ホーリーナイト・オーバーワーク
DRBファイナリストともなると知名度が段違いになる。特に前々回大会、前回とほぼ変わらぬ顔ぶれで、それぞれに交友関係や因縁があるとなると盛り上がりが一層増す。
推し活ブームも相まって、箱推し、単推し、コンビ推し……枚挙にいとまが無い『〜推し』にビジネスチャンスを見ない奴はいない。DRBファイナリストという一括りでコンビニから米まで、あらゆるジャンルのコラボに呼ばれるようになった。
そうして何度目かになる飲食店コラボ用の撮影に駆り出されたのだが――
「なんで俺がトナカイなんだよ……!」
「そりゃ獄が拙僧らのアッシーくんだからだろ」
「あっしーくん? ……ってなんすか?」
「お前また古めかしい言葉を……」
「いつもド派手だけど妙〜に綺麗なおばちゃんわかんだろ? この前言ってたんだよ、『空却クンのカレ、今時珍しい三高なのねぇ』『えぇ〜、なのにアッシークンみたいなこともしてくれるんだぁ』って」
「さんこう……?」
「バブルはとっくに崩壊したはずだろ……」
「メッシーくんとかミツグくんとも言ってたぞ」
ヒャハハハ! と愉快そうに笑う空却はいわゆるサンタ帽を被り、ファーのついた赤いベストを着ている。着崩しがないのは冬だと寒々しいからだろう。撮影している今はまだ夏だが。
遠いバブル時代の古語に頭を捻る十四は白を基調にしたスノーマンをイメージした衣装で、小さめのハットのリボンとベルトの赤がいい差色になっている。被り物のチームとの違いはわからないが、空却や俺のようなふざけた装飾がない。
「いいか十四。アッシーくんってのはステキな車で送迎してくれるカレシって意味だ。今の獄にぴったりだろ?」
「ああ! 足ってことっすね! じゃあ獄さんは自分たちのアッシーくんってことになるっすか?」
アッシーくんに対する誤解がある。そしてそれは俺に対する誤解に繋がる。そもそも俺とてバブル世代ではない。言いたいことは山ほどあるが、一番の問題は『アッシーくん』も『メッシーくん』も『ミツグくん』もあながち否定できないことだ。
「俺を都合のいい足扱いするな!」
「でも今日もここまで獄さんの車で来たっす」
「なんだよ獄、拙僧と十四の足になんの嫌なのか? しかも今の拙僧はサンタなんだぜ、なぁ? ト・ナ・カ・イ・サン」
なんとか捻り出した言葉は容赦ないガキ共の猛攻に押され、撮影スタッフにまで小さく笑われている。それもこれも全部、俺に用意された衣装がトナカイだったのがいけない。
ファーのついたコートも全員揃いのブーツも悪くない品だったのに、どうしてトナカイのつけ耳を用意したのか。そのつけ耳も市販のバラエティグッズより丁寧に作られているのはわかるが、力を入れるのはそこではないだろう?
おかげでニヤニヤと尊大に笑うクソガキサンタが、拙僧のこと乗せてくんねぇのぉ? 頼りねぇなぁトナカイさん、とそれはもう煽りに煽る。誰だ赤いサンタ服にしたのは。こいつはどう考えても黒い方だろう。
撮影スタッフに止められるまで続いた不毛な争いは、一応、収束した。あくまで、一応。
撮影終了後。昼からはじまったのに終わったのはすっかり日が落ちた頃で、スタジオを出るなり夕飯とあいなった。撮影小物のチキンを食べたりしたくせに、なお腹に空きがある若さが懐かしい。
食後は十四を家まで送り、次いで空却を寺に送る予定だったのをやめにした。急な予定変更におい、と噛みついたものの、見慣れたルートに入るとすぐに大人しくなる。どこに行くかわかったのだろう。
寺ではもちろんシないし、ゴシップの類が面倒でホテルにも行かない。だから必然的に俺の家になる。
「空却は不名誉な称号で笑われた恋人を労わろうと思わないか?」
「……まぁ、今日一日、頑張ってくれたアッシーくんでメッシーくんなトナカイサンに、ご褒美あげンのはやぶさかじゃあねぇなぁ……」
ぽそりとギリギリ聞こえるていどに落とされた声量で、艶めいたことを囁かれる。熱を帯びた台詞はどちらへのご褒美か疑いたくなるほどで、素知らぬふりをしながらそっと唾を飲み下す。なんにも準備してないからまず風呂を貸してほしい、と言われたときには、もう喉が鳴るのを隠せなかった。
互いに待ちきれず、けれどもどうにか宥め合い、ようやくベッドに着地した。一糸纏わぬまま、くすぐったそうにする空却の両手をシーツに縫い止める。
「がっつきすぎだろトナカイサン」
まだ昼の余韻を負ったままケラケラと笑う空却の股座に自分のモノを重ねると、びく、と小さく跳ね、じとりとこちらを見つめられた。しかし両手はしっかり塞いでいるから威嚇するのは目ばかりだ。
「……マジでがっつきすぎだろ……」
「こっちはいつも暴君サンタさんの横暴に付き合わされてんだよ」
ゆるく勃起していただけの空却のソレは、完全に勃ち上がっていたモノで擦れば簡単に硬く尖り、ぬちぬちと粘ついた汁を吹き出した。はじめはきつく睨みつけるようだった目も、こちらのモノからこぼれた汁と合わせてぬち、ぐち、ちゅ、とわざとらしく音を立てて股座を擦り合わせてやれば、簡単にとろけてしまう。
「うらっかわ、きもちぃ……」
素直にもっと、とねだりながら膝を立てて足を開き、腰を浮かせて擦りつけられると、意地悪してやりたいという気持ちとかわいがってやりたいという気持ちが拮抗した。ちょっと離れてやるだけで、快感に弱く育てた身体は泣き出してしまうだろう。
イキ損ねて辛いのに必死でいやらしく腰をふって誘う姿も、希望どおりイケたものの擦りつけをやめてもらえず潮まで吹く姿もどちらもいい。迷う間にも互いのモノはますます強く擦れ合い、あふれた汁が潤滑油としても過多な量になってきた。
「待てができない、せっかちなサンタさん……っ! このままイッちまえ……っ」
「ふ、ぅううぅぅぅ……っ」
意地悪する前にイキそうな様子に、開いた足を固定するようにぐ、と自分の身体を押し入らせて密着し、いかにも射精寸前、とばかりにひくつくソレをかわいがる。気持ちいい、と言った裏筋はもちろん、敏感な亀頭とくびれのあわい、ぱくぱくと開閉する鈴口も。
あまさず撫で擦ってやれば、最後の負けん気でか声を抑え、びゅぅぅぅぅっ、と胸まで飛び散る勢いで達してしまった。ぴくぴくとふるえる身体は元が白いだけに全身真っ赤で、元気よくばら撒いた精子の白濁が卑猥に浮いている。
「となかい、さんは……?」
ふぅふぅと肩で息をしながら、とろとろに溶けきった目にねだられた。快楽に弱い――奉仕され、与えられることに無防備かつ無抵抗になるように育てた――身体は射精だけでは満足しない。まだ前菜、メインはこれから、と教え込まれて、大胆に開いた足の奥の出口をうずかせている。おそらく、否、確実に、腹も。
「……これから貰う」
ず、と身体を少し下へずらし、期待にうねる後腔へ、ちゅぷ、とさきっぽをあてがう。ほんのちょっとだけの挿入にも関わらず、熱烈な歓待をするナカはいっそう引き込もうとしてきゅうきゅうと締めつけた。
「サンタさん……っやらしいのなあ……? ご褒美とか言って……本当は自分がちんぽ欲しいんだろ……っ」
正直に吐け、と念願叶って意地悪く責め立てながら、腰をぐ、ぐ、と進めると、嘘のつけないナカが肯定するようにきゅん、きゅぅん、とちんぽにしゃぶりつく。
「ぅ、ふぅぅ……ぅっ」
蜂蜜の香りがしそうな金色はほとんどまぶたに隠されて、焦点が定まらない。最後の砦なのか、きゅ、と固く結ばれたくちびるからは甘ったるい吐息だけがこぼれ落ちた。
だんまりを決めて逃げ切ろうとする空却の口をどうにかこじ開けたい。ほとんどナカへの刺激だけで勃起しなおしたちんこは、ぷるぷると揺れながらも、ぴん、と天を突いたまま、とぷとぷと我慢汁を流している。視線を少し上げれば、全くいじっていなかった乳首も同じようにぷっくりとふくれていた。
「っなぁ……触ってねえのに、乳首とちんこ勃ってんの、なんでだ……?」
「ふ、ぁっ!?」
今も抑えつけたままの両手はどこも触ることが出来ない。煽りクソガキサンタのせいで爆発寸前のちんぽの責任を取らせようと、兜合わせからのすぐの挿入だったからロクに前戯もしていない。
……あらためてがっつきすぎたと思ったが、空却からはよく前戯がしつこいと文句を言われるからいいだろう。快感に素直に育てすぎた弊害だが、根を上げるくらいの前戯で体力を削らないと、化け物そのもののポテンシャルに搾りとられることになる。
「やらしいサンタさん……気持ちいいとちんこだけじゃなくて乳首も勃起させちまうんだ……?」
「う、ぅぅ……っ」
違う、と必死に首を横にふってアピールするが、いっそう硬くぴん、ぴんっ、と尖ってみせる乳首では説得力がない。どんなはしたない姿を見せてもかわいい、愛している、と言い続けた成果か、意地悪く責めると羞恥でぐちゃぐちゃになりながらもよく快感を拾ってくれるようになった。
自身の浅ましさに耐えかねてか、ぎゅ、とつむられたまぶたが頼りなくふるえる。否定の言葉を出す前に喘ぎながら絶頂してしまいそうなのか開かない口は、強く結びすぎてもう真っ赤だ。
「サンタさん、トナカイさんへのご褒美なのに……自分ばっかり気持ちよくなっちまって……っ」
「ぅ、むぅぅぅ……っ、ふぅう……っ」
「サンタさんのお尻、ずうっとトナカイさんのちんぽ美味しい美味しいって……ちゅぱちゅぱしてんぞ……!」
「ふ、ぅぅぅ……っ、ふ、ふぅ……ぅ……っ」
両手足を押さえたまま、少しずつナカを拓く。浅瀬にあるふくらみを執拗に撫でてやれば、奥に進んでも、ず、と擦れるだけで仕込まれた快感を思い出して甘く達してしまう。そのたびにきゅうぅ、きゅうぅん……っとちんぽを締めつけるのが強烈で、苦しげに息を詰められるたび、こちらも腹に力を込めて堪えている。
「……まだ全部挿入ってないから……もっともおっと……サンタさんのお尻、気持ちよおくなっちまうなあ……?」
「う……ふぅぅぅぅぅぅ……っ」
腰をさらに深くへと進める合間に、はしたなくいやらしい身体を自覚させるように責め立てる。は、は、と荒い呼吸が混ざり合い、漣に似た絶頂が積み重なって、ちんぽのさきっぽで届く一番奥に着く頃には、ふうふうと鼻で息をするしかできなかった。
ばちん、と尻にきんたまが当たると、ひゅ、と固く閉じていた口がほんのわずかに開かれた。さきっぽがひときわやわな場所をえぐったからだろう。このままさきっぽにくちづけるように吸いつくナカを責めてやれば、きっと声を抑えられずに嬌声を上げるはずだ。
ごく、と何度目かに生唾を飲み下す音が聞こえたのか、はたまたさきっぽがナカを擦ったのか。まぶたに覆われた目がぴくぴくとふるえる。口も目も、騒がしく、雄弁に語りかけてくる二つが沈黙するだけで静かでたまらない。意地悪く責め立てているのは自分自身なのに勝手なことを言う。
「なあサンタさん、無視すんなよ……」
声が聞きたい、聞きせてほしい。甘えてねだれば、惚れた弱味で空却はおねだりを叶えてくれる。案の定、おねだりにソトもナカもぴくん、と反応していた。
ベッドの上、二人なのに一人のようで寂しい、言葉でも好きだと伝えてほしい。駄目押しに弱りきった情けない男の懇願をにじませれば、はくはくとくちびるが無音のまま動いた。
「このまま……っ、なあんも言わねえなら……! サンタさんのナカ、射精しちまうからな……!」
「ひ、は、ぁぁぁ……っ」
くちびるとおんなじにナカもちんぽを甘く食み、恥じらう頭と裏腹に身体は貪欲に搾りにかかる。ナカに射精す、と言った直後が顕著で、さきっぽへのおしゃぶりが一際熱烈に変わった。もちろん、射精せ、射精せ、と促す亀頭への愛撫にとどまるわけがなく、根っこからさきっぽへ、きんたまから精子を押し上げるようにナカで竿をシゴかれる。
空却には、俺が『射精す』と言ったら反射的にちんぽ搾りに最適な動きをするように時間をかけて教え込んだ。最も、好きだ、と言いながらナカを余さずかわいがるだけで、聞かん坊なはずの恋人はすぐに学習してしまったのだが。
は、ぅ……と淑やかに喘ぐのに、ナカは貪欲にちんぽを締めつける。ちゃっかり硬く張りつめた竿に浅瀬のふくらみをこりこりと転がして甘イキするのも忘れない。お坊さんもサンタさんも失格のはしたない射精おねだりは、声を殺すという恥じらいがどうしようもなくそそる、が。
「……このままだんまりなら、射精さない」
「へ、ぇ……?」
「……サンタさんが、ナカに射精してほしいって、口で言わなきゃ……射精さない」
正直キツイ。ぴったりとちんぽのハマるナカはただでさえ気持ちがいい。このまま射精したくて仕方がない。そうすれば結果的に空却は嬌声を上げて絶頂するだろうが、違うのだ。
「空却の声で、ナカで射精してって言われたい……」
自分ばかり欲しがっているような寂しさと、愛情に甘えて自分好みの身体に変えてしまった大人げなさにゆるしがほしい。ひとりよがりな行為ではないと身体ではなく言葉で伝えてほしい。
「……となかいさん、しょうがねぇの……」
甘えたなおねだりに苦笑する顔は艶めいてとろけたまま、舌だって回りきらずにいる。それでも小さな子供をあやすように細めた目に、どちらが大人かわからなくなった。
「ほら、となかいさんのぱんぱんのちんぽ……せっそぉのなか、ぜぇんぶだしていーぞ……」
言うや否や、ちんぽへの責めが加速した。ナカ全体がみっちりとちんぽに絡みついて離れず、ぬち、ちゅぱ、と音を立てて互いの淫汁とローションで濡れそぼっているのだと主張する。
射精していい、ではない。射精せ、だ。声なく促されたときよりも激しく、強制する勢いの搾り取りに息が詰まる。恥ずかしいセリフを言わされてたお返しだろう。
負けじとさきっぽでやわな肉壁をごりゅごりゅと突き、巧みに逃げながらも隙を見ては淡くほじっている浅瀬のふくらみを容赦なくえぐってやった。
「ほぁ……っ、あ、ぁぁ……」
「気持ちいいだろサンタさん? ずうっとこっそりイッてたもんなあ……?」
「きもち、よしゅぎりゅ……っ、かりゃ……ぁ……」
「言ってくれたらちゃあんと加減してやったのに」
二人でセックスしているのだから気持ちよすぎて避けるなんて寂しいことを言わないでほしい。空却が弱い仕草で縋れば、さすがに余裕がないのかまるで怖くない、真っ赤な顔で睨まれた。
「ばか」
どうにか吐き出した反論はたったの二文字だったけれど、十分すぎるほど意味の詰まった二文字だった。元気ならば続けてへんたい、すけべ、などと叱られるが、互いに限界が近い。特にかわいらしい威嚇をして達する寸前なのを隠そうとする恋人など目にもちんぽにも毒だ。
「そのバカが好きなくせに……っ」
「ひ、ぁっ! ま、てぇ……っ」
「待つわけ、ないだろ……!」
長々とノックしていたやわな肉壁が、ついにぷちゅん、と拓かれた。そこまで挿入る日だと思っていなかったのか、一瞬見開かれた目は、快感と衝撃、期待にゆらめいて、またとろりと溶ける。
「まて、よぉ……」
めったに暴かれない秘奥をさきっぽでとちゅとちゅと優しく突いてやると、口では待て、ダメ、と言いながらも、ナカは嬉しげに硬く尖った亀頭をちゅ、ちゅ、と歓待してしまう。空却自身もわかっていて、だからこそ口だけは抵抗しているのだろうが、毎度ながら逆効果でしかない。
「待っても気持ちいいのはなくなんねえぞ……っ、素直にトナカイさんのちんぽで気持ちよくなってイキますって言えっ」
「だれ、が……いうか……っ!」
「サンタさんからトナカイさんへのご褒美セックスだろうが……! 言うまでちんぽ抜かないからな……」
ぐりゅりゅりゅっと少しだけ乱暴に秘奥をほじり、竿全体でナカを擦ると、喉奥で潰れたような喘ぎと同時に、腹の下でぷしゃ、と小さな水音が響いた。
「ふ、ぁ、ぁぁ……」
うっとりと感じ入る嬌声はまだ甘く伸び続け、一足先におさまった水音は腹に残っている。びっしょりと濡れた感触の反面、臭いはない。度重なるナカでの甘イキで、射精ではなく潮を吹いてしまったようだ。
「一人だけナカでイッておもらしとは……サンタさんのが子供だなあ?」
「んぅ……ぁ……」
ぼんやりとして焦点の定まらない目は幼く見えるものの艶っぽくとろけたまま、いつもなら強靭な意志を宿す場所に劣情を燃え盛らせている。
しめた、と思わず悪い顔をしてしまったのは見えていたかもしれないが、だからといってどうにもならない。
「悪いサンタさん……、ほら、いけないことしたらどうすんだ?」
「……ごめ、ん……?」
潮を吹くほどの強烈な快感で、一時的に正気のブッ飛んだ空却にここぞとばかりにつけ入った。
ぼんやりふわふわと普段とはまるで結びつかない様子の恋人は、それこそ気持ちよくなりすぎると現れる。
促されるまま、ごめんなさい、と言う空却は何も悪いことはしていない。
「じゃあ、トナカイさんのちんぽでひとりだけ気持ちよくなってごめんなさい、できるよな?」
「ごめ、なさ、ぃ……?」
当然ながらまだナカにはずっぽりとちんぽが挿入っている。わけもわからず謝罪をしながらも、しっかりとちんぽへの搾精奉仕をしているのは、仕込んだ成果だろう。
「……今度は本番、トナカイさんのちんぽで中出しされて、気持ちよくなってイキます……って言えるよな?」
そうして返事を待たずに動き出した。
射精さないように腹に力を込めて耐えていたのをやめ、今居座っている秘奥に、ぐ、と、さきっぽを押しつける。痛いくらい脈打っているちんぽを、むち、とした肉壁が受け止め、包み込んでくれた。
ぶっくりとふくれ上がった亀頭が吐精の構えに入ると、こちらの腰の動きに合わせてナカがきゅうきゅんとしごきにかかる。種をつけると決めた秘奥に完璧に当たるよう、ちんぽを愛撫する尻のいやらしさにきんたまも迫り上がってきた。
「は、クソ……っ! やらしいケツしやがって……このエロサンタ……!!」
「ふ、あっ……、となかぃしゃんの、ちんぽ……きもちぃ……」
吐息と共に吐き出された感嘆は舌足らずなのにひどく悩ましい。未だ拘束されたままの四肢では、きゅんきゅんとちんぽを咥えた後腔をふるわせ、きもちいい、と言うしか快感を発散する術がないのだ。とはいえ限界まで高めて追い詰めなければ、口を閉ざして耐え抜いてしまっただろう。
「トナカイさんのちんぽ、気持ちいいだろ……っ、これからサンタさんのやらしいケツの中、たっぷり射精してイカせてやるからな……!」
は、は、と上と下で混ざり合う息が荒く響く。射精――種付を宣言して標準を定めたちんぽが苦しくて、もしも豪胆な恋人が恥じらい、形ばかりの抵抗をしようとも絶対にナカに射精すと決めていた。
や、とかわいらしく快感に抗うくらいすると思っていたのだがしかし、年下のはずの恋人はどこまでも俺に甘い。
「いい、きもち、いいからぁっ……せっそぉの、しり……っ、とにゃかいしゃん、ちんぽ……なか、だしゃれて、いきたぃ……っ」
言ってほしい、言え、と意地悪く責め立てたとおりを口に出して、ナカでの射精を乞われるのは覿面に効いた。
表情一つで印象が全て変わる恋人は、汗と涙でべしょべしょでも、あふれてこぼれた色香で切なげに歪む眉と目が誘い媚びる甘さを纏う。結んだり噛んだりでうっすら腫れたくちびるは、たどたどしく言葉を紡ぐのに開閉するたびわななくのが頼りなくいおおしい。そこから覗く真っ赤な舌と真珠色の牙は常の鋭さをなくして、いたいけで愛らしい。
庇護欲と嗜虐心がせめぎ合い、結局どちらも満たすことにした。
「ふぅぅ……っ」
「……っ」
了承は得た、と最後の一突きをして、本来ならちんぽを受け入れる場所ではない後腔のさらに奥に種を付ける。声なく開いた口は最後の意地か、音を発さないまま舌だけが不規則にゆれていた。
びゅぅぅぅうううぅぅっ、びゅる、びゅぅぅ……っ、とためた分だけ重く長い射精は、こちらの清々しい解放感と比例して、ただでさえ感じやすい秘奥には強烈だったはずだ。ゼロ距離で浴びせられ、射精し終わった後も撒き散らした子種を塗り込めているナカは、ひくひくんっ、と絶頂にふるえながらも擦りつけられるちんぽにしゃぶりついて子種を拭っている。
さきっぽがそうならば竿も同じ有様で、ようやく射精したにも関わらず、きゅぅっ……きゅぅぅぅ……と尿道の残滓も啜り尽くそうと余韻を味わうようにねっとりと搾られた。しょろろ、と潮とも尿ともつかないものが腹に広がったのは射精の代わりだろう。恥じらう余裕もなく、すぐさま次の種付をねだってちんぽを締めつけるナカに請われるまま、勃起しそうになるのを必死でこらえた。
「ぁ、んぅ……っ」
達した直後の敏感な身体には自らの胎内のうねりも快感になるのか、半開きの口から覗く舌が何かを言おうとしては失敗して、喘ぐしか出来ていない。眠たげに落ちたまぶたの間からは濃厚な金色がどろりととろけたまま彼方を見つめている。
「サンタさん、いっぱいイケたな」
「いった……」
ちゅ、と額からまぶた、頬、鼻先、くちびると順繰りにくちづけながらささやくと、とけた蜂蜜に似た目が笑みを描いた。繋がったまま、幼子をあやすようにナカへの射精で絶頂を迎えたことを褒め、かわいいとくり返し告げれば、きもちよかった、となかいさんも? と首を傾げる。いとけない仕草に力を取り戻しそうになるのをこらえ、俺もよかった、とくちづけを降らせると、嘘みたいに股間がふくれてしまっていた。
「……となかいさんは、まだいきたりないんだぁ……」
「悪い……」
笑顔を少しだけ悪いものに変えにやりとする空却に、反省の意を示して慈悲を乞う。蠱惑的にきらめく瞳はわくわくとしているが、くったりとした身体は辛そうだ。
抜こう、と腰を動かそうとした瞬間――
きゅうぅぅぅん……っ、と、再び精を搾ろうとナカが締まった。う、と息を飲んで逃げようとしても、根っこから食むようにナカを収縮させて引き込まれる。
「こ、ら……!」
「さんたさんは、となかいさんになかだしされなきゃいけねぇの……っ」
だから観念しろ、と、熟れたナカに食まれ、ちんぽが完全復活してしまった。
終わりのないナカでの絶頂に、萎えたちんぽですら思い出しイキをしていた身体は、急に力を取り戻したちんぽを喜んで迎え入れる。
「となかい、しゃん……、やらしぃ、さんたのしり……、いかせて……?」
上目遣いでねだりながら、秘奥の肉壁でさきっぽをちゅぽちゅぽとしゃぶって否と言わせない。自分の放った子種でぬるつくナカに、もっともっとマーキングされたい、そうされないとイケない、と誘われるのは、なんとも魅力的だ。わざわざ逆らう意味も理由もない。
「……孕んだって思うくらい、射精して、イカせてやる」
思いもよらないくらい低く苛ついた声が出て、怖がらせたかと思ったが、ナカがきゅ、きゅ、と期待するように締まるだけだった。
「きんたま、からっぽにしてやるよ……」
果たしてこのとんだエロサンタをどうかわいがるか、まだ夜は長い。
2024/10/11
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