全自動求愛給餌
クリアなんちゃらが家で冷えてる、帰ればなんちゃら、お疲れなんちゃらと、とかく帰宅後の飲酒を促される。
それはいい。飲酒の酩酊は真昼間から外で嗜むようなものではない――とされている――からだ。
問題はさも自主的に酒が家で控えているかのような口ぶりである。
通販で購入したり贈答品で貰うとしても冷蔵庫に入れるのは家主であるこちらだ。
加えて、よほど効率重視でもない限りはコンビニだのスーパーだのでフラリと買うことが多いだろう。
つまり、ほとんどは自分自身で彼らを招き入れ、家に最適な状態で待機させ、労働に従事した褒美としていただく状況を作っているのだ。
「……何が言いてぇんだ?」
「お前は勝手に家に来て、勝手に最適な状態で待機して、勝手に俺のご褒美になってくれるな……と思った」
「それ、拙僧以外に言ってフラれたことあンだろ」
呆れを隠さぬ恋人は拙僧が寛大だから許してやってるだけだぞ、とため息をついた。それを言ったら俺とて勝手に物の配置を変えて悪びれもしない奴を許したのはお前が初めてだ、と喉から出かかったのを飲み込む。
良い子に口を閉じれば、くちびるに勝手にご褒美が降ってくるからだ。
2024/10/24
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