上手にほどいてキスをして
クリスマスにはプレゼントを贈り合うと学習した恋人が、嬉々としてリボンを選ぶのに嫌な予感を覚えると、それは綺麗に的中した。
「なんだよその顔。絶対獄さんそういうの好きっすよ! ってお墨付きもらったってのに」
「あのなぁ……」
「絶対我慢ならないって言うけど内心では大喜びしてるっす! 絶対っす! って言ってたんだが」
わざとらしいほどかわいらしい声で再現された、おとなしくて穏やかそうな雰囲気に反して言う事は言う子供の、よくよくこちらをわかった発言にぐ、と息を詰める。
そうだよ。どうせ俺はベッタベタのシチュエーションを捻りがねえと苛つくクセに、同じ事をかわいいかわいい恋人がやったら手のひらを返す男だよ。
じゃあお前らはどうなんだ。風呂上がりでほかほかとした恋人が何から何まで準備万端の状態で、自分をプレゼント、なんて言うのを無碍に出来るのか。ほんのり赤く染まった首筋に獄の目と同じ色だから、なんて上品に光る銀のリボンを巻いた恋人のけなげさに目が眩まないのか。
「……俺がほどいていいのか?」
「獄へのプレゼントをどーして獄以外にあけさせんだよ」
リボンだけじゃない、服だって、肌だって、胎の奥の奥まで獄なら暴いていい、とまで言われて、性なる夜を鼻で笑う事が出来るのか?
俺は正直に敗北を認めた。
ベッドに入るときは身一つで、無敗の冠なぞ脱いでしまうのだから。
2024/12/25
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