに射精せるのに、よこしまで未練がましい心が子供を離せない。うぶで無垢な子供に必要な行為なのだと言って無体を強いる。何にも悪くない。なんにも。悪いのはこの子供に嫉妬をしてまじないをかけた馬鹿と、抱くとなった瞬間に想いを自覚する愚か者で、その両方に蹂躙された子供は何一つ悪いことなどしていない。
 まじないをかけられた己を責める子供に、これ以上の自罰などさせたくなかった。お前のせいじゃない、お前は悪くない、気持ちよくなっていい、イッていい、そうなだめてあやすたび、頑なだった最後の砦がくにゃりと揺らぎ、ついにこちらを招き入れる。そこはだめ、と回らぬ舌で拒んでも、ひときわやわな秘奥は侵入者をすっかり歓待して、くちづけるようにちゅぽちゅぽとさきっぽを愛撫していた。
 身体が勝手に反応しているだけだと言い聞かせても、甘え縋られるのに何十何百回目の勘違いをしそうになる。互いに思い合っているのだと、一方的に懸想しているのではないのだと、切羽詰まってひっくり返ったかわいらしい声を聞くたび、自分だけで引き出した声であればと歯噛みしてしまう。
 引き伸ばし続けた射精もさすがに限界で、終わらせようとのぼせた子供に宣言すると、いたずらにひっかかって驚いたような、セックスの真っ最中とは思い難いほど幼い声を上げた。本当に終わるのかと言われてもわからない。俺はセックスをしていると思う。これがセックスでなければ何がセックスになるのか。心の結びつきだとか言われたらたまったもんじゃない。だがレイプ被害者と加害者を本人の意思を無視して生じさせるまじないを施す輩の『セックス』などわかる気がしなかった。
 どうあれ慣れぬ快楽漬けにされた子供を解放してやらねばならない。そのためにも招かれた最奥をぐりぐりとほじってやる。十分に薄いはずのゴムの膜にひどく遠く隔てられているようで、破ることは出来なくとも少しでも近くに感じたくてぐりぐりとなすりつけた。そうするとまた、また無理矢理に拓かれた身体が心と裏腹の反応をする。
 抱くんじゃなかった。抱かなければ勘違いしそうなほど甘く熟れた肌を知らずにいられた。恋人にフラれるほどの本心に気づかず馬鹿で可愛いガキの一人として見ていられた。そして相手から『家族』としか見られていないと打ちのめされずにいられたのに。それでもなお、未だ自分しか知らない子供がこのまま自分だけのものにならないかとありもしない夢想をしてしまう。
 射精したら終わる。終わってほしいと思われている。自分だってそうでなければいけないのに、気づいてしまったら射精し難い。何も知らなかったときと、気づいてしまったときが混ざり合って、全てが曖昧なままでいたい。『家族』のまま『家族』以外の関係にもなりたいなんて欲を持つ前に戻りたい――戻れない。
 年齢より幼く、実際より小さく、常よりも弱く見える子供に今、ずっと好きだったのだと告げたら身体に引きずられて勘違いしてくれないだろうか。ゴム越しに熱烈にしゃぶる肉壁は完全にこちらを受け入れてとろけきっているのに、身体はこんなに求めているのに、子供の心は決して易きに流れない。
 だから好きになったのだろう。揺らがず折れず退かない心のまま、一体どこまで行って、どうなるのか。目が離せなくて、頑なで滅茶苦茶なところに手を貸してやりたくなって、そのくせ前しか見ていないと思ったら、ちゃんとこっちも見ていて。今は見えない金色の輝きが、きっとずっと欲しかった。
 終わらせよう。普通ならば絶対にない形で届かぬ相手のヴァージンを手に入れた。本人はなんとも思っていないとしても、これから出来るかもしれない恋人や伴侶は違う。良くも悪くも明け透けな子供は、いつか今日のことを話してしまうだろうし、話さなくとも些細な仕草やそぶりが過去を匂わせてしまうはずだ。器が小さいと言われてもかまうものか。粗野で苛烈で、慈悲深く清廉な子供の肌の熱さ、やわらかさ、甘さを最初に知って、触れて、愛でて、貪ったのは自分なのだ。
 覆すことも塗り替えられることもできない過去を決定的にする喜びと興奮がついに爆発して、恋慕うように甘え媚びる子供の胎に子種をぶち撒けた。ゴム越しでなければもっとよかった、という悪心にちんぽが反応しそうになるのを必死で止める。ダメだ。今しかない、これが最初で最後と思うだけで際限なく射精せる。自覚したてが一番タチが悪い。
 ああでも、きっと自覚していても同じだった。何にも知らないまま種付されたのに声も出せないほど深く感じ入って、ひくん、びくん、と身体で絶頂を伝える姿がひどくそそる。処理がおいつかない快感に息を吐くしか出来ないおぼこい子供に、声に出した方がもっとよくなると囁き、躾け、かわいがって、いく、いく、と素直になくようにしこみたい。ゴムにしゃぶりついて引き剥がすほどちんぽに親しんだ身体なら、きっと心だって少しはなびいてくれる――なびいてほしい。
 不穏で不埒な願望はしかし、悪い大人には幸いに、かわいそうな子供には不幸にも、どうやら叶ってしまうらしい。根性の曲がり切ったまじない主は、ゴム越し種付をセックスとは認めなかったようで、子供の感度は戻る様子がない。無理に引き抜いて破れたりするよりは、と広げさせた尻もとろとろと出ないはずの愛液がしとどに漏れている。あからさまに解けていないまじないに、上がりそうになる口角を押さえ、しかつめらしい顔をした。
 どうにかゴムが抜けた後も子供は動かないのか動けないのか、尻穴を開いたままくったりとしている。ちんぽの形に広がった穴の中は愛液でうるみ、まだ足りない、もっと、とねだるようにきゅうきゅうとうごめいていた。まじないが解除されていない自覚もあるのだろう。垂れ流された色気と誘いの中に戸惑いと躊躇いがある。
 もうセックスしたくない――こぼれ落ち、存外大きく響いたつぶやきは、隠しようもない本心だろう。自分の未熟の不始末が周囲に、『家族』に、迷惑をかけているのにまだ終わらない。それでも巻き込むしか解決策がないという状況だ、仕方あるまい。こちらはともかく子供は『頼み込んでセックスしてもらっている』とも思っているから、なおのことだろう。悪い大人の思惑に気づかないのを素直に喜んだらいいのか、心底から脈がないと悲しんだらいいのか。しどろもどろに入れられたフォローのすさまじさも相まって、背を向けられているのに顔が崩れないように力を入れた。
 こんな機会がなければ聞くことはなかったかもしれないが、本当の本当に、まじないなしでセックスをして言わせられたらどれだけよかったか。そう思うことすら強制的に抱くことになったからなのだが、知ってしまったら知る前には戻れない。あの生意気で挑戦的な顔ばかりする子供がどんな表情をして言ったのか。ずっと同じことばかり考えてしまう。
 いよいよほころびの止まらない顔を引き締めて、まじないが解けない推測を口にする。セックスの目的は多々あれど、セックスイコール子作りと考えているなら避妊具の使用はアウトだろう。というかスキモノ変態通り魔の考えることだ。十分すぎるほどセックスをしていたのに、ゴムをしていたからダメなんて言うのは変態の発想でしかない。
 げんなりした声音はさめぬ快感で舌足らずながら、頭は少し戻ってきたのか意図を察してくれた。正直に言えば生でするのは全くやぶさかではないが、子供はそうではない。『性行為の対象ではない自分を理不尽な状況への怒りから協力して抱いてくれている』と思い込んで、まじないが解けていないとわかっていながら口に出せずにいた。強烈な快感にも不慣れなままのはずだ。
 だから可能性は薄いと思ったものの、精液の腸内接触だけでいいのか精液の腸内射精が必要なのかを検証する、という段階を踏むことにした。実際、条件さえ満たせばという抜け道は何にでもある。性根の腐り切った変態ならば用意していてもおかしくはない。精液だけを流し込んでセックスとは片腹痛い、と言いそうな気もするが、堕ちた僧侶の悪霊ではないかていどの情報でわかることなどないに等しい。今はただ出来ることをやるしかない。……あまり積極的にゴム無しセックスをしようと提案して本心がバレるのも防ぎたかったのもあるが。
 うとましい、とは言い切れなくなってしまったまじないを見るためという建前で仰向けにさせた子供は、髪色に負けじと顔中を赤く染め、いつもならキツくつり上がった目も眉も八の字に歪めて、閉じきらぬくちびるの隙間からぬめる舌を覗かせた。匂い立つ色気を纏い、ぽんやりと定まりきらぬ金色の眼差しの奥、精一杯体裁を取り繕おうと間抜け面をした自分が映る。どうしても顔が見たくなってひっくり返したものの、こんな顔でまだ騙せているのは子供がうだり、冷静じゃないからだ。いつまで続くかわからない、これきりの交わりで全てを置いていこう。そうでなければ、二度と隣に立てやしない。

 じゃあたのむ、と膝を抱えた子供がそのまま尻の穴に指を伸ばした。期待に満ちた生唾と息を自然に見えるように飲み込み、自分のちんぽの形に開いたふちがぐ、と広げられるのを見つめる。何もクソもない、自分でゴムの中身を入れる言ったのだ。その上、ゴムを引き抜くときも穴を広げさせたりしたから子供はすっかり『してもらっているからには手間をとらせてはならぬ』という風情を漂わせている。
 やむを得ぬ事情なのを忘れるとひどく大胆に迫られているようで目に毒で、巻き込んでいるという罪悪感や使命感で淫らな仕草を強いられている姿は倒錯的で目眩がしてしまう。これからはお互いに顔が隠せないというのに、表情筋が緩むのを何度も引き締める。
「ひとや……?」
 未だ夢の中にいるような金色が不安げに陰る。意識して眉間に寄せたシワに向けられた視線に、違う、と言っていいのかわからない。かぁ、と肌に走る朱は恥じらいか。見ているようで見ていない、泳ぎっぱなしの目のまま子供の頭のてっぺんから爪先までをなぞった。
「ちょっといいか」
「なに、っ!?」
 まじないの様子を見ると言ってひっくり返したものの、体勢が変わってよくわからない。子供もぽんやりとしているから忘れてしまったのだろう。作務衣は膝を抱えているから身体がまるまるのに巻き込まれて見えなくなっている。軽くのしかかるような体勢で覗き込み、めくり上げると変わらずぽう、と卑猥なデザインの紋様がピンク色に光っていた。その少し下、ぷるん、とかわいらしい若茎がほのかにふくらんでいる。とろとろとおもらしを続けているが、においも色も薄い。淫紋のついでにちらりと見たつもりだったがどうやら目がうるさかったようだ。
「みんなばか!」
「俺が見てたのはまじないだよ」
「……すきにしろよ」
 まじないが見たいと言ったろうと黙らせる。嘘ではないが全てが真実でもない。めくった作務衣をひっぱり、汗やら何やらでべちょべちょなのを剥いていく。ずっと尻周辺ばかり見ていたし、上半身は暴れ回るたびにちらちら見えていた。剥き出しの二の腕の逞しさ、腹筋ともども鍛えられた胸元の存外にあるふくらみも、無防備にさらされた喉元の白さだって知っている。目の前に広がる光景はそのよく知るものなのに、表情と仕草で印象がまるで違う。
 クソ生意気ながら一回りの小ささを感じさせないリーダーの風格を持っていた子供の力強さが、無関心故の清らかさで淫欲に翻弄されて色に染まり、頼もしく見えていたはずの肉体がはしたなく熟れた身体へと変わってしまった。汗が流れても前は爽やかですらあったのに、首筋をたどり、鎖骨にたまって溢れ、胸にしたたる透明な液体は本当に同じものなのか。てらてらと光り、むちむちぱつぱつと汗をはじく肌は、むしゃぶりついてキスマークを残し無差別にマウントを取りたくなる。
 まじないを見るという体裁だからしなかったが、流れた汗がぽちりとふくらんだ乳首をかすめた瞬間、びくんっ、と子供が跳ねたのは覿面に効いた。よく触れずに耐えたと自分を褒めてやりたかった。淫紋というふざけた名前の嫌がらせは全身の感度の上昇を基本として、本来ならば長い育成期間を経て得る肉体の変化まで行っている。尻から愛液を出すにとどまらず、飾り以上の機能のほとんどない乳首が触れた覚えもないのにぷっくりとふくれているのが証拠だ。すでに一度飲み込んだはずの生唾を、もう一度息ごと飲み込んで、撫でてほしそうにふるえる薄桃色の尖りから目をそらす。
「……変化はないな」
 まじないを見る、という体を保ちつつ私欲を満たすため、ひとしきり裸身を拝んだ後に淫紋へと目をやる。実際、無垢な子供がひどく乱れ、こちらも平静ではいられぬほどしっかりと『セックス』をしたはずなのに、淫紋の色にも形にも変化はない。ゴムの有無だけで厳しすぎると言うべきか、端的に気色が悪いと言うべきか。どうであれ犯人は不在だ。
 ただのピンク色の模様にしか見えないのに――あらためて白い腹に鎮座した諸悪の根源に吸い寄せられ、手を伸ばす。あ、と子供が声を上げたのはほぼ同時で、その反応にしまった、とひっこめようとするも遅かった。引っ込め損ねた指の先、腹でつ、と撫でた瞬間、子供がひ、と息を飲む。
 そうだった。自分には影響らしい影響がないから忘れていたが、このまじないは見て、触れるだけで子供の身体を淫らに苛む効果がある。見るのに対して承諾があったのはセックスを経て耐性がついたからか。尻が濡れるのを気合いと根性で制しただけはある。だが触れるのは未知だったのだろう。住職に拳骨された時と服の上からまじないを見抜いた時の話を聞く限り、どんな形であれまじないに触れるのは見るよりもきっと重い意味を持っている。
「ば、かぁやろ……っ」
「悪かった、俺の不注意だ」
 ぶるぶるとふるえる子供は落ち着きはじめていた肌を再び真っ赤にしてこちらをぎ、と睨めつけた。律儀に開いたままの尻からはとろとろとぷとぷと愛液があふれ、ベッドに小さな池を作っている。遅れてふるりと揺れたちんこからぴゅるぴゅると薄い精がもれ、湖ほどに面積を広げてしまった。
「……さっさといれろよっ」
 茶化す余裕もない子供の悔しそうな眼差しから、羞恥と快感を隠そうとしているのが痛いほどわかる。いけない、俺は何をしているのか。子供を助けるための協力者で『家族』でいると決めたのに、欲にかられて子供を傷つけている場合じゃない。たとえ先ほどまで挿入していた自分のちんぽの形になった秘所を広げて『いれろ』と言われても、それは決して性行為を求められているのではない。全身が甘く香り、熟れた身体がどれほどそそっても、子供の本意ではないのだ。
 握ったゴムの中、嫌になるくらい重くたまった精液を子供がお膳立てした尻の中へと流し込む。一息ごとにひくひくとうずき、じゅわじゅわと濡れる肉壁は精液を弾いてしまわないかと不安になった。無くなりかけの歯磨き粉を搾るようにひり出した精液が、ぼた、と赤赤とぬめるナカへと落下しては子供がん、と喘ぐのをあえて無視して、続けてゴムを押し潰す。
 こんなことをされる方は嫌だろうが、する方とて楽しくはない。建前上は『家族』で協力者なのに、びっくりするほど射精ているのを実感してしまう。量だけではない、なんというか、こう……やめよう。必死の子供には本気で欲情して孕ませようとしているなんてわからない。自分でやるなんて言われなくてよかった。本当によかった。
 ぐるぐると煩悶と反省を繰り返したおかげか、見ているようで見ていない状態で子供のナカに精子を流し込むことは出来た。鼻にかかった喘ぎや身じろぎも視界に入ってはいたが無反応を貫いたから、そういう目で見ているとは思うまい。言われたことを忘れて淫紋を撫でかけたのは、本心を悟られる以上に信頼を損ねる愚行だった。ならば一挙手一投足に反応して気遣うより『反省を踏まえてまじないの解除に徹する大人』というふうに接した方がいいだろう。
 最後の一滴まで搾り出し、ようやく子供へとピントを合わせる。果たして効果はあったのか。まずはと見た淫紋はより深く濃いピンク色に輝き、一番大きく目立つハート型はいっそう強く、ハートの周りの蔓草や翼に似た装飾も同様の変化をとげていた。消えてはいないが強く反応があったということは、精液の腸内接触には何らかの効果がある。光が増していることから機能が活性化していると取るのが正解だろう。
 そもそも通常解除時にどのようになるのかは住職にもわからないらしいのだが、恐らく今試している解除法では条件を満たすことで淫紋が活性化し、限界まで機能した結果、自壊することで解けるのではないかと思われた。逆に住職に解除をお願いしたら、機能をさせずに取り外すことになるだろうから光が弱まるのではないか。考えても詮無いことではあるが、つまるところやはり精液を腸内射精しないと解けないのだ。
 なんとも言いにくい結論をどう伝えたものかと子供の様子を伺うと、淫紋のすぐ下、かわいらしいちんこがすっかり勃ち上がり、先走りをとぷとぷと吹き出していた。当然、さらにその下では愛液があふれているだろうと視線を下げると、ゴムからひり出された精子まみれのナカのしたたりはおさまりつつある。かわりにぶち撒けられた精子を味わうようににちゅ、ちゅぱ、とはしたない音を立てていた。開きっぱなしではこぼれ落ちてしまうからだろう、尻の穴のふちにかけられていた指は膝裏に回され、耐えるようにぎゅぅ、と強く握られている。
 本当にただの協力者で『家族』なだけだったらいたましく、胸が引き裂かれるような脆さをただよわせた子供の姿はしかし、不本意ながらセックスをしなくてはいけないとなって自分の本心に気づいた大人にはただただ美味そうなだけだった。いつだって心の中のてっぺんど真ん中に君臨して、好き勝手をしながらも導き輝く大きく燃える星。それが今、寄る辺なく弱さを晒し、いつかの手を貸した日よりも素直にお前しかいないと頼ってくれている。
 自由にどこまでも走り出す子供を守りたかった。決して囲い込むようなことをしたいわけじゃなかった。そう思うのは嘘ではないのに、腕の中で小さくまるまる子供がかわいくて、ようやく見せた儚く脆い繊細さがいとおしい。弛まぬ修行で築いた折れず曲がらず退かぬ心が支える誇りは安まることを知らない。無鉄砲で無茶苦茶な行動の根っこでは、いつもそれが働き詰めになっている。
 きっとこれに触れたかった。誰よりも強くあろうとする歳も背幅も一回り小さなリーダーの、年齢不相応な達観を見せる子供の、飲み込まれ続けた涙が欲しかった。
 自分はこの欲深な顔を上手に取り繕えているだろうか。子供に『協力者』として『家族』として見えているだろうか。寝ぼけたまま殴られたような衝撃のまま、ようやく子供の顔を見る。まじないに耐性がなければ馬鹿みたいに乗っかって、死ぬまで腰を振っているだろう出来上がった身体を目でなぞり、髪の毛と同じくらい赤くなった顔を覗き込んだ。
「ひぉゃぁ……?」
 淫紋と精液のせいだろう。わけがわからないという表情でほうけた目と口はすっかりゆるみ、涙とよだれが端からつたい落ちている。拭うこともできず、すんすんとならされた鼻も赤く、ダダ漏れの色気に反していとけない仕草がいっそうひどくなっていた。大人しくすると際立つ整った顔は、育ちきらぬ幼さをも浮き彫りにして罪悪感を煽る。
 たぶんこっちの顔なんぞよくわからないだろう。わかっていても処理が追いつかないはずだ。咎められるとしたら全部終わって、冷静になった子供が記憶を振り返ったとき。今ではない。そして今の問題は言うべきことがあり、言った上で了承を取らねばならぬことがあるのだが、子供にとってもそんな判断ができそうにないことだ。
「空却、今、精子を入れた」
「らろぉなぁ……」
「直後にまじないが活性化して……まあ、言わなくてもわかるな」
「くそったれのへんたいやろぉ……っ」
 回らぬ呂律と睨みきれない目になんとか力を込めた子供が必死でつく悪態に申し訳なさがわく。互いに薄々感じていた二度目のセックスの予感が本物になって、歯噛みする子供の悔しげに歪む眉すら悩ましい。けれども怒りに燃える目の奥に恐れがあった。
 当たり前だろう。ほんの少し前までしていたセックスと、今さっき流し込まれた精液――それらが合わさって子供に襲いかかるのだ。一回目だってぐずぐずになりながらもイッていいとあやすまで頑なに屈さなかったのに、二回目はどうなってしまうのか。
 俺と子供と、この場にいないもう一人の子供を繋いだのは何ものにも屈さない心だけれども、あんまりにも苦しそうで見ていられない。自由気ままに見える子供は生臭といえどやはり僧侶なのだ。己の決めた戒律を決して破らない信念が、今は悪い方向に働いてしまっている。住職に安易な性行為はするなとさんざ言って聞かされたらしいから、気負うのも仕方がないのか。
「なあ空却、さっきも言ったけどお前は今おかしくされてんだよ」
「はぁ……?」
「難しいだろうが、気持ちよくなることを拒むな」
「ざ、けんな……! んなこと、できっかよ……っ」
 はしたない格好のまま、顔も身体もべしょべしょにして噛みつかれる。派手な外見と粗野な言動からは想像がつかないほど頑なで強い自責を見せる子供がひどく不器用で痛ましい。強制的に与えられた快楽に流されまいとして、余計に苦しんでも見える。
「気持ちよくなっていいって言ったろ」
「……いってたけど……」
「お前は悪くないとも言ったろ」
「それは、ちがうだろ……」
「違いやしないだろ。修行してる坊主に嫌がらせする変態が全部悪い。……お前が未熟者だからだって責めたのは誰もいなかったろ?」
 お勤めをサボって寺から抜け出さなければ、もっと修行を積んでいたら――もっと、もっと、と溢れ出す『もしも』は、自分だけに課せられたなら子供が抱かなかった後悔だ。言うまでもなく誰よりも悔いている子供にわざわざ言う人間はいない。見つめる濡れた瞳はだけど、と言いたげに揺れる。
「……ひとやは」
「ん?」
「ひとやは、やじゃねえの?」
 せっそうとするの、ととんだキラーパスが回ってきた。嫌どころか大喜びで食らいついたのには気づいていないらしい。答えを間違えたら淫紋に毒されたか、パートナーと別れたての大人が子供を都合よく性欲解消に利用していると受け取られてしまう。
「今回に限らず他人をいたぶるのが趣味の変態の思惑を潰せるならいくらでも協力するが?」
「せっそうは、いやかどうかきいてんだ」
 ぽんやりしてとろけた目の奥、決して消えぬと残った芯が煙に巻くなと訴える。それは『家族』として助けたいからという掲げ続けた義侠心だけではないだろう、という確信を抱いていた。こちらの恐れなんて知りもしないで。
「……正直に言う。嫌ではない」
 ひゅ、と悲鳴を噛み殺すように飲まれた呼吸を宥めるように、言葉を続けた。
「良すぎるんだよ。言ったろ、ヴァージンとは思えないって。本来なら尻なんて挿入れんのも大変だし気持ちよくなるのも難しいんだよ。それが濡れるわ、締まるわ、搾りとるわ――」
「わ、かった! わかったっ!!」
「まじないの効果でおかしくなったんじゃないってわかったか?」
「……あるいみまじないこうかだろ」
「言い方変えてやる、お前ばっかり気持ちいいわけじゃないってわかったろ。いいじゃねえか嫌々ヤらされんのに気持ちよくでも。それともなんだ? クセになりそうか」
 清らかなお坊さんがずいぶんエッチになったなぁ? そうからかえば、きっと子供もそれこそまじない効果だと噛みついて、多少いつもの空気になる。と、思っていた。
「……っ」
 ところが返ってきたのは無言の肯定で、明確な意志で恥じらいそらされた目とは裏腹に、ちんこも尻も期待で熱を帯び、じゅわじゅわと淫液で濡れそぼっている。今までバレないようにしていた生唾も息も、ごくん、と音を立てて飲み込めば、ひくんっ……と開かれうるむ穴がわなないた。
「何度も言ってるがまじないのせいなんだから気にするな。痛くて辛いより気持ちいい方が身体にはいいぞ」
「からだじゃ、ねえほうがよくねぇっ……」
 なるほど堂々巡りだ。このままでは終わらない。子供の折り合いがつくまで待つにはあらゆる時間的猶予がないのが現実で、お互いの体力だとか、DRBの参加だとか、特にずっと至近距離で好いた相手のいやらしい姿を見せつけられて俺のちんぽはよく耐えている。
「いっそ今だけ『恋人』にでもなるか」
「こいびと?」
「俺を巻き込んでヤってんのに気持ちいいのがイヤなんだろ? 『家族』とスるのがひっかかるんなら今だけ『恋人』にもなるのはどうだ」
 半ばヤケクソで下心……叶わぬ願望を込めた提案を悩ましげに身をよじる子供にした。『今だけ』をことさらに強調して、本心ではない、本当になるのではない、とアピールする。よこしまな本音が透けぬよう、なんでもないごっこ遊びをするように。
 『恋人』の響きにぴく、とした子供が短くも深い逡巡ののち、じゃあそうする、と言ったときに喝采をあげなかった自分を褒めてやりたい。かわりにひとや? といぶかしげに呼ばれたが、ありったけのポーカーフェイスでなんだ、と返せば、なんでもない、と首を傾げられた。



 汗を理由にお互いに残った最後の一枚――シャツと作務衣――を脱ぐと、放り投げたまじない封じの薄布を拾ってほしい、と頼まれた。
「なんでだ?」
「こいびとっぽいことしたとき、まじないにかかってないってほけん」
「そりゃ大事だ」
 急に態度が変わる相手に振り回され、陵辱される寸前だった子供はすっかり警戒心が高くなっている。脱ぎ捨てられた衣服をざっと回収して、しわくちゃになった薄布を渡せば、あんがと、と頭から被っていた。全裸に白いヴェールという組み合わせはひどくマニアックなのではないか、と思ったものの、子供は気にせずにまたごろりと転がる。
「じゃ、やろうぜ……」
 こともなげに告げると、膝に手をかけまるまり、また尻のふちへと指を伸ばす。前も後ろもびしょ濡れで、乾くことを知らぬままく、と広げられれば素直にぱっくりと割れ、とろとろと精液まじりの愛液が流れ出した。
 今更になって方便として言った『恋人』が胸も股間にも突き刺さる。心とは裏腹に熟して切なげな身体を『恋人』のように扱っていいのだ。一回目のように作業めいた形ではなく、大切なものを愛でるように触れていいのだ。
「……? ひと、ゃぁっ……?!」
「なんだ?」
「へ、ゃあっ! らて、らて、しょこ、しょこわぁっ!」
「さっきはいきなり突っ込んだろ」
 『恋人』にそんなことは出来ない、と一回目のなごりで広がり左右から指で開かれ、止めどない愛液と流し込んだ精液でぬとぬとの尻に指をじゅぶんっと挿入した。子供を思うならさっさとちんぽを突っ込んで射精するべきだが、『恋人』なのだ。準備万端だからといって愛撫もせずに即挿入などしない。大切に、大事に、もう挿入れて、と泣いて懇願されるまで愛でる。
「ふ、ぁ……っ、ゃ、やぁ……っ、なんれ、なんれぇっ」
「俺は『恋人』には俺以外のことを考えず気持ちよくなってほしい」
「にゃん、りゃよ、しょれぇ……!」
「ほら、ここ好きだろ」
「ほぁっ! りゃめ、りゃめっ、しょこぉ……ぉかひきゅにゃりゅぅっ」
 一回目にちんぽでごりごりと可愛がった浅瀬のふくらみを、今度はとんとん、こりこり、と指でやさしく撫でて擦ってやると、ナカをぎゅうぅぅと締めつけ、びくんびくんと跳ね上がりながら、ぴゅぅぅ、ぴゅぅぅ〜っとちんこから潮混じりの精を吹いた。腹にぱらぱらと散る絶頂の証は、尻から出る愛液よりも少ない。くたりとしたちんこのさきっぽと腹に落ちた精液を繋ぐ細い粘液の糸がぷつん、と途切れるのを見て、思わず尻をほじったままの指をぐん、と曲げてしまった。
「ほぁっ、あぁぁぁあぁっ」
 堪えきれない快感に破裂した嘆息と、ぷしゃっ、じょろろ、と明らかな粗相の音が同時にして、目の前の子供――『恋人』が腹の上に薄黄色の小さな地図を描く。中に挿入れた指はさらにキツく搾られ、心なしか一層のこと濃くなった淫紋が目に痛い。肌はまた上から下まで真っ赤になり、びく、びく、と小刻みにふるえるのがいじらしかった。驚き惚けた形のままの口元はいとけなく、ぱちぱちと瞬く目は猫の子のように鋭いのに、とろんとしている。
「かわいい」
 自然ともれた感想は子供に届いていたらしく、なんとか引き結ばれた目と口がにゃにを、と腹立たしげに向けられたが、怖くもなんともない。全く、気持ちよすぎておもらしまでしたくせにふてぶてしいことだ。今だって「かわいい」と言った瞬間、ナカはきゅんきゅう、と指に甘えたのに。
「『恋人』には当然のことだと思うが?」
「しらねぇ、よっ!」
「そうやってふてくされるのもかわいいもんだな。……恥ずかしかったんだろ、尻んナカこね回されて、気持ちよくなって、おもらしするほどイったの」
 なぁ、と真っ赤な耳の小さな穴にこしょこしょ話を流し込むと、またナカがきゅんきゅん、きゅうぅぅぅん、と浅瀬のふくらみに当たったままの指に絡みつく。自分に厳しいというのは美徳だが、つまりは辛く苦しくとも耐え忍んだ先の目標に向かって頑張れるタイプということで、真っ直ぐで、タフで、極端な話をすればマゾヒスティックな素養がある。
 意地悪く責め立てるような言動に対し、傷つくでも泣くでもなく、怒り反抗しようとしながらもはしたない反応もしてしまう。試練や修練、高みを目指すが故に普通ならば避ける苦難に向き合い楽しもうとすらする心映えにこんなふうにつけ入って。
「はずかしくねぇわけねえだろ!」
「でも尻のナカ、ずうっと嬉しそうに指にしゃぶりついてんぞ」
「……そんなんだからふられんじゃねぇの」
 ぺ、と吐き捨てられた言葉に、お前のせいだよ、とは言えず、代わりにナカをとんとん、こりこり、とんとんとんとん、といじめまくった。淫紋もあってもか触ってとばかりにふっくらとしたそこは撫でさする側としても大変心地よい。天邪鬼の本音を教えてくれる愛液は、乾涸びてしまわないか不安になるほどじゅわじゅわと溢れ出す。おかげで滑りも抜群にいい。
「ひゃあっ! ふ、あ! やあぁぁっ! らかりゃっ、しょこ、わぁっ……!」
「やっぱかぁわいいなぁ……指だけでこぉんな簡単にイキまくってくれる『恋人』は」
「らめぇっ! や! やりゃぁっ、ゆび、も、やぁっ!」
「じゃあ次はちんぽだなぁ?」
 指より太くて硬いのでもっともっといっぱいごりごり擦ってやるから好きなだけイッていいぞ、とささやくと、首を横に振りたくられた。ぐちゃぐちゃの八の字の眉と涙の膜が張った目がいたいけで背がぞくぞくとする。開くとかわいくなくしか出来ないからか、噛みしめるくちびるが切れないか心配で、空いている手を伸ばした。
 びく、と怯えた仕草で手を避けようとするのを追いかけて、ぷりゅんとしたくちびるを引っ張る。ぷは、と息を吐き出したあわいから覗く舌が赤く、思わずくちづけようとしてやめた。さすがに、それは違う。
「……これからちんぽでいぃっぱい、ほじってやるからな」
「ほ、ぁ……っ」
 こういうふうに、と言いながらふくらみをとんっ、と叩くと、目をちかちかとまたたかせながら、引っ張った形に喘いだ。作業として抱いた一回目とは違う、欲望をダダ漏れにしたセックスに『恋人』にこんなことをしていたのか、という疑問と咎めの気配が子供からしたが、そんなわけないだろう。全ての恋人に丁寧な前戯はしていたが、子供にしたような意地悪いことはほとんどしていない。これは天邪鬼な子供に事実をつきつけて素直になるようにするためだ。
 つぽ、と名残惜しげに吸いつくナカから指を引き抜き、一回目を終えてからもずっと勃起していたちんぽを『恋人』のくたりとしたちんこに重ねる。体格と同じ一回りよりさらにもう少し小さなそれに、先走りをなすりつけるようにすると、その下の淫紋に触れたのかがくんとそり返った。ばさ、と薄布も舞い上がる。出すものが何もなくなったのかちんこは少しだけ硬くなり、ぼたぼたと重たい音を立てて愛液がベッドに落ちる。
「ばか……! はぁく、いりぇ、りょ……て」
 息も絶え絶えにちんぽを睨む『恋人』はもうずっとイキっぱなしなのだろう。真っ赤な顔で肩で息をしながら、ぎ、と目を細めるも、ちんこと淫紋への刺激が逆らい難い快楽となって鍛えようのないはらわたを甘く犯す。希望どおり『恋人』のかわいらしいちんこから退き、ぶるぶると意地をはって指で広げられたままの尻にちんぽをかまえ直すと、ほんのさきっぽがかすめただけでちゅぱ、としゃぶりついた。
「ふぉ……♡」
 あからさまに、今までで一番いやらしい喘ぎが上がった。頑なに抵抗し、快楽に飲まれまいと足掻いて、それでもとろけてしまったときのものとは違う。待ちくたびれた、ようやく、と歓待する甘え媚びた声音がしたのだ。
「ふ♡ う♡ うぅ……っんぅ♡」
 ず、じゅぶ、じゅぶんっ、と腰を進め、浅瀬のやわい部分をこね、じわじわと真上から突き刺すような体勢に変えても気づかないまま、ちんぽを受け入れ、食い締める。うっとりとした表情は快感を隠さず、とけた蜂蜜色の目はもっと、とねだって見えた。最後の理性の砦のごとくきつく結ばれたくちびるは、ときおり耐えかねて甘ったるい吐息をこぼす。そんなに塞ぎたいならキスをしてやろうか、と再び頭をよぎっては止めた。この場限りの『恋人』が踏み入っていい領分ではない。
「んぅぅぅっ♡ ふ♡ ふぅぅぅ♡ ふ、ひ、ふぅっ♡ ふ、ぅぅぅううう♡」
 ばちん! とまろい尻にきんたまが当たり、衝撃でかぴゅうっ、とかたくなるばかりだったちんこから残滓が飛び出す。一回目から全てが開かれたままだったのか、ちんぽで届く一番奥までスムーズに挿入ることができた。浅瀬の泣きどころも必ずかわいがりながら進んだナカは、ゴム越しとはまるで違う密着感がある。まじないの影響は本当にすさまじい。じゅわぁ、と絶え間なく濡れそぼり、ただでさえちゅぽちゅぽとちんぽにしゃぶりつく粘膜が一層のこと強く張りついて、むちゅむちゅと扱き上げてくるのだ。
 『恋人』はもう目を白黒させながら顔を真っ赤にしてかわいらしく呻くしか出来ていないが、こちらとて射精しないように力みっぱなしでしんどい。射精はした方がいいのだが、するならば絶対に一番奥にすると決めている。一回目、ゴム越しなのが惜しくなるはしたない種付おねだりをした秘奥に、存分にぶち撒けて満足させてやりたい。
「……」
「ふ♡ ぅう……?」
「……どうしてほしいか、教えてくれないか」
 ふと、思いついた。身体はずっと飢えて、熟れて、ちんぽをよろこんで咥え込んでいるけれど、まじない主の目的が清らかな僧侶の堕落ならば、このまま生出しセックスをしても淫紋は解除されないかもしれない。
「ふぁ……?」
「『恋人』だからな。ちょっと意地悪なことをしただろう? だからかわりに空却のお願いを叶えてやる」
「おねひゃひ……?」
 淫紋は範囲内の対象者と空却本人を欲情させる。話を聞く限り初対面だろうが顔見知りだろうがともかく犯さずにはいられなくさせ、恐らく空却も誰彼構わずまぐわわずにはいられなくなるはずだった。だが持って生まれた性質と積み重ねられた修行によって、これほど淫らに乱れても未だ快感に堕ちきらない。
 俺はまじないの前から無自覚とはいえ懸想をしていて、抱いて欲しいと乞われて自覚した上で即堕ちた。元より神も仏もない俗物だからまじないにかかるまいと、十分に清い僧侶を肉欲で穢す相手たりえるはずだ。
 比べて、自責と自戒でがんじがらめになって、巻き込んでしまった被害者と思っている相手が許したことをなお許さない。期間限定の『恋人』になろうと提案してようやく二回目に踏み切る。そんな頑なで清廉な子供は、このままでは心が壊れるまで淫紋が解けないような気がする。
「おねひゃい、も、くそも……はやく、だせよ」
「どこに、何を?」
「は、ぁ……?!」
「ちゃんと教えてくれ。具体的に、固有名詞を使って。誰の何に、誰の何を、どういうふうにしてほしいのか」
 根っこまで挿入したちんぽは、今もずっとむちゅむちゅとおしゃぶりをやめないナカに愛撫されている。こんなことをしないで射精しても解除されるかもしれない。杞憂で、自分が子供に身も世もなく求められたいだけかもしれない。
 ただ、こんな根性の腐って曲がったまじないをかけた変態が色も恋も知らないから迷わないと言ったのだ。そう言われたのならば、きっとどちらかに溺れ狂わなければ解放してはもらえない。この状況で恋なんて無理だ。ならば色しかない。
 こうこうと光る淫紋のひときわ目立つハートマークに手を伸ばし、さあ、と撫でつける。軽く表面をかすめただけでナカがきゅぅんっと締まり、根っこからさきっぽまでを搾り出すようにちゅぱちゅぱとしゃぶりつかれた。
「ほぁぁ……♡ なりぇんなぁ……♡ ぃんもん♡ なりぇてゃりゃっ♡ あ♡ あ♡ ゃぁ〜〜〜……っ♡♡♡」
「腹撫でられんの気持ちいいか?」
「きもち、よく、にゃぃ……っ♡」
「嘘つくなよ、ナカとろっとろだし、ちんぽぎゅうぎゅうしてんぞ」
「よく♡ にゃいっ♡♡」
「……わかった」
 ほぼ真上から押し潰すような体勢をさらにぐ、と深める。絶対に子供でも『恋人』でも逃げられないように覆い被さると、脇腹近くからはみ出した足先が少しだけじたじたと蠢いた。ちんこごと淫紋に擦れるように身を寄せると、ぴん、と足が跳ね、それから少ししてくたりと下がる。
「ひひょゃ……にゃに♡ なれ♡ こんにゃころ……っんぅ♡」
「そりゃいつまで待っても『恋人』が素直に『空ちゃんのおしりに獄のおちんぽが欲しいです♡』って言わねえからなぁ……」
「そにゃっ♡ はずかひ、ことぉ♡」
「言えない、のか、思ってない、のか……どっちでもいいけどな、自分がどうなっててどうされたいか言わない限り、俺はこのまま動かないからな」
「なん、れぇっ♡ せ、そぉ♡ そんにゃこと……っ♡」
 抵抗しようとするたび、ずぅ、とちんこと淫紋を擦り上げる。つられてナカも小刻みに動かされ、口ばかりが生意気なことを言う。擦るほど熱くなり、強く光って見えるのは気のせいか。
「言ったろ。俺は『恋人』には俺以外のことを考えず気持ちよくなってほしいって。いつまでもやだやだなんでこんなこと気持ちよくない、なんて言われたら傷つくんだよ」
「ごめ、んッ♡ れもっ♡ れも、せ、そぉ、わぁっ♡♡」
「今だけでいいんだよ。付き合ってるくれよ『恋人』ごっこ。結婚予定だった恋人にフラれた俺を慰めると思って」
 我ながらよくもまあこんな無茶苦茶が言えたものだが、考えてみれば健全交際もしたことのない子供に『恋人』ごっこなんて無理だったのかもしれない。色恋は知らずとも親しいものへの情は人一倍だ。自責と自戒でいっぱいの子供はきっと『自分のため』より『誰かのため』の方が楽になれる。
 なぁ、と甘えた声を出して縋りつき、すかさず淫紋とちんこを刺激する。甘イキしっぱなしのナカは急かすようにきゅうきゅうと締まった。ほぁぁ……♡ ふぁっ♡ と与える快感全てに反応する子供は、もうくにゃくにゃふにゃふにゃで、ぎりぎりこちらを見ているとわかる目をまあるくして首を傾げる。
「ふ♡ ふりゃれ、たぁ……?」
「そうだよ。仕事に加えてDRBで忙しくなるからってんじゃない。お前の話ばっかしやがる――恋でもしてるみたいってな」
「にゃ、んっ♡ らよ、それぇっ♡」
「だから慰めてくれよ。今だけ『恋人』になって」
「へん、にゃ、うそっ……♡ つく、んりゃ、ねぇっ……よ♡」
「嘘なもんかよ」
 ふふ、と快感にとろけた目に生気が宿る。残念ながらほとんど嘘は言っていないのだが、今の子供にはこれでいい。何か目的があって『恋人』ごっこをけしかけ、しょうもない嘘をついてまで成し遂げようとしていると察してくれた。そしてそのために自分が持たずにいた欲に身体だけでなく心も浸しきらなければならないと。
「……せっそぉわぁ……およめさん♡ ……じゃなくて、いいのかぁ……?」
 察すると早い。そして想定を超える。『恋人』ごっこもままならなかったのに、頭ごとベッドに押しつけられ、ぐしゃぐしゃになった薄布に頬擦りをして嫣然とした笑みを浮かべた。それがあんまり色っぽくて言葉につまると、ほわぁ……っ♡とこれまた艶っぽい声を上げる。
「およめさん……♡ っていったら、ちんぽでかくしたの、なんれらぁ……♡」
 なぁ、だんなさま……♡ と続けて煽る子供にはからずもどきどきいらいらしてしまう。そうしてまた、ん♡ ぁん……っ♡ まぁたおっきくしたぁ……♡♡ とはしたない言葉を楽しそうに紡ぐ。
「この……っ」
「……せっそぉ♡ ひとゃのおよめさん……♡ らかりゃぁ……♡ りゃかりゃ♡ せっそぉのおしり……っ♡♡ いぃっぱぃ♡ ひとゃの、だんなしゃまおちんぽれぇ……っ♡ たねつけっ……♡ してくらしゃぃ……っ♡♡♡♡」
 とんでもなくいやらしい、とんでもなく馬鹿丸出しのおねだりをされて萎えるどころかさらに硬く勃起してしまう。あちらとて恥ずかしいセリフを吐きながら愛液をこぼし、ナカをきゅんっ♡ きゅうぅぅ……♡ と締めているからおあいことしたい。
「そこまで言うならおしりじゃなくてまんこって言いな。……今もずぅっとだんなしゃまおちんぽ♡ きゅうきゅうおしゃぶりしてるすけべな尻にはちょうどいいだろ?」
「んっ♡ せっそぉのぉ♡ およめさん、おまんこ……っ♡ だんなしゃまおちんぽ、だいしゅき……♡♡」
「自分でずぅっとおよめさんまんこ広げて、おちんぽくだしゃい♡ ってしてるもんなぁ?」
「ん、ぅん♡ せっそぉの♡ ぉまんこ……♡♡ ずぅっと♡ おちんぽほしかったかりゃ……♡♡ ひとゃのだんなしゃまおちんぽ……♡♡ しゅごぃきもちぃ……っ♡♡」
 自分への心変わりはともかく、DRBや自分にかまいすぎて結婚予定だったのにフラれたのは真実だと思ったのだろう。舌足らずにだんなしゃま♡ と呼ばれ、種付を求められる。もしかせずとも恋愛経験のない子供には『恋人』との『セックス』よりも『伴侶』との『子作り』の方がわかりやすかったのだろう。心なしか硬さを取り戻しはじめたちんこごと、ずりゅずりゅと腹で扱いている淫紋が熱い。
「俺もすぅぐきもちぃ♡ ってびちょびちょになっちまうよめまんこ。かわいくって、気持ちよくて、大好きだよ」
「ほぁぁ……っ♡ おょめしゃんっぉまんこっ♡♡ いちばんっえっちなとこぉっ♡♡ だんなしゃまっ♡♡ おちんぽれぇぇ……っ♡♡ とんとん♡ って♡ しゃれてりゅぅぅうっ……♡♡♡♡」
「ふ、は……っ、自分の一番えっちなとこなんて、教えちまっていいのかぁっ?」
「なんれぇ……? そんにゃの、せっそぉ、だんなしゃまの……ひとゃのおよめしゃんだかりゃぁ……っ♡」
 行きがけに被っているのを見て、花嫁のベールに似ていると思った薄布にまた擦り寄り、うっとりとした眼差しで『お前の伴侶だ』と言われる。どんな理由と状況であれ妄想ではなく目の前の現実として懸想した相手が言っているのがこれほど甘く苦しいとは。
 はしたなくていやらしい言葉に乗っかって、およめしゃんおまんこをだんなしゃまおちんぽでとちゅとちゅと突いてやると、いちばんえっちなところ、なんて自白までされてしまう。浅瀬のふくらみと違い奥深くにあるそこは、一回目のセックスで招き入れられて知っているが、たしかにちんぽのさきっぽを熱烈に舐めしゃぶる『いちばんえっち』にふさわしい場所だった。ゴム越しで心底惜しいと感じた所でもある。子種口にちゅぽちゅぽと吸いつくのが無垢にすら思えた最奥のやわな肉壁。快楽に身をゆだね、熱に浮かされたままいやらしく誘う子供のそこを、今度こそ犯すのだ。
「へぇ……じゃあ、かわいい俺の空ちゃんのおよめしゃんおまんこ♡ のいちばんえっち♡ なところ……、これから俺のだんなしゃまおちんぽ♡ でどちゅどちゅ〜っ♡ っていぃっぱい、ほじって♡ とろっとろ……♡ にして♡ ちんぽ汁びゅぅぅううう〜っ♡♡ ってしていいんだな……?」
「ほあぁぁぁぁぁぁ……♡ も♡ してゅぅっ♡ くぅのおょめしゃん、おまんこ……っ♡♡ も♡ だんなしゃまっおちんぽっ♡♡ いっぱぃ♡♡ どちゅどちゅしちぇゅぅうっ♡♡」
「いいんだろ……っ? いちばんきもちぃ♡ いちばんえっち♡ なとこ……! だんなしゃまおちんぽ♡ で種付されてっ……! くぅのおよめしゃんおまんこ♡ は俺のだって……っちんぽ汁でマーキングしていいんだろ……!!」
「ぃぃっ♡ いぃ、かりゃ……っ♡ くぅのおよめしゃんおまんこ……っ♡♡ だんにゃしゃまのぉ……っ♡ ひぉゃのもにょ♡ ってぇ♡ しりょぉ……っ♡♡」
 どろどろに甘ったるい、オモチャみたいな金色の目が、心底から生中出しを乞うている。唾やよだれでつやつやぷるぷるとしたくちびるが見たこともないくらい下品な形を描き、ちんぽ汁マーキングをねだる。都合のいい悪夢みたいな光景を腹に当たる硬くなるばかりのちんこと、焼けそうに熱い淫紋が、何よりきゅぅぅ……っ♡ と搾りとろうとするナカがちんぽが逃げるのを許さない。
 真上から囲い込んだ子供は手は尻を開くのに塞がれ、足は甘く逹すると宙を掻いていたのをぴんと張ったりしていたが、次第に腰あたりにぎゅう、と絡みついて離れなくなった。ナカから外から強烈に生中射精を促され、意地悪な言葉で恥じらいを煽ると正体をなくしたごっこ遊びが牙を剥く。これらがほとんど全部無意識で行われているのに、どうしようもなく興奮してしまう。『恋人』で十分よかったのに、自分が内心で望んでいた『伴侶』になってくれたのも嬉しくて、気づけばぴったりだったはずのすけべなよめまんこがみちぃ……♡ と窮屈そうな水音を立てた。
「ふ、ぉっ……♡ ぉ、あ……♡ ち、んぽ……っ♡♡ ひとゃにょ、ぉちんぽしゃまぁ……っ♡♡ まひゃ♡ ほぁ……♡♡♡ まひゃ、おっきくなっひゃぁぁぁ……♡♡♡♡」
「ふ、はぁ……っ! お前が……っ! よめまんこマーキングッ、おねだり、してんだよ……っ」
 さきっぽで最奥のやわいところをほじくり撫でまわし、ほとんど精液ような先走りを塗り込める。ぬちぬち♡ と響くのは決してそこからする音ではないのに、ふくれたちんぽにけなげに奉仕しようとしゃぶりつく肉壁がいじらしく、またぶくりと腫れてしまう。
 一瞬離してやろうかと思ったけれど、腰に絡みついた足がむしろもっともっとおねだりしてきつく引き寄せられた。密着するほどかわいらしく硬くなるばかりのちんこと灼熱のような淫紋と擦れるのに――むしろそれが望みなのか――腰を揺すりにくいから、とささやくと、のろのろと足がゆるめられる。
「……ほんの少し前までヴァージンだったのに、もうすっかり孕ませおねだりが上手なすけべよめまんこになったなぁ?」
「ぁぅ……♡ しゅけべにゃおよめしゃんまんこで、ごめ、なしゃぃ……♡」
「謝らなくていい、まじないが……まじないと、俺がそうしたんだ」
「……? ぃんもん、つけたやつはきらぃ、りゃけろ……ひとゃのことは、すき、らから……♡」
 そんなかおすんな、とあやすように目尻をくちづけられた。この『すき』は『家族』へ向けられたものでしかない。とろけた顔ですさまじい色気を垂れ流したまま放たれても、そこに他意はない。取り繕うことも出来ず、剥き出しになった子供の心は偽れない。そうしてむせ返る淫靡さを纏いながら、いつか見せられた寺のご本尊のように微笑う。
 こんなはしたなくていやらしい、恥ずかしいほど淫らな行為を強いてなお『家族』のまま『すき』と言える子供がいとおしくてにくらしい。嘘で包んだとはいえ、あんなに欲に塗れた色も恋もぶつけたのに、子供はちっとも変わらない。俺はもう『家族』として以外のものも抱いて、望んでしまったのに。
「俺も、空却が好きだよ」
 どうしようもない恋をしてしまった。心変わりでフラれてなお自覚せぬまま、抱いてくれと頼まれてようやく気づいて、肌のやわさ熱さばかりを知ってしまった。せめて伝えることのないまま終わりたくなくて、慰めのくちづけのお返しに真っ赤な顔中にくちづけながら愛を告げた。
 快楽に溺れ、熱で浮かされてふわふわした子供になら『家族』以外の感情を込めたのもわからない。わからなくていい。全て終わったらベッドの上、ムードに流され、勢い余って戯言を吐く馬鹿な大人を叱ってくれ。
 祈りに似たくちづけの巡礼は額で始まって終わり、ちゅ、と離した後で子供を見ると、ぽかんとした顔をしていた。少し前までうっとりだとかぼんやりだとか、ともかく正体をなくしたようだったのに、いつもの聡さが戻ってきていた。
「す、き……って……ぇ、ぅ、おっ♡ ぉあっ♡ ぉ、ほああぁぁぁぁぁ〜っ……♡♡ ふ、おっ……♡ にゃ、にゃん、りぇ……♡ きゅ、にぃ……♡♡♡」
 綺麗で鋭い、強い芯のある目が惑い揺れ、こちらがしまった、と思った瞬間だった。子供の動揺と呼応して、淫紋がさらにかぁっと熱くなり、腹と腹に挟まれ淫紋に擦れていたちんこも限界まで硬くなる。当然、尻もきゅきゅんっ♡ とわななき、より激しくちんぽを搾り出しはじめた。
 尻の最奥に種付するための打ちつけは、ぱんぱんのきんたまが小刻みに尻を叩くと子供が尻をきゅぅぅ〜っ♡ と締めつけていたのだが、機能を最高まで解放された淫紋が悪さをしたのだろう。やらしい尻が無意識にちんぽおしゃぶりしているのだと断じるには、ナカのしごきも子供の反応も突然すぎた。
 まだセックス二回目のほとんどヴァージンのはずの尻がこなれた様子でちんぽに絡みつき、根っこからさきっぽへときゅうっ♡ きゅうぅぅんっ♡ と搾り上げる。にゃんれぇっ♡ しり、へん……っ♡ とまた常の目を失った子供が、淫紋のせいで種付おねだりよめまんこになった身体に戸惑い喘いだ。
「たぶん、淫紋だ……っ」
「ぃんもん……っ♡ や、らあぁ……っ♡♡」
「やだっつってもなぁ……! お前の尻……かぁわいいくぅちゃんのおよめしゃんおまんこがなぁ……っ、ちんぽを上から下までちゅぱちゅぱおしゃぶりして、離さねえんだよ……っ!」
「しょ、らころ、してにゃぃぃ……っ♡♡ せっそぉ、そんらころ、しにゃぃっ♡♡♡」
「お前は、な……だから淫紋のせいだよ……っ、淫紋と俺のせいで、ちんぽ汁マーキングされるまで……! すけべなよめまんこになってんだよ……!!」
「しょ、らの、ゃらぁっ……♡♡ はぁくっ♡ はぁく、ちんぽじりゅらしてぇっ♡♡ も、ゃらっ……♡ しゅけべなょめまんこ……っ♡♡ きもちぃ、のぉっ♡ ゃぁっ……♡」
 やはり淫紋が最後の大暴れをしているのだろう。これまでが元の身体の感度などを限界まで引き上げて強化しただけだったのに対し、今は淫紋が勝手に身体を操作しているのに近いことが起きている。感度と筋が良いだけでおぼこいことがまるわかりの、こちらに与えられる快楽に翻弄されるばかりだった身体が、逆に食らいつき、追い詰め、貪ろうとしてくるのだ。
 何ものにも縛られず己の道を突き進む子供が、悪意あるまじないで身体を弄ばれるのにあらためて怒りが込み上げる。同時にうぶなまま淫らにされた身体に苦しめられ、嫌だと拒絶しながらちんぽに媚びて奉仕する子供に興奮してしまう自分にも。
「ほっぉっ♡ な、れ♡ なれ、まひゃ……っ♡♡ も、ゃら♡ やっ♡ ちんぽ、おっき、のぉ、やらぁ〜……っ♡♡♡」
「ああ……ったく!」
 怒りと興奮と、種付寸前のまま止めていたせいでふくれあがったちんぽが痛い。綺麗な顔が幼く歪み、や♡ と言うたび、きゅぅ♡ とすけべよめまんこがしゃぶりつく。子供は悪くない。まじないにかけられてから今この状況に至るまで、解決のために奔走していただけの被害者だ。そんなこと、もう何もかもわかっているのに、ムラムラしてイライラしてどうしようもない。
「――すまん」
「ひぉゃ……?」
「後でいくらでも罵っても殴ってくれてもいい」
「にゃ、にぃっ!?」
 これ以上、子供に何かを問われたら鈍りそうで、ぷるりとしたいかにもやわらかそうなそこに、噛みつくようにして自分のものを重ねた。最初に触れたやわらかさに感動して、我慢出来ずにくちびるで食めば、驚き、目をぱちくりとしていた子供がとろんと溶ける。その反応がかわいくて、傷めないように優しく挟み、ぷりゅん……っ♡ とはずむ感触がクセになってやめらない。何か言おうとするのを本当のパートナーのようなじゃれあいで塞ぎ続け、ついにくちびるのあわいから舌を捩じ込んだ。
「んぅっ♡ んっ♡ んむ、ぅっ……♡」
 奪うつもりのなかったファーストキスすら奪い、舌まで捩じ込む。自分が言わせたようなものなのに、的確にちんぽを煽り媚びたセリフと、うぶで幼い喘ぎを聞くのが辛すぎた。混乱を快感で塗り潰され、白黒としていた目はすっかりくちづけに夢中になって、口を塞いでなお雄弁な目でおねだりしながらとろけている。
 種付直前で我慢しているちんぽを抱えた愚かな男には、よめまんこと同じように犯してやりたい、という欲望が湧き上がって止まらない。押し入った口の中は小さく、急な侵入者にびくついた舌も簡単に絡め取ってしまえた。小さく、熱い舌はちゅぅぅぅ……っ♡♡ と吸いつけば素直にぶるっ♡ と腰を揺らし、これ以上なく締まっているナカもぎゅぅう♡ と搾り上げる。これも全て淫紋によるものだろう。鼻でふぅふぅ♡ と息をする淫らにうだっているのにいとけない顔のアンバランスさに独占欲がくすぐられた。
 このまま、口もまんこも犯してやる。俺は『恋人』でいいと言ったのに『お嫁さん』なんて言ったのはこの子供だ。もし孕むならばここで絶対着床させて責任を取ると囲い込んで逃さない。孕まなくとも胎がぱんぱんになるまで射精して、ベッドから出してやる頃には口もまんこも俺の形にして、他の相手なんて考えられなくしてやる。
「ふっ♡ ふぅぅぅっ♡ ふぅっ♡♡♡」
 舌と口腔をめちゃくちゃに愛撫しながら、ちんぽしゃぶりで甘イキしっぱなしのすけべよめまんこに反撃をはじめた。射精を促すぷりゅぷりゅの肉壁でのちんぽ扱きはすけべよめまんこにも効果覿面で、無駄射精ちしなければ淫紋による最高の種付サポートになる。一番奥の、秘密の、種付されたら絶対に本気イキしてしまう場所を、限界まで硬くふくれ上がり、だらだらと先走りを垂らすさきっぽでかわいがり、子種を注ぐ――もう少し耐えれば達成される不埒な願いのため、腰をぐ、と持ち上げた。
「ふ……♡ ふぅ……♡ ふっ♡ ふ、はぁ……っ♡ ふ、へぇ……♡♡♡」
 ぬちち……♡ と愛液と先走りの混ざったいやらしい水音を立て、一度招かれてから居座っていた秘奥から抜け出す。ゆっくりと、引き止めるように動くまんこ壁を、限界まで硬度を上げたちんぽで宥めれば、良い子で甘イキしてくれた。ぬぽ……っ♡ と栓が外れるような音がして秘奥から完全に抜けると、すぐに寂しい♡ 切ない♡ と甘え出す。くちづけで塞いだ口すら、おまんこおねだりで積極的にちゅ♡ ちゅぅ……っ♡ と迫ってきた。涙で焦点がぼやけた目も、またじわじわと新しい雫でうるみだす。
 口を塞いでいなかったらなんと言っていただろう。とびきり下品なおねだりを想像したら、それだけでちんぽもきんたまも上向いて、けなげに頑張るおまんこに意地悪をしてしまう。ただでさえわざと意地悪をしておあずけをしているのに、悪い考えを止められない。
 繋がったところもそうでないところも、おちんぽおねだりをするいやらしくてかわいらしい子供のくちびるを解放し、突然のことに息も絶え絶えに目をしばたたかせるのにささやいた。



『かわいいくぅちゃんのおよめしゃんおまんこ、誰の、何に、どうされたい?』
 きもちいい、はずかしい、いやだ、でも、きもちよくて、きもちよくて、きもちいい――あたまがもうそれだけで、たまさかにそれじゃあダメだ、とおもっても、なにもかもふきとばすほどの『きもちいい』がぜんぶぬりかえてしまう。
 ことばあそびかごっこあそびか、じぶんにはっぱをかけるつもりでいったことばがひとやのなにかにふれてしまったらしい。それからずっとおよめしゃん、といわれている。わざわざしたたらずでいいまちがえたのをいいつづけるのがせいかくがわるい。
 いちどだけ『かわいい俺の空ちゃん』といった。『俺の』と。そこだけ、なぜだかひどくつよくひびいたのに、いやらしいごっこあそびでうやむやになってしまった。おれのおれのとうるさいから、ふかいいみはないのかもしれない、とおもっていた、のに。
『俺も、空却が好きだよ』
 あのことばはなんだったのか。そのまえにじぶんがいったのは、このじたいのげんいんの、へんたいのことはきらいだけど、ひとやはすき、という、あたりまえの、かぞくへの、ことばだった。でも、でもだ、かえってきたことばは、そうじゃなかった。
 ちゃんとききたかった。そのことばのいみをおしえてほしかった。それなのにまじないがまたぜんぶめちゃくちゃにして、わけがわからなくして、それがいやで、はやく、こんなのおわらせて、ききたかったのに、なのに。
『後でいくらでも罵っても殴ってくれてもいい』
 みじかいしゃざいのあときすをされた。いちおうはじめてだったのに、ちゅ、ちゅ、とふれたとおもったらすぐくちびるをくちびるでくわれ、そのまましたをいれられた。なんでされたかもわからないきすなのに、さらにもっとふかくされる。
 にげそこねたしたをめちゃくちゃにされるとかんたんにきもちよくなってしまう。くちも、しりも、ひとやのしたとちんぽでずぼずぼされてきもちよくて、いやらしくされたからだがおねだりするのをとめられないのがくやしいはずなのに、なぜだかゆるしてしまえる。
 うえもしたもひとやにふさがれて、きもちいい。きもちいいのがいやじゃない。こわくもない。くやしくもない。とっくにこうかのきれたまじないふうじをかぶってみあげるかおは、ずっとかわらない。ただ『すき』だというめは、たまにぞくぞくするほどねつっぽいけれど、それだけだ。まじないにおかしくされためじゃない――それはそれでおっかないきもするが。
 でも、いい。『空却が好き』ならば。だれでもいいわけでないなら。
「ん……っ♡♡ えっちなくぅのぉ……♡ およめしゃんおまんこ……っ♡ ひとゃのだんなしゃまおちんぽ♡ れぇ……♡ いぃっぱぃ……♡♡♡ びゅ〜〜〜〜〜っ♡ ってたねちゅけ♡ しちぇ……♡♡ そりぇでぇ♡ くぅのことぉ……♡♡ まま♡ にしてぇ……♡♡」
 どんなせりふがおのぞみかはわからない。けれどわりといいせんはいっていたらしい。きれいなきれいなだんなしゃまのめは、それはもう、もえたぎるほのおのようだった。もちろんまじないにはかかっていない。
 そんなのもう、はつこいすらまだのぼうずにだって、ぜえんぶわかってしまうのだ。



 とろけた蜂蜜色の目が先までより余裕を持ったように見える。短い間に急いでとはいえ体を重ねているからかと思ったものの、これは慣れとかでなく安心だ。信頼とも言える輝きは淫靡な空間に不釣り合いなのに、何もかも委ねられている気がする。それこそ心さえも。
「やらしいおねだりすんなぁ、ママ?」
「ひとゃ、がぁ……っ♡ えっちなぉおよめしゃんまんこ……♡♡ にしたぁ……♡♡♡ りゃからぁ♡ せきにん♡ とりぇょ……♡ ぱぁぱ♡」
 言うなりきゅっ♡ とまんこを締めつけ、抜けたさきっぽを招き入れようとする。かすめるむち♡ みち♡ とした肉壁が射精をこらえて敏感なのによく効いた。
「……あぁ、責任とってパパになってやるよ……! ママにして♡ っておねだりするエロよめまんこ……っ、きんたまの中身ぜぇんぶ、びゅぅぅううう〜〜〜っ♡♡ ってしてやっからなぁ……っ!」
「ほ、ぉ……っ♡♡ ぱぱちんぽきたぁ……っ♡ あちゅくてっ♡ かたくてぇっ♡ ふとぉぃ……のぉ……♡ ほぉっ♡ おまんこっ♡♡ もぉっ♡ ぱぱのかたちらのぉっ♡♡ ぃちばんっ♡ ぉくのぉっ♡ いっ、ちばぁん……っ♡♡ おちんぽしゅき……っ♡ ってとこもぉ……っ♡ ぱぱのぉっ♡ おちんぽの、かたちにゃのぉ……っ♡♡♡」
 何でタガが外れたのか、強烈にちんぽを煽って媚びる仕草をする子供の秘奥に、ご希望どおりさきっぽを再び突き刺す。じゅぶんっ♡ と十分すぎる愛液で満ちたおまんこは、すぐに戻ってきたちんぽを歓待し、ちゅぱぁ……♡ ちゅぅぅう♡ むちゅぅ……っ♡ とくちづけるような音を出して子種口を愛撫した。
 びゅくっ♡ びゅくくっ♡♡ とほとんど精液まじりの先走りが吹き出すのが自分でもわかる。調子に乗った子供が、ふっ♡ ふぅっ♡ とはしたない息を上げながら、まんこで根っこからさきっぽまでをぎゅっ♡ ぎゅぅっ♡ と搾り、責め立てた。はやく孕ませろ♡ とせっかちなおねだりをするまんこもかわいくて、ぐりゅりゅっ♡ とちんぽの形を覚えるようにいっぱい撫でて教え込んでやる。
 えっちでやらしい、すけべな生中おねだりまんこを気持ちよくして、かわいがって、意地悪して、寂しくして、切なくさせているのはこのちんぽなんだ、と射精をこらえ続けてぱんぱんのちんぽでほじくった。やわやわなおまんこ壁は感じやすく、ひと撫でするだけで甘イキしてしまう。ぐりゅっ♡ ごりゅっ♡ とかちかちあつあつのちんぽでほじるたび、おまんこをきゅぅっ♡ きゅんっ♡ とびくつかせ、ちんぽに奉仕した。
「あぁ……っ! クソ……ッ、射精すぞ!」
「ほぉっ♡ ほあああぁぁぁぁぁぁっ……♡♡ ちんぽじるきらぁ……っ♡♡♡ およめしゃんおまんこ……っ♡♡ だんなしゃま♡ のぉっ♡ あちゅあちゅ♡ ぷりゅぷりゅ♡ せぇしっ♡♡ びゅぅうううう〜っ♡♡ ってしゃれてぇ……♡♡ えっちなままになりゅぅっ……♡♡♡」
 恥じらいを忘れたちんぽ煽り実況は全てが真実で、さんざんほじってすっかりぴったりハマってしまうようになったおまんこに、ぐぅっとさきっぽを押しつけて、そのまま射精した。びゅうう♡ びゅくっ♡ びゅうぅうぅぅぅぅ〜〜〜っ♡♡ と貯めすぎたちんぽ汁は絶え間なく発射しては、感じやすいまんこ壁をイかせ、白く汚す。その汚汁をぐりゅぐりゅ♡ と塗り広げてなすりつければ、素直でエッチなおまんこはひくひくんっ♡ むちゅうっ……♡ とちんぽに媚びながら何度でもくり返しイッてしまう。
「ほぉ……っ♡ ほぁぁ……♡♡ らめぇ……♡♡ も、しゅごぃ……♡ ひとゃのおちんぽしゅごいぃぃっ♡ せ、そぉっ♡♡ いくっ♡ いきゅぅっ♡♡ しり……っ♡ ぉまんこ……♡ な、てぇ……っ♡ いくぅぅ……っ♡♡♡」
 もはやごっこあそびの体すらとれなくなるほどイッた子供が、硬くなるばかりだったちんこでしょわぁ……♡ とおもらしをしながら、しりまんこでの本気絶頂を宣言をした。なけなしの恥じらいでほとんど下されたまぶたの奥、色と欲に染まった金色がなおもちんぽをおねだりする。
 射精のたび、本気イキをする生中ヴァージンのはずのすけべまんこも、つど根っこからさきっぽまでをきゅうっ♡ きゅぅぅんっ♡ と締めつけて、ちんぽ汁をおかわりしようとした。尿道の僅かな残滓すら余さず欲しがって、まんこが扱くの合わせて注ぎ込めば、行儀よくごくごく♡ と飲み下していく。
 ごっこあそびはしょせんあそびだったのだと思い知らされる。いやらしいことをわざと言ってやろうというそぶりのないまま放たれる淫らな言葉は、罪悪感とそれ以上の達成感があった。清廉で無垢な子供をよこしまな色と欲で蹂躙して、背がふるえるほどいやらしく、胸が苦しくなるほどかわいらしい、稀代の淫乱にしてしまったのはまじないじゃない、俺だ。
「ひとゃ……♡」
 悪い大人に犯されて、淫靡に微笑む子供の腹からは炎のような熱さが消えている。熱いは熱いが人肌の範囲でしかない。心なしか愛液の滴りも大人しくなっているような気がするが、何せ無遠慮に注ぎ込んだ直後でわからない。どうしようもないことだらけのベッドの上、何よりも手の施しようがないことに、本来の目的をすっかり忘れて、ただただ普通にセックスをしてしまった。
 せめて懲りるか悔いるかすればいいものを、抱いたらますますかわいらしくていやらしくなった懸想している子供の笑みに当てられて、きんたまは重く張り詰め、ちんぽもぐ、と硬くなってしまった。
「……こら、もうまじないは解けたろ……」
「なぁにいまさらまじめぶってんだよ。……まだナカ、はいってんのに……♡」
 見慣れた悪巧みをする顔で、ぎゅぅ……っ♡♡ とナカを締めつけられる。今までなら締めつけられると同時にぬとぬとと濡れていた。腹だって熱くならない。もう確定だ。まじないは、淫紋は解けている。
「く、そっ……ガキ!」
「ひっぁ、んっ♡」
 締めつけから逃れようと腰を上げるも、少し抜けたところで子供の足にぐぃ、と引き下げられてしまった。招かれてから居座り続け再び戻ってしまった秘所は、まじないが解けても極上の心地良さで、愛液が出なくなってもぶち撒けた子種がローションの役割を果たしている。今も帰ってきた客人をもてなそうと、丁寧にみっちりとおまんこおしゃぶりをされてしまう。
「ひとゃ、せっそぉのこと、すきなんだろ?」
 恐ろしくカンのいい、加えて聡い子供は何もかもお見通しという顔でこちらを見上げる。いつ、どこで、どのタイミングでか。ああ、やっぱり調子に乗って『好き』などと言うからいけなかった。
「セックス中の会話なんざ、ぜぇんぶ寝言みてえなもんだよ」
「ねごとはほんしょうがでる、ってきいたこと、あっけどぉ?……んっ……♡」
 どうにか抜けられないかと動くと、敏感なままの子供が喘いでたまらない。まじない無しで感じている姿なんて、目にも耳にも毒だ。
「お坊さんは……っ、ずいぶんやらしぃ本性なんだなぁ?」
「べんごし、せんせ、こそぉ……っ♡ べっどのうえ、だとぉ……、やくざみてぇ……♡♡」
 ダメだ。もうどうあがいたって勝ち目がない。舌足らずな、未だずっぽりと根本までちんぽを埋められて喘ぐしか出来ない子供に何一つ勝つことが出来ない。
「……いいのか、さっきも言ったがまじないは解除されてんだぞ」
「ん……っ♡ んな、の、いまさら、だろ……♡♡ せっそぉはぁ……♡♡ ぁっ♡ あぁぁ……っ♡ な、かぁ……♡ ほっ♡ ほ、ぉぉぉ♡♡ ほぉ、ぉぉぉぉっ……♡♡」
 淫紋が消えた今、これから先の行為はただのセックスだ。それでいいのか、嫌なんじゃないのか、問いかけてもロクな答えが返ってこないまま、三度目の射精が近くなる。小刻みに突き上げるごとにぶびゅっ♡ びゅびゅ……っ♡ と吹き出すのは愛液ではなく二度目におまんこマーキングしたときの子種と、濃厚すぎる先走りだ。古い汁を掻き出して、新しい種を腹いっぱいに注いで、さきっぽをしゃぶるすけべなまんこ壁に塗り込めてやりたい。
「どうすんだよ空却……っ、もう淫紋ねえのに、そんなエッロい声で吠えやがって……!」
「ひとゃがっ♡ したぁ……っ♡♡ せっそ、のしりっ♡ ぉまんこっ♡♡ にしてぇ……っ♡♡ すけべにっ♡ ほぇるょぉに、したぁ……っ♡♡」
 だからお前も同罪で道連れだと言わんばかりに、ほおぉ……♡ と深い感嘆混じりの喘ぎを漏らし、まんこにされた尻でちんぽに媚びる。淫紋がなくとも同じぐらい感じさせたい、という欲望が目の前で叶いつつあるのが、どうしてか悪い夢の続きのようで胸がざわつき、そのくせ腰から背へとぞくぞくと快感が走った。
「クソ……ッ! クソ……ッ!! 淫紋なくてもこんなやらしいのかよ……っ!! 俺のきんたま空っけつにする気か!?」
「ほぁぁ……♡ らしてぇ……っ♡♡ ひとゃのきんたまのなか、ぜぇぇんぶっ……♡♡ せっそぉのぉっ♡♡ やらしいおまんこ……っ♡♡♡ またぁっ♡ いっぱい♡ いぃっぱいぃ……っ♡ びゅぅぅううう〜っ♡♡♡ ってしてぇ……っ♡」
 そうして腰が足でさらにきつくぎゅぅっ♡ と縛りつけられ、招き入れられてから歓待されっぱなしのさきっぽは、ゴムをつけての一度目、ゴム無しの二度目とで拓かれ耕された種付おねだりまんこに、淫紋もゴムも無い三回目を急かされる。本当にいいのか、淫紋という言い訳もゴムという理性もかなぐり捨てた、欲望丸出しの本気種付セックスをして、と叫ぶ声が頭の中にわんわんと響いた。熱と色に浮かされた子供にすら何もかも見抜かれて、いいもくそもない。全部悪いし最悪だ。
「こ……んのっ! ガキで、坊主のクセして……!」
「がきのっ♡ ぼぉずのっ♡ おまんこきもちぃっ♡ ってじゅぽじゅぽしてるくせに……っ♡♡」
 大人のちんぽを煽って生中おねだりをするすけべなまんこガキを諌めるつもりが、余計に煽られてイラついてしょうがない。最初はかわいらしくやだ♡ やだ♡ なんて感じることを怖がっていたのに、この適応と切替の速さはなんなんだ。二回目のセックスの後からずっとにやにやともにこにこともつかない微笑みを浮かべて、エロ声を上げる時だけどろんどろんのすけべ顔をする。
「淫紋なくてコレなら……っ! 元から淫乱の素質があったんじゃねえかぁっ?!」
「ほ、ほぉっ……♡ ほおぉっ♡♡」
「口までまんこみてぇに縦割れにしちまってなぁ……? ああ、ちっちぇとこも似てるかぁ? ちんぽしゃぶんのはコッチも上手そうだけどよ」
 きんたま空にしたらしゃぶらせてやる、お前のすけべまんこをいっぱいヨクしてやったんだから、ちゃあんとお前が綺麗にするんだ、と真っ赤な耳に流し込めば、がくがく腰をふるわせてぷしゃぁぁぁっ♡ とおもらしをした。
「ほ、ぉ……っ♡ ぉ、あぁ……♡」
「……俺のちんぽ汁と自分のまんこ汁まみれのちんぽしゃぶるとこ想像してうれションしたのか……?」
「は、ぅ……っ♡」
「ちっちぇ口まですけべな縦割れまんこにされて、ちんぽずぼずぼされんの想像して……おしっこもらしてイクのきもちぃか?」
「ほ、ぁ……♡ ひ……もちっ……♡ ぃぃ……っ♡♡」
 ――ああもうダメだ。こんな全身すけべまんこのガキにした責任を俺はとらなきゃいけない。まず住職に事情を話して土下座して、それから、それから……クソッ! 射精すものを射精さないと頭がまるで働かない。
「ふぉおっ♡ きゅ、にぃ♡ きたぁ……っ♡♡」
 さきっぽをなめしゃぶるまんこ壁に合わせてゆるゆるとゆさぶっていたちんぽを、ごんっ♡ と強く突き上げて、そのままぐりゅぐりゅ〜っ♡ とほじり回す。すっかりやわやわとろとろのそこは、種付への期待が隠せずにきゅん♡ きゅん♡ とかわいらしくまんこをふるわせた。
「はっ……、エロガキまんこ……っきゅうきゅうさせやがって……っ」
「ぉ♡ ほぉっ♡ ほおぉぉぉぉぉっ♡♡ らてぇっ♡ ひとゃのでかちんぽぉっ♡ せっそぉのまんこ……♡ ぴったりらかりゃぁ……♡♡」
「ちっちぇぴっちりまんこだったのになぁ……? 自分でぱっくり開いて……っでかちんぽ専用のぽっかりまんこにしちまって……!」
 ばちん! ばちゅん! と素早く強いストロークで専用おまんこでちんぽを扱く。軽く抜くだけでも全力で引き留めるおまんこのけなげさに、きんたまがぐぅっと上向いた。二回目に耐え続けた反動で、まるで我慢をする気が起こらない。ちんぽでかわいがるたび、無遠慮にほっ♡ ほぉっ♡ とエロ吠えをするガキに忖度するのも馬鹿らしい。
「……っそろそろ射精すぞ……っ! すけべまんこでちんぽおしゃぶりしてっ! 恥ずかしいエロ声出してイっちまえ……!」
「ほおおぉぉぉぉっ♡ ぃくぅっ♡ いくっ♡ いくぅっ♡ でっかぃおちんぽ♡ たねちゅけ♡ っでぇっ♡♡ すけべまんこっ♡♡ いくぅぅうううっ♡♡♡」
 ぶちゅぅんっ! と三度目のちんぽ汁マーキングのためにほじられたまんこ壁がじゅぅん……っ♡♡ と多すぎる先走りでうるみ、ぶりんと硬くふくれたさきっぽをしゃぶりついて受けとめた。びきびきと張り出したエラにごりゅごりゅ♡ と擦られるたび、ほぉっ♡ ふぉお……っ♡ とすっかり得意になったエロ吠えを上げて発情まんこでねっちりと締めつけ奉仕する。当然、さきっぽより下、太茎をずっぽりと咥え込んだまんこ壁も、でっぷりしたきんたまから子種を搾りとろうと、むちむち♡ みちみち♡ と根っこからさきっぽへ、健気にちんぽを扱き上げた。
 そしてついに深く高い、大きな絶頂を迎えたまんこにきゅうぅぅんっ♡♡ と強く絡みつかれ、ちんぽが射精した。びゅるぅっ♡ びゅぅっ♡ びゅぅぅううううううう〜〜〜っ♡♡♡ と長く、激しい種付に、イキたてほやほやのおまんこはまたびくんっ♡ びくびくんっ♡♡ とイキまくってしまう。
 いたいけな子供は一生懸命に子種を飲み下そうとまんこをきゅぅぅ……っん♡ きゅうぅっ♡ と動かすものの、まだ硬さの残るちんぽにおかわりを欲しがっているようにしか思えなかった。ほぉぉぉ……♡ ほぉぉぅ……っん♡ という快感を噛み締め味わうように深く感じ入ったエロ吠えもそれを助長する。
 一度目よりも二度目よりも、今が一番気持ちいい。愛液が溢れかえってどこか窮屈だったまんこより、ぷりぷりに熟れて上手にちんぽを扱くまんこより、愛液と子種の残滓に塗れてぬとぬととする、ちんぽの形にぴったりハマるまんこが一番良い。この生中おねだり上手の小慣れたまんこと子供は、ほんの数時間前までさらっぴんのヴァージンアナルだったのに、セックスなんて入れて出すだけだと言っていたのに、そんなのもう誰も信じない。
「はっ……、ひっでぇすけべ面してんぞ……っ」
「らっ、へぇ……♡ ひとゃのちんぽぉっ……♡♡ せっそぉのはつじょぉおまんこ……♡ ぜぇったぃ♡ はらますぞっ……て♡ しゅりゅかりゃぁ……っ♡♡」
 自ら発情まんこと宣言してしまった口元はだらしなく開いたまま、は♡ はぁっ♡ とエロ吠えよりはいくらか上品に呼吸を整えようとしている。けれども子種おかわりをおねだりするまんこで、ちゅっちゅう……っ♡ とちんぽおしゃぶりをしたままでは何もかも台無しだ。
「そんなの、俺のおよめしゃん♡ で、ママ♡ で、おちんぽと生中種付だぁぃすき……♡ なえっちなお坊さん♡ なら当然だろ……?」
「ほあぁ……っ♡ も、よめ、とか……っまま、とかいうなぁ……っ♡ あとぉっ、みみんとこ、らめ……ぇっ♡♡」
「なんでだ? 自分でおよめしゃん♡ と、ママ♡ って言ったんだぞ? それに耳だって……気持ちイイんだろ? ずぅっとおかわりおねだりしてるえっちな甘えんぼおまんこ……♡ やらしぃこと言うとちゅうぅ〜……っ♡ って、ちんぽおしゃぶりしてんのに……」
「らかりゃ……っ♡ りゃかりゃ♡ らめ、らのにぃ……っ♡♡♡」
「はぁ……、おまんこどちゅどちゅっ♡ されて、いくいくっ♡ って言うときは素直な良い子なのになぁ……?」
 我儘な駄々をこねる子供を優しく諭すようにささやいて、腰をゆすれば、簡単にほおぉ……っ♡ とはしたなく鳴くのときゅんきゅん♡ という締めつけがちんぽによく効いた。どこまで無意識か知らないが、そろそろ許せる領域を超えている。
「……俺が、お前のこと好きなのをわかってて煽ったんだから、責任をとってくれるよな?」
 ダメだと言う耳に意地悪く迫れば、んぉ……っ♡ と生唾を飲み下し損ねたようなエロ吠えと、ぎゅうっ♡ と強いまんこハグが返ってくる。色だけは綺麗なままの金色に映る自分も、子供も、獣のような顔をしていた。



「ぉっ♡ ほお、ぉぉ……っ♡♡」
「もうすっかりエロ声が板についたなぁ……」
 あれからさらに小一時間。『およめしゃん』で『ママ』で『おちんぽと生中種付だぁいすきなえっちなお坊さん』と認めるまでおまんこをちんぽでかわいがった子供は、恥じらいを残したエロ吠えが余計にそそる有様になっていた。
 最初に広げさせたまま、ほぼ抜かずにちんぽ汁を注いだおまんこは、透明な愛液の代わりに白く濁った子種をぶぴゅぅ……っ♡ とわずかな隙間からあふれさせる。子宮があったならば間違いなく孕んでいたであろう姿に、ほのぐらい支配欲が満たされていく。
 ときおり子供がいやいやをするように首をふると、もはやただの薄布でしかないまじない封じがくしゃくしゃになっていた。子供も綺麗なベールを被った『およめしゃん』だったのに、処女まんこをちんぽ汁まみれにされて『ママ』になってしまった。
「なぁ……空却。俺が、お前を好きってわかって……どうしてあんなことをしたんだ……?」
「んぅっ♡ ふっ♡ ふぉ、ほぉ……っ♡♡♡」
 じゅぶぶぶ……♡ と、イキすぎて腰にひっかかっているだけの子供の足が落ちないよう、ゆっくりとちんぽを抜く。ず、ずぅぅ……♡ とまんこ壁をなぞるたび、取り繕うことも出来ずに喘ぎ声を上げるのは達成感があった。
「おまんこきもちいいので頭いっぱいだから、なんもわかんねえか……」
「ん……♡♡」
 今の子供から答えが返ってくるのは期待していない。ぬぽんっ、と小気味いい音と共に抜け落ちたちんぽはまだ少し硬く、ほとんど自分の出した精液で濡れていた。どぷ、と重たく粘った音がして、ぽっかり開いた子供の尻の穴から馬鹿みたいに注ぎ込んだ子種がしたたり落ちる。最初は広げるために添えられていた指はもはや飾りと化していて、あらぬ液体で汚れていた。くたりとしたちんこは何度かの射精と粗相の痕跡すらも乾き、ぴくりとも動く気配はない。そしてその近くに忌々しくも鎮座していた妖しい桃色に光り、子供とその周囲を狂わせていた卑猥なネオンサインは綺麗さっぱりなくなっていた。うっすらと割れたまばゆく白い腹が狂乱の終わりを示すのに、まるですっきりしない――理由はわかりきっている。聞こえないようにため息をつき、子供を見れば知らぬ間に寝入っていた。最後の方の様子からすると気絶の方が正しいかも知らない。
 あれから何時間経ったのか。恐る恐る時計を見て、慌てて住職に電話をすると『気配が消えたからわかっていた』と言われ、深々と頭を下げる姿が目に浮かぶような謝辞を述べられた。とても何があったかは言えない。あちらも何が行われたかをわかっているからか、多くは聞かれずに明日のざっとした予定だけを話して電話を終えた。
 そう長くはない通話を終えて、どっと疲れた体を引きずって後始末をはじめる。別れた恋人とはこんな派手に汚れるようなセックスはしなかった。お互いに初めてでもないし、自分をコントロール出来ないなんてこともなかった。そんなことを言ったら貪り、弄び、蹂躙するようなセックスをしたのだって初めてだった。せいぜいもう少し若い頃に興味本位でアダルトグッズを使ったり、イベントに乗っかって軽くイメージプレイじみたことをしたくらいで、今日みたくひどく直接的で下品な睦言を言ったことも最近ではなかったのに。
「……まじないじゃなくて、お前のせいで俺はめちゃくちゃだよ……」
 涙やら涎やらで腫れ、べちゃべちゃに汚れた寝顔はそれでもか、それだからか。ほんの十数分前まで淫らに乱れ、誘い煽っていたとは思えない人形めいた美しいかんばせが際立った。短い間だけ重ね、味わったくちびるのあわいからほんの少しだけ真珠色の歯列と赤々とした舌が覗く。すうすうと規則正しい寝息を侵したら起きてしまいそうで、汗がぽつぽつと浮かぶ額にくちづけた。まだ、もう少しだけ、子供の真意に触れたくなかったから。



「はよ」
「……おはよ」
 朝っぱらからシケたツラしてんな、とまぶたや目尻に昨日の痕跡を残した子供が笑う。気絶するまで抱いたのに元気なことだ。時計を見ればまだ明け方近い。渡された荷物の中の寝巻きを着せて寝かせ、着替えをベッドサイドテーブルに置いておいたのだが、どうやら気づいてくれたようだ。
 綺麗なまるい額にくちづけた後。ぐちゃぐちゃなまま眠りについた子供を風呂に入れ、これまたぐちゃぐちゃの寝室とベッドを片付け、どうにかこうにか寝るに耐える範囲まで整えたベッドに子供を寝かせ、自分は居間のソファーで寝たのだ。疲労困憊はお互い様だけれども、恋人でもないヴァージンの相手を必要な分のセックスを終えた後も執拗に抱いて、抱いて、抱き潰したのと同じ場所に一緒に寝る気にはなれなかった。
 もっと言えば風呂に入っている後始末の最中ですら辛かったのに、ベッドで寝たらどうにかなりそうだった。散々に生中しまくった尻のふちはたった一晩で縦に割れ、戻らぬまま見知った性器の大きさにやんわり開いたままなのに喉を鳴らす。荒淫でぷくりと腫れた秘裂に優しく指を挿入れ、ねだられるまま……自分の欲望のままに奥深くに射精した子種を掻き出せば、ふぅ……っ♡ ほぁ……♡ と眠ったまま重たく色づいた吐息を吐いた。
 そう遠くない後始末の記憶を思い出したとき、とても一回ではすまない量の洗濯より、マットレス深くまで染み込んだ口に出せない汚れの数々より、意識のない人間の身体を運ぶ重みより、よっぽどキツかったのがこれだ。容赦も遠慮もなく注ぎすぎた子種を掻き出すための指をきゅぅ……っ♡ とからめとり、ひとゃ……♡ と名前を呼ばれて勃起したときはさすがに自分の体が恐ろしくなった。もちろん後始末以外は何もしていない。指で届かない奥まで洗うのにシャワーを流し込んで、その圧と流れで子供が声もなく絶頂しても。心を無にして作業を続行する過程で、ほぉっ♡ ぉっ……♡♡ ぉぉんっ♡♡♡ と淫紋も消え、意識もないはずの子供がちいさな口をいやらしい形に歪めてちんぽをねだるエロ吠えをしても。何もかも終わらせて、自分が寝るための準備としてシャワーを浴びるまでは何も。
 思い出すだけで頭と胃と股間が痛む。仕上げに全身を洗おうとするとびくびくと悩ましげに身をよじるのが辛かった。心の無を保ったまま首、肩、胸……と上から下へ泡立てたスポンジで撫でてやっても、白い泡を押し上げてぷくんっ♡ と、かわいらしくて美味そうな乳首とちんこが勃ち上がる。こちらの気も知らないで、だ。
「昨日は、色々ありがとな」
「ああ、困ったときはお互い様だからな」
「お互い様……にしちゃあ面倒かけたろ。クリーニングとか弁償とかあったら言えよ」
「いいいい、どうせそろそろ買い替える予定だったのが早まっただけだ」
「いーから! いくらだよそれ。致命傷になったの昨日だろ」
「いいって言ってるだろ!」
 ソファーから身を起こし、正面に立った子供と手探りで話しをはじめる。つとめていつも通りに振る舞おうとしても、昨日の今日の話は避けられない。これから寺に戻って住職への確認報告をしなくてはならないが、昨日の電話口での話し方からすれば踏み込まず事務的に対応してくれるだろう。問題はこっちだ。
「……そういうのも灼空さんと話すことになってるんだ。経費で落とせそうだからどっちで出すかとか」
「うっわ銭ゲバ」
「何言ってんだ、寺継ぐならお前もやんだぞ」
「なんだよ、獄やってくんねえの」
「甘えるなクソガキ。無料相談範囲外は金取るからな」
「そういうとこなんだよなぁ。家族割とかねえの?」
 うっかり出てしまった大きな声をなんとか鎮めて切り替える。どこまでわかってやっているのか。不意に当たり前に出た『家族』と言う言葉が胸に突き刺さった。昨日だって感じていた、この子供は目の前にいる男が自分を『家族』として以外の感情と肉体を求めているのを知ってもまるで気にする様子がない。
「……恋人になら、全部やってたこともある」
「へぇ……ベンゴシセンセって恋人には甘ェんだ」
 何か言いたげな素振りをして閉ざされた口は、昨日そう長く貪ったわけでもないのに常より赤くふっくらとしていた。粘膜にほど近い、鍛えようもない場所だ。くちびるがこれなら尻などもっととんでもないことになっている。いちおう、気やすめていどに軟膏は塗っておいたが、その時だって……やめよう。赤くぽってりとした尻のふちをなぞるだけで甘イキして、きゅぅ……♡ とナカをふるわせながら、ん……っ♡ と鼻を鳴らした姿なんて忘れろ――無理だ。起きてしまったことは、犯してしまった罪は、なかったことになどならない。
「なぁ、俺がお前のこと……『家族』として以外に好きだって、わかったんだろ」
 わかっていたのに、流し流されてした爛れたセックスで有耶無耶にしてしまった。淫紋が解けた時点でセックスを終わりにしてよかったのに、『好き』なんだろう、と言われるがままにしてしまった。拒絶も嫌悪も咎めもなく、さも『好き』ならばいいだろうとばかりに求められたのに乗ってしまった。けれど――
「わかっただけで俺のことを『好き』じゃないのに……どうしてセックスしたんだ……!」
 子供は口を酸っぱくして責任を取る心積りもなく性行為をするなと言われて育ち、興味の薄さも相まってきちんと守っていたという。それなのに、なぜ。同情や面白半分でないのも、もちろん好意でもないのもわかっている。それならば、どうして淫紋が消えたのにまだ自分に抱かれたのか。
「答えろ空却」
 心を偽ることを知らない雄弁すぎる金色を見たら冷静でいられなくなりそうで、宙を泳がせていた目を決意と共に子供へと向ける。触れなければそれきり終わってしまいそうで、でも触れたらこれまでが終わってしまいそうで、どちらにしろ終わるならと食らいついた先、昨日のことなんて何もなかったような顔をして首を傾げる子供がいた。
 どんな答えでもいい。必要な行為が終わった後も肌を許された理由が知りたかった。期待はしていない。傷つく覚悟もしている。全てはむつかしそうに唸る子供の返答次第だった。
「獄が拙僧を『好き』って言ったから」
 そう長くもない逡巡の後、怒るなよ、と前置きして出されたのは受け取るに困るものだった。それしかない、と本人は満足そうにしているが、こちらはまるで納得が出来ない。予防線を張るあたりは本人もむちゃくちゃを言っているのはわかっているのだろう。
「セックスしたいって意味での『好き』なら誰が何をしても……もしレイプされても許すのか?」
 言葉も説明も足らない、到底我慢ならない答えに絶対違うと言わせるための問いを仕掛ける。これでそうだと言われたら住職に再教育をお願いしなくてはならない。俺では無理だ。
「許すわけねーだろ! ……あと拙僧が勘違いしてんなら悪ィけど、獄とのセックスは全部合意だからレイプじゃねえ……だろ?」
 出足はよかった。続きがよくなかった。そうだな、合意だな。合意だからレイプじゃあない。でも欲しいのは昨日のセックスに違法性がない保証じゃあないんだ。
 だんだんと渋くなる表情を隠せずにいたら、は、と何かに気づいたように、それとも拙僧が『好き』なんだからと三度目を押し切ったのはレイプなのか? と言われ、ついに頭を抱えた。そうじゃない。そうじゃなくて、
「……だから、なんで俺とセックスしたんだよ……!」
「今言ったじゃねーか!」
「そうじゃねえんだよなぁ……」
 あまりにも噛み合わない問答に頭が痛くなってくる。性に奔放なわけでもない、かといって同情して抱かせてくれたわけでもない、同じように『好き』なわけでもない。
 忌々しいまじないが消えたら全部終わると思ったのに、もっとわけのわからないものが残ってしまった。恋愛小説ならセックスを通して愛だの恋だのに目覚めてハッピーエンドで終わるところだが、現実はそうもいかない。ぐちゃぐちゃになるまでセックスをしても愛も恋も知らないまま、色と欲だけ知った子供が、みっともなく弱りきった情けない大人にかける言葉を探して、珍しく気を遣っている。
「……まじないをかけられてからずっと、頭おかしくされて拙僧とヤリてぇって奴らに襲われて……。だから誰でもいいからまじないにおかしくされない奴とセックス、して……そんで、とっととまじない解こうって……」
 ソファーに腰掛けたまま見上げた先、子供がするのはこうなる前に何度も聞かされた話のくり返しだった。『まじないにかからない相手』という限られた選択肢の中から選ばれて、浮かれて、調子に乗って、たかを括って。結局、一番気づかれたくなかった本心を見抜かれた――
 深くなる眉間のシワを自覚しながら、刺々しくなる声を抑えて、それで? と問う。
「そんな顔すんなよ……拙僧だって、よくわかんねえんだよ。『家族』で『まじないにかからない』からって無理矢理セックスしろって巻き込んで……協力するって言ってくれて、シテくれたけど……『好き』でもねえのに……って」
 良く言えば迷いなく真っ直ぐな子供は、悪く言えば大雑把で乱暴だ。強く言って聞かされても決して曲げず折れないところは良くも悪くも頑固で、回転の速い頭と舌は自他の本質を鋭く見透かしては、躊躇なく口から放ってしまう。だから今みたく繊細に言葉を選ぶようなことはほとんどない。
「そしたら……獄が、嫌じゃない、とか、今だけ『恋人』になろうだとか、拙僧のせいで別れたとか、『好き』……とか、言うから……」
「言ったな。全部事実だよ」
「開き直んなよ……って、はぁ? マジで拙僧のせいでフラれてんのか!?」
 『好き』だとバレた今、淫紋を解除するため、空却を思ってという体を装っての提案や発言だったものは、内心の欲望に従った提案であり発言でしかない。しかし自分が原因で破談したのは檀家の結婚式をとり行うこともあれば、数多の人間関係の愚痴から相談まで聞く子供には衝撃だったようで、目を白黒させていた。
「……なんつうか、勢いとはいえヨメとかダンナとか言って悪かったな……」
「相手とはとっくに終わってるし『恋人』以前の脈もなさそうなガキが『旦那様♡』とか言い出したのは正直儲けたと思ったから気にすんな」
「……っ気にすんなって、そんなん無理に決まってんだろ!」
「AVもびっくりのとんでもねえこと言ってたもんなぁ」
 実際、そういうところからの知識しかないのかもしれない。好んで見るというのは想像がつかないが、檀家のジジイにセクハラまがいのがいると言っていたし、東都ではヤクザだのと連んでいた。子供を取り巻く環境ならば一回くらいヤってそうなものだが、そういう妙なところだけがお坊さんで本当に嫌になる。
「獄だって言ってたじゃねえか!」
「あそこで俺が引いてたらどっちらけだろうが。それにああいうプレイは潔く没入した方がイイんだよ。恥ずかしがって半端にやるのが一番不味い」
「語るじゃねえの、ベンゴシセンセ。そんなに拙僧との子作りプレイヨカッたんだなァ?」
「言ったろ。儲かった、って」
「ウッワ! まぁた開き直った! このムッツリスケべんごし!」
 一番ヨカッたのは淫紋が解除された後の三回目。ダンナサマなどと言って遊ぶ余裕もなくなるほど淫らにされた身体の快楽に引きずられて、思いつく限りのいやらしい言葉で誘って煽った子供とのセックスなのだが、また引かれそうだから黙っていよう。
「オラ、脱線してんぞ」
「獄がちゃちゃいれるからだろ」
「ちゃちゃなもんか。短い間とはいえ『恋人』で『だんなしゃま♡』で『パパ♡』だったのに、つれないことを言うなよ。忘れてるみたいだけど俺はお前が『好き』なんだぞ」
 子供の羞恥心を突きつつも切実に訴えれば、う、と弱った顔をされた。言い淀み、考え考えに喋る――もしかしなくとも、もしかするのかもしれない。
「……淫紋の影響でエロくなった拙僧の体が気持ちいいから嫌じゃないって、拙僧だけが気持ちいいんじゃねぇって言われたとき、安心したし、嬉しかった」
「だから、巻き込んでるし、体だけでもイイならもっと気持ち良くなってもらおう……って、そんで、そしたら、獄が『恋人』とか……『俺の』とか、『好き』とか言って……キスまですっから……」
 ほんのりと赤らんだ頬や額にうっすらと浮かぶ汗がかわいらしく、昨日抱いたときのように八の字にひそめられた眉が悩ましい。快感に飲まれてわからないだろうと思い、欲望と願望を乗せて流し込んだ言葉も、勢い余ってのくちづけも、聡い子供には全て正しく伝わってしまっていた。だから、俺が『好き』だと言ったから、子供は俺とセックスしてしまった。そうなのだ。もしかしなくとも子供は、自分でもどうして『好き』だと言われたからセックスしてしまったのかわかっていない。
「……空却、お前なぁ……」
 うんうんと頭をひねるも堂々巡りから抜け出せない子供に思わずため息が出てしまう。こいつは思い出に一回だけ、なんて縋られたら本当に一回だけならヤるタイプだ。厄介なことに憐れみや優しさではない。恐らく心底から相手に好かれ、愛され、求められ、欲しがられているのだと判断したら抱いてしまうし抱かれてしまうのだ。無垢だ無私だと讃えるには危うすぎるが、悲しいことに空却は俺をそういう意味で『好き』ではない。
 そうとしか思えない状況に置かれた今、住職が子供の心の芯に浸透し切るまで性行為を厳しく咎めてくれてよかったとしか言えない。悪意によって捻じ曲げられ無理矢理抱かされた獣欲は恐ろしく敏感に迎撃するのに、好意とそれによって生まれた欲望をあまりにも無防備に受け入れてしまうのを昨日で痛感した。
 本来ならば『空却が心を決めた相手』としかしないはずのセックスだから、それで問題はなかったのだ。好意も欲も共に抱えあって歩んでいくもので、その場限りの熱を分かち合う関係など作らないはずだったのだ。件の通り魔さえ現れなければ空却はもちろんのこと、俺だってこんなことにはなっていない。
「言っとくがな、お前が気づかなきゃ俺は昨日のことは死んでも胸に閉まっとくつもりだったんだ。異常な状況とはいえ脈も何もあったもんじゃない相手と一晩……それでもいいと思ってたんだよ」
「だが今はそうじゃない。俺が、お前を、『好き』だとわかった上で……! まじないを解くためでない、ただのセックスをしようと誘ったんだ……」
「……またなぁんもわかんねえって顔してるけどな、俺は拒んだのにお前が『好き』なんだろうって誘ったんだ。生涯一度の思い出セックスなんぞで満足して離す気はないからな……?」
 可哀想に、なんだかわからないがとんでもないことをやらかしてしまったらしいとだけ察した子供が、瞠目したり首を傾げたりと忙しい。ただ自分の何の気なしの行動で純然たる『家族』であったはずの目の前の男が、『家族』以外の関係を求めているのが変わらないのはわかったらしく、ぎ、と睨みつけて威嚇しながらほんのりと赤くなった。
「んなこと、言われてもっ」
「安心しな、なぁんもわかってねえのなんてわかってっから。ともかくまじないは解けて万々歳。日常生活もDRBも安泰だ。……その合間にお前が何を知らなくて、何をしたか、手取り足取りみっちり、教えてやるよ」
 出来るかぎり鷹揚に笑ったつもりだったが、どうやら失敗したようだ。びく、と跳ねた子供の身体が、もじもじと胎を守るように手で隠す。淫紋がなくなっても、と入念に弱点を責めたかいはあったらしい。
「……セックスはしねえからな……」
「安心しな。『好き』だからシテほしい、って言われるまで、指一本触んないでやる」
 あれだけ濃厚なセックスをしたのに、肝心なことがわからないばかりにおぼこいままの子供のため、決意表明に両手を上げて振ってやる。本心からの言葉だったのだが、ひらひらと揺する指をじとりとした目が厳しく検分した。
「普段は、触っていい。……拙僧も触るだろうし」
 ただしやらしいことはするな、と付け加えた口ぶりが寂しそうな、拗ねた子供のようで、年甲斐もなくかわいらしさで胸を打たれる。そうだ、この子供は距離が近いのだ。過度に触れ合わない方が周囲には違和感になるだろう。あくまで『家族』の範囲だとしても、懸想した相手に寂しそうにされるのは、あらぬ期待で胸がいっぱいになった。
「今までどおりってことでいいんだろ? ……ところで俺がそんなつもりじゃなく触っても、お前がやらしいって思ったらアウトとか言わないよな?」
「〜やっぱナシ! 絶ッ対触んな!!」
「バカ、冗談だよ」
 そんなことするわけがない。この後に及んで悪い大人に簡単に丸め込まれてしまうような相手なのだ。『なんで『好き』と言われてセックスしてしまったのかを教えてやる』という言葉の意味を子供はどう捉え、受け取り、受け入れたのか。まだ無意識だとしても、欠片の余地もないと思った脈がじわじわと生まれつつあると思っても許されるだろう?
 最初は自分への『好き』に当てられているだけでも、勘違いでも錯覚でもいい。そもそものきっかけがきっかけだ。たとえはじまりが身体でも、最後に全部手に入れて、嘘も思い込みも本当にしてしまえばいい。
 今はどこにいるかわからないまじない主を、有言実行の子供はいつか必ず見つけるだろう。そのとき子供は、俺は、どんな関係で、なんと思うだろうか。存外、相手の方から姿を現してくれるかもしれない。知らぬが故に惑わぬ清らかな子供は、もういなくなってしまったのだから。

2023/8/21


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