後生丸ごとイートイン+EX

 フライドチキンの香り漂う所長室。
 差し入れを雑談まじりで腹におさめた後、ウェットティッシュで拭いていた指先に空却が飛びついた。
 ちゅ、ちゅぅ、ちゅぽ、と薄桃色のくちびるに吸い込まれ、味わい、舐め尽くすように舌でしゃぶられる。脂は拭われても今度は涎でテカるそこを熱心に愛撫する舌の赤さが目について、お返しに小さな口をかわいがってやりたくなった。
 はぁぁ……と深く感じ入った息をこぼし、ぱかりと口を開いた空却はうっとりと目を細めて赤々とぬめる舌を伸ばす。すかさず指を舌に絡め、驚いてひっこもうとするのを引き止めた。
 一瞬、見開いた目は舌をかわいがり返せば、また目蓋を下ろして快感を味わいだしてしまう。長く愛で続けた舌すらも敏感なのか。こうしたらもっと良くしてもらえるという反射なのか。はたまたその両方なのか。
 あからさまな見立て口淫で耳も頬も赤く染め、もぞもぞと足と足を擦り合わせる空却は、年々感じやすく乱れやすくなっている。自分の身体の奥深くを暴かれる期待を隠しきれないのか、指をしゃぶりながらも腰がふるえ、先に待つ行為の予行演習をするように揺れていた。
 重たく腫れた部位を意識せざるを得ない空却の腰つきは自分自身も身に覚えがあるもので、窮屈でたまらない上にどんどん痛くなっている。そろそろ見立てではなく本物を本番で愛撫してほしい。
「空却……ッ」
 口内を暴き立てる指に夢中で舌を這わせる空却に呼びかけるも、気づいているのかいないのか。とろんととろけた金色は、ふ、ふぅ、と鼻で息をして、舌を休める気配がない。
「こら……!」
「ふ、うぅぅ……っ」
 ふやけはじめた指の腹を奥へ伸ばし、舌のつけ根をこり、と転がせば、ようやく動きが止まった、が。
「ふ、ふぅぅ……っ、ふうぅぅぅ……ぅぅ」
 びく、びくん、と跳ねながら、腰を前へ前へと突き出して、脱力する。弛緩したくちびるの端から垂れた涎ははだらしがないのに、涙でうるむ濃く煮詰まった黄金色の瞳に揃えて誂えたようでどきりとしてしまう。
「ふ、ぁ……」
 感じやすく乱れやすい。そうしたのは自分自身だけれども、いざその成果を見せつけられると、ぞわぞわと背筋がふるえ、腹の奥がほのぐらいもので満たされる。
 野蛮だけれども快活で清廉だった子供を、指を舐めるだけで絶頂するような淫乱にしたのは他の誰でもない、俺なのだ。他の誰も、幼子がするような指しゃぶりの延長で欲情しきった顔をして、性行為をなぞって腰をふり、射精する空却を知らない。
「さすがに指しゃぶりでイクとは思ってなかったがな……」
 黒く、余裕のあるサルエルパンツでなければ、おしゃぶりだけで達したはしたない痕跡はひどく目立ったはずだ。修行着として定着したから着続けていると聞いたが、理由はそれだけではない気がする。
「だ、て……ぇ……」
 ソファの上でくったりとして、息もたえだえにも関わらず、指のさきっぽをちゅ、と吸って離さない。だってもへちまもないなんて本人が一番わかっているのだろう。かわいそうに、頂点を迎えても足りない、足りない、と咽び泣く身体に振り回されて、くずおれたまま俺に縋っているのだ。
「俺もちんぽ痛えのに自分だけさっさとイきやがって」
 ちゅぱちゅぱと指をしゃぶりながら足をぎゅうぎゅうと閉じる空却は、早くも二回目を上り詰めているらしい。意地悪く触ってもないのにいやらしい、何を想像してイッたんだ、と耳元で責め立てると、また腰がぶるぶるとふるえ出す。
「ぅ、ふぅぅぅ……っ」
「まあた……指のさきっぽだけでよくもまあ……」
「い、てなぃっ」
「へぇ?」
 かくかくと前後に揺れたのは、どうやら虚空へ種付するためではなく熱の発散だったようだ。射精しないと操を立ててもどうにもならず、ひく、かく、と腰が動いてしまっているのだと思うと、けなげさがたまらない。
「じゃあ頑張ってイかないようにしてるくうちゃんは、どういう風にイキたい?」
 俺を見ながら指しゃぶりをしていっぱい射精してもいい。それとも服を汚さないように咥えてやろうか。ああ、中に出されないとイケないんだったか。
 いやらしい囁きを浴びせるたび、うるんでとろけた目が細くなり、指を吸う力が強くなる。赤ん坊のような仕草のまま身体を快感でひくつかせ、ふ、ぅぅ、と苦しげに喘ぐと、ぷしゃ、という水音が響いた。
「やらしいこと言われて想像だけで潮吹きしちまったかあ」
「ぅ、ふ、ぅぅぅ……」
 恥じらうように目を閉じて身体をふるわせる姿はいつもよりずっと頼りない。庇護欲と嗜虐心をくすぐる空却の有様に次の一手をどう打つか。どちらに転んでもよろこんで受け入れてくれるとわかるから悩ましい。
 考え事をしながらも手を休めず、空いた片手を無防備な尻へと伸ばす。乱れた服の隙間をぬって、下着の中へと入り込むと、びちょりと濡れた感触がした。
 盛大なおもらしは尻のあわいまで広がっていて、むち、とした尻たぶを開くと、ちゅ、にちゅ、と指しゃぶりによく似た音がする。いくらかはプラグで塞がった後腔からしたたり落ちたローションが、大半は我慢汁に精液、そして潮と見えないところでもらした分だろう。ぎっちりと埋まり、締めつけていることを証明するように、プラグの蓋はふるふると尻と共に揺れた。
「ほら、くうちゃん。ちゃんと言わねえと」
 ぐ、とプラグを引き抜く素振りをすれば、びく、と丸まった身体が跳ねる。ほんの少しの刺激でも性器として感じるように教え込んだ場所は、与えられる快感を素直に受け取ってしまうのだ。
「しり、やだ……ッ」
「尻以外ならいいのか?」
「そ、じゃぁ、な、くってぇ……」
 じゃあやはり尻でいいのか、とプラグを引けば、咥え込んだ後腔が離すまいと抵抗する。きゅうきゅうとすぼまった後腔のふちの頑張りはけなげだが、敏感なふち、ほど近いナカ、浅瀬のふくらみを何度も擦られ、撫でられるのには敵わなかったらしい。
「ふっ、ふうぅぅぅぅぅ……っ」
 引きかけたプラグはぎちぎちと締めつけられ、ぴくりとも動かせない。容赦なく搾り取ろうとするナカのうねりは快感を享受するだけでなく、互いにより高め合うためにと意識して行うように言って聞かせた。
 『家族』を尊ぶように、特別な存在と認めた者には損得度外視で手を差し伸べるところは『恋人』でも変わらない。強いて言うならいっそうのこと甘い気がするが、おかげで大変良い思いをさせてもらっている。
「……射精さずにナカだけでイキたかった、と」
「ち、ぁう……っ」
「プラグぎゅうぎゅう締めつけてナカだけでイッてそれは無理だろ」
「ひとゃが、ひっぱる、から」
 肩で息をしながら絶頂の余韻を味わっているクセによく言う。小刻みにふるえているのは甘イキし続けているからなのに、ぎ、と睨みつける目を一生懸命鋭くしようとしている。
「俺がプラグ引っ張っただけでナカイキするやらしい身体ですって自己紹介か?」
「……ひとゃがしたんだろっ」
 ばか、あほ、すけべ、へんたい、と並べられた罵りにはキレがない。鋭くなり損ねたままの目はとろとろととろけるのを止められず、プラグは今もぎゅぅぅ、としゃぶりついたままだ。
 甘く達し続けながら噛み付く気概は流石としか言えない。舌足らずな罵倒の分だけプラグをぐにぐにと動かせば、ばか、ばか、と語彙がさらに減ってしまった。ナカイキからの連続甘イキでくったりとした身体はびくつきながらも強張りはほどけ、プラグの締め付けも抜けなくもないていどまでゆるまっている。
「馬鹿で阿呆で助平な変態なんぞが恋人で大変だなあ?」
「ふ、ぅあ、っ!」
 つぽんっ、と小気味良い音と共に引き抜いたプラグは、ぬとぬとした粘着質な液にまみれ、熱を帯びてテカっていた。ダイヤ型のシリコンはよほど良い所を抉っていたのだろう。短い悲鳴じみた喘ぎの後、ぷし、と潮を吹き散らして絶頂を迎えると、ぽっかりと開いた後腔が物欲しげにひくつくのが音だけでわかる。
 ぴっちりと閉じていた排泄器の出口は縦に割れ、性器の入口としてかわいがられれば素直に開いてしまう。手塩にかけた変容の一部始終の記憶で、見えなくとも容易に恋人のはしたないおねだりを想像出来てしまった。
「俺もいつでもどこでもハメられるように尻に玩具咥え込んでる淫乱が恋人で大変だよ」
「ぁ、ぅぁ……」
 頃合いだろうと下着ごとパンツを下ろして尻を剥き出しにする。恥じらいか驚きか、声もなく身体が跳ねたが無視をした。引き抜いたプラグで尻たぶを叩くとそれだけでまたいやらしい粗相をする。ぷりぷりむちむちとした尻が熱を帯び、ローションの飛沫で濡れそぼる様は、すでに種付を終えた風情だった。
「それで空却、どうイキたい?」
「しり、で、」
 指をしゃぶる余裕もなくし、舌を出して荒く息を吐く。ここが監視カメラの設置された法律事務所だなんて、頭の中から消え失せた顔は欲情しきっている。目の前でとんだ媚態を見せつけられて膨れた股間に、恋人の熱い視線がいくつも突き刺さった。
「——尻で?」
「しり、ずぼずぼされて……っ」
 よく言えた、と股間をくつろげる。前ならば先にお前がどうしたいか言え、と威丈高に返されたが、年月と回数を重ねるごとに軟化した。素直になるほどより気持ち良くなれると学んだらしい。
 賢く柔軟な恋人の待ちかねたご褒美は、窮屈な衣服から解放されるなり天を突いてそり返った。先走りで光る先っぽを美味そうに見つめる眼差しの主は、はしたないうずきを止められず、ぬち、ぬちゅ、とローションで満ちたナカが準備万端だと主張する。
「——何に?」
「ひとゃのちんぽ、で……っ、せ、そぉのしり……、ずぼずぼされて……、いきたいっ……」
 卑猥なおねだりにも慣れたもので、羞恥の尻尾を覗かせながら下品な台詞を口にすることへの快感に尻をちゅ、ちゅぱ、とわななかせた。目の前のちんぽにしゃぶりつきたくて仕方ないのをこらえて、すぼまったり開いたりをくり返すくちびるは、見えない後腔のふちを思わせる。
「——尻、出しな」
 お前が抱かれたいように、と、言外に匂わせて告げれば、はしたない期待に背をふるわせて、恋人がおずおずと動き出した。
 感じやすく挿入しただけで達してしまう恋人は乗っかるのが苦手で、キスをしたり抱き締め合いながらの行為を好んでいる。顔が見えないから、とバックを好まず、たまに強行するといやだ、と子供のように抵抗する。
 にも関わらず。
「珍しいな……」
 まさかのバック、後背位で、ソファの上にゆるく正座して、手ずから尻たぶを開き、くぱぁ……と縦に割れてうるむ後腔を見せつけたのだ。
 プラグが埋めていたであろう隙間はローションでぬとぬとと糸を引き、くち、ぬち、と物欲しげにうごめいている。ガムを噛んでいるときの咀嚼音に似たそれは、こちらの視線を浴びていっそうのこと激しくなった。
「かんしかめら、あるから……」
 だから、かおをとられたくない、と頭をソファに擦り付ける恋人に、むら、と嗜虐心をくすぐられる。
 最初はバックで抱いた後、くにゃくにゃになった恋人を持ち上げて膝に乗せてもいいし、ひっくり返してやってもいい。顔どころか全身余さず映してやって、ハメ撮りだな、と囁いてやるの想像するだけで、ちんぽときんたまが重くなる。
「やらしいとこ、俺だけに見せたいって?」
「ちょーしのんな」
 ともあれ悪戯心を隠して模範解答をすれば、淫乱な身体に不釣り合いな天邪鬼を覗かせた。
 他のヤツはダメだけど獄ならいい、という殺し文句を常日頃から聞かされる優越感はベッドの上でも同様で、大胆な奔放さ、艶めく淫らさはお前だけのものだと言われて滾らないはずがない。
 無意識に硬くそり返るちんぽの先を尻の上に乗せる。すぐ下で熟れた後腔がぐずっているが、見えないからこそ感じ、想像して焦らされた身体は快感により貪欲になる。
 証拠にちょっとズレたら挿入ってくる、にとどまらず、ナカをずぼずぼされるところまで想像したのであろう恋人は、きゅう、と後腔を窄め、ぷしゃっ、と潮を吹いてしまった。
 挿入されたらどころか、指しゃぶりに続いての挿入されたらと想像するだけでの絶頂に、く、と喉を鳴らす。もちろん普段の勇ましさと凛々しさに結びつかないはしたなさがたまらなくそそっただけなのだが、わらうな、と恋人に叱られてしまった。
 鍛錬を欠かさぬストイックな恋人は何事にも限界まで耐えてしまう。だから身体を拓く際、快感には耐えず、全てを寛容に受け入れた方が良い、と教えこんだ。丁寧に丹念に、気持ち良いと思ったら耐えずにイクように言い聞かせ、それでも恥じらったり躊躇ったりすれば俺に触れられるのは気持ち良くないか、俺に気持ち良くされて感じている姿が好きだと縋りついた。
 想像だけで達する恋人は俺がそう育て上げたのだから、愛おしいと思っても笑うわけがない。恋人もわかっているはずだが強固な理性の持ち主でもあるから羞恥が抜けないのだ。
「かわいい恋人のやらしいおねだりに暴発しかけたんだよ……っ!」
「ひッ、ぁぅっ!」
 まだ機嫌損ねているらしい恋人の背中に覆い被さり、真っ赤な耳に流し込むように限界を訴え、ぬちゅ、みちゅ、とけなげに誘う後腔に、ぶちゅん! と、一気にちんぽをねじ込んだ。
 挿入待ちをしながらのうれションはもちろん、淫らな粗相を恥じらう淑やかさも爆発寸前のちんぽときんたまには実に厳しかった。結果、挿入前なのに発射しかけるのをこらえるための一呼吸でどうにか踏み止まったのに、身体に追いつき切らない清廉さが押し切ってしまう。
 プラグで拓かれていたと言っても、最低限だけ。さきっぽが挿入出来れば後は身体が覚えているとばかりにキツキツに仕上げられたナカは、はじめはヴァージンのようにおっかなびっくりしているが、すぐにちんぽにちゅうちゅうとしゃぶりつく。
 ちんぽが馴染んだぷりゅぷりゅの肉壁は、さきっぽから根っこまでを入念に歓待し、愛撫する。恥じらいを残す心と裏腹に、貪欲に子種を搾りとろうとする後腔の落差に、いつも意地悪い企みで頭がいっぱいになってしまう。
 香箱座りをする猫に似た体勢でも、短く切り揃えられた髪ではうだった耳は隠せない。絶え間なくちんぽを食み続けるナカはちゅっちゅ、ちゅぱちゅぱと騒がしいが、いつもお喋りな口は挿入以降だんまりを決め込んでいる。時折、ふ、ふぅぅ……、ひ、はぁぁ……、ぁ、ひ、ぅゃ……、と深窓の令嬢のごときか細い喘ぎと息を漏らすだけだ。
「なんで声抑えてんだ……?」
「は、ぁ、ぅうっ」
 浅瀬をゆっくりとこね回し、優しく揺さぶりながら、恋人が弱い声で問いかける。俺は素直に気持ち良くなれと教えたはずなのに、と、穴だらけの耳に触れるだけのくちづけを落とせば、正直な身体はぎゅん、とちんぽを締めつけ、しゃぁっ、と小さな飛沫の上がる音がした。
 ちょうど浅瀬のふくらみで達するのと重なったらしく、ナカはきゅんきゅん、きゅうきゅうと甘イキが止まらない。当然、射精せ、射精せ、と急かすようにちんぽも絞られるのをぐっとこらえた。
「は、ぅぁ……、ふぁぁ……」
 前よりもいくらか大きな声になったものの、控えめなままの恋人にどうしてもはしたない声を出させたい——その一心で腹に力を入れて射精を耐える。
「なぁ……空却……声出せよ……。さっきみたいに俺のちんぽずぼずぼして……って、おねだりしてくれよ……」
「ゃ、あ……っ」
 おねだりをおねだりしながらリップ音で煽り続ければ、耳はもう髪の毛と同じくらい赤くなってしまった。射精寸前で最大限までふくれたちんぽがいくらゆっくり優しく動いても、浅瀬のふくらみを筆頭に、俺のちんぽで気持ち良くなるように躾けられたナカは、甘イキとうれションのループから脱出出来なくなっている。こ、こ、とさきっぽでノックしている奥の奥すら、ちんぽに撫でられればとろけてやわくなってしまい、観念したようにずぷん、と招き入れてくれた。
「ほら……空却がなあんも言わねえから……っ、ちんぽ奥までずっぽり挿入っちまった……っ」
「ひ、ゃうううぅ……っ」
 滅多に押し入らぬ奥の奥をちんぽのさきっぽで撫でれば、やわこくなった秘奥の肉壁もむちゅむちゅとくちづけるように吸いついた。種付を乞うにはかわいらしい愛撫にきんたまが張りつめると、しょろろろろ……と潮ではない、本物の粗相のほとばしりが響き渡る。
「おしっこもらすくらい、気持ち良いかあ……?」
「きも、ひ、ぃ、……っ! い、からぁ……!」
 幸い——なのか、臭いの薄い小水はただ恋人を淫らにいたぶるにとどまり、膀胱ともども決壊したらしい声帯と涙腺がぶわりと溢れ出した。
 顔がソファに埋まったままでも、限界を迎えた恋人の泣き声くらいはわかる。快感に翻弄され、ひ、ひ、と鼻を鳴らすいとけなさに胸が痛みながらも、どうしようもなくほのぐらい欲望が首をもたげてしまった。
「……カメラに残したくなくて声抑えてんだろ……? あとは外にバレないようにか……? 安心しな、もうとっくのとうに二人っきりの時はやらしいことしてるって、思われてっから……」
「へ……?」
「まあ今この瞬間までは誤解だったんだが……。空却、お前気づいてなかったんだなあ? 俺といる時、やらしい期待して……とんでもなく助平な顔してんの」
「んな……し、てにゃ、ぃっ!」
 中坊の頃から熱烈なアピールをしてついに押し勝った子供を知らない者はこの事務所にはいない。押し負けた雇用主も実は子供に惚れていて猫かわいがりしていることを知らない者もいない。
 本当に今日までキスくらいしかしていなかったのだが、キスだけでも甘イキするような恋人だから、遠回しに「ほどほどに」と言われていたのだ。当然、誰も馬に蹴り殺されたくもなければ上司の情事を見たくもないと、恋人が来たら最初のもてなし以降は基本的に誰も近寄らない。
 かわいそうに、自分が俺といる時にどれだけかわいらしく、そのくせ色気をだだ漏れにしているか自覚のなかった恋人は、完全にパニックに陥っていた。よもやまさか、事務所で二人きりの時はいやらしいことをしていると思われていたなんて——と絵に描いたように動揺しているのが、呆然とした声音とちんぽをぎゅぎゅっと締めつけたナカの動きでわかってしまう。
 焦りで無防備なナカはどきどきどくどくと脈打ちながらも、頭を駆け巡るあらゆる想像でいやらしくちんぽに絡みついて止まらない。せんべいを差し入れた相手の言葉の裏、濡れ場に鉢合わせなくないという真意にたどり着いて、意外と繊細なところもある恋人はこれまでの様々な疑問符にも察しがついたのだろう。
 回らぬ舌でちあぅちぁうと否定しても今日真実にしてしまった誤解はもはや覆しようもなく、それにすら快感を見出して絶頂を迎え、再び粗相をしてしまった。まだ涙もひっこみきっていないのに、しょぉぉ……と新たな水分を吹き出す恋人が脱水症状を起こしやしないか気が気ではない。
「してんだよ。俺はしょっちゅう事務所を連れ込み宿にすんなって怒られてんだ、ぞ!」
「ふぁっ!」
 艶めき潤む色気と幼い仕草にいよいよちんぽも限界で、絡みつく肉壁を振り解くようにして奥の奥をごちゅごちゅとかわいがる。たまさかに挿入り込めるここは、不可侵故か一際やわく感じやすい。硬く熱くぶっくりと膨れきったちんぽで耕して子種を蒔いてやるといたく喜ぶのだ。
 ごちゅ、どちゅ、と凶悪なちんぽでの掘削に、やわく敏感な秘奥の肉壁はいとも容易くイッてしまう。や、やぁ、やぁぁ……、という口だけの拒絶は、ちゅぅ、ちゅぱ、ちゅぽぉぉ……とはしたない音を立てるナカの淫らさを盤石にするだけでしかない。
「……ほんっとに、やあらしい尻してんなあ……? ソトはぷりぷり揺れてちんぽ煽って……! ナカはナカでちゅぽちゅぽちんぽ搾りとりやがって……っ!」
「ら、て……ぇ……、ちんぽごりごり……っ、きもちぃ、からぁ……っ! も、ゃぁ……! しり、ぃく、いく……ぅっ!」
 揶揄いを含んだ言葉だったが、ナカを激しく蹂躙されてそれどころでないのだろう。きもちぃ、いく、と泣きながら一突きごとに秘奥での絶頂と迎え、そのたび短い粗相の噴射音を放っている。
 完全にナカイキとおもらしが紐付けされてしまった恋人は眩暈がするほどいやらしい。お前のせいだと開き直りもするものの、快感に逆らわぬように徹底した恋人は、ちんぽでナカをかわいがられたら反射でうれションしてしまう。
 尻だって本来はちんぽをねじ込まれてよろこぶ場所ではない。つつしまやかだった排泄器の出口はちんぽの入口として縦に割れ、出入りをくり返されたふちもめくりあげられ、ぷっくりとふくれて盛り上がっている。
 言わずもがなだが、ちんぽの形を忘れぬように叩き込んだナカは、挿入しただけでイクように心身に刷り込んだ。ちんぽの入口と化した後腔のふちに劣らぬ、ちんぽ搾り器官と成ったナカは、本来の機能を果たす時すらはしたなく極めてしまうことすらあると言う。
 当人にだけ見えないまま、けれども否応なく自覚だけはさせられて、恋人の尻はすっかり熟れた性器として完成していた。
「俺も……っ、やらしい尻にちんぽしゃぶられてきもちい、よ……! はぁ……っ、くそ……っ、さきっぽちゅぱちゅぱして……っ! 中出しおねだりしやがって……っ!」
「ひとゃ、きもち、ぃ……? せ、その、なか……? だす……っ?」
 過ぎた快感で頭のうだった恋人は、ナカはこなれた動きで精を搾るのに、ガワはますますふわふわといとけない。持ち上げてやらなければ頭ともどもぺしょりと潰れてしまいそうな尻は、それでもちんぽを招き入れるためにかまえた指は離さず、けなげにぐ、と開いている。
「射精してやる……っ、ちんぽおしゃぶりやめらんねえ、やらしい尻のナカ……! ぜんぶ……っ!」
「ふ、ぁ……っ! あっ、ぁ、ぁぁ……っ!」
 ダメ押しにきんたまがばちん! とぶつかるまで深くちんぽをねじ込んで、甘イキし続けてとろとろの秘奥をぐりゅんっ! と押し潰す。決定的な刺激だけを与えられずにいたやわな肉壁は、硬くそそり勃つちんぽのさきっぽに快楽の芯を砕かれてか細くなくしか出来ない。喉奥からどうにかひねり出したような喘ぎと同様に、しょろ、しょぉぉぉ……と、うれションも頼りなくしたたり落ちた。
 丸くなって尻を開き、ちんぽを乞いねだる恋人がいとおしくてたまらない。ここは職場なのにとんでもない有様で、どう言い訳したってナニをしていたかなんてバレバレで、それでも、もう、射精さないなんて考えられなかった。
「く、ぅ……っ!」
「ぁっ、ふぁぁぁ……」
 びゅうっ、びゅるるるる……っ、びゅぅぅぅっ……! と間を置かずに射精した子種を、深くくちづけする時と同じように交わったままの秘奥に余さずぶち撒ける。どくどくとちんぽが脈打つたび、透明なローションでぬめっていたナカが、きんたまにため込んだ白く濁った子種で満ち満ちていくのを感じた。
 つけるつもりでいたゴムはポケットの中でくちゃくちゃになっていて、精子を無遠慮に注がれてくったりとした恋人は、尿道の残滓すら余さず啜ろうと貪欲にナカを蠢かせる。萎えたちんぽの根っこからさきっぽまでをぐぅぅ、と丹念に搾り上げるぷりゅぷりゅの肉壁に、くびれや裏筋を舐めるように撫でられると、馬鹿みたいに簡単にびきびきと力を取り戻して硬くなってしまう。
「空却……っ」
「……?」
「また、勃つから……」
「……にかいめ、しねぇの……?」
 ぺち、と尻を叩いて締めつけないように言いふくめようとした恋人は、座らぬ首を大義そうに振り向かせ、こてん、という擬音が聞こえる見事な仕草で傾かせた。
 くらむ目と頭を心で殴り飛ばして正気に引き戻そうと試みるも、ぎゅぅ、ちゅぽぉ、と、ナカと秘奥がおかわりをねだる。
 ああ、ダメだ——観念して尻を掴む指にぐ、と力を込めると、嬉しそうにちゅ、ちゅ、と胎の奥でくちづけられた。



 後日、さすがにちょっと……という苦言を呈されて、恋人と共に深々と頭を下げることになる。
 臭いか音かと余計な質問をする恋人の頭を叩き倒すと、にっこりと、いつか自分の指導したポーカーフェイスで所員一同に微笑まれ、深く追求するのをやめた。

2024/12/15


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