狂騒ラビットホール+EX
金を積まれたらなんでもやる天国獄の顧客にいわゆるグレーゾーンは山ほどいる。ホワイトもブラックもどっこいにいるが、それは今は問題ではない。
目下の問題はそのスレスレキワキワに属するお得意様から『この子、天国先生のお友達じゃないですか?』と連絡がきたことなのだ。
なんでも我らがリーダーは、スカウトが強引に声をかけていたのを見かねてボコボコにし、これじゃあキャストが足りないだケガをしたから慰謝料だなんだと揉めに揉めた結果、じゃあそこでバイトしてやるよ、と啖呵をきったそうでー
どうしてそうなる。そういえば東都でもなんかやらかしたとか言っていたような。ああ、クソ、頭と胃がまとめて痛む。
『スカウトの子はね、そろそろちょっと注意しようと思ってたから全治一ヶ月はちょうどいいかな。さすが先生のご友人だ、素晴らしい腕をお持ちです』
『私がすぐ話を聞けたらよかったんですがね、本当あの子、やらかすから。つい後回しにしてしまって』
『やっと話聞いたら今日のイベントの穴埋め捕まえました、とか。報連相って知らないのかなあ?前後もめちゃくちゃで。全く困ります』
『愚痴っぽくなってすみませんね、本題です。見覚えあるなって思ったんですよ、綺麗な子だから。どこで見たんだろうなぁって考えてたら、その子。そう、先生のチームのリーダーの波羅夷様。身分証明書って言って先生の名刺出してたんですよ』
『それでいっきに繋がりまして。ええ。うちの店、十八歳以上でも未成年の子はちょっと、ね。先生にとっても大事なご友人でしょうし。すぐ車をやります。ええ。いえ、お気になさらず』
『私としては問題のある子に灸がすえられましたのでむしろお礼を。いえそんな。これからもどうぞよろしくお願いいたします。ええ』
『ただ申し訳ありません、本日イベントでして……。バックも大変混み合っておりまして……ええ。VIPルームを開けておきますので、はい、ええ。よろしければそちらをご利用下さい。ではまた』
録音した通話は、悲鳴じみた謝罪と歯医者で聞くような金属音、そして先ほどまで穏やかな声で話していた相手と同じとは思えない低い声での罵声で終わる。
わざと流されたそれは落とし前はつけますよ、というポーズだ。嫌なものを聞かされたし、少なからず恩を売られた。
イライラして車の中で煙草がすすんでしかたないが、なによりもイラついたのは空却にだ。
電話が切れた後に『イベント用に着替えてもらっています。見落とされてはことなので写真をお送りします。お手持ち品はVIPルームに置いてあります』と写真付きメッセージが送られてきて、開いた瞬間に煙草を一本無駄にした。
赤い髪に合わせた、真っ赤な耳と尻尾のバニーボーイ。ふわふわとした耳などとは違う、赤く艶めく光沢のある生地でできた燕尾服は肩から先、下は足の付け根から先がばっさりとない。手先と足先を彩る飾り袖とハイヒールもまた赤く、白い肌を際立たせる。露出したしなやかな四肢が衣装のせいでほんのり桃色がかって見え、媚びのない金色の瞳がかえって征服欲をそそる。それはもう極上の兎がそこにいた。
コンセプトはバニーの日にちなんだ兎狩り。クラブ全体を使ったキャストと会員の新たな出会いを生む企画。兎の同意を得られなければ狩りは成立しません、と言われたが、何があるかわからない。欲目贔屓目と嘲笑われてもいい。自分なら、どんな手を使ってでもこの兎を手に入れる。
外見と中身がまるで釣り合わない、無鉄砲なクソガキめ。こっちもこっちで灸をすえなくてはならない。
そこそこに乱暴な、けれどもおそらく最短最速で輸送され、運転手にお帰りの際にまたお声掛け下さい、とおろされる。
クラブの裏口にむかうと、先生お待ちしておりました、と何度か会ったことのある秘書に頭を下げられた。オーナーは諸用がありまして……と言外にまだ馬鹿をしばいている、と伝えられる。どうやらだいぶやらかしていたらしい。
ご友人に何かあっては、とさりげなく黒服がガードや誘導をしているらしいのだが、魅力的な反面、迫力がありすぎる、と遠巻きにされているそうだ。たしかにガラは悪いから仕方ない。そこに救われてもいるわけだが。
通話していても思ったが、お着替えやお話もあるでしょうし、VIPルームでゆっくりなさって下さい、というのはどこまで把握されているのか。別段徹底して隠してもいない関係は知られていても不思議ではない。
少なくとも、このクラブのVIPルームは全面マジックミラー貼りで、ゴムやローションのアダルトグッズはもちろん、簡易のシャワールームまであるのはたしかだ。
はっきり言って週頭から馬鹿騒ぎに巻き込まれてイライラしている。どんな意図があろうと知ったことか。場合によっては遠慮なく活用させてもらう。
たまに接待もされるクラブは言われていたとおりいつもと様子が違って、こんなに会員がいるのか、と驚かされた。コンセプトは伝えられているから、会員同士の繋がりを求めない人間や、詮索嫌いは参加していないだろう。
どこかで見た芸能人やら著名人やらが堂々と兎を何羽も侍らせているのに、既婚者じゃなかったか?などと思ったが興味はない。炎上したら客になるかもしれないな、ていどの認識だ。
それにしても人も兎も多い。中には自ら兎の扮装をしている者もいたが、おかたいのが売りの学者だかがぴょんぴょんと裏声を出しながら、年若いキャストを追いかけていた。
ゾッとしつつ、VIPルームの方へ誘導します、と言われたから近くで待っているが、てんで見当たらない。カンも察しもいいから誘導されている、と思ったら反対に行きかねない。
しかしまだフロアに着いて数分なのに、一時間以上前からのイラつきがたまって、チッ、と舌打ちをしてしまう。兎を侍らすブースに入るまでは喫煙不可というのにも余計にイライラが募る。クソ、クソ、あのバカガキ。泣いて謝っても絶対に許してやらん。
あまりにも露骨に態度に出ているからか、周りから人が減ったがちょうどいい。バカな兎をとっつかまえたときに巻き込んだり、なんて面倒は避けたいのだ。
なんともなしに時計を見るとちょうど二十二時。未だ見つからない大たわけは、家に連絡など……しているわけもないだろう。ああ、捕まえたら連絡もさせよう。苦労性の住職は急に出奔する子供には慣れているだろうが、心配しないわけもない。
ため息のタネが増えて、チィ、と数度目の舌打ちをしたとき、ざわ、と空気が揺れた。視線の先は見ていない、が、見るまでもない。赤い兎ー空却だ。
写真でわかってはいたが、実物は比ではない。派手で目を引く、迫力ある外見のせい以上に声をかけにくいのは、場にそぐわない清廉さ、幼さがあるからで、そのくせ妖しく誘う色気を垂れ流す。ちぐはぐにもアンバランスにもなりそうなものが奇跡的にまとまって、触れ難く見せていた。
だがこちとら、そんなものはとっくに見慣れている。なんなら色気に関して仕込んだのは自分だ。こんなに無防備に垂れ流すなとは今度教えることにする。
誰もが遠巻きに眺めるばかりの兎の腰を横から掴むと、ぎょっとしながらこちらを向き、その目がぱちくり、と瞬いた。すぐに、ひ、の形に口が動いたのを、音になる前にハンカチを押しこんで黙らせる。
VIPルームのドアを閉める刹那、ザワザワと何人かが黒服に食ってかかっていたが、オーナーのお知り合いです、と言われたら諦めたのか引き下がっていく。少し離れた場所から声をかけようとしている男がいたが、見せつけるようにかっさらってやった。どちらにしろ、兎が了承しなければ話すこともはべらせることもできない。ましてVIPルームに連れ込むなんて。
ばたん、と音を立てて閉まったドアの中。恋人と二人きり。中は意外と静かで、薄暗い。この部屋で行われること、マジックミラーの特性を考えたら、うるさくも明るくもならないだろう。
部屋の真ん中に据えられたソファはほとんどベッドと同じ大きさで、肘掛けや継ぎ目もほとんどない。ソファの体裁をとった巨大なマットレスと言うべきか。
両側の壁にはシンプルなチェストが並び、奥の方に別室への扉ーシャワールームやクローゼットがあるーが見える。一度だけ案内されて、使う機会などないと思っていた悪趣味な部屋にいる、それも恋人と。こんな日が来るなんて当時の自分は思ってもいなかっただろう。
部屋をぐるりと見回して、恋人を道連れにソファになだれ込む。もごもごと文句を言っていた兎は、壁一面がフロアを映しているのに気づいてぎょっとしたものの、すぐに合点がいったのか、ペッ、とハンカチを吐き出した。
「おせえよ銭ゲバ弁護士」
「……仕事終わりに馬鹿を保護したって連絡がきて、しぶしぶ迎えにきてやったってのにその言い草はなんだ?」
「泣いて嫌がる女をむりやり裏路地に引きずりこもうとしてたクズを放置しろってか」
「そうは言ってねえ」
強引な声かけと聞いていたが、スカウトの皮をかぶったナンパ、あるいは……やめよう、仕事になったらオーナーから話がくるだろう。空却が止めた以外も未遂であることを祈るしかない。
悪いことはしてねえ、とぶすくれているが、運がよいのだとわかってはくれない。喧嘩に負けるとは思わないが、もしも相手が女を人質にとったりなんてしたら、簡単に抵抗をやめるのが嫌でもわかる。
『もしも』を想定したらオーナーから連絡がきたことだって幸運なのだ。件のスカウトまがいに有用性があれば、立場は逆だったかもしれない。ともかく、
「心配したんだよ……」
勝手にどっかに行って、だれかと何かして、それがダチだの家族だのならいい。そうではないから頭も胃も痛ませて、迎えにきた。もうすぐ法的にも大人になるのだから、頼むから大人しくしてほしい。
「……悪かったよ……あと、迎えにきてくれて助かった。ありがとな」
想像以上に弱々しい声が出てしまったせいか、殊勝なこたえが帰ってきた。少しは反省したのか、恋人なりに不安でもあったのか、心なしか頭についた兎の耳もへにゃりとして見える。
言われていたとおり、空却の荷物や私服は一式、まとめてソファの影に隠れたサイドテーブルに置いてあった。ご丁寧に"変なこと"はしてませんよ、というメッセージカードもつけて。実際問題、キャストでも顧客でもよっぽどのメリットがなければ"変なこと"などしない。恩を売った方がいい、と判断された時点でされていないだろう。
とりあえず親父さんに連絡しな、と言うと、ウエ、と苦い顔をしながらも電話をかけていた。すぐに怒号が飛び交い出したのに、そりゃそうだろう、と何度目かのため息がもれる。
ぎゃんぎゃんと続く親子喧嘩は、経験上とうぶん終わらない。メールチェックでもするかと思ったが、立ったと思ったら座り、座ったと思ったら立ち、目の前に相手がいるかのように通話する姿が面白くて、気づいたら眺めてしまっていた。
それも数分もすればうるさいし飽きてきて室内を物色していたが、今度は耳と尻尾が気になりだした。燕尾服の狭間から覗く、フワフワとゆれる赤い尻尾。作り物なのはわかっているのだが、もしかして、本当に動いているのではないか。
激しく怒鳴っているとき、耳も尻尾もピン、と立ち上がり、落ち着くと戻っていた。見間違いか、そういうイメージを重ねているだけとも考えて、細かく観察していったが、見れば見るほど感情に合わせてピクピク、と動いているのがわかる。
なるほど兎狩り。キャストにも顧客にも説明はされていないが、耳や尻尾は脳波か動作かと連動しているのだろう。完全に兎の感情表現を模しているわけではなく、多少イメージが優先されているとは思うが。ギミックに気づいたら楽しいのか、はたまた傷つくのか。
それにしても長電話だ。VIPルームのソファの座り心地がよくてよかった。恋人は、まだまだ元気に叫んでいる。ソファに座ったままこちらに背を向けて、ぎゃんぎゃんと言い合いながら耳も尻尾もばたばたさせて。
ふと、いたずら心がわいて、尻尾ごと尻をぐ、と掴んだ。無事にとっ捕まえて安心したものの、週頭の夜からバタバタさせられ、いらん恩は売られ、恋人はこっちの気も知らずにすけべな衣装を着てすけべな目で見られているのだ。思い出したらイライラしてきた。
ふわふわむにむにと異なるやわさの感触に妙にハマって、一心不乱にふわふわむにむにぐにぐにぺちぺちと揉みしだく。だんだん恋人の声が小さくなっているとは思ったが、気にせずふわふわぷにぷにもちもちと弄び続けた。
「っや、めろ!」
「お、電話はいいのか?」
「ラチがあかねえし、どっかの誰かがしつこくケツさわっから切った」
「そりゃお疲れ様」
「……お前だわ!!」
いい加減にしろ!と振り払おうとするのを、もう片手でも尻を掴んで押さえる。逃がさないようにぐに、と強く掴んだからか、小さく呻いてへたりこんだ。
燕尾服の裾を巻き込まぬよう、左右両方の尻たぶをそれぞれに掴んで、むにむにぐにぐにと揉むと、背がびくびくと反って、尻尾もピィン、と立っている。ボディラインが出る、ぴったりとしたショートパンツの生地はやわらかく、尻の感触を楽しむのを邪魔しない。
「……ちょっと待て」
「んだよ……」
「今、なに履いてる」
「あ?見りゃわかる……って……ああ、服といっしょに渡された、Tバック」
普通のだと下着の線が出てダサいって言われたから、ではない。そりゃそうだ。当たり前だ。こんなVIPルームがある店だ。ああ頭も胃も股間も痛い。
「い、や、だ!」
「イヤだ、じゃねえ!」
イライラが頂点に達して、ショートパンツをひん剥こうとしたら抵抗された。
こんなとこで何すんだ、と睨みつけられたが、じゃあお前はここが何のどういう店なのかわかっていて『バイトする』なんて言ったのか?俺の名刺を出して、たまたま運良く知り合いで、たまたま運良く連絡がきて、それだけだ。
もっといかがわしい店だったら、もっと危険な相手だったら、そんなこと考えもしないし、よしんば酷い目にあってもそういうこともあるだろう、なんてしてしまうのだ。有象無象が何をしても自分の瑕疵にならないとわかっているから。馬鹿な子供だ。お前を辱める行為を我がことのように痛む人間がいるのに。
「……少しでも俺に悪いと思うならケツ出しな」
「サイッテーだな助平親父」
悪いとは思うがケツは出さん、とソファの上で小さくまるまった兎が威嚇する。尻を守るように両手を前について距離をとり、耳が、おそらく見えない尻尾も警戒心をあらわにピィンと立っていた。
「一応聞いとくが、ケツ出したら何するつもりだよ」
「そりゃお前、俺が来なかったらこういうことされてましたって教えてやるんだよ」
服の上から触るなんて挨拶代わりにされる品定めで、さっきみたいな反応をしようものなら、どれだけいやらしく仕込まれたか嬉々として暴き立てられるに決まっている。
フロアをざわめかせたとき、端正な顔の真ん中でひときわ目を引く黄金を、屈することのない強い意志で輝く瞳を、色と欲で犯したいと思う者が何人いたか。今の反抗的な態度だって、そういう輩の嗜虐心と征服欲を煽ってそそるだけだ。
空却に不埒な目を向ける輩を厭うのは恋人としての独占欲と、少しの同族嫌悪だ。わかってしまう。何ものにも縛られない生き物を、自分のものにしたい。そのほのぐらい欲望を。嫌というほど理解してしまう。
軽く揉みしだいただけで感じるやわい尻を、直に指で、手のひらで味わいたい。滑らかな肌触りを、もちもちとした感触を、掴んだ手が沈む肉感を堪能したい。そうして、敏感な尻たぶのあわいではしたなくひくつく肉縁を、泣いて乞うても焦らして、苛めて、可愛がってやりたい。
「やっぱサイッテーの助平親父じゃねえか」
絶ッ対出さねえからな、とますます毛を逆立てて威嚇する。が、
「……つまり、自分がどういう輩に、どういう目で見られて、どういうことをされるか、わかった上でのこのこついて行って、馬鹿正直にやらしい衣装を着て、店の中ぶらぶら歩いて助平親父共にセックスアピールしてたってことでいいんだな?」
自分でも驚くほど低い、それこそ地獄の底から這い出たような声が出た。怒りすぎて逆に冷静になったというべきなのか、先ほどまでイラついて煮えたぎっていた頭がすっかり冷えている。
驚いたのは自分だけではない。目の前の兎が、ビク、と耳をへたらせて、身を退いていた。いつでも逃げられるように、と腰を浮かせ、こちらから視線を外さない。
「……マジでやらしい目で見られると思ってなかったんだよ」
強引に女に声をかけていたから、よくて雑用、悪くてリンチだと思っていた。ところが蓋を開けば老若男女問わずの会員制クラブ。物好きがいるかもしれないが、キャストは自分と同じか少し上くらいの女性が多かったから賑やかしか嫌がらせだと思っていた。しかしここでも目論みは外れ、声をかけてくる者はいないものの、じろじろと、ねっとりと、目で犯すように頭のてっぺんから爪先までを見つめられた。それも何十と。さすがに嫌な汗と鳥肌が出始めたとき、獄にVIPルームに引きずり込まれたのだ。
「だから別に助平じじいを誘ったりなんかしてねえ」
「こんなとこにそんな服着ている時点で"そんなつもりはなかった"は通らねえよ」
珍しく気圧されている恋人が、苦しい弁解をしてできた隙。それを見逃すようで無敗の看板は掲げられない。ハッとして身構えようとした動きを利用して、飾り袖ごと手首をまとめて拘束した。かちん、と軽い金属音がして、鍵がかかる。電話をしているのを待つ間、部屋を漁ってみつけたアダルトグッズ。その中の一つだったが、なかなか悪くない。
「んだよこれっ」
「逃げようとしてたろ」
凶暴な恋人ががちゃがちゃとひっぱるが、つけた手錠はリアリティを追求されているのか妙に重い。そこらで売っているジョークグッズとは違って、簡単に壊すことはできないはずだ。
「手でいいのかよ?」
足が自由なら逃げられる、と言いたげに笑う顔は、打開の策を練っている。ご丁寧にハイヒールを脱ぎ捨てるところまで見せつけて。荒事に慣れた悪ガキに考える暇を与えてはいけない。
「いいんだよ。これからずぅっと、足開きっぱなしになんだから」
正直、本気で抵抗されたら敵わない。恐ろしく高い身体能力も、やると決めたらやる精神も。両手がふさがったていどで波羅夷空却という人間は折れず、曲がらず、屈さない。
だから思いきりの笑顔でそう返してやった。こちらも折れるつもりはなく、お前が思う以上に怒っているのだと。
悪いとは思っている、と言っていたからか、ヤケクソなのか、存外従順にわかったよ、と抵抗をやめた。腹が決まれば話が早い子供は、本当に反省しているのか聞きたくなるほどふてぶてしく、で、なにすりゃいいんだよ、なんて軽々しく聞いてくる。
さすがに尻の準備はしてないだろうと、嫌がらせ半分、普段させて貰えないの半分で、あらためて用意するからケツを出せ、と言ったのだが。
「……キレんなよ?」
「安心しな、もうキレっぱなしだ」
なんで尻の準備までしてあるのか。こんな店で、こんな服で、もしかしなくともしろと言われたのか。だとしたら絶対に許せない。無防備どころではない恋人も、この店も。
「言っとくけど、ここでやらされたんじゃねえからな!」
「じゃあどうしてだ?ケツオナしたあとふらふら出歩いたってか?」
今日は会う予定はなかったから、尻をいじる理由が自慰くないしか浮かばない。だがそんなわけないだろう。準備だけならともかく、こいつが尻でイッた後の消耗ぶりで外に出られるわけがない。毎度毎度、生まれたての動物みたいにぷるぷるして、そのくせ目だけは挑戦的で。ああクソ、恋人のどんな姿を思い出しても、それが赤の他人の助平親父に見られていたかもしれないと思うと腸が煮えくりかえる。
「……そうだよ」
「……は?」
「そうだって言ってんだろ!!」
真っ赤な顔はあからさまな羞恥に染まり、耳も怒りか恥じらいか小刻みに揺れている。思わず凝視するのから逃れるように目をそらし、手錠をかちかちとすり合わせた。
「拙僧だってオナニーくらいするんだよ!」
「そうじゃねえ!」
まさか尻を使ってると思わなかった、と言ったら嘘になるが、どういうことだ。尻で、オナニー……自慰をして、おそらくイッて、それで、
「なんで……外出たんだよ」
「はぁ?!」
がちゃん!と手錠が大きく鳴って、恋人が胸元に落ちてきた。飛びかかろうとして失敗したのだと気づいて、身体を持ち上げる。剥き出しの肩が熱く、より赤く染まった顔を隠すように耳が垂れ、ボソ、とつぶやかれた。
「そんなん、獄に会うためしかねーだろ……」
一人では鎮めきれない熱を、どうにかしたくて、してほしくて、連絡もせずに飛び出して。そうしたら、なんの巡り合わせか二人揃ってこんなとこにいるのだ、と語る目は、隠しきれない欲望で艶めいた。
「……この発情エロ坊主……ッ」
本当に、本当に自分が来なかったらどうするつもりだったのか。わかっている。こいつは馬鹿で、むちゃくちゃで、それでなんとかなるほどに強い。心も身体も、簡単に傷がついたりしない。そんなことは知っている。けれどわかっているから、知っているからで野放しにできることではない。
「ごめん、拙僧が全部悪い」
謝りながら、ちゅ、ちゅ、と首筋に触れるだけのくちづけをされる。変わらず垂れたままの耳の隙間からは、赤い額や頬が覗くが、表情そのものは申し訳なさそうな、殊勝なものだった。
ようやくわかったかとくちづけをする頭を撫でていたが、見えなくなっていた尻尾が気になって、尻へと手を回す。ひと撫ですると、ふわふわの尻尾はすぐにピィン、と立ち上がる。もう一度異なる感触を味わいたくて、尻ごとまとめて揉みくちゃにする。
「ん……っ」
「坊主って言ったけど、今は兎だったな」
頭と尻、両方のふわふわを撫でると、身体がぴくぴくと跳ね出した。たかぶったまま放り出されて、ちょっと撫でられただけで甘く鳴く。いやらしい、兎。
「……ひどくしていいぜ」
だって拙僧が悪いから、とこちらを見上げた目は、悲壮な覚悟をたたえる健気さに、淫靡な期待が少しだけ隠れていた。
最低限の準備はしてあっても、時間が経っているだろう、とショートパンツを脱がせ、Tバックは履いたままソファの上で足を開かせた。縛られた両腕は胸にすがるように寄せられている。
ゆるく勃起したちんこが細いクロッチを押し上げ、少しだけ先端がしめっていた。尻を揉まれて感じたのか、それとももっと別のときか。どちらにしろ発情してちんぽが欲しくて慰めて、それでも足りなくて夜に出かけるような助平な兎だ。
後ろの穴はもっとひどい。Tの縦ラインはしっとりとしめるどころか、肉縁にちゅ、ちゅ、と吸われて濡れている。へろりとした生地を引っ張ると、ひ、と息を飲んだ。
縦に割れふっくらとした肉縁は、しゃぶっていたものを奪われたからかひくついてとまらない。ローションをまとわせた指でナカを開き、奥がぐっしょりとするまで注ぎ足し、かき回す。ぷちゅ、ぷ、ちゅう、ぶぶ、じゅぷ、とねばついた水音がするたびに口を押さえ、ふ、ふぅ、とこらえる吐息だけが響く。
あえて声を出せ、とは言わないが、静かな空間にねちねちと卑猥な音だけがするのはそれだけで羞恥心を煽るのだろう。恥じらうように耳まで赤くして、かわいらしいちんこが先走りをおもらししていた。亀頭の形がわかるほど、びしょびしょにして。
こんなやらしい、はしたない身体を、下品で下衆な変態共に見られていたらなんと詰られ、辱められていたことか。けして普段なら絶対に言うことのない言葉が、怒りのせいか、するりと口から出てしまっていた。
「……っちんぽほしがって……このすけべまんこ……!」
「ふ、ぁ……っ♡ゃっあぁ……♡♡」
指三本でぐちゃぐちゃとかき回していたナカは、すっかり熟れて熱く、わずかにふっくらとしたところをやわくはじいていじめれば、きゅうきゅんと締めつけて甘く達する。
ぴゅ、ぴゅ、とちんこも白濁まじりの淫液をもらしていたが、勃起はおさまっていない。ナカだけで、まんこだけでイッたのだ。
「手マンでこんなびしょびしょにして……ちんぽ挿入ったらどうなんだ?」
「ぁ、ふぁ……♡そ、こ、まん、じゃない……っ♡せっそう……ま、んこ、なぃ……っ♡♡」
はぁ、はぁ、と荒く息を吐きながら、まんこじゃない、と首をふるが、肝心のまんこはまだきゅんきゅんと指を咥えこんで離さない。こんな美味そうにおしゃぶりするすけべな肉穴がまんこでないなんて、そんなおかしな話はない。
「……指だのちんぽだのにかき回されて気持ちいい〜♡ってなるのはな、もうケツの穴じゃねえんだよ」
「や、だ……ぁっ♡」
ぬろ、と指を抜くと、喘ぎながら引き留められる。やっぱりまんこではないか。アナルだったら出ていくのを喜べど、引き留めなどしない。もしくはまんこではない、という意味の"やだ"だったのか。引き抜いた瞬間、ぷし、とちんこーいやもうクリトリスかーがおもらしをしたから、気持ちよかったのは間違いない。
「さっきな、お前が電話してるときにいいもん見つけたんだよ」
「い、もん……?」
「そ、ちんぽだ〜い好き♡な、おまんこうさぎちゃんにぴったりの玩具だよ」
「だ、から……まんこねぇって……!」
「……今、俺が言ってんのはな、お前が助平な変態クソじじい共に手籠にされてたら言われてたことだよ」
大事に大切に抱いて拓いた身体を、どれだけ肌を合わせても、壊れ物のように扱ってきた。ただ愛しくて、恋しくて生まれたどうしようもない欲と火照りを、受け入れてくれると言った心ごと。本来抱かれるように出来ていない身体を、許して委ねてくれた心ごと。大事に、大切にしてきたのだ。自分に愛されて、自分を愛してくれて変わった身体を、淫らに辱めるようなことを言いたくなかった。
「気づいてなかっただろうけどな、お前くらいの歳の男のキャストを何人も侍らせたじじい達が言ってたんだよ。"初顔の赤毛の兎ちゃんのおまんこ、みんなでいただきませんか"ってなあ……」
「な……っ!……そんなの……しらねえ……っ」
見える場所を全て真っ赤にして、耳をぺしょりと垂らしながら、金色をゆらして睨みつける。羞恥と動揺とわずかな怒りで歪んだ顔でぎゅう、と胸の前で両手を握る姿は痛ましくて、抱きしめて慰めて甘やかしてやりたくなる。
同時にもっともっと苛めて、詰って、泣かせて、手酷く犯してしまいたい。下品に鼻の下を伸ばしたじじい共が、しようとしたみたいに。
「二度と今日みたいなたわけたことしようと思えないくらい、ひどくしてやる。嫌だって言っても、泣いても、謝っても。絶対にだ。……手始めに尻尾つけ直してやるよ、おまんこうさぎちゃん」
「……っ」
きっ、と睨みつけながらも何も言わなかったのは、後ろめたさと意地かもしれない。そんな目、しない方がいいのに。思いながらも言えないまま、ぞくりと背中がふるえた。
何個も球が連なったものの一番外側にふわふわの尻尾がついた性具は、さほど大きくなかったのもあってか、ぷちゅちゅ、と簡単に根本まで飲み込まれた。
指でもいじめたところをごりごりとえぐると、や♡ゃぁ……っ♡と首を横にふったが、飢えたまんこはきゅうきゅう♡と素直に玩具を貪る。
「何がや♡だよ。玩具ちんぽ、美味そうに咥え込んで」
「〜〜〜っ♡う、ぁ……♡ゃ、あ……♡」
ぐちぐちとかき回し、じゅぽじゅぽと出入しながら、赤い耳に下品で卑猥な言葉を流し込む。
「またまんこイキしたろ……びんびんにしたまんまのクリからおもらしすっからすぅぐわかる」
「まん、も……くりもねぇって……ぇ……っ♡」
「玩具ちんぽでイキまくってまんこじゃない、はとおらねえよ」
拓かれつくした身体は快楽に弱い。蔑むような言葉にすら反応して、いやだ違うと言いながら感じているのを隠せもしない。
ぱちん、とふわふわの毛に覆われた電源を入れると、ぶぅん……と玩具がふるえだす。ちんぽの小刻みの振動と別に、尻尾はぶんぶんと大きくゆれた。
「ゃっ♡あっ♡おもちゃちんぽ……っぶるぶるし、てぇ……っ?!」
「ほら尻尾ふって喜んでるじゃねえか……おまんこぶるぶるきもちいい♡もっとおまんこぶるぶるして♡って」
「してらい……っ♡♡うれしくにゃい……ぃっ♡♡」
どんなに口で否定しても、はしたなく動く尻尾と玩具ちんぽに媚びるおまんこで、全然そうは見えない。
「うそつけ。でっけぇすけべなクリトリス、嬉ションしまくって腰ふってシコってるじゃねえか。おまんこみたいに玩具でぶるぶる〜♡ってされたいんだろ?……素直に言いな」
「ん、なこと、ない……っ♡♡♡あっ♡あっ♡やぁっ……♡♡」
「ああ、おまんこイキしたかったんだな?悪い悪い」
「ゃ、あ……っ♡ちあ、う……♡まんこ、ゃぁ……っ♡♡」
否定するほど、嫌がるほど、相反するように身体は淫らに拓いていく。
浴びせられるいじわるな言葉はある一面では真実で、逆らいきれない心が犯されてしまう。
「まんこイヤ?やっぱクリをぶるぶる〜♡ってされたいんじゃねえか」
「ちぁうっ♡まんこじゃ、ないぃ……っ♡♡」
「だーからクリがいいんだろ?まんこの玩具抜かないから、両方で気持ちよ〜くなりな」
「ゃあ……っ♡ちぁ、ちあう……っ♡♡くり、ま、ちぁっ♡♡あっ♡♡あぁンッ♡♡」
舌足らずに違う、違う、と言い続ける本当の意味なんてわかっている。この期に及んでまだまんこでもクリトリスでもない、と言っているのだ。気持ちいいのは否定しないで。
いよいよ細い下着からはみ出したクリトリスは、皮が剥けてぷりんとはしたなく頭を出している。おもらししっぱなしでびちょびちょの尖りに、さらにローションをぶちまけてちゅこちゅことしごきあげた。
「や♡ちんこぉ……っ♡♡しこしこすんな……ぁ♡」
「こら、ちんこじゃなくてクリトリスだろ?」
「ちが、う……♡ちんこ……っ♡♡」
「……お前がやぁらしいおまんこうさぎちゃんだから、ここもクリトリスなんだよ……すーぐおまんこ気持ちいい〜っておもらしして、ただでさえでっかいクリ、ちんぽみたいにしこしこすっから……はずかしいズルむけデカクリちゃんになったんだよ……♡」
ローションと淫汁でコーティングされたクリトリスは、絶えずとぷとぷとおもらしを続け、下着も玩具ちんぽを咥えたおまんこも濡らしている。これなら大丈夫だろう、と部屋で見つけた電動オナホをかぶせてやった。充電バッチリ、未使用のものを。はじめは異常と言ってもいい量の性玩具に辟易したが、今となっては御同類。変態共を責められない。
「くり、じゃねぇ……っん♡♡あっン♡や♡やぁ……っ♡♡や♡やぁ♡やぁ……っ♡♡♡」
中がぶにゅりとやわらかい、メタリックな筒が何をするものか、わからないわけもなく、けれど抵抗もできない兎を尻目に電源を入れる。
すぐにみちゅみちゅじゅぽじゅぽと狂いも乱れもないリズムでクリトリスがしごかれだした。
「サイズだけならちんぽとおんなじだもんなぁ。だからクリ用の玩具じゃなくて、ちんぽ用だぜ?」
「ふぁ……っ♡やっ♡しらにゃ♡こんら、の……ぉ♡♡」
まだいくらも経っていないのに、半ベソで腰をへこへことふっている。触らなくとも絶頂し続け、終わりの頃には勃起も出来ずにおもらしをしている場所だ。触られる方が辛い、と泣いて嫌がられたこともある。研ぎ澄まされたまま、拓かれていない性感帯を、乱暴に犯しているのだ。
「ああ、ちんぽサイズだけどクリちゃんだもんなあ……おまんこずぼずぼされても、したことないもんなぁ?」
「ゃ、あぁ〜♡あっ♡♡す、ちゃや、あ♡すりすりって♡ぶるぶるもっ♡♡やぁ♡や♡やぁ……っ♡♡いく♡いくぅ……っ♡♡♡♡♡」
かわいいかわいい兎は、おまんこでイッてもおまんこをイかせたことはない。クリトリスはおまんこでイッたときに一緒にイクもので、おまんこをイかせたりおまんこでイクものではないのだ。
ましてや自分でしこしこする玩具おまんこすら知らないクリトリスに、電動で搾りとる玩具おまんこなんて強烈すぎる。
まんことクリ。貪欲で敏感な淫部を見せつけるように弱々しくそり返ると、びくびくんっ♡と同時に絶頂した。
「いっぱい出たじゃねえか……なあ、玩具おまんこよかったか?……ちんぽだったときはしなかったおまんこずぼずぼ……♡デカクリちゃんになってからするの、どうだった……?」
電動玩具おまんこをはずすと、ぬぽ……という音と共に白濁まじりの淫汁が滴り落ちた。へにゃりと力をなくしたクリトリスが、ぴくん、ぴくん、と余韻にふるえ、その下でおまんこもきゅんきゅん♡きゅうきゅう♡と玩具ちんぽを食いしめている。
兎といえば、猥雑な詰りが聞こえているのかいないのか、ひ♡ふぁ♡と喘ぐばかりで、金色もどろんととけて、焦点が合わない。
「おい、空却……」
「……ん♡あ♡ひとゃ……ぁ♡」
イキすぎて飛んでいた恋人は、呼びかけると案外早く戻ってきた。さんざんいじめたから、怒るかいやがるかすると思ったのに、いつもより甘えたなくらいだ。
「……せっそぉ……♡おまんこずぼずぼするより……♡おまんこずぼずぼされるほうが、イイ……♡……だから……ひとゃのちんぽがほしい……♡♡」
ん……っ♡♡と息をつめて力むと、ぬ、ぬち……ぶ、ぶ……とおまんこから玩具ちんぽをひり出す。
「あ♡ぅう……♡♡おまんこぶるぶる……♡すりゅ、から……ぁ♡♡」
ぬ、ぬ、と半ばまで出たあたりで、またきゅうぅぅ……♡と玩具ちんぽを食みだした。おまんこの浅いところ、指でもごりごり♡とんとん♡といじめられるのが好きなところに当たったのだろう。ぶんぶんと尻尾をふり、ひり出た部分もブィンブィン、とゆれて、おまんこの縁を刺激する。
「本物ちんぽ挿入れなくても、玩具ちんぽでおまんこイキしてるな……やっぱガキまんこに大人ちんぽは早かったか……」
玩具ちんぽをぎゅうぎゅうと食いしめるおまんこがびくびく♡とふるえて、くったりしていたクリトリスがぷるん、とゆるく勃起した。そうしてイキ続けるおまんこと呼応して、ふくれながらぴゅ、ぴゅる、とおもらしするクリトリスをゆらしながら、もう一度玩具ちんぽを出そうと力をこめる。
「……ゃっ♡あ♡ほんものちんぽ、ほしぃ……♡……ひとゃの……っ♡おとなちんぽ、で……♡こどもまんこ……♡ずぼずぼして……っ♡びゅぅ〜って……♡たね、つけして……っ♡♡……すけべな、おとなおまんこ……♡に……し、て……っ♡♡」
ぶぷ、ぷし、と小さな破裂音と共にガキまんこから飛び出た玩具ちんぽは、粘度のある淫汁にまみれ、ほかほかとしていた。床に転がり落ちてもぶんぶんと尻尾がふられ、まんこを犯そうとブィンブィンと動くのになんとも言えない気持ちになる。
からっぽのおまんこはひくひくといやらしくわなないて、とろとろと玩具ちんぽにからみついていたのと同じ、淫汁をこぼれさせた。
「ふ、ぁ……っ♡♡」
「何してもイッちまうまんこはこれ以上すけべにはなれねえよ」
「じゃ、おとなの、おまんこにして……ぇ♡♡」
「もうさんざん生でずぼずぼ♡びゅぅ〜♡って種付してやってるから、これ以上大人にもなれねえよ」
あまりにいやらしい種付おねだりに多少不安にもなる。これ以上、今以上、淫らになられたらたまったものではない。
「れも、さっきがきまんこってゆった……ぁ♡」
「すけべなまんことクリ……いっぱいエッチしてやらしくなったとこだけ大人になっちまったガキのおまんこってことだよ。……わかるか?こんないかがわしい店でほいほいバイトするとか言う考えなしのガキのくせして、大人ちんぽで種付されなきゃ満足できねえ淫乱おまんこちゃん」
「いん、らん、じゃねぇ……っ♡」
「どうだかなぁ……ズル剥けデカクリで玩具まんこずぼずぼ♡より、ガキまんこを生ちんぽでずぼずぼ♡のがいい♡なんて、すけべおまんこ、そうそういねえよ」
「らってぇ……♡ひとゃのちんぽ……♡でっかくて……あつくて……♡♡かちかち、だからぁ……♡おまんこずぼずぼ♡されると……♡♡すぐ、いっちまぅ……♡」
想像だけでおまんこをきゅぅ♡と締めつけてイク、こんなすけべまんこがごろごろいるものか。オナホールで搾りとられるより、おまんこに種付されたいなんて立派なちんぽ狂いの淫乱だ。
「わかったよ……エロガキおまんこ、種付してすけべなおとなおまんこにしてやるから」
よしんば、おまんこでもクリトリスでもない、種付だってされたくないと泣かれてもきんたまが空っぽになるまで中に射精すつもりだった。そう、されていたかもしれないのだと、叩きつけるために。
しぶしぶの体でこたえると、すぐにぜったい、おまんこ……♡いっぱいなかだししろよ……♡♡と、はしたないおねだりをして頷いた。
燕尾服を模した衣装はボタンを外すと簡単に胸元があらわになって、いつもならぷりん、と勃起した乳首が覗く。ところが今日はピンクのハートのニプレスに隠されて見えない。
「……もう聞くのも嫌なんだが……」
「……わたされたいしょうに、ついてた……♡♡」
「この……っ……お前、ほんと……わかってんだろうな……」
「ちくびも、えっちなこと……すんだろ……?」
「あーーー……ったく……」
一度全てを受け入れて飲み込んだ子供は底無しで、さっきまで嫌だ違うと言ったことまで自分のものにしてしまう。
もうこれから起こる全てに期待しかない。淫靡な欲で妖しくきらめく黄金が涙に濡れても、それは悦びでしかない。
「なぁ、ひとや……♡ひとやがやらしぃめでみるから……♡」
ニプレス、はずれそう……♡と拘束された腕で胸を寄せあげる。ぷく、と小さく盛り上がっていた粒はむくむくとふくれて、はぁ……♡と切なげな息を吐き出すころには乳輪の形もくっきりと浮いていた。
「ちくびと、にぷれす、すれて……♡♡おまんこきゅんって……♡♡」
ぷちゅ、ぷぷ、とちんぽを恋しがるまんこがひくつくと、クリトリスもぷし、とおもらしをする。乳首だけでもおまんこイキするすけべな身体は、このまま放っておいてもひんひんとなきながら達してしまう。
ぎゅ、ぎゅ、と胸を寄せて揺らし、乳首をぷるぷるとふる姿は健気ですらあったが、勃起した尖りにギリギリで貼りついたニプレスが剥がれる刺激でオナニーをしているのだ。すっかり元気になったクリトリスも、ひくひくぱくぱくと疼くおまんこも、全てが充血して淫猥な紅色に濡れている。
「ぁン♡このままらと♡ちくびで♡おまんこいく……っ♡ちんぽでいきたいのに……っ♡♡ちくびすりすりしへ……♡♡おまんこいっく、う……っ♡♡♡」
ぷるぷるしゅりしゅりと擦りつけちくオナを見せつけながら、熟れたおまんこでちんぽをねだられて、どうにもならないわけがない。これまでだって痛いほどだったが、怒りで血が頭の方に上っていたのだ。ようやくちんぽに回るようになって、止まれるわけがない。
「ひとりでイくなよ……こどもまんこにい〜っぱい♡種付されて、おとなのおまんこになるんだろ?」
ジャケットも脱がないまま股間だけくつろげると、ぶるん、とちんぽがまろび出た。我ことながら、貯めに貯めた精子以外の何かも混ざって、びきびきといきりたっているのがよくわかる。
これからエロガキおまんこをかき回して突き倒し、奥の奥までたっぷり種付をする大人ちんぽを目の前に突きつけられた兎といえば、いっそうとろんとして、まんこをきゅぅぅぅ……♡と締めていた。
「ふ、ぁ……でっかい……♡かちかちのおとなおちんぽ……♡♡きんたまも、ずっしりしへる……♡♡な、も、はゃく……っ♡……せっそうの、えっちな、こどもおまんこ……♡♡ひとゃ、せんようの……♡いんらん♡おとなおまんこにして……♡♡」
ほかのちんぽはいやだ、しらないおっさんのも、へんたいじじいのも。そんなのにおまんこといわれるのも、されるのも。ぜんぶ、ひとやだけがいいー淫らな欲にまみれても、黄金色の瞳の奥底の輝きが消えない。享楽の中にあっても自分だけだと乞い願われる。
なんだっていい。愛でも欲でも。絶対にはなしたくないのにどこへでも行ってしまう恋人を、わずかでも引き留める楔になってくれるのなら。
「ひとゃと、いっぱい、えっちなことしたい……♡ひとやなら……♡おまんこ、でも、くり、でも……いいから……♡♡」
ひくひく♡ぷぷ……♡とぽっかり開いたまんこがふるえ、わずかに奥から淫汁がふき出した。びくびくとのたうちながら、あん♡あん♡と、喘ぐ。
「ひとりでイくなって言ったのに……。我慢のきかねえおまんこだな……」
「は、ぁんッ♡がまん、できないおまんこ……っ♡♡ひとやのちんぽで……♡おしおき……♡♡しろ、よ……ぉ♡」
へこへこ腰をふって、ちんぽねだりばかりが上手くなる。はやく、はやく、とまんこもクリも切なげに濡れて、いっそう紅く腫れていた。
「……お前はすっかり忘れてるけどな、ここマジックミラー貼りなんだよ」
「わすれてねえ、よ……♡なんだよ、いまさらみられてる♡みたいなこと、すんの……?」
「実際、さっき言ったじじいがたまに見てるからな」
「へぇ……♡」
にまぁ、と淫奔な笑みを浮かべ、舌なめずりをする。一度エンジンがかかると壊れるまで止まらない。手のかかるじゃじゃ馬ほど、可愛いのはどうしてなのか。
「……じゃあ、せっそうのおまんこ♡おいし〜く♡いただきたかったオジサマのかお……♡みながらたねつけせっくす……♡しようぜ……♡♡」
悪趣味な企てを楽しそうに話す。犯し損ねた極上の兎にこんなことを言われているなど露知らず、ときおり惜しむような顔でこちらを見ているジジイども。どちらも滑稽で、間抜けだ。
「なぁ……♡はやく、おまんこも♡くりも……♡ちくびも……♡ぜぇんぶ、ひとゃのもんにして……♡」
「たわけ……ずっと俺のもんだろ……」
「せっそうは、なんどでも、ひとやのもんって……されたいんだよ……♡」
淫らに誘いながら、幼い仕草でちゅぅ、と寄せられるやわなくちびるが甘く、熱い。
どこへでも行ってしまうからはなしたくない、身勝手で手がかかって仕方ないのに、最後には必ず戻ってきてお前だけだと言うから、可愛くて、愛しくて、許してしまう。
「あ♡はぁ……っ♡あんがいみて、んのなぁ……♡」
「そりゃお前、一番エロくて一番美人のうさぎがヤリ部屋に連れ込まれたら、見るだろ……」
「やぁだ、センセェ♡おじょうず……♡」
「しかもけっこう時間経ってっからな。……エッチなおまんこうさぎちゃんがどんだけすけべなことされてるか、気になるってもんだ」
「ひゃは……♡まじで、みせてやるかぁ……?」
せっそうのエッチなこうびおまんこ……♡
そう言いながら開かれた足の間にはずっぽりとちんぽが挿入っている。ソファの上、背面座位で部屋の外を眺めながらの行為はうだった頭ではたいそう盛り上がり、いつもよりびくびくとよく跳ねた。
「俺が、なんで怒ってるのか忘れたか……?」
「アマグニセンセこわ〜い♡……けど、なんで……ちんぽデカくしてんだよ……♡」
快感で力の入らない身体は、すっかり背を委ねてなんとか腰だけをふっている。ぱちゅ、ぱちゅ、とごく浅瀬をちんぽで擦って、ん♡ん♡と喘いでいる。ちんぽが大きくなってもごりごりする分には気持ちいいだけのはずだ。
「ん……♡……あててやる、よ……♡♡せっそうの、おまんこにちんぽハメた〜い♡ってやつらに、とっくにひとやせんようすけべまんこだぞ……♡ってみせつけるの……♡イイって……おもったんだろ……♡♡ひとやの、ちんぽのかたちのおまんこ……♡きんたまからっぽになるまでたねつけ、して……♡♡ひとやのちんぽじるまみれのしようずみおまんこ……♡みせつけたいんだろ……っ♡♡」
ムッツリすけべのあまぐにセンセ♡と頭をすり寄せられて、ため息を飲み込む。
恋人のあられもない姿など見られたくない。まして欲望を向けられるなどもっての他で、行為中など言語道断だ。
それでもこの奔放そうに見える子供が自分だけなのだと見せつけられるのなら、お前らには手の届かないものなのだとわからせられるなら。淫らにとろけきった身体と心が、俺にしかひらかれないものなのだと、笑ってやれるのなら。
「ま、た……でかく、した……ぁ♡♡……なあ、ズボシだろ……♡」
先ほどよりも深く、奥まで飲み込むように腰が動き、ばちゅ、じゅぽ、と激しい音がした。
拘束されたままの両手を胸元あたりでぎゅう、と握りしめ、懸命に振られる腰はふるふると揺れて、今にもすとん、と落ちてしまいそうなのを下から突き上げるちんぽで耐えている。
淫らで、健気で、負けん気の強い、かわいい兎。くずおれそうな腰を両手で掴むと、ぴくん、と身体が跳ねた。
「正解、だ……!」
どちゅんっ!と固定した腰を下から突き上げる。浅瀬の弱点をごちゅごちゅとえぐりながら、きんたまがぶつかるほど深く貫いた。
今までは挿入ってはいたもののゆるゆると動いていたから、奥のやわなところへの刺激はほとんどなく、のんきにおしゃべりできていたのだ。
「ひっ……ぁ♡」
言葉を発する余裕も、吐息も、全て奪い、先ほどまでの生ぬるい挿入では拓かれていなかった奥の奥までちんぽで埋める。衝撃で腰が抜けた兎は動くこともできないまま、びくんびくんとふくらみ続けるちんぽを味わいながら、きゅうきゅうとまんこを食い締めるほかない。
やわやわとちんぽを包む肉壁は、覚え込まされた形にぴったりハマるようにちゅ、ちゅ、きゅう、きゅう、と吸いつき、ロクに動いてもいないのにきゅんきゅん、と甘く達する。クリトリスもぷるぷるとゆれて、とぷとぷとはしたない淫液をこぼした。
このままおまんこを犯してやろうとも思ったが、まだいじめていない場所がある。手枷で縛られて握られた手の下に隠れた、物欲しげに勃起したままの肉粒を手のひらで包みこむ。
「っ……♡♡♡」
声もなく跳ねた身体はちんぽも巻き込んで、締まったままのおまんこがきゅんきゅん、と反応し、甘く達してしまう。
まだ上から軽く撫で回しただけなのに、乳首での快感を叩き込まれたすけべなおまんこは次を期待して、急かすようにちんぽにしゃぶりつく。
「ほんとに見せてやれたら、どんだけイイだろうなぁ……っ」
ぷっくりと勃ち上がった乳首を指ではさみ、くにくにとこねまわすと、息を飲み下して喘いだ。根本からさきっぽへ、搾り出すようにいじめて、ぷりん、とした頂点を指の腹で優しく、爪先できつく、すりすりぷにぷにと撫で、くじると、あ〜……♡♡♡とよだれをたらして達してしまう。
びくんっ、と不随意に大きく跳ねながら、おまんこはちんぽにきゅぅぅ〜〜〜……♡と食いついたまま。終始甘えたな肉壁にやわやわと食まれながら、激しくゆさぶられる。
「……ほれ、前見な。じじい、勢揃いしてるぞ」
「ん……へぇ……なんだ、ちんぽ……ちぃさそ……♡」
かわいらしいーこちらのには劣るがー兎をはべらせたじじいが、ついに諦めたのか別のVIPルームへと行くところだった。大人数で別階へ案内されている。おそらくもクソもなく乱交だ。
ひひ、と笑いながら、その振動すら感じてしまうのか、身をよじって小さく喘ぐ兎があの中にいたかもしれない、と思うとあらためてゾッとする。
自分の使ったものがマシなくらい、とんでもない道具やら薬やらがまだまだ部屋にはたくさん用意されているのだ。もし今言ったようなことを口にしていたらどんな目にあうか。他人を玩具にするのに慣れた人間はおぞましいことを平気でする。
「笑えねえからな……」
「……せっそうは、ひとゃだけだっつうの……」
わざときずつけるようなことをいって、して、そのくせせっそうよりいたそうなかおをして、ばかなおとなーそう言って、くふ、と笑う声は、快感に溺れてなお労るよう、慰めるように優しい。
「な、みせつけ、んだろ……♡」
下からこちらを見つめる目だって、淫らな欲に濡れているのに聞き分けのない子供に向けるようなやわらかさがある。
結局、全部お見通しなのだ。不安も焦燥も怒りも、自身の無鉄砲で自分よりずっと傷ついた顔をした相手の全てを包むように、笑う。
「あっ♡きゅ、うすぎ、ん……っ♡♡」
乳首をぎゅうぅ、とつまんでまんこを突き上げると、甘い悲鳴をあげた。限界まで開かれた足がぴん、と張りつめ、ぶるぶるとふるえる。
「……一番、ご執心だったじじいだぞ」
「ん♡あ……♡ご、めん……♡せっそうのおまんこ……♡ひとゃのおちんぽせんょぅらから……ぁっ♡ぉじさま、ちんぽ、じゃ……♡いけない、からぁ……っ♡♡」
数羽の兎を引き連れてゆっくりと歩みを進めながら、まだ、まだ悔しげに、惜しむように、部屋の壁を舐め回すように見つめる。欲望に満ちたねちゃりと暗い目を追いながら、まんこがきゅう♡きゅん♡と蠕動した。
つまんだ乳首も指を押し上げて、ぷくぅ……♡と硬くふくらみ、ぶちゅ、ばちゅ、と腰をゆさぶるたびにぷるぷると擦り上げられる。
「もぉ……♡ひとゃのちんぽで、いっぱい、ずぽずぽされて……♡♡ちんぽじる……♡いっ、ぱい……♡♡ぁ♡あ♡やぁ♡や、じゃ♡なぃ♡あ♡ちんぽじる♡♡おまんこに……っ♡♡いっぱい……♡♡くれなきゃぁ、やぁ……っ♡だぁ……っ♡♡♡」
自分で自分を追いつめる、はしたない事を言いながら、おまんこはきゅんきゅん♡きゅうきゅう♡とちんぽに吸いつき、びくんびくん♡としゃぶりついて射精を促す。
浅瀬から奥まで、快感を教え込まれたやわな場所をちんぽにかわいがられ続け、甘くイキ続けているおまんこはちんぽを咥えこみ、ちゅぽちゅぽ♡とさきっぽを舐めまわした。
淫らな交合を見られて、見せつけているような倒錯が、ほてってうだった頭を焼き尽くす。ちんぽにされているように乳首のさきっぽをやわやわと撫で、くぼみをこりこりとくじると、いよいよおまんこがちんぽをきゅぅぅ……♡と締めつける。
「は……っ、エロガキ、どうイキたい……?」
「あっ♡おまんこ……っ♡いき、たい♡ひとゃの、ちんぽじる♡♡びゅぅ……って♡だ、されて……ぇっ♡♡おまんこいき、したい……♡♡」
乳首のくぼみをさらに深くくじり、根本をくすぐるようにこりこりといじると、背が跳ね、おまんこがぎゅうん、と搾精に入った。
だして♡だせ♡と口で甘くねだりながら、ちんぽを包む肉壁もちゅうちゅう♡びくびく♡と甘え媚び、さきっぽにちゅ♡ちゅ♡とくちづける一番やわな場所は、ひと突きごとに甘くとろけてイっている。
はしたなく、ちんぽに犯されることをねだるおまんこの奥の奥、イキ続けているひときわやわな肉壁をぶちゅんっ♡と突き上げた。決定的な刺激のないまま高められ続けてきたおまんこは歓喜にふるえ、ちんぽをちゅぅぅ〜♡と搾りあげる。根本からさきっぽへ、きんたまから根こそぎ奪うようにきゅんきゅん♡きゅうきゅう♡と吸いついて、ぴったりとハマったちんぽをあまさず愛撫した。
甘くやわなおまんこは、硬くはりつめたちんぽで少しでもこすれるとびくびく♡とふるえてイッてしまう。最初の強い突き上げで、ひ♡と漏れ出た喘ぎの後は声もなく、母音の意味のない喘ぎをこぼしながらゆるく勃起したクリトリスから淫液をぴゅ♡ぴゅる♡と垂らしていた。
「おまんこ、だすぞ……っ」
かわいがりすぎてぷりぷりになった乳首をきゅぅぅ……♡と挟んで潰し、限界まで締まったおまんこに誘われ、ハマったままの奥の肉壁を強くくじる。そのままイキ続けてきゅんきゅん♡しっぱなしのおまんこにびゅうぅぅぅぅぅ〜〜〜っ♡♡♡とちんぽ汁をぶちまけた。
「んっ♡あっ♡あ……っ♡おまんこ♡あ♡あ〜〜〜……っ♡♡♡でてゅ……♡♡おまんこ……♡ひとゃのちんぽじるで……♡♡♡いっぱい、な、てる……♡♡♡」
ちんぽにずっぽりと串刺しにされて、逃げることもできずにおまんこの奥深くに種付けをされた兎は、やわな肉壁をごりごりと擦られながらびゅるびゅる♡と種付される快楽に囚われて、とろんとしたままよだれをたらす。
ぷしゃあ♡と淫水を吹いたクリトリスはそのままへにゃりと脱力して、とぷとぷ……♡とおもらしを続けた。
尿道に残ったものも吐き出そうとゆさぶると、あ〜……♡と喘ぎながらおまんこをきゅぅん……♡とさせる。びゅ、びゅ、という勢いのない残滓にすら熱く重いため息をこぼして、切なげに搾りとろうとするのに、こちらの腰が重くなった。
「……いま、ぬいたら……ひとやせんようのおまんこ……♡ってわかるな……♡」
い〜っぱい♡だしてくれたから……♡と胎を撫で、こちらを見てとろんとしたまま笑う。
きゅんきゅん♡と甘くちんぽを食んだまま、たっぷりと中出しをされた胎を、愛おしげに。
「……じじいはさすがにもういねえ、か……ま、ほんとにみせてもねえしって……」
「悪い」
「ちょ、っと、まてって……っ!」
「本当にすまん」
一度激しい絶頂を迎えて落ち着いたのか、いつもの調子で話しかけてきた恋人が顔を青くする。それはまあそうだろう。萎えていたちんぽが胎の中で復活したのだから。
待て、落ち着け、と言う恋人は、かわいそうに獄のちんぽにひどく弱い。ぐりゅん、と向かい合うように身体を回せば、挿入ったままのちんぽに中をかき回されて、ゃぁ……っ♡となくしかできない。
未だ手は封じられたまま、開いたままの足を腰に回すように固定され、ぐぷん、とちんぽを挿入れなおされ、ひ、と鼻を鳴らして喘ぐ。
「せ、そう、もう……っ♡」
「うさぎじゃない、お前が抱きたい……」
ふわふわした耳を剥ぎとって床に捨て、手錠を外し、飾り袖も、脱げかけの燕尾服も放り投げた。残ったのは見慣れた赤毛と金の瞳。淫らに濡れても清廉な、子供。
これでもう兎はどこにもいない。腕の中にいるのはただ一人の恋人だ。
「……いっかいだけ、なら、いい」
しょぼくれた顔しやがって、と自由になった手で抱きつかれ、ずっと近くで触れていたはずの体温をようやく感じた気がする。
ぎゅう、と抱きしめ返して、その一回は俺の一回でいいのか、と聞いたら、真っ赤な顔でそれしかねえだろと怒られた。
その一回の間に何度イクはめになるのか、わかっているのに付き合ってくれる。恋人は、どこまでも甘い。
「きす、しろよ」
それで全部おあいこだ、とこちらを見上げた顔に口づけて、ぐ、と腰を持ち上げた。
ここから先はかわいい恋人には秘密の話で、この店には監視カメラが仕掛けられている。
VIPルームも当然で、マジックミラーで見られているようで見られていない、と思わせて、実は仔細ばっちりカメラで見られているのだ。
もっとも警備員は飽き飽きしているし、とんでもないプレイがはじまって吐いたことがあるから自身のスマホで動画サイトを観ているなどとこぼしていた。事件でもないかぎりわざわざ見られることはないだろう。
何でそんなことを知っているかと言えば、店の安全管理や警備の相談も請け負ったからで、他意はない。
兎と恋人、両方とのセックスを堪能した後、すっかり消耗して船をこぐ空却をなんとか清め、着替えさせて未使用の一人掛けの椅子に座らせた。
ベッド代わりのソファ以外まともな家具がほとんどない部屋で、仕方なく立ったままオーナーに電話をかける。
数度のコール音ですぐ繋がった相手はお楽しみいただいたようでなによりです、と心なしか声を弾ませた。
『録画の削除、ですか?ええ、もう、先生にはお世話になっていますから。もちろん、コピーなどいたしません。販売なんて!そんなまさか……お客様のプライバシー厳守が当店の売りですよ』
『これからも先生とは仲良くしていきたいですし……あ、うちの困った子もすっかり反省しましたのでご安心ください。よろしければ謝罪動画がございますが……ああ、そうですね。本当に先生はお優しい』
『団体客様、ですか……?ええ、波羅夷様をずいぶんお気に召されて……。全く困った方です……。ですが大変なお得意様なので……ええ……』
『……顔は……いえ、それ以外も、ほとんど隠した状態です。ええ……どうしても、とおっしゃられて……ええ、即金で、一千万です。半分、いえ、七割でいかがでしょう……』
『……データを丸ごと、ですか?先ほどのもの以外も……波羅夷様が映っている全て、ですか?……そちらをお渡しすれば、よろしいでしょうか……?』
ではそのように、と露骨に明るくなった声に、ああ全く嫌な相手だと通話を切る。
空却を店から下げられないわけもなければ、バックが店と同じくらい広い店に余裕がないわけもない。
無能なトラブルメイカーがどう転んでも面白い金の卵を拾ってきたのをそのまま利用したのだ。
手広く商売をして顔がきき、賢しく、引き際もこころえ、金払いもいい。本当に嫌だが、まだ付き合う相手としてはマシな方だ。
スマホをしまって、椅子の上で眠りこける恋人の頬をそっと撫でる。
数十分前の淫靡さなど微塵も感じさせないあどけない寝顔も、無駄に高性能なカメラに覗かれていると思うと、やっぱり外で抱くんじゃなかったと後悔が押し寄せた。
「ひとや……?」
もう出るのか、と目を擦りながら起き上がった空却は、すっかりいつもの姿に戻っている。
本当に、悪い夢のような夜だった。
とっとと抜け出そう、こんな店からも、夜からも。
「ああ、車がずっと待ってるんだよ」
「ずっとって……てめぇのじゃねえからってヒッデェことすんなぁ」
「なんで俺のじゃねえって思うんだよ」
「獄は自分のもんにそういうことしねえからだよ」
ひどく確信に満ちた、自信に溢れた声でそう言い切って、入り口とは違う専用出口のドアノブをひねる。
薄暗い部屋の外はVIP専用の通路が明るく照らされていて、他の客とかち合うことがないように一本道だ。少し離れたところに秘書が立っていて、ご利用ありがとうございます、と出口まで案内される。
道すがらオーナーから電話でお話した件は明日の、もう本日ですが……午後までにお送りする、とのことですと報告されて、いつの間にか日付を越えたことを知った。
ぎ、と重い扉が開かれて、車がお待ちしておりますとエスコートされて外に出る。
まだ完全に日の出ていない空は、けれどもうっすらと明るく、非現実的な黒塗りの車が夢ではない、と教えてくれた。
なお数時間後、眠い頭と体を引きずって、送られた監視カメラのデータを確認したら、VIPルームのものだけ異常に鮮明かつ丁寧に編集されていて、あらゆる意味で悩ましく呻くハメになる。
2021/08/21
BACK
作文TOP/総合TOP