手帳に可愛いハートのシールを貼って

 コンビニに行くと言ったら恋人がついてきた。
 煙草が切れた、とぼやいていたものの、たぶんTシャツ短パンで出かけるのをやめさせたいけれど言っても聞かないとわかっているからだろう。
 こちとらか弱いお嬢さんでもないのに熱心なことだと思ったが、藪をつつく趣味はない。
 適当につっかけたサンダルで徒歩五分のコンビニにたどり着くと、持ったカゴを奪われた。どうやら奢って下さるらしい。
 あんがと、とカゴにコーラとガムを入れると、こんだけのために……とまたぼやかれた。お前の煙草と同じようなもんだろうが。
 もちろんありがたいスポンサー様のお耳を汚すようなことはせず、聞こえないフリをした。
 会計後、エコバッグを奪ってやる。金を出されたから労力を払う。釣り合うかどうかは知らないけれど、いつもそうしている。

「今日はすぐ飲まないんだな」
「ん、ああ。家で冷えてるってやつ、やってみてぇから」

 途端、やってみるほどかという顔をされた。自分は家に何本も酒をストックしているクセに。

「でも確かにワクワクすんな。すぐ飲めんのに、わざと置き去りにすんの」
「置き去りって、お前なあ……」
「一緒にいんのに、次会う約束するみてぇだろ」

 拙僧らは、次いつ会う?
 にんまり笑って言ってやれば、むつかしい顔をしたまま空気だけを浮かれさせた。

2024/10/27


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