パブロフの首輪

 自分が高校生のときに赤子だった相手を抱く、なんて思ってもいなかった。だから十八まで手を出せず、ようやく手を出してもちょっとのことで手が止まる。
 不満そうにされても困るのだ。獄は子供に無体を出来る大人ではないのだから。たとえそれがとっくに大人として扱われるようになった恋人だとしても。



 大変お楽しみな夜を過ごした翌朝。リビングで、ず、と気怠げに日本茶をすする恋人は、自分とお揃いのスウェット姿で、腫れた目元が艶かしい。だいぶ日が高いが、休日は自分が目覚めた時間が朝で、寝る時間が夜だ。時計の針が盤面を半分に割ろうとも、各々のモーニングルーティンのドリンクを片手に、向かい合って座ったテーブルでつまらないワイドショーを流している。
「ヤダって言うな」
「はあ?いつ言ったよ」
「昨日の夜、乳首だけでイキそうになってやだ♡やだ♡って言ってただろうが」
「裏声キモ」
「そのあとちんぽ挿入れられて、やっぱりやだ♡やだ♡って言いながら自分で腰振ってたろ」
「セクハラ〜」
「最後なんざちんぽ抜かないで♡やだ♡もっと♡ってひんひん言うからブッとぶまで付き合ってやったのに」
「途中から記憶ねえのそういうことかよ」
「だからヤダって言うな」
「結果的に盛り上がってんじゃねえか。何がご不満なんだよ」
「盛り上がっとらんわ!」
 本気で拒絶されていないなんてわかっている。快楽に素直な身体にしたのは自分で、天邪鬼なままの心を許したのも自分だ。
 それでもときおり胸にぐさりと刺さるのだ、甘くとろける"やだ"に涙や必死さがまじると。本当は、本当に"嫌"なのではないかと。
「んなしょぼくれた顔すんなよ」
「してない」
 顔に出てるぞウソツキめ、と大人びた微笑みを浮かべる顔は綺麗で、どっちが子供かわからない。ある意味では子供だから笑えるのだ。自分の一挙手一投足がのちのち影や傷となりはしないかと触れる怖さを知らない。やすやすと好きだから、と許してしまう子供が心配で、不安で、どうしようもなく愛おしい。愛だ恋だを免罪符にかかげるのは愚かだと思うのに、その愚かな理由でしか触れられない。
「拙僧が本気でイヤだったら、獄のムスコはとっくに御陀仏してんだぜ?」
「んなこたわかってんだよ。……お前にゃ俺の気持ちはわからんだろうがな」
「あぁわかんねえなぁ。拙僧がイイっつってんのにビクビクしやがって。腰抜け、いや玉無しか?」
 なあ?と挑戦的に笑うものの、半分くらいは本気で御立腹している。お怒りはごもっともだ。セックスの最中、一番盛り上がっているとき、もうイク、という瞬間に止まってしまいなんとも締まらないことに何度となくなっている。
 だが俺だけが悪いのか?恋人が嫌がることも、怖がることも、したくないのは普通じゃないのか?獄の手を止めたくないのなら、空却だって協力してくれても良いはずだ。これは恋人としての二人の問題なのだから。
「ヤダ、って言うのがやめられないのはわかった。諦める。代わりに本当に嫌なときの言葉を決めろ」
「はぁ?」
「キレんなクソガキ。お前が思う以上に俺はお前が大事で、大切にしたくて、可愛くてしょうがないんだよ」
 即座に不満を隠さぬ目で睨めつけた恋人の牙は素早く抜くに限る。侮りでも保身でもなく、ただ臆病な大人を許してほしいという本心をさらけ出せば、存外簡単に丸くなる。
 心を偽らない恋人は、同じように裸の心を差し出されたらわかるのだろう。だいじ、たいせつ、かわいい、と反芻しながら頬をじわじわと染めて、最後にはクソ、と悪態をつきながらうつむいた。いくら顔をそらしたところで短い髪では隠せない耳が、羞恥と歓喜で色づいているのはバレバレなのに。
「お前が決めろ。言う人間が決めるのが一番いい」
「わっかんねえやつだなぁ……獄にされてイヤなことなんざねえっての」
 そういうことを言うからだよおおたわけ。
 やっぱりこのガキはなんもわかっちゃいない。いつだってそうだが、今回は本当に勘弁してほしい。断じてそんな趣味はないが獄に口にするのもおぞましい倒錯した性癖があったらどうするのだ。
 それこそブン殴られて終わりそうな気もする反面、受け入れられる、と思った範囲でなら幼さの残る顔も身体も、心さえも明け渡してしまうのがわかるから恐ろしい。零か全しかないようなところがある子供の懐は一度おさまれば心地よく、深いのだ。
「短くて、言いやすい言葉にしな」
「だからねえっての……」
 うんうん頭を捻られるたび、年下の恋人に海よりも深く山よりも高く愛されているのだと思い知る。拒むことなどあり得ない、信じていないのか、という自負と不満が眉間にシワとなって現れては消えていく。もちろん信じている。いもしない神や仏よりもずっと。
「俺を拒む言葉じゃなくていいんだよ。ヤダ、と同じくらい、俺の手が止まるような言葉って考えな」
「んだよそれ……敗訴?」
「手が止まるどころか萎えるからやめろ」
 状況からすれば萎えた方がいいのだが、ベッドでの拒絶として言われたら法廷で思い出して仕事に支障が出る。かわいい顔でなんて恐ろしい言葉を選ぶのか。
「あ、他のヤツの名前とか」
「名案!みたいなツラしてんじゃねえぞクソガキ!!」
 全く、余計な火をつけることにかけては天下一品でイヤになる。萎えるどころかたかぶって、止まるどころか加速する。最中、ベッドの中で呼んでいい名前なんて目の前の相手以外ないだろう。
「ニヤニヤしやがって……わかってんだろ」
「ええ〜、アマグニセンセが止まるどころか、ヤダ♡って言ってもやめてくんなくなるなんて、拙僧ぜぇんぜんわかんねぇなぁ?」
「今すぐそうしてやろうか?あ?」
「ヤダァ、こわぁい……♡拙僧のおまんこ……♡弁護士センセのちんぽでい〜っぱい種付されて、やらしくなっちゃぁう……♡」
 本当にいいかげんにしろ。
 こっちは必死なのに余韻でふるえる身体のままいやらしく煽って。ここまであからさまならヤダ、でも止まることはない。お望みどおり腹いっぱいになるまで犯してやる。
 湯呑みを握る手首を掴み、にっこりと微笑む。仕事でもたびたび使う張り付いた笑顔だ。下から後ろから裏からはみ出し、滲み出る感情をあえて隠し切らない使い方はよく効いたらしい。
「手、離せよ」
 さすがにやりすぎた、と思ったのか口元をわずかにひきつらせるが、後の祭りだ。手首を退こうとするのをがっちりと押さえ込んで、気まずそうに泳ぐ目をじぃ、と見つめる。
「実際、ヤッてみて決めるか」
 もちろん、いくらでも"ヤダ"と言ってくれていい、と青くなったり赤くなったり忙しい耳にささやけば、ひゅ、と息を飲み込む音がした。



 低く甘く響く声は恋人である自分だけのもの。下世話な話題だって肌を合わせ、体を重ねるからこそ。それなのに子供だから、と触れられずにいた時間を取り戻すように貪るのを戸惑い、躊躇われたらやきもきもする。覚悟が出来たから手を出したんじゃないのか?



 さんざん挑発したら乗ってくれたはいいが、予想以上に乗っかられている。有無を言わさぬ笑顔のまま、ダイニングテーブルに両手をつき、背中を向けた状態で立つように促された。身構えていたらずるんとスウェットごと下着を脱がされて、足下でたわんだ布の残骸に拘束されてしまう。まだ昨日のセックスを引きずった体は、外気にさらされるやいなや、ひくひくぱくぱくとうずきだした。
「ヤるまでもなさそうだな?」
 尻たぶをぐい、と広げて、しげしげとひくつく肉縁を見つめられる。からかって、いたぶろうという視線でも期待する体では言い逃れできない。
「はっ、ちんこ勃たない言い訳かぁ……?」
 種付しなくとも十分にやらしい、と揶揄するのに、玉無しならぬ弾無しかとお返しすれば、ぐぅ、とシワが伸びきるほど後腔を開かれた。思わず息を詰めれば、自由な指で腫れぼったくなった縁をふにふにと撫でられる。
 こんなときでもけして爪を立てず、指の腹でやわやわと触れるのだ。本当に乱暴にされたことなどただの一度もない。申し訳なさそうに謝罪するときがあるが、なんでかまるでわからない。困らせるとわかっていても、真綿の中で甘やかされている身としてはこれ以上はダメになる。だからわざと強固に凪ぐ心を波立たせようとしているのに。
「さわんな……っ」
「触んなきゃヤれねえだろ」
 くちゅ、と音がして肉縁を生温く濡らされる。指よりやわらかく、けれども湿っていて、ぷつぷつとした感触にぞわぞわと背がふるえ、もしや、と振り返って唖然とした。
「ば、かっ!やめろよ……!」
「ろうひて」
 どうしてもこうしてもない。尻を、それも穴を舐められるなんて、
「イヤ、に、決まってんだろっ」
 はなせ、と身をよじっても、足下は服で拘束され、がっちりと押さえ込まれた下半身はびくともしない。くわえて、ちゅぽちゅぽちゅぱちゅぱとあられもない場所を舐められているのだとわからせるための舌使いに腰が砕けてしまう。
 いやなのに。恥ずかしくて、汚い、いやらしいところを、深く交わるくちづけをするときのようにぬちぬちと音を立てて暴かれて、全身が熱い。シワの一本一本まで舌先でかわいがられて、つぅ、と昨夜の淫交で腫れた縁を労られ、またナカへと肉厚なぬめりが挿入りこむ。
「ゃ、あ……っ♡や、だぁ……っ♡♡」
嘘ではない。恥ずかしくて恥ずかしくて今すぐやめてほしいのに、押さえ込まれて気持ちよくて逃げられない。どだい、この恋人に仕込まれ、拓かれた体だ。自分自身でも知らなかった快感を見出して育てた相手に甘くなぶられて逃げるなんてできるわけがない。
 舌の先端がわずかにかすめる浅瀬のやわな場所をぺちぺちと撫でられる。いつもはとんとん、と指でこねられるから物足りなくて、ぴくぴくと尻をゆらしてしまう。
「やだ、やだぁっ……!した、ぬけよぉ……っ」
 子供のように駄々をこねて腰をひねっても、渾身の力で掴まれた身体はぴくりとも動かない。ほんのわずか、もぞもぞとみじろぎすると、弱いところにぬりゅぬりゅと舌を押しつけてねだるようになってしまう。
「ゃ♡やっ♡やぁっ♡ゃだぁぁあああぁぁぁぁ……♡」
 羞恥と焦りで全身が熱い。嫌なのに、ぴんと力んだ舌先がいやらしいふくらみを撫でるように舐め回すから、ナカをぎゅうぎゅうと締めつけてしまう。ほとんど同時にぷし、ぷしゃ、とちんこから透明な汁が吹き出して、あんなに嫌だ嫌だと言ったのに尻を舐められてイッたのだと白状してしまった。股間を濡らし、足をつたう生温い汁が気持ち悪い。下でたわんでいる下着とスウェットもびしょびしょで、粗相をしたようでさらに体が熱くなる。
「なぁにがイヤ♡だよ……っ」
 つぽん、と舌が抜かれる感触にすら感じて、びくびくとふるえてしまう。縁もナカもまだ気持ちよくてびりびりしているのに、ぱちん、と軽く尻を叩かれた。
「ゃ、あぁぁ……っ♡♡♡」
 きゅぅぅぅ……と縁もナカも締まり、ぞくぞくとした背が反りかえる。ダメだと思っても制御できないまま、ぷしゃぁぁぁ……っと、また潮を吹き上げてしまった。
 見えなくともそこら中に飛び散っているのがわかって、恥ずかしくて、情けなくて、イヤなのに、きゅんきゅんとはしたなく体がうずく。
「は、ぁぁ……♡」
「……イヤ、以外の言葉は決まりそうか?」
 そういえばそんな話だった。触れずに労るような優しい声音は、先ほどまで性感帯をめちゃくちゃにかき回した人間とは思い難い。やっぱり全然イヤじゃない。どこまでも空却に甘く優しくしかできない恋人を拒むのなんて、気持ちよすぎてあふれ出す口先だけの拒絶を止めるのとおんなじくらい難しい。
「なに、されてもいい……っていってんだろ……」
「さんざんイヤイヤ言ったくせに」
「……そんなんヤダけど、ひとやだからイイんだよ……」
 もうずぅっと堂々巡りだ。わかっている。空却がイヤ、と言わなければ、優しく、その分だけ臆病な恋人が怯えや不安を振り払うように愛撫をしなくて済む。ワガママだと言われたらそのとおりで、けれどこちらにも事情がある。
 触れるだけで気持ちよくて、深くまで交わったらもっと気持ちいい。意識すらも溶ける快楽は僧の心身には劇毒に他ならない。堕ちるまでの無駄な足掻き。天邪鬼な心が、過ちだと叫ぶ心が、止められなくてはみ出して、イヤ、になる。
 互いを終の番と選んでも、それまでの歩みは変えられない。破戒僧とそしられても、たしかに根付いた教えは千々に乱れる心と体を咎めるのだ。獄がイヤと言われて手が止まるように、空却はイヤと言って足を進める。交わるための行為で交わらない、矛盾。
「ほんっとに、お前なぁ……」
 何をされても、イヤなことでも獄がするなら、いい。嘘偽りない本心を浴びせられ、隠しきれない喜色を抑え込みながら眉間にシワを寄せる恋人が、一生懸命に怖い顔を作ろうとする。崩れかけの相好で叱ろうとしても説得力のカケラもないのに、自分とおんなじに矛盾を抱えるのが愛おしい。
 ずっと年上の色男がかわいらしくてたまらない。こんなの、どうしたって拒めない。何をされても許してしまう。絶対に口にすることのない言葉を決めるなんてー
「そ、か……」
 はじめから絶対に言わない言葉にすればよかったのだ。どれだけの矛盾を孕んでも、空却は獄を拒絶しない。ならば答えは一つきり。
「きらい」
 小さく、けれどもはっきりと。つぶやくようでありながら、確実に聞かせようと告げられた言葉に、部屋に満ちていた熱が急速に冷えていく。心なしか肌に触れる手が冷たく感じた。
「……ほんとに、やなら、そういう……」
 間を置かず二度も言いたくなかった。"絶対に言わない言葉"だ。何度も言うのもおかしいだろう。顔だって見たくなかった。どんなひどい嘘より悪い。心の一番大切なものを偽る言葉を、一番大切な人の目を見て言うなんてしたくない。
 しんと静まり返って熱すら引いた部屋に、思ったよりも小さな自分の声が響いた。返事がないまま、自分の心臓だけがうるさい。
「お前は全部、いきなりなんだよ……」
 はぁぁ、と腹の底から溢れたため息は、露骨に安堵を訴えて深く、長い。じわじわと熱を取り戻した手に冷えで強張った体がとけていく。同時にぎゅぅ、ときつく掴まれた。先までの暴れる体を押さえ込むのだけとは違う、捕らえた獲物を逃すまいとする執念を感じる。
 自分で拒むための言葉を決めさせたくせに、いざ言われたら傷ついて。それでもある日突然、もう嫌だと逃げられるよりマシなんだろう。空却に瑕疵を作りたくないのも本心だろうけれど、おんなじくらい自分もダメージを負うとわかっている。ずるくて悪い大人と思っても、馬鹿な子供に嫌いと言われて砕け散る心で帳消しにしてしまう。
「獄」
 顔が見たい。どんな目で見つめられているのかを知りたくて、よるべない声でふるえたくちびるにくちづけたくてたまらない。今すぐに正面から向かい合って、抱き合って、はしたなくうずくナカを埋められたい。
 声だけでどこまで伝わったのか。気配だけではわからないけれど、触れ合った肌がひどく熱かった。



「ゃだ、や、ぁ……だっぁ……っ♡」
 ばちゅん!と派手な音を立ててナカに押し入られ、口だけの拒絶がもれてしまう。浅瀬から奥までの弱いところを全部なぞってかわいがるのをくり返されて、すっかりテーブルに張りついてしまっている。
 バックは嫌だと言っても、嫌いじゃないならいいだろう、とねっちりとほぐされた。昨夜の恩恵で、すぐに準備万端になってしまったのをやらしいと言われたけれど、ほとんど獄のせいなのを棚に上げている。
 舌では撫でるばかりだったやわな場所を指でこね回され、背中がびりびりとしてへたりこんでしまった。膝はくだけてふにゃふにゃで、ちんこからはとぷとぷと何かがもれている。恥ずかしくて、それ以上に気持ちいい。ひんやりとしたテーブルがほてった体に心地よくて、や、や、と半開きの口から喘ぎっぱなしになっていた。
 くちくち、ぷちぷち、と泡がはじけるような音がするたび、ナカがどんどん気持ちよくなって、体も頭もとけていく。だめ、まって、やだ。だって、なんにもわからなくなってしまう。獄がくれる全部が熱くて、気持ちよくて、"空却"が"空却"でいるためのタガがどっかに行ってしまう。
 や、やぁ、とヨダレを垂れ流したまま悶えても、むずがる赤ん坊をあやすみたいにちゅ、ちゅ、と腰だの尻だのにくちづけられるだけ。おおよしよし、きもちぃなぁ、と意地悪く上がった口の端が目に浮かぶ声が嬉しそうで、悔しいのにきゅんとしてしまう。そのせいで奥へと伸ばされた指をちゅぅ、と食んで、またニヤついた声でこのすけべまんこ、と揶揄された。まんこじゃない、やだ、と首をふれば、自分で言っただろう、と指を増やしてぬちぬちと拓かれる。
 すぐこういうふうに空却をいじめたがる恋人は本当に子供っぽくて嫌だけれど、嫌いじゃない。自分のいじわるすら受け入れて、気持ちよくなっている空却に安心しているのがかわいくて、いとおしい。そう思うとどんどんどんどん好きで、好きで、たまらなくなって止まらない。
 や、や、やぁ……っ、となきながら、ナカで指を食い締め、ぷしゃぁ、と潮を吹いてイッてしまった。落ち着こうと息をしても、きゅうきゅうきゅんきゅん、とナカがひくついて、またイッてしまう。もっともっととねだる尻だけが跳ねて、他はみんなくったりとして動けない。
 相変わらず、と小さくつぶやかれた言葉が羞恥を煽る。ちんぽを挿入れるための準備でもはしたないくらいイッてしまうナカにしたのは獄で、自分の手でやらしくなったのに満足している声だった。本当にどこまでも子供っぽくて、かわいくて、すき、すきー。
 胎の中がぎゅんぎゅんとうずき続ける。ヨダレどころか涙まで垂れてきて、苦しいくらい気持ちいい。好き、と思うだけで体が跳ねて、のたうち回る。もうだめだ、と目蓋が降りた瞬間、ぬぶ、と火傷しそうな塊が押しつけられた。
 ゃ、と信じられないくらいか細い声が出て、息を飲む。両手で鷲掴まれた尻たぶをぐぱりと開かれても、快感で馬鹿になった体は嬉しそうにひくつくばかり。ぬ、ぬぅ、とゆっくりとさきっぽが挿入りこみ、浅瀬をぐりゅぐりゅと撫でられた。指より太くて、舌より熱い、かたく張り出したエラでずっとかわいがられたやわなところにトドメを刺される。これからもっとずっと奥まで、このちんぽでめちゃくちゃにされるのだ。
 想像しただけでナカが締まって、また恥ずかしいおもらしをしてしまう。ゃ、ゃぁ……、と消え入りそうな声しか出ない。きもちいい。こわいくらい、きもちいい。ゆらゆらと歪む視界には見慣れた部屋がただ映っていて、なんにもわからない。きもちいい、こわい、ひとや、ひとや。これがもう口から出ているかすらわからない。ただナカが、ちんぽが、触れ合った肌が、熱い。
 ひ、ひ、とないているのか息をしているのかわからなくなっていると、ああ、クソ、と呻いた恋人が、ぐ、と体を前に倒した。ぐ、ぬぅ、と挿入りこんだちんぽがごりゅりゅ、とやわやわになった肉壁をくじる。ねっちりときもちいい場所だと教え込まれたから、は、は、と上からの吐息が近づくたびにナカもきゅんきゅんと食い締めて甘くイッてしまう。
 ふわふわとしはじめた頭にちゅ、とくちづけが降ってきた。てっぺんから下へ、輪郭をなぞりながら触れるだけの優しいそれは、包み込まれるような心地よさと、安心感がある。ひとや、ひとや、と心の中で唱えたつもりの名前は口から出ていたらしい。なんだ、どうした、俺ならここにいる、と静かに宥められ、またくちづけられる。キザったらしい、かっこつけ、と罵ることもできなくて、ひとや、ひとや、となくしかできない。その間にもみちみちぬちぬちとちんぽはナカに挿入りこんで、甘くとろけさせられる。
「動くぞ……」
 低く、甘い、背がふるえるほどの色香を放つ声が鼓膜をゆらす。わずかにかすれた声音は有無を言わさぬ気迫に満ちていて、ひとゃあぁ……っと喘ぐ以外出来ない。そうしてすっかりばちゅばちゅと奥までかわいがられてしまった。
「ゃっ♡やぁ……っ♡やっ♡やっ♡いく♡いくぅ……っ♡♡」
「ずぅっとイキっぱなしだろ……っ」
「そ、らけろ……っ♡ぜったい♡すご、いのぉ……っ♡♡すごいの、くる、から……っ♡」
 ぬ、ぬろ、ぬぅ、と最初はゆっくりとくすぐるように、半ばは少しだけ速くなぞって、最後は強く押し潰されてこねられる。それをくり返し、くり返し。芯までとろけるようにじっくりねっちりと犯されてはいるものの、一番奥はまだ未踏のまま。いつも、とうぜん昨日も恋人にマーキングされた場所は、焦らされ続けてきゅうきゅうとうるさいほどだ。
 絶対、とんでもないことになる。今もイキっぱなしの頭と体が、これ以上どうにかなってしまうのが怖くて、待ち遠しい。
「……種付されて、やらしいまんこになりたいんだろ……?」
「や♡ちあう♡たねつけ、されて……♡やらしぃおまんこにされる……ぅ♡」
「おんなじだろ……っ!」
「や♡やあ♡やぁっ……♡ちあう……っ♡ちぁぅぅぅ……っ♡♡せ、そ、まんこ、やらしくなりたく、ないっ、からぁ……♡」
「うそ、つけっ」
 耳に流し込まれる甘い責め句に煽られて、熟れきってどろどろになったナカをどちゅ、んっ!とくじられた。ウソじゃない。やらしくなるたび、なんでもなかった日常の仕草で体が淫らに反応してしまう。昨日の余韻は獄が思うより深く強く残っていて、それなのに間を置かずぐずぐずになるまでとかされて。
「ゃぁあああぁあぁぁぁぁんっ♡」
 放置されていた最奥に、真っ直ぐに硬く太く熱く張りつめたちんぽが直撃した衝撃で、ぷしゃぁっ……と何度目かの潮を吹き出した。どろ、とした感触もあるから、精子も混じっている。なんでもいい。やらしいことをされて出た、すけべな汁だ。
 ひ、は、と荒く息を吐いていると、ぐぅぅ、ぐぷ、と奥の奥の肉壁をとがったさきっぽでぐりぐりとほじられた。飢えた肉壁はいつも気持ちよくしてくれるちんぽに懐いて、簡単にちゅ、ちゅぅ、と吸いつく。空却がもう少し呼吸を整えてから、なんて思っても無駄だ。深くくちびるを重ねるようにうるんだ粘膜が交わり合い、はしたない水音が響き渡る。
「じぶんから、ちゅぱちゅぱして……っ、なにが、やらしくなりたくない、だ……っ!」
「やぁっ♡やっ♡やぁぁぁっ……♡♡らて、ひとゃの、ちんぽ……♡♡きもちぃ、からぁ……♡♡」
 ちゅぱ、ちゅぽ、と体の奥深くで淫らに繋がるのが気持ちいい。獄の形にぴっちりとハマる肉壁は、悦びを隠さずにもっともっと、と絡みついて愛撫をねだる。子種口には特に入念にちゅぅ、ちゅぱぁ……、としゃぶりついた。
 やわな最奥の肉壁は、種付をされたらイクように躾けられている。びゅぅぅ……っと吹き出した白濁に汚されるのが、びゅくびゅくと注がれる子種を染み込ませるようにぐいぐいとなすられるのが、気持ちよくなるようにいっぱいナカを犯された。そんな場所じゃなかったのに、すっかり獄のちんぽ専用のすけべなおまんこになってしまった。
「……きんたまン中、からっぽになるまで射精してやる……っそんでっ、やらしぃおまんこにしてやっから、なぁ……っ!」
「やだっ♡やっ♡やあっ♡やらし、からぁっ♡も、やらしぃっ♡もっ♡やだっ♡いまよりえっち、なったらぁっ♡♡ずと、ちんぽハメてなきゃ……♡だめに、なる……ぅっ♡」
「好きなだけハメてやっから……!えっちなおまんこイカせてって、おねだりしなっ」
 奥の奥のやわなところをずうっとどちゅどちゅ責められる。一突きごとに甘くイッて、きゅん、きゅう、と締めるのにすぐにまたずちゅ、ばちゅ、とこねられて、ずっとずっときもちいい。全身がぶるぶるして、もう射精してほしいのに、もっとやらしいおまんこにされるのがこわい。今だって馬鹿みたいにイキまくってるすけべまんこなのに。
「やっ♡えっちなまんこやだっ♡イキたくないっ♡なかだし、すんなぁ……っ♡」
 ウソじゃない。ホントでもない。頭の中がめちゃくちゃで、ちんぽでケツのナカをほじられてるだけなのに、バカみたいに気持ちいい。それなのにまだてっぺんじゃなくて、おねだりするまで甘イキしかさせてくれない。
「嫌い、じゃないんだなぁ……?」
 ずちゅぅ……と奥までねじこまれたちんぽのさきっぽでぐぅ、ぬぅ、と撫でられながら、最後の砦に手をかけられる。なるほど、こういうふうに使うのか。ねっとりとなぶるような声の裏から"そう言えば止まる"と示される。
「嫌いじゃないなら、えっちなおまんこにされたいし、イキまくりたいし、ナカにい〜っぱい……ちんぽ汁出されたいよなぁ……?」
 関心したのもつかの間、うだった頭をどんどん攻められる。"言わなければそうする、そうなる"と囁かれる言葉に背がひくん、とわなないた。やだ、いやだ、いやだけど。
「ずと、ひとゃなら、いい、って……いってぅ……♡」
 どうしたって惚れた相手に嫌いだなんて、言えっこない。



 あんなに何度も何度も言って聞かせたのに、馬鹿な恋人はやっぱり全然わかってくれなかった。きもちよすぎてこわい、くるしい、とぽそりともらすのが聞こえたから、急ごしらえの逃げ場に追い込んでやろうとしたのに跳ね除けて。だから今、言ったとおりの有様になっている。
「は、ぁ……っ」
「ふぁ、あぁ〜〜〜〜〜……♡♡」
 いい、と言われた直後、ぐん、とさらにふくれたちんぽでナカをほじり、そのままびゅぅぅぅううう、びゅる、びゅるる……と一気に子種を叩きつけた。一等やわな秘奥の肉壁を淫らに穢されたのに、さんざん焦らされ待ちわびた中出し絶頂によろこびいさんで飛びついて、むちゅむちゅとさきっぽにしゃぶりつく。子種の口もちゅぽちゅぽと吸いついて離れず、はしたなく次をねだるのにちんぽも力を取り戻してしまう。
 一度はしぼんだ肉茎がびきびきとふくらむのにも、イキっぱなしのナカはびくびくんっ、と歓待した。きんたまから根こそぎ搾り出そうときゅん、きゅう、ちゅぅ、と絡みつく。
「ちんぽ汁、おかわりしたいか……?」
「ふ、ぁ……♡ゃぁ……♡おなか、いっぱぃ……♡」
「えっちなおまんこ、まぁだちょうだいって、いってんぞ……」
「ゃら……っ♡いて、ないぃ……っ♡も、なかぱんぱん、らからぁ♡」
 や、やぁ、と舌足らずな拒絶がかわいくてたまらない。今までに胸に刺さっていたトゲが、痛みではなく甘く淫らな欲を呼び起こす。嫌いでないなら止まらなくていい、なんてことではないのはわかっている。恋人は意地でも言わないタイプなのだ。だからこそ自分が、大人の自分が止まらなくてはいけない。
「もぉっとおまんこえっちになって、きもちぃ〜ってなるの……嫌いか?」
「……ばか……っ!」
 いけないのに、いけないから、いけないほど、止められない。そんなふうに聞いたら恋人が否とは言えないのをわかっている。かわいくない返事に反してうっとりととろけた声は獄を甘やかすときに出すのとおんなじで、聡い子供は何もかもお見通しなのだろう。もし拒まれたとしても嫌いになったなんて思わないのに。それでも受け入れられたことが嬉しくて、ぶりんっ、と一回り大きくちんぽが育ってしまう。
 一度種付されたナカはぬとぬととぬめり、敏感なままの肉壁はずぬ、と動くだけできゅんきゅんとちんぽに奉仕する。甘イキからの本気イキの残滓も濃厚な肉壺はいっそうのこといやらしい。
「ぁ、ゃ、やぅ……やぁ……っ♡♡」
 腰を引くとぬちぬちとねばついた音と共に白くまろい尻がついてくる。引き留めるようにきゅぅぅぅ……と吸いつくナカからとろ、とぷ、と白濁がつたい落ちた。尻をおさえ、ぬぅ、ぬろぉ……とちんぽをゆっくりと引き抜くと、ナカがひくひくとふるえながら、子種があふれだす。
 どぷ、ぷぷ……と奥からだくだくとこぼれる精に全身をわななかせる恋人は、は、は、と荒く息を吐き、潮を吹きながらイッていた。ちらりと視線を向けた床はまあまあ悲惨な有様だが、とうぶんダイニングで思い出しては羞恥に染まるかわいい姿が拝めるから帳消しとする。
「ナカ、ぱんぱんじゃなくなったなあ……?」
「は、ぁ……♡ぁ♡♡」
 尻から垂れた子種は太ももも、その先も全部べったりと汚していた。くり返された淫らなおもらしと合わさって、修行僧だなんて誰も信じない姿になっている。ちんぽをよろこんで咥え込むすけべなおまんこで説法なんぞ出来るものか。
「ほん、と……やぁらしぃ」
「うぁ♡ま、てぇ♡ゃうぅぅっ……♡」
 ねっとりと精子でデコレーションされたおまんこをもう一度串刺しにする。ずぶぶ、と敏感になったまま降りられない肉壁をちんぽ全部でごりゅごりゅとかわいがれば、素直にきゅんきゅんとイキ狂う。
「やぁ……っ♡やら……ぁっ♡も、や、ぁ♡」
「おまんこは素直にいくいく♡ってしてんのになあ……?」
「してない、っ♡まんこ、い、てない♡」
 この期に及んでかわいくないし素直じゃない。身体の方がよっぽどわかっている。もう少し腰を進めたら、すけべなまんこの一番やわなところが犯されてしまうのに。
「イケよ……っ嫌いじゃ、ないんだろ……っ」
「……ず、るぃ……っ♡ばか……♡ひとゃ、のばか……っ♡♡」
 真っ赤な耳にちゅ、ちゅ、とくちづけながら、腰をふる。けして奥の弱点に当たらぬようにしながらキスを続ければ、獄に甘い恋人は尻をもぞりと動かした。ぶくりとふくれきったさきっぽと、きゅんきゅんとひくつくすけべな場所がちょうど交わるように。
「ゃあ……っ♡やっ♡やぁっ♡またいく……っ♡ぃくぅ……♡なか、いっぱい、だされて……♡ま、た……っ♡おまんこ……えっち、な、るぅ……♡♡♡」
 むちゅちゅ……と、先に出された子種でねばつきながら、秘奥と亀頭が絡み合う。二度目の種付にこなれたまんこが射精を急かし、ぷりゅぷりゅの秘肉でちんぽに媚びた。
「素直にえっちなおまんこイカせて♡って言いな……っ!」
 初めて肌を重ねた日から今まで、じっくりと時間をかけて淫らに育てた恋人がやらしくないわけがない。性器ではなかった場所を本来の性器よりもずっとはしたなく感じる場所にされて、戸惑い、恥じらいながら受け入れられてきた。やだ、と言うくらい、と思うのに、こんなに甘やかされているのに、まだ足りない。
「やっ♡やっ♡おまんこっ♡いくの、やらぁ……っ♡♡」
「きらい、じゃあないんだろ……!」
「やぁ♡やら♡やぁ……♡も、おまんこ、えっちだから……♡♡えっちなおまんこ……っ♡♡も、やぁ……っ♡」
「きらいって言わなきゃ、やめてやれねぇんだよ……っ」
 もうちんぽとおまんこのことしか考えられないのに、最後まで我を貫く恋人が憎らしいほど愛おしい。ベッドの上のたわむれですら頑なに嫌いと言わないで。とっくに快楽でぐだぐだにうだっているのに折れない心が恐ろしくすらある。曲がらず退かず揺らがない恋人に何もかも明け渡され、許される。その傲慢な甘さにふるえてしまう。
「やぁっ♡おまんこやぁ……っ♡♡ゃらの♡やぁ……っ♡やら、のに、ぃ……っ♡いくっ♡いくっ♡いくぅ……っ♡♡♡」
 口とは裏腹におまんこはちんぽにちゅっちゅぅぅ……♡としゃぶりついて放さない。いく♡いく♡となきながら、ぷりぷりの肉壁が根っこから先っぽまでを扱きあげ、ぷるぷるとふるえながら二度目の中出しをねだる。
 こんなに淫らにちんぽを乞うクセに、やだ♡やだ♡と言われたら変な扉を開けてしまう。もうほとんど開いているようなものだが、獄にならなんでも許してしまう恋人が、いじわるをされてもよろこんでしまうのだ。普段はかわいくないことばかり言って、さんざん振り回す恋人がだ。独占欲とはまた違う、ほのぐらい欲望が首をもたげてしまう。
「やなのにイッちゃうえっちなおまんこ……っ♡ちんぽ種付でもぉっとえっちにされてイッちまいな……っ!」
「やっ♡ゃぁっ♡やぁぁ〜〜〜〜〜……♡♡♡」
 びゅくびゅくっ♡びゅぅぅぅぅ〜〜〜っ♡びゅ♡びゅるぅ……♡と二度目とは思えないほどの量が出た。やわでえっちなおまんこは、ゼロ距離で叩きつけられた子種を一滴残らず味わってイキ続け、きゅむきゅむ♡と根っこからちんぽを搾り尽くす。ぷるん♡とゆるく勃起したちんこもぷしゃあぁぁ……♡と潮を吹きだした。
「ゃぁ……♡ゃゃのに……♡おまんこいってる……♡♡」
「やなのにイッちゃう、えっちなおまんこだろ……?」
 やだ♡やだ♡とくり返しながら、ちゅぅぅぅ……♡ちゅぱぁ……♡とちんぽを咥える。どくどく♡びくびく♡と脈打つおまんこは深く達したまま降りられない。
「ひ、ぅ……♡やあ……♡」
「まぁたイッたろ……おまんこは素直でえっちなのになあ……っ?」
「やぁ……っ♡ま、たぁ……っ♡また、い、くうぅ……っ♡♡♡」
 むちゅむちゅ♡みちゅみちゅ♡と熟れた肉筒で甘えられ、またちんぽが硬くなった。おまんこでの絶頂は天井知らずで、ぐ、とふくれただけのちんぽにすらきゅんきゅん♡と敏感に反応して甘くイキ続けている。
「やなのにまぁたおまんこでイッちゃったなぁ……♡ちんぽもちんぽ汁もいくのもだぁい好きなえっちなおまんこ……♡」
「や、ぅ♡やぁ〜〜〜……♡♡♡」
 髪の毛とおんなじくらい真っ赤な耳を、いやらしい言葉で責め立てた。いつもなら守るようについているピアスは一切ない。無防備にさらされた鼓膜から脳味噌に染み込むようにささやくたび、おまんこをきゅんきゅん♡させる。
「やだやだ♡って口ばぁっか……♡えっちなおまんこ……♡ずうっといくいく♡ちんぽ汁おかわり♡っておねだりして……♡やぁらしぃ……♡♡」
「や♡やらぁっ♡ほんと、らのに……っ♡♡えっちやら……っ♡やぁ、のに……っ♡おまんこ……っ♡♡えっちな、てぇ……♡いくっ♡♡いく♡♡いくぅ……っ♡♡♡」
 きゅぅぅううんっ♡と締まるおまんこ、涙まじりのひっくり返った声と、ぷるん♡とゆれるばかりのちんこの潮吹きが、おまんこの本気イキを訴える。ゃぁ♡やぁ……♡♡と息も絶え絶えに喘ぎながら、ぷしゃ♡ぷしぃ……♡とおもらしをするのにぞくぞくとしてしまう。際限なくイクおまんこはまだきゅん♡きゅぅ……♡とちんぽに甘えてしゃぶりつく。
「やぁ……♡も、や♡やら……っ♡おまんこ、えっちやだぁ……っ♡いくの、も、やっ……♡」
 限界を迎えたのかついにひ、ひぐ、と鼻を鳴らして泣き出した。今さらかわいく懇願しても遅い。嫌い、と言わなければ獄は止まらない。
「ほんとにや、なら言うことあんだろ……」
「ゃあ……っ♡い、たくない……っ♡♡」
「じゃ、えっちなおまんこ……♡もっともぉっと、えっちになっちまうなぁ……♡」
 全部やだ、なんてそんなのまかり通らない。約束した言葉を言えば獄はすぐ空却を解放して、遅い休日の午後を満喫する。言わないなら煽られ、たかぶったちんぽでえっちなおまんこをかわいがるだけだ。
「……えっちやだ……っ♡……れも、ひとゃなら、いいから、ぁ……っ♡」
 いやだけどいい。千々に乱れて濡れた声で、どうしても言いたくない、と言外に伝える恋人に結局自分が折れるのだと思い知る。本当にいとけない、中学生だった空却に好きだと告げられたときからずっと、我の通し合いで勝てた試しがない。十六年下のとんでもないじゃじゃ馬でクソがつくほど生意気な恋人が、どうしようもなくかわいい。
「……やなのにイッちゃうえっちなマゾおまんこでいいんだな……♡」
「やだぁ……っ♡も、いくの、やだ……っ♡……でも、せ、そのぉ……っ♡えっちなまぞおまんこ……っ♡♡ひとゃのちんぽで、いきたぃ……っ♡♡♡なか、だしてぇ……っ♡♡もっと、えっち、して……♡♡」
 勃起はしていたものの、さすがに二回で打ち止めだと思ったのに、ぬ、ぐぅ、とみちみちとちんぽがふくれあがった。ようやくされたかわいい恋人のちんぽ中出しおねだりの効果は覿面で、きんたまもぎゅん、と張りつめる。
「や、ぁ♡ひとゃぁっ♡ちんぽ……っ♡おっきぃ……っ♡♡」
「いくのやだやだ♡ってしてるえっちなマゾおまんこ……っ♡おっきいちんぽでい〜っぱいイカせてやる……っ♡やなのにちんぽ汁びゅ〜♡ってされてイッちまいな……っ♡」
「ゃ……っ♡やらぁっ……♡えっちなまぞおまんこ……っ♡いじわるすんなぁ……っ♡♡」
 意地悪するな、と言いながら、おまんこは期待にきゅんきゅんと締まった。もはややだ♡も、いや♡も、肯定でしかない。ほんの少し前まで獄がやだ、と言われたら手が止まっていたなんて誰も信じない。自分が一番信じられないくらいだ。
「俺になら……っいじわるされたいんだろ……っ!」
 むちゅむちゅ♡とはしたなく交わったままのちんぽをぐ、とおまんこのやわな場所へと構え直す。挿入りっぱなしだからぬち……♡とナカで動けば簡単に秘奥をくじってしまう。
「〜〜〜〜〜っ♡♡」
 声もなくびくんっ♡と跳ねた背は肯定するように縦にくにゃんとくず折れ、やぅ……♡と甘く息をもらした。恋人の言葉を正しく受け取るなら、いじわるするな、はもっといじわるして、になる。とろとろにとろけた声がこぼす、ゃ、ゃあ、という喘ぎは体裁すら繕えていない。そも中出しおねだりをした時点で、難攻不落の恋人の最後の牙城はとっくに崩れているのだ。
「もっかいちゃんとおねだりしな……っずぅっといくのやだやだ♡ってワガママ言ったんだからなぁ……!」
「ぁう……っ♡や、らのに、いっちゃぅ……♡えっちなまぞおまんこ……♡♡おっきぃちんぽでいっぱい♡いじわるされたい……♡い〜っぱい♡ちんぽじるびゅ〜♡ってされて、いかされたぃ……♡♡」
 はしたないおねだりをさせられているのに、おまんこはきゅぅ……♡と歓喜にふるえ、ひくひく……♡と甘く達していた。かわいいと言い続けたらかわいくなったという話もある。うだった頭にえっちなマゾおまんこ♡と言い聞かせ、言わせたのが刷り込みとなってしまったのか。ときおり発揮される妙な素直さに年甲斐もなくときめいてしまう。
「……っさいしょっから、そういいな……!」
「ふ、あっ♡ひとゃ……っ♡ひとゃ♡あっ♡あぁ……っ♡♡」
 さすがに、これが本当に最後だ。恋人も自分も昼日中とは思えないほどたかぶって。むちゅちゅ……♡とさきっぽを舐め回すおまんこを、希望どおりどちゅどちゅっ♡と突きたおしてやる。すでに二回、たっぷりと種をつけたそこは十分にやわやわに熟れているから、少し強く突いても悦んで受け入れてしまう。
「いじわるされてんのに……っちんぽちゅぱちゅぱしやがって……!」
「らてぇ……♡えっちなまぞおまんこ……♡らから……っ♡ちんぽにいじわるされたら♡きもちぃから……っ♡♡」
 や、と言わず、素直にいく♡いく♡とおもらししながら泣き喘ぐのにどうしようもない達成感を得て、ちんぽがぐん、と膨れあがった。おまんこもきゅんきゅう♡と締まって、準備をととのえる。
「えっちなマゾおまんこ……♡いい子におねだりできたごほうびのちんぽ汁、い〜っぱい♡びゅ〜っ♡してやる……っ♡」
「あっ♡はぁ……♡♡♡えっちなまぞおまんこぉ……♡ごほぉび……♡ぃっぱぃ♡びゅ〜♡って……♡しゃれてりゅ……っ♡♡おまんこ♡いく♡いってりゅ♡いきゅぅ……っ♡♡♡」
 びゅくびゅくびゅぅぅぅぅ〜〜〜♡♡♡びゅく♡びゅぅ……♡♡と三度目の精を放つ。あたたかく包み込むおまんこは心地よく、それでいてきんたまを空っぽにしようとぷりゅぷりゅの肉壁が甘く扱いて責める。尿道の残滓すらちぅぅ……♡と吸い尽くされて、本当の本当に打ち止めになった。
「んぅ……っ♡……おまんこ……♡♡も、ずぅっといってる……♡♡ずっと、ちんぽじる……っ♡ごくごく、してる……♡♡」
 終わりのないおまんこでの絶頂から降りられなくなった恋人は、萎えたちんぽを食む自らの収縮運動ですらひんひんと泣いて悶えている。みちゅむちゅ♡と粘ついた水音が子種がおまんこに満ちていることを伝えた。
 このままでは無理にでも勃起してしまいそうなほどいやらしく甘え媚びるおまんこから、じゅぼぉ……っ♡と一気にちんぽを引き抜く。萎えているとはいえ、肉壁にぴっちりと張りつかれたちんぽを強引に引き剥がすのは、敏感になりすぎたおまんこには強烈な快感だったのだろう。
「あっ♡ぁぅう……っ♡ゃ、ああ……っ♡♡えっちなまぞおまんこ……♡♡また♡またいく……っ♡♡♡いく♡も……っ♡いくぅ……♡♡♡」
 ちんぽの抜けたおまんこは、ほとんど抜かれないまま三回も犯されたせいで、ぽっかりとちんぽの形に開いてしまっている。いく♡いく♡となきながら、どぷ♡とぷぷ……♡とひくつくおまんこから子種を溢れさせ、ぷしゃあぁ……♡とついに本当のおしっこをおもらししたちんこは恥じらうようにふるふる、と揺れていた。
「おまんこいきすぎておしっこおもらししちゃったなぁ……♡」
「ふ、ぁ……ぁあ……♡おもらし……♡きもちぃぃ……♡♡」
「……やなのにイッて、いじわるされてイッて、イキすぎておしっこもらして……♡ほんとにえっちなマゾおまんこになっちまったなぁ……?」
「いう、なぁ……♡♡また♡また、いく……ぅっ♡」
 いうやいなや、おまんこがきゅっ♡と締まるとひくひく……っ♡とふるえながら、子種を吐き出した。赤みがかった濃い桃色の粘膜が白いちんぽ汁にまみれてぷるぷるとするのが心底いやらしい。
「いじわる言われただけでイッちゃったなぁ……♡こんなえっちなマゾおまんこ、見たことねえぞ?」
「〜〜〜は、あぅ……♡も、いじわる、いうなぁ……っ♡」
 ぷ、ぷぷ……ぅ♡とおまんこからのおもらしも止まらない。いじわるにかわいがりすぎた心と身体は完全にタガが外れてしまって戻らない。甘く熟れすぎた身体はこれまでの経験上、とうぶん使い物にならないだろう。空却の身内からのほどほどに、というなまあたたかい視線を痛いほど浴びせられることにもなる。いたたまれない思いをするとわかっていても、いつだってあまりにも魅力的な恋人に抗えない。
「でも、きらいじゃないんだろ……?」
「……それが、いじわるなんだよ……っ」
 ひぐ、と鼻を鳴らして、こんじょうわる、むっつりすけべ、ばかちんぽ、と子供じみた悪口をぽんぽん投げつけながら、最後にはとろとろと眠りに落ちてしまった。
 へちょりとテーブルにくずおれたのを支えながら久しぶりに見た顔は、目から鼻から口からあふれたものでとんでもないことになっている。はれぼったいまぶたとくちびるが艶かしく、そういえばキスをしていなかったと気がついた。
 最中、キスを求められたのを無視して、犯し続けたのは獄なのに、いまさらひどく寂しくなる。たぶん、心のどこかで万が一にもきらいと言われるのを恐れていたのだろう。ワガママといじわるに付き合わせてしまった。
 今度は正面から、ずっとくちづけをしよう。やだ、もきらい、も、聞きたくない言葉は全部奪ってしまえばいい。空却が真実、獄を拒んだなら、くちびるが無事ではなくなるだけのことだ。そしてそんな時は来ない。
 意識をなくしても余韻にわななく身体を抱き上げる。重くのしかかる腕の中で愛が眠っていた。途方もなく甘く、けなげで一途な愛が。

2022/01/22


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