今日の0721
ろくすっぽ自慰もしていなかった恋人が、くちづけを交わし、肌を合わせ、胎に注ぎ込むたび、変わっていたのは知っていた。
その変化に戸惑いながら、共に過ごした夜を思えば自然なことと受け入れているのも、それでもなお己の淫らさに打ち勝とうとしているのも知っていた。
「ふぅ、ぁ、ふぅぅ……っ」
ため込んだ息を吐き、両手を頭の後ろに回し、大きく開いた足を踏ん張らせ、ぐ、と腰を持ち上げる。
じゅぽぉ……と、粘着質なローションで満ち満ちた後腔から、太く硬い陽物によく似せた性玩具の先端が頭を覗かせた。
「……もっと腰、落とせるだろ」
「む、りぃ……」
髪と同じくらい真っ赤な顔をぶんぶんと振り、舌足らずに返事をする。半分落ちた目蓋と閉じれずゆるんだ口元からは、決壊寸前の快感をいっぱいにため込んでいるのがよくわかった。
仕草だけはいとけない恋人は、その身に起きていること、与えられていること、全てが淫靡で、すさまじい落差がたまらなく唆る。
「じゃあどうやってイッてんだよ」
「ん、な、ぉくまれ、ぃれなぃ……っ」
一見スクワットに見えるが真実やっていることはディルドでのアナルオナニーで、腹の奥深くまで開発し尽くした恋人が満たされるならそれくらいは当然、と言いたいが難しい。
何せ恋人は痛みには強いが快楽には滅法弱い。年齢不相応に妖艶で婀娜っぽい雰囲気を纏うから経験豊富に見えるだけで、鍛錬と喧嘩ばかりで色っぽいことは何も知らなかった。知識として持っていても実践はなく、手つかずの美貌と肉体が据え膳として差し出されたのを遠慮なく貪ったのはそう遠い記憶ではない。
だから急速に拓かれ、教え込まれた欲望をどうしても振り払えず抗えない、切ない、苦しい、と訴える恋人にディルドをプレゼントしたのだ。これを自分だと思って凌いで欲しい、と。
馬鹿、助平、変態、と罵られたものの、不在の間に寝室のローションだのゴムだのが減っていて、風呂場を使った痕跡があれば察しもする。自宅——寺——での使用を避けるのもわかっていた。下手をすればディルドを咥え込んだまま気絶しかねない。それくらい素直で感じやすい、いやらしい身体に育てたのだ。
だからいつかこんな日が来るだろうとは思っていた。不在を告げていた日の予定が変更になったり、思ったよりも早く仕事が片付いたりして想定外に帰宅が早まるたび、うっかり恋人の秘め事に遭遇してしまうのではないか、と。
「ひ、ぉゃ……ぁ……」
わずかな扉の隙間から覗いた光景は信じ難かったけれど、いつもより灯りの落とされた部屋の中、漏れ聞こえる嬌声と水音、軋むベッドが現実だと訴えた。
頭を押さえる腕を大義そうにふるわせながら、腰を落とし、じゅぶ、ず、ぶちゅ、とはしたない水音を立てて、ビビッドピンクのディルドが恋人の後腔に飲み込まれていく。なよやかにゆらめく背は、性感帯に作り変えられた尻の奥から響く快感を伝えるようだった。
はじめたばかりなのか表情に固さが残り、大きく開かれた足の間の若茎も勃ちきっていない。とろけかけの金色がふわふわとさまよい、ぷるぷると揺れながら先走りをこぼす鈴口に息を飲む。
後腔も拓ききらないのか、ごく浅い部分までしか挿入せず、派手なピンク色の無機質な太竿は外気に晒され、尻からあふれたローションでぬるつくばかりなのを見て、つい口を出してしまったのだ。それでイケるのか、と。
しまった、と焦る腹の内を隠し、ごく自然に寝室へと入り込む。部屋の照明も最大まで上げ、ベッドの真正面、恋人の痴態が拝める特等席を陣取った。
完全に油断していた恋人のぽかんとした顔は明るい部屋の中で見るとなおかわいらしい。そのまま誤って深くハメたりしやしないかと願ったものの、鍛えられた体幹は綺麗に中腰で静止している。気にせず続けてくれ、と伝えると、出来るわけないだろう、といやらしいスクワットをキープしたまま怒られた。
先までのオナニーの興奮と驚き、羞恥がないまぜになったのか、恋人の若茎がぴん、と勃ち上がる。綺麗にゴムを被せられているのが衝動的な行為ではないと証明するようで、意地悪く攻めたくなってしまう。
いつもこんな大胆なオナニーをしているのか、と、続けてくれと言った時のような平坦さで問えば、戸惑いながら試した中で一番マシだった、と返してくれた。ここで揶揄ったり咎めたりしたら怒りながら冷静になるのが恋人だ。混乱させたまま、こちらのペースに巻き込んで、それから仕留める方が今のいやらしさが保たれる。
他は何をしたんだ? 上がりそうになる口角を抑え、天気の話をするような声を出すにつとめると、居心地悪そうに目をそらした。大方の予想はつくから追及はしない。身体だけは素直な恋人はこの後すぐに白状するだろう。
じゃあ実際にイクところを見せてくれ——そう告げると、恋人も馬鹿ではない。この場をやり過ごしたとしても別のときに同じかそれ以上を要求されるとわかっているのだろう。
まるで怖くない威嚇をしたあとに、ゆっくりと腰を動かしはじめた。
「奥まで挿入れないって言ってもなあ……空却、お前は奥が一番イイだろ?」
膨れ上がった逸物の一番先でしか届かない胎の奥の奥。開けっぴろげな恋人の数少ない秘め事は、ほんの少しだけ手荒に暴いて、優しく丁寧にノックすれば、深窓の令嬢のように招き入れ、情熱的に歓待してくれる。
渡したディルドでは絶妙に届かないのだが、そこまでいかずとも快感に弱い恋人には十分なはずだ。わかっていての問いかけは、オナニーで恋人がどうイクのか知りたいという好奇心と、奥まで届かないディルドをわざと渡したことに気づいているかの確認だった。
「ら、てぇ……っ、ぉく、とどかなぃ、かりゃ……ぁ」
だから奥じゃイケない、と苦しげにする恋人にぞくぞくと背がふるえる。意地の悪いプレゼントに気づいていてもいなくても、一度は全て咥え込み、イケない、と身悶え、偽物の玩具ではなく本物を求めたのだ。
その事実だけでどうしようもなくたかぶるのを抑え、再び腰を落とす恋人に悟られぬよう視線を送る。
「じゃあ、さきっぽだけしゃぶってイッてるのか?」
じゅぶん、と飲み込まれたのはディルドのさきっぽ——亀頭——だけで、そこから先は動かない。ひどく浅いスクワットはオナニーとしても不十分に思えたが、そうでもないらしい。
「は、ひ、ぅ……」
返事の代わりにじゅ、ちゅ、ちゅぷ、ちゅ、と小刻みに腰が上下する。完全に勃起した若茎につられ、張り詰めた双珠もぷるぷると揺れた。
うっとりと細められた目は間近に迫った絶頂をカウントダウンするようにどんどん狭まり、反対に口はどんどん開いていく。ひっそりとくり返された習慣のせいか声はセックスのときよりもひそやかなのが、大人しく覗いていたら広がっていた眺めを思わせた。
腰振りは激しくなるものの、決して奥へは進まない。徹底して浅瀬のふくらみをこね回して達そうとする恋人の目は完全に閉じ切って、目尻にたまった涙がほろほろと時折こぼれ落ちる。
舌を突き出したまま開いて閉じない口はたらたらと涎をしたたらせ、は、は、と荒い息を吐き出し、思い出したように喉奥から喘ぎを上げた。
すでに一回邪魔してしまった手前、夢中になっているのを揶揄うのも忍びなく、そのまま淫靡にくねる恋人を堪能する。
ぐちゅ、ぶちゅ、ちゅ、ぢゅぼ、じゅぽ……。
ぁ、あぁ、う、ふぅ、ぅぅ……っ。
ねばついた交接音と嬌声が混じり合って響き合う。一心不乱に腰を振りたくり、絶頂しようとする恋人がいたいけで、ひどく悪いことをしているのだと突きつけられるようだ。
「……俺がいるのに、その玩具でイクのか?」
ならばとことんまで意地悪くなってやろう。何事も中途半端が一番ダメだ。責めるような、甘えて縋るような、恋人が無視できない声音で問いかけた。
惚れた弱みはお互い様だが、恋人は家族やダチと呼ぶ特別なポジションに据えた相手には存外尽くしたがりなところがある。それが斜め上にかっ飛ぶこともあるが、お坊さんらしい懐の広さと包容力を発揮することも多いのだ。
もちろん、それはセックスのときにも同様で、今みたく意地悪く攻める真意を正しく理解して受け止めてくれた。みっともない独占欲や甘えたな根性も見抜いて、けなげに淫靡な秘所を開け広げてくれる。
「ぃ、く……っ」
絶頂寸前、快感でうだりきった頭では辛かったはずなのに、切れ切れの舌足らずを叱咤してきちんと答えてくれた。
ぎゅ、と結ばれた目蓋がぴくぴくと痙攣して、はくはくと舌と喉奥がふるえるたび、押し寄せる絶頂の波に耐えるいじらしさに興奮する。
庇護欲と嗜虐心を煽る恋人はいとけなく、淑やかですらあるのに、欲深な腰の動きは止められないまま、じゅ、ぶちゅ、ちゅぅぅ、とはしたない咀嚼音を立ててディルドを咥え込むのに、こちらも限界が近い。
「目の前に俺の勃起ちんぽがあんのに……そんな玩具でぬるいオナニーしてイクのか……?」
いい加減きつくなった前をくつろげると、ぶるん、と逸物が飛び出した。普段の恋人なら威勢がいい、と嘲笑いそうなものだが、今日は衣擦れと勃起ちんぽという言葉にびくつくしか出来ない。
だらだらと愛液じみた先走りを撒き散らす若茎と、指一本触れていないのにぷっくりと勃ち上がった乳首のどちらかに優しく息を吹きかけてやれば、そのままディルドをきつく締めつけてイッてしまうはずだ。
「い、きたく、なぃ……っ」
ゃだ、おなに、やだ、ひとゃのちんぽでぃく……っ!
幼子のようにぐずりながらもディルドオナニースクワットはやめないのは、泣いてねだってもオナニー以外で達するのを許されないとわかっているのだろう。
「イキたくないのにそんな玩具ちんぽしゃぶって……やあらし……」
「は、ぁ……! らて、ひぉゃ、せ、その、いくとこ、みたぃ、て……っ」
らから、りゃから、と淫乱に育てられたなりの貞節を訴える恋人に股間が痛む。先にイクのも誤射をするのも避けるため腹に力を入れ、ちんぽの根本を少しだけ押さえた。
俺だって今すぐあんな下品な色の玩具ちんぽを抜き取って、奥の奥までみっちり本物生ちんぽで埋めてやりたい。挿入れただけでかわいいちんこでイッて、ちんぽ待ちしてぬとぬとのまんこも一緒にイクのが目に浮かぶ。放置していた乳首も忘れずにかわいがってやって、イキすぎてのおもらしもさせてやりたい。
けれどもそれはオナバレして少なからずパニックの恋人を堪能してからでも出来る。
「そうだな、俺がオナニーでイクとこ見たいって言ったからだな」
でも、と続けるとほんのわずかに恋人が止まった。すぐに動き出したがどこか鈍い。きっと何を言われるかわかっているのだ。
「……俺のちんぽ以外でイクところを見るのは、思ったより傷つくな」
ひどく勝手なセリフは、常日頃の恋人ならば間髪置かずに噛みついて、二度とこんなふざけたことは言わないと約束をさせられる。身近な人間に言いふらされて、しばらくの間は茶請け代わりに語られただろう。
残念ながら今回はそうならない。我儘で傲慢で自分勝手な振る舞いも、寂しさを滲ませて甘えたそぶりを見せれば、快感に弱くいとけない、ベッドの上の恋人は否と言わない。
「ふ、ぁ……! ごめ、ん……っ、ひとゃ、ごめん……っ」
その証左に恋人はこちらの意図を正しく汲み取ってくれた。愛しい恋しい本物ちんぽがあるのに、偽物ちんぽでオナニーを続行したあげくイクはしたない恋人として振る舞って、ぢゅぼ、ぢゅぽぉ……っ! とわざと水音を激しく立てる。
「謝るのにオナニーはやめねえんだなあ?」
ぴゅ、ぴゅる、と我慢汁をもらしながらのスクワットは音でごまかしているが、もう腰を下ろしている時間の方が長い。イキたいイキたいと駄々をこねるまんこの熱烈な吸いつきは、偽物ちんぽなぞにはもったいないというのに。
そのむちむちといやらしくぬるつくまんこは、本来なら俺だけが挿入れていい場所だと腹立たしく、イラついてしょうがない。じとりと睨めつければ、びくんと恋人が跳ね上がった。
「ごめ……っ、ごめ、なさぃ……っ」
「なあ、空却。何を謝ってんだ?」
腰から全身へと快感が伝播するのか、しゃくりあげるのに似た仕草で跳ねては弛緩し、また強張る。まんこがちゅぽちゅぽと偽ちんぽにしゃぶりついているが、スクワットは浅く腰を落としたまま動いていない。
もう間も無く絶頂する恋人は、ひ、と短く息をこぼすとぐりゅりゅ、と腰を回しはじめた。浅瀬で一番感じやすいしこりを擦り潰してイクためだろう。
「あ、はぁ……っ、いく、からぁ……っ、せ、そ、いく……っ、から……っ♡」
「俺の前で、俺以外のちんぽで?」
ぬ、ちゅぅ! ぬちゅ! ちゅ! ちゅ! ちゅ!……偽ちんぽのさきっぽが気持ちよくハマるところを見つけたらしい。間近に迫った絶頂へラストスパートをかける鍛えられた身体は、ぴん、と勃ち上がったちんこに合わせるように力んでいた。
恋人は小作りに見えても立派な男の肉体をしている。均整がとれ、たくましくすらある身体の胸元や尻にうっすらと媚肉がついているのも、それがぶる……とゆすぶれるほどはしたなく育っているのも、全ては俺が抱いてきたからだ。
「ごめ、ん、ぅ……っ♡ ごめ、しゃぃ……っ♡ せ、そぉ……っ、ぃく……っ♡ ひとゃ、ぃがいのぉ……♡ ちんぽで……っ♡♡ ぃくっ♡ ぃくぅ……っ♡♡♡」
偽ちんぽでの不貞を謝罪しながら恋人はイッた。
のけ反り、ぴゅるる……っ♡ とおもらしのような射精をゴムへと放つ。へこへこと射精し足りないと言いたげに腰を揺さぶるものの、ちょろちょろとしか埋まっていない汁だまりにはまだ余裕がありそうだ。
感心したのは絶頂しても抜け落ちない腰で、射精しても偽ちんぽを咥えたまま動かない。ちゅ♡ ちゅぱぁ……♡ とはしたないおしゃぶりが聞こえるあたり、まんこが締めつけすぎて奥へ行けないだけだろうか。
大きく開いた口での不貞絶頂宣言を恥じるように、固く閉じた目の端には涙の跡が切れ切れについている。寄りすぎていた眉間のシワはようやくほどけてきていた。
「……浮気ちんぽでイクの、ヨカったか?」
「ょく、なぃ……♡♡」
「まだ偽ちんぽおしゃぶりしてるくせになあ?」
「だ、てぇ……♡ ぉく、い、てない……♡ せ、そぉ……♡ ひとゃのちんぽ……♡♡ ぉく♡ ぐりぐり、びゅ〜っ♡ ……って、されね、と……♡ いけなぃ……♡♡」
そう、上手におねだりをして、どろどろにとけた目線を、つぃ、と俺のちんぽに流される。
一回イッてあたたまったまんこはちょうどいい具合だろう。スムーズな入り口から進むほどキツくなるのを想像すると思わず喉が鳴った。
「嫌ってほどイカせてやるから、その玩具捨てな」
物欲しげな金色はちんぽを見つめたまま良い子に頷き、まだちゅぽちゅぽ♡ としゃぶっていた偽ちんぽをひり出すと、よたよたとベッドの下に蹴り落とす。休憩とばかりに大股開きにへたり込むも、すぐにブリッジするように腰を上げた。
「ひとゃ、はやく……っ♡」
くぱぁ……♡ と開かれたまんこはイッた直後の余韻でひくひく♡ とわななき、愛液のように仕込んだローションをしたたらせる。一度は萎えたちんこもぷるんっ♡ と勃起し直し、きんたまもきゅ♡ と張り詰めていた。
しかしすっきりするためのオナニーなのに余計にちんぽが欲しくなるのはかわいそうかも知れない——ベッドの上、ちんぽを待ち焦がれ、切なげに悶える恋人とまんこに申し訳なさが募る。
奥まで抉れるディルドを買ってやるべきか、はたまた短い逢瀬でも出来るだけまんこをかわいがってやるべきか。どちらも悩ましいが、後で本人に選ばせよう。
俺ももう、限界だ。
2025/1/11
BACK
作文TOP/総合TOP