恋するちくびには欲がある

 恋のおまじない、なんて信じていない。
 そういうものは最後に背を押すための、気持ちを奮い立たせるためのものだ。
 成すも成らぬも自分次第、目の前の恋人を射止めたのもみっともなく足掻いた結果で、運命だとか奇跡だとかではない。



 かわいいピンクのリップクリームは甘い苺の香りがして、嗅ぎ慣れない匂いに鼻が痛くなる。
 キスをして秘めた思いを届けるおまじない、と少女は言っていたが、別段、秘めてはいないのだ。むしろあけすけに語りすぎて怒られるほど。
 そういえば、もっとラブラブハッピーになってほしい、とも言っていた。もっと、はいい。より良くなるのはいいことだ。
 くちづけを重ねながら、そのままベッドへと移動して、ぼふ、とやわらかいマットレスに着地する。
 押し倒されてなお続くくちづけはじわじわ深く変わり、犬歯を器用な舌でちろちろと舐められた。妙な感覚に背中がぞくぞくして、ため息と共に口を開くとつるん、と舌が入りこむ。
「ふ、ぅ……」
 ちゅう、ちゅぷ、くちゅ、ぷちゅ……吸って、舐めて、くじって、噛んで、奥に引っこんだ舌を根っこから捕まえて蹂躙される。
 あふれたヨダレが頬や顎をつたい落ちても、口中の性感を拓こうと暴れる舌は止まらない。
「ぅん……っ!んっ……!んんーっ!」
 散々に弄ばれた舌は痺れきって、隅から隅まで暴き立てるのを止められず、呼吸すらままならなくなって、目が涙でにじむ。
 歪む視界に映る恋人はぎらぎらとしていて、もしかしてまだ『ヒミツ』を気にしているのだろうか。
 だとしたら、なんて、
「ん……む、ぅ……ッ」
 脱力していた舌を根からきゅぅ、と絡めとられ、ぢゅぅうう……と吸われた。予期せぬ強烈な快感にびくんっ、と跳ねる身体は、押さえこまれて熱を逃すこともできない。
 腰から背、全身に走る甘く重い痺れは、ぐるぐる回って胎へと戻ってしまう。服の下でちんこがぷぷ……と先走りを垂らし、それがひくひくとふるえる尻を濡らした。
「……キスだけでイキやがって」
「ふ、ぁ……ッ」
 ちゅぽ、と音を立てて離れたくちびるはかすかに赤く、自分もきっと腫れているだろう、と件のリップクリームを取り出す。
 雑にぬぐったくちびるにきゅ、と塗ると、恋人に横から奪い取られた。
「なにすんだよ」
「恋人の前ーましてやベッドの上で、他人からもらったもんつけんじゃねえ」
 子供相手に、なんて言う暇もなく、つけたばかりのクリームを拭うようにくちびるを貪られる。
「んっ!は、ぁ……ッあっ、んぅ……っ」
 ちゅば、ちゅう、ちゅ、とくちびるで、舌先で、歯で、やわく、あらく、甘い香りをこそげとられ、そのたびにびくん、びくん、と身体が跳ね、ちんこがぴゅ、ぴゅ、と先走りをおもらしをする。
 見なくてもわかる。股間がびちょびちょに濡れて、ゆるく勃ち上がったちんこがもっともっととねだっている。
「は……ひとゃぁ……っ」
 今日は変だ。ただのくちづけだけでこんなに気持ちいい。それにいつもならとっくに服を脱がされて、くちびるから下へ、首や胸、腹、腕……全身にちゅ、ちゅ、と雨あられにくちづけが降らされるのに。まだスカジャンを、それも自分で脱いだだけだ。獄もおんなじで、ジャケット以外はそのままだった。
「……どこにキスしてほしい」
「くちいがいも、ぜんぶ……」
 濡れたパンツが気持ち悪いのとまどろっこしいのとでもぞもぞとすると、前の合わせを乱暴に開かれる。
 ちんこにばかり気をとられていたけれど乳首も勃起していた。どっちも触れられてもいないのに、ねだるように首をもたげているのが気恥ずかしい。
 無言でじぃ、と眺めている恋人が赤ん坊みたいに舐めてしゃぶって甘噛みして、さんざんやらしいことをした結果だ。お前のお好みのすけべな体だろう、と思っても、あまりにも長すぎる。
「な、ぁ、って!バカ!」
 ぐり、と乳首に何かが触れた。すっかり馴染んだ甘い香りが再び鼻をつく。先ほど奪われたリップクリームがぐりぐりと塗りたくられていた。
 くすぐったい、ではすまない。はしたない条件反射の刻みこまれた体は意識しただけでも快感を思い出して疼いて濡れてないてしまう。
 それなのに、さきっぽのくぼみから勃ち上がった側面、ふくれた乳輪まで。あまさず甘い香りを塗りこめられた上、色付きクリームのせいでうっすらピンク色にテカっている。
「こんの、ヘンタイ……っ」
「なんにもしてないのに乳首びんびんにおっ勃ててるやつには言われたくねえなあ」
「キス、しただろうが」
 キスだけで絶頂してしまう、いやらしい体にした張本人が言っていいセリフではない。いつだって頭がうだってぼうっとしてしまう、激しく、熱く、甘い。淫らなこと以外何も考えられなくなるー全てを奪うくちづけから夜ははじまる。
 だからくちびるが触れたが最後、いやらしく拓かれた体は気持ちよくなろうと準備をしてしまう。
 どちらがヘンタイなものか。まがりなりにも慎ましく清らかだった空却の体を自分好みのすけべな体にして満足そうにしているくせに。
 今だってキスだけで乱れに乱れるのを喜んでいるのを隠しきれていない。だらしない顔をしてへえ、だのほおだの言っている。
「……へんたいすけべおやじ……」
「なぁんか言ったか?エロガキ」
「あっ!や、ぁッん!ばかぁっ……」
 リップクリームでコーティングされた乳首を指先でぴん、とはじかれた。ぬるぬるとすべる乳首を両方ともぴん、ぴん、と指の腹でこすりながら、爪先で転がされながら、はじかれるたび、つられて体も跳ねてしまう。ちんこもゆるゆると勃起して、ぴゅ、と先走りを垂らしている。
 さんざんいじめられ、はじめよりも硬くふくらんだ乳首に再びぐり、とリップクリームが塗りつけられた。こそげ取れたところ以外もみっちりと塗りこめられ、いやらしい装いを施される。
「ゃあ……っ、なんで、また、ちくび……ッ」
「……そんなトロットロになってるのが答えだよ」
 ヘンタイスケベ乳首ちゃん、と囁きながら、ぐしょぐしょの股間を掴まれた。
「ひぁ……っ」
「キスと乳首だけでこんなにしてなあ」
 ため息をつくようなそぶりをして、下着ごとパンツを下ろされる。ぷる、とゆるく勃起したちんこは恥ずかしい汁まみれで、尻の方まで広がっていた。
「やらしいおもらししやがって……」
「ば、か……っ」
 ベッドに広がるはしたない世界地図を撫でた指が尻へと向けられる。そうして隠すように寄せた足を割り開かれ、準備万端の肉縁にぷちゅぅ、と入りこむ。
「ふ、あ……!」
 こちゅこちゅ、くちゅくちゅ、と浅いところをかき回され、飢えたナカがもっともっとと吸いついた。
 自分の指で届くところはいいのだ。届かないところを、奥の奥を、犯されたくて胎がきゅんきゅんとわななく。
「あっ、あっ!もっと……もっと、ぉく……ぅっ!」
 気づけば増えていた指をきゅぅ、と食いしめて、はしたないおねだりをするのをやめられない。
 指先でとんとん、と叩かれていた浅瀬のふくらみを、指全体でころころ、と転がされるのが、ちんこが入ってきたときに似ていて、みっともないと思うのに腰をふるのがとめられない。
「人の指でオナってんじゃねえ!」
「おなってない……っひとゃのゆびと、えっちしてる……ぅ……」
 ぱちゅ、ぱちゅ、とセックスのときに似た音が響かせて、恋人の指をちんこ代わりにへこへこと腰をふっているなんてたしかにオナニーだ。それも乳首もちんこも勃起したまま、性器よりも性器らしくなった尻穴で快楽を貪る、スケベなオナニーだ。
 ぶわ、と汗が吹き出して、体温も上がる。猛烈に恥ずかしいのに、恋人の指とのセックスという言葉に興奮して腰がどんどん激しくなる。
「あっ、あ〜〜〜っ、ゃ、やぁ、もぅゃら……っ!いく、いくっ!ひとやのゆびと、えっちして……いくぅ……っ!」
 ぎゅぅぅぅ、とひときわ強く食いしめた指が痛むのか、く、と呻き声がしたけれど、ナカで達した快感で頭が真っ白で考えられない。ちんこからぴゅ、ぷしゃ、と何かが出た感触があったのも、よくわからない。
「ふ、は、ぁ……ん」
「一人で満足そうにしやがって……っ」
「だって……ひとゃがそぉした、から……」
「俺はちんぽでセックスするつもりだったんだよ」
 このエロガキ、と指が抜かれて、ぽっかりと空洞が生まれた。まだ満たされないナカがひくん、ひくん、と疼いて切なくなる。
「は、あ……、ひとゃのちんぽとセックス、したい……」
「そうだろうなぁ」
「しねぇの……?」
 一人でイッてしまったから怒っているのだろう。おかんむり、を絵に描いたような顔をして一旦おあずけだ、と言われた。しかたない、一人で先走ったのだから。
 思い出して、想像してはひくひくきゅうきゅうとねだる胎をなんとか鎮めようと、投げ出したままだった両手で上から撫でる。獄に気持ちいいところだと教えこまれて、触られるだけでびくびくとしてしまう場所は、不思議なもので自分でやる分にはそこまででもない。
 ふう、はあ、と呼吸を整えながら腹を撫でていると、不意に乳首に吸いつかれた。上からかぶさるように押さえられ、衝撃で跳ねた体はその場でふるえるしかできない。ちんこも勃ち上がろうとしたけれど、乗っかられて垂れたまま硬くなっている。
 なによりも腹だ。ぐ、と両手の上に圧をかけられて、乳首をちゅ、ちゅ、と吸いながら小刻みに動かれる。これはダメだ。だって獄が気持ちよくしようとしている。オナニーで発情した胎をまたオナニーでイカせようとしている。
 快感でにじむ視界をなんとか開くと、ちゅぽ、と音を立てて乳首を解放した口がひどく悪い笑みを浮かべ、ぷっくりと勃起した先っぽを舌で舐めた。
「ひ、んぅ……っ」
 ずくん……っ、と鎮まりかけた胎がイッて、全身が痙攣したみたいに跳ねまわる。びくん、びく、とゆれるたびにぎゅぅ、ぐぐ……、と胎に圧をかけられて、またイッてしまう。ちんこがぴゅ、ぴゅ、と弱々しく吐き出した汁がはしたない尻穴にかかって、それできゅうんと反応してしまう。
 全部、ぜんぶ、獄の手のひらの上だ。ひいひいと喘ぐしかないほど快感漬けにされているのに、もっともっとと高められる。胎への容赦ない責めで頭がぼうっとするのに、乳首をきゅう、ちゅうぅ……といじめられて意識を揺り戻される。
「や、ぁ……」
「イヤ、じゃないだろ?こんなやらしい乳首して……」
「うっあンッ!」
 いじられすぎてぴん、と硬く尖った乳首は、ふぅ、と息をかけられるだけで背筋がぞくぞくするほど気持ちいい。当然、胎も、ちんこもずくん、びくん、と反応して、甘くイッてしまう。
「は、ふぁ……っ」
「……ちんぽ挿入れなくてもヨさそうだな」
 気遣うようなそぶりで、また悪い顔をする。ちんぽなしでも気持ちよくイケるみたいだし、と微笑む顔はどこまでもうさんくさい。わざとらしく腰を上げて、ぱんぱんに膨らんだ股間を見せつけて。
 思わずごく、と唾を飲み込んでしまう。だって何度イカされたって、ナカはまだちんぽがほしくてひくひくといやらしく疼いたままなのだ。
「ひとやぁ……おなったの、あやまるから……、ひとりでいったの、あやまるから……!だから……、ちんぽと、セックス……、したい……っ」
 勃起ちんぽを見せられてから、尻がずうっときゅんきゅんと疼いて止まらない。いつもみたいにどちゅどちゅとナカをいじめられて、ちんぽでしか届かない奥にびゅ〜〜〜っ……といっぱい中出しされたい。
「ダメだ」
「っな、んでぇ……っ」
「『ヒミツ』ってなんだよ」
 やっぱりまだ気にしていた。5歳の女の子との些細な会話をまだ。別段さしたることはない、と思いながら知らないことが許せない、という顔だ。言うまで入れないし、出してくれない、という気配がする。
「ひみつは、ひみつだよ……っ」
「……じゃあ、おあずけ続行だ」
 せいぜい耐えろ、と押さえつけていた体が退いても、体は指一本動かせないままだった。



 ヒミツ、なんて意味深に笑った顔は、いたずらを企んでいる時と同じなのに、妙にこそばゆくなる甘さがあった。
 大胆で開けっぴろげ。下品で粗野。恥じらいなんて元よりないような恋人が、わざわざ隠す『ヒミツ』を暴きたくならないわけがないのだ。



 乱れた法衣だけ纏って、くったりとした身体は限界が近いだろうに、けして『ヒミツ』を明かさない。
 口に出してねだるほど飢えているはずなのに、頑として話さないそれは絶対にたいしたことではない。聞いたらなんだ、と言いたくなるようなことなのはわかるのに、絶対に自分がらみなのもわかるから、直接聞きたくてしかたない。
 ハートのついた苺の匂いの玩具のリップ。
 こんなもの、どうしたら貰うのか。見た目で怖がられる反面、一度話せばだいたいの子供には好かれる恋人は、今回に限っては見た目から好かれたらしい。それならば話してがっかり、なんてなりそうだが、そうもならず贈り物までされて。
 子供に妬くなんて、と笑うが、その『子供』に押し負けて今の自分達はある。恋人が、空却が自分以外を選ぶなど考えられないけれど、こちらがどう思っていようと関係なく、情は鋭い牙を剥くときがある。
 『子供』の怖さも『情』の怖さも痛いほど知っているから、鷹揚になどなれない。さんざん振り回されて、押され絆され手をとった。何一つ思いどおりにならない相手が最後の恋人になるなんて思ってもいなかった。少しは振り回し返したいし、リードができることはしたい、手綱だってつけられる限りはつけておきたい。
 めちゃくちゃな嵐のような恋人は、少し強めに言って聞かせてわからせないといけないのだ。
「ひ、と、や……ぁっ!」
 うだった身体は熱く、乳首は塗りこめたリップがじゅわ、ととろけ、てらてらと光りながら甘い匂いを放つ。
 ぷっくりとふくらんで、かすかに桃色もまとった肉の尖りは心なしかいつもよりもはしたない。
 恥じらうように両腕で顔を隠しても、熟れた身体は丸出しのままだ。
 執拗に塗ったせいで残り少ないリップをどうするか迷っていたが、この無防備にさらけ出された肌をキャンパスにしよう。暴れ回るわりに日焼けの少ない肌の肉感的な白さは、無機質な白いベッドの上で際立つ。薄い桃色を纏う肌の色香はすでに実証済みだから、あとはどこにどう描くか。
 けして細くも頼りなくもない、小柄なだけで鍛えられた身体はもともと猫のようにしなやかであったのに、色を知って艶かしく、悩ましげにもなった。
 十分に健康的でたくましい身体の奥から香り立つ、隠しきれない淫らさが肌を通して伝わり、同時にそうしたのが自分であることを思い出して、くらい優越感が湧き上がる。
 高められたまま放り出された身体は未だびくん、びくん、と不随意に跳ね、自分が満たしてやらねば持て余した熱を貯め込むしかできない。
 あおむけにさらされた腹に、きゅ、とリップを乗せる。守るように両手で撫でていたところに、きゅ、きゅ、とやわく刻みつけると、ふ、ふう、と荒く息をもらした。
 敏感なままの胎を刺激されて勃ち上がったちんこは、呼吸と同じリズムでぷるぷるとゆれながらびしょびしょに濡れている。
「なに、かいたんだよ」
 真っ赤な顔を隠したまま、そっけなさをよそおって問われるが、答える気はない。たぶん、わかっている。
「自分で確かめな」
 残り僅かなリップを自分のくちびるに塗ると、甘ったるい匂いが鼻についた。頭痛がしそうなほどキツいのに、すっかり慣れてしまっていたことに驚愕する。……あるいは、恋人の甘さと混ざったか。
 両手で顔を塞いでもあらわなままのくちびるにちゅう、と吸いつくと、ん、ん、とかわいらしく貪りつく。寸止めのまま放置された身体はもとの感度も相まって、触れ合うだけのくちづけでぴくんびくん、と快感を享受した。
「ふぅぁン……ッ」
 くちづけだけでは深すぎる快感に喘いで、ぴゅる、ぴゅう……とちんこから白濁をこぼす。へなりと緩んだ腕を掴んでこじ開けると、淫らな熱に浮かされた金色がとろとろにとろけ、涙に濡れていた。
「やぁらし……」
「やらしく、ねえよ……っ」
 ぎ、と睨みつけているつもりかもしれないが、まるで怖くもなんともない。むしろ嗜虐心と征服欲を煽るだけ。はしたなく、いやらしい、淫らな身体なのだと認めさせて、求めさせたくてたまらない。
「……なんて書いたか教えてやるよ」
 ぼんやりとした金色を見つめながら、腹の文字を、今度は指でつい、となぞる。
 たった三文字、だけれどもリップで書くには骨が折れる、子供のときには少しだけ親を恨んだー自分の名前。
「ゃ、ぁ……っ!」
 とたん、びくびくんっ!と身体がふるえ、きゅぅ、と丸まった。ナカでイッたときによく似た動きをして見開かれた目は、うっとりと欲に染まり、くちびるは妖しく笑みを作る。
「ひとゃ……ぁ」
 すき、すき、と舌足らずに愛を告げ、両手両足がきゅう、とからみつく。乳首とちんぽをしごくように腰を振り、腹に塗ったリップが股間にすりつけられる。
「こら待て……!ヒミツ、聞いてねえぞ」
「ひみつ……?」
 ぎゅ、と抱きついたままゆるゆると腰を振る恋人は、気持ちよくなるので頭がいっぱいなのか首をかしげた。ひどく幼い仕草のまま黙り込んで、とても常のような駆け引きはできない。だが、望む答えがもらえる気もしない。
「……いえない、けど……せっそう、ひとやにおれのもん、ってされるの、すき……ぃ」
 ちっちゃいこにやいてるのも、せっそうになまえかいちゃうのも、かわいくて、すき……、なんて、どのツラを下げて言っているのか。とびきりやらしいのに、いとけない微笑みを誰にも見せたくない。ああ、クソ、結局ヒミツもわからないまま。
「な、ひとやは……?」
 それどころか質問に質問をされている。普段の方がマシだ。剥き出しの純粋な好意なんて致命傷にしかならない。
「好きじゃなきゃ……こんな必死になってねえんだよ……っ!」
 ぷちん、と色々なものが切れて、両足の膝裏を掴んで持ち上げる。ばっくりと開いた股間はどこもかしこもびしょびしょに濡れ、ねだるようにひくひく、ぱくぱくとわなないていた。
「やっぱやらしいじゃねえか……」
「ゃ、あ……ぁ」
「ちんぽとセックス、したいんだろ?」
 かちゃ、じぃ、とジッパーを下ろし、ぼろん、とちんぽを取り出すと、小刻みにひくついていた肉縁がきゅうん、と食いしめるようにすぼまり、ちんこがぷぷ、と先走りをもらす。
「……挿入れてもねえのに、なあ……?」
 そのまま見せつけるようにしゅ、しゅ、としごくと、下からごくん、と唾を飲み込む音がした。
「……ひとゃあ……っ」
 言外にはやく、と急かす恋人の切なげな声が、ぷるん、とゆれるちんこからしたたる先走りにすら、きゅ、と反応する肉縁が、煽って煽ってしかたない。
「この淫乱坊主っ……!」
「〜〜〜〜〜んっう!」
 どちゅんっ!と勢いよく、焦らした分だけ一気に貫いた肉壺は、びくびくん!と盛大にふるえながら、きゅんきゅんきゅうきゅうと吸いついた。淫らに熟れきったナカは熱く、離したくないとばかりにからみついて、どこもかしもこ触れるだけで搾り取ろうと甘えてくる。
 いつもより速いピストンで浅瀬と奥の両方をず、ぬ、といじめると、ぎゅう、と強く抱きつかれた。足もよたよたと腰にからみ、きゅ、と締めつける。ちんぽをナカで味わいながら、乳首もちんこもしごける貪欲な体位だ。
 そのくせ、う、ん……、とくぐもった喘ぎが大人しくて、はしたなく誘ったくせに、と妙に興奮してしまう。ぐぐ、とふくらんだちんぽに、なんで?と言いたげに見開かれた目にも思わず反応して、怯えたように手足がぎゅう、とひっついた。
「ひ、とゃ、ちんぽ……っ、なんれ、お、っきくぅ……!あっ、また……ゃ、やぁっ!」
「なんでもクソも、お前がやらしいからだよ……!」
「やぁっ!や、らしくなぃっ……!ゃ……ぁっ」
 急激に体積を増したちんぽにナカをぐぅ、と広げられ、気持ちいいところをごりごりぐりぐりとかき回される。それでもナカは嫌がるどころか、ちんぽにきゅん、きゅうぅ……、と甘え媚びているのだから、なんで、も、やらしくない、も通らない。なにより足で押さえこまれて離れることもできないまま、奥をいじめぬくようなピストンしか出来ないのだ。ナカに出されたくてしょうがない、種付を乞うすけべな体勢で拘束までしておいて。
「……乳首とちんこシコシコしながら、ちんぽとセックスして、やらしいケツのナカにいーっぱい……、ザーメン注がれたいんだろ……?」
「……はぁっ」
「ケツで返事すんなエロ坊主」
「ん……っ、したぃ……、びんびんにぼっきした……すけべなちくびとちんこ……、しこしこしながら……いんこーべんごしせんせぇのおちんぽサマと……なまなかだしせっくす……。せっそぉのやらしぃ〜ケツ、あふれるくらい……い〜っぱい、ちんぽじる……だされたい……」
 誰もそこまで言えとは言ってない。目眩がするほど下品なセリフをうっとりとしたまま吐き出して、ナカと四肢が逃がさない、とばかりにより強くからみつく。
 きゅう、きゅん、と射精を誘う奥の肉壁をどちゅどちゅっと突き倒すと、金色の目がちかちかと瞬いて、ひ、ひ、と嗚咽に似た喘ぎをもらす。動くたびにしごかれる乳首とちんこがぷるぷる、ぴゅぴゅ、と甘く達するたび、肉壺もひくひくん……っとやわく痙攣した。
 ちゅうぅぅぅ〜……とくちづけるように吸いつく肉壁が鈴口にくっつき、ちゅぱ、ちゅぽ、としゃぶられるときと同じ感触で、カリ首を、裏筋を、肉茎全てをあまさず包み込まれる。自分のちんぽのためだけに淫らに、いやらしく変わったそこが性器ではないなんて信じられないほどに。
「はっ……ン!あっ……やっぱ、ちんぽせっくすがいちばんぃぃ……っなか、ひとやの、かたちだから、ぁ……ッ!はまると、ぴったり……」
 ぬち、どちゅ、と一番弱い奥をいじめているところに爆弾を落とされた。
 なまえかかれてもしょうがないくらい……ひとやしかしらない……ひとやだけのばしょ……ーなどと。
 本来の性器以上に感じるように拓かれて、ナカがちんぽの形になるまで仕込まれて、それを気持ちいいから、以外の理由で喜ばれて。
「ひぁ……っちんぽぉ……、またおっきくな、たぁ……」
 天井知らずに興奮して、ちんぽもきんたまもぐぐ、とふくれあがる。孕まないなんてわかっているのに、全部、全部、きんたまの中身を残らず注ぎこんで、あふれてこぼれて泣いても、まだ足りない。誰が見てもわかるくらい、自分のものだとわかるようにしてやりたい。
「でかちんぽ、いやかぁ……?」
「やじゃない……っ、から……、いっぱい、ぜんぶ、ぱんぱんになるまで……」
 びゅうぅ〜……って……して、と、とろとろにとろけた金色に乞われて、ぎゅん、と奥まで貫いた。
 一等やわな肉壁をくじりながら子種をかけてやろうと体重をかけたから、快感を逃すも散らすも出来ず、全身ですがりついて一滴残らず注ぎこむのをねだることしかできない。
 元よりそれが望みだったはずだが、いざとなると過ぎた快楽に、ゃぁ、ゃ、あっ、といやいやしながら泣き喘いでいる。本当にいやなわけではないから、はしたなく勃起した乳首とちんこをしこしこ、ぴゅう……っ、して、ちんぽを搾り取ろうとするナカがすけべにきゅん、きゅん、と蠕動するのに嗜虐心をくすぐられるばかりで、ぞくぞくとしてしまう。
「イヤならちんぽセックス、やめるぞ?」
「……や、じゃない……っ」
「じゃあすき、って言いな」
「んッ、すきっ、すきぃ……は、ぁ、す、き……ひとゃと、ちんぽせっくす、するの……すき……っ」
 甘ったるい声ですき、すき、と連呼され、抱きつかれるのは想像以上にたまらない。まして普段は絶対にこんな甘え方をしない相手だ。どこか孤高ですらある恋人が、赤児のように乞い願うほど、思われている。
「俺も、好きだよ……っ」
「あっ!あっ!ひ、ああぁンっ……!」
 ぶちゅんっ!とトドメの一突きをすると、ぷちゅぅぅ……とやわやわとした肉壁に受け止められ、そのままびゅぅぅぅ〜〜〜……びゅう、びゅぅ〜〜〜……と射精した。
 射精したはしからきんたまがぎゅんぎゅんと動いて、びゅう、びゅ、びゅ〜〜〜っ……と出続けているような感覚がある。敏感なナカを二重三重に犯されている恋人が、ちんぽじる……まられれるぅ……、と萎えた舌でもらしているから、おそらく間違ってはいない。
 中にたっぷりとザーメンを注がれて身悶えながら、勃起乳首をしごいて、ちんこから白濁まじりのおもらしをしている姿を僧侶だと言われて誰が信じるだろうか。見せる気も教える気も毛頭ないが。
「……い〜っぱい、ほしかったんだろ?」
「ん……も、たぷたぷ……、……これで、ソトも……ナカも……ひとやのもの……っ……だぜ?」
 ぎゅ、と抱きついて、ちんぽを咥えるはしたない姿のまま、とろける笑顔がかわいくて、愛おしくて、心底リップのヒミツなんてどうでもよくなってしまった。
 苺の匂いよりずっと甘く香る恋人が、誰よりも自分を恋い慕って側にいる。それでいい。
 空っぽのリップを尻目に、ちゅ、ちゅ、とくちづけを降らせ、抱きしめ直した恋人の、どうしようもなくかわいらしいヒミツがバレるのは数日後のことである。

2021/10/10


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