恋するということ

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「好きだせ」なんてストレートに言葉を吐くハヤテに胸が高鳴った。
その後に「お前の歌」なんてついてきたけど、顔が熱くなるのと同時にルンが光ったのが分かった。
「俺が必ずお前を守るから」なんて言われて、言葉には出さなかったけど、出会った時からずっとハヤテに助けられ、守られてきていた。
素直に「ありがとう」と言いたかったけど、余計な一言もついてくるから、あまりきちんと言えずにいた。
色恋なんてどうでも良かった。
「ワルキューレになりたい」
その思いが、願いが捨てきれず、結婚も放り投げて、故郷たるウィンダミアを飛び出した。
14歳の自分は既に晩婚なのも分かってる。今更、結婚なんて考えてないし、命懸けで歌うと決めた。
それなのに、余計な事は考えたくないのに、ハヤテはいつの間にか容易く人の心の奥底に入り込み、日増しに存在を大きくしていく。
仲は良い…と思っているし、ケイオスのみんなもそう思っている。
だから、だからこそ、理解してしまった。

『好きなら好きって言えばいいだろ』

ハヤテは、私の事なんて想ってはいない。
ハヤテの性格なら、そう簡単に言えるのだろうか。
「必ずお前を守るから」と言った口先も乾かぬ内に、ミラージュさんに「俺がいるだろ」と言い放ったハヤテは。
好きだからこそ、私には言えない。怖くて、堪らない。
でも簡単に『好きだぜ』と言い放ち、私の心を掻き乱す。
『お前の歌が』──それだけ?
好きなのは、歌だけ?
そう問うたら、なんて答えが返ってくるんだろうか?
きっと笑顔で『ああ』と肯定するだけかもしれない。
聡いくせに、どこか鈍い男。
でも好きで堪らない。
恋を知らなければ、恋の歌は歌えないと言われた。
でも、こんな状態で歌えるのか、分からない。
苦しくて、切なくて、認めなくないのに、薄々感じている。これが恋なんだと。


END

2016/07/13


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