あなたが傍にいる幸せ

GUNDAM SEED

瞬きすることさえ出来ず、視界が真っ白になる。
直後、その白い光りを遮る物体があった。が、それも一瞬にして目の前で大きな爆炎をあげたかと思うと真っ暗な空間へと変化した。


「ムウ―――――っ!」


   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ハッとして、薄暗い寝室の中で目を覚ました。

「――――…ゆ…め?」


額に手をあて、上半身だけ起こすとうっすらと汗をかいていた。


なんて、怖い夢だったのだろう…寝る前にみた映画のせいだろうか?


夢の中で自分は、宇宙戦艦の艦長をしていた。
なにか…そうなにかと戦争をしていたのだ。そして、敵対する相手からの攻撃を受けようとしていた。
真っ白い光りが自分の目の前に広がった。が、自分らを庇うロボットがいて…それに乗っていたのが――…


ぶるっと身体が震え、ベッドから降りる。スリッパを慌てて履くと、薄暗い廊下へと進む。
リビングに繋がるダイニングから光が洩れているを見付けドアを少し開けて中をみた。椅子に座り、雑誌を片手に晩酌をしている姿をみて、マリューはホッとした。



カタリ…と音がして、ムウは顔をあげた。
そこには、不安げな表情をして佇むマリューの姿。
一瞬、驚いたがいつもと違う様子に首を傾げムウは声をかけた。


「……マリュー?どうかしたのか?」


椅子から立ち上がり、近寄るとマリューがそっと胸にしがみついてくる。
なんだか、震えているように見えムウはそっと肩に手を回して優しく抱き寄せた。するとマリューもムウの背中に手を回したのだった。



カチカチ…と時計の音だけを聞いていた。
しばらくそうしているとポツリ…とマリューが口を開いた。



「……哀しい夢を見たの…」

「夢?」

「えぇ…夢の中で戦争をしているの…
 私は、大きな戦艦の艦長をしていて…あなたはパイロットだったわ…
 だから、怖くなって…」

「パイロット…戦闘機かなんかの?」

「ロボットだったわ…」


マリューの髪を撫でながら、ムウは話を促した。


「それで…やられる!って所であなたが助けてくれたんだけど……あなが……」

「……俺が?」

「……あなたが目の前で――っ…」


よほど怖かったのだろうか…
落ち着いたかと思ったのだか、また服にしがみついてきた。
ムウはフッと笑うと


「大丈夫だ。ただの夢だよ。さっき見た映画のせいさ…」

リビングにはさっき観た映画のDVDがそのまま置かれていた。


「そう……よね…」

「あぁ。それに俺はここにいるだろ」

「……えぇ…」


栗色の髪を優しく撫でながらムウは、マリューを慰めた。
マリューも夢と現実がごちゃ混ぜになり、どうしたらいいのか分からずにいた。
夢だと分かっていても、ムウが目の前で散ったあのシーンだけは恐ろしく怖かったのだ。
まだ胸がドクドクと早鐘のように体中に鳴り響く。
夢とはいえ、愛する者を失うことだったからだろうか。
キュッと瞳を瞑り、夢の内容を思い出そうとするが最後の場面が印象強かったのか、思い出せなかった。
どことなく不安で、どうしようもなくて…
ムウを探しに来たのだけど、ホッとした反面まだ不安さが残る。

何か起こるんじゃないかと。

ふと顔を見たくなって、見上げると優しい瞳とぶつかってしまう。
かっこいいくらいの優しい顔。
そんな顔のまま彼は口をきった。


「大丈夫、俺はずっとそばにいるよ」

「……本当…?」

「あぁ、マリューの傍からは絶対離れないさ」


きっぱり言い張るムウにマリューはようやく瞳を和らげると、ふふっと笑った。


「…じゃあ、もう寝ない?」

「え?」

「…ずっと傍にいてくれるんでしょう?」

「――了解」


ムウは突然のマリューの甘えに降伏した。
ゆっくりと腰を取ると、2人は仲良く寝室へと向かった。
大きなベッドに2人は寄り添いながら、布団に包まり眠りについたのだった。




END




あとがき

とりあえずは、2周年ってことで書きました。
まぁ、テーマは『夢』ってことにしてみました。
そいで頭に過ったのが、SEEDの4クール目のエンディング曲の歌詞です。
2番目の歌詞なんですが

『きみは言った 長い夢をみた とても哀しい夢だったと
(省略)
 ずっと傍にいてあげるよ』

この歌詞が浮かんだのでいっそ、ガンダムを夢としたパラレルっぽいのを書いてやろう!
ってな訳で創作時間1時間で書き上げました。

久々に書いたのがなんだか、暗い気がするがすみません。
リハビリ小説って感じだね。


ご拝読ありがとうございます。
サイト2周年、ありがとうございます!


2006/9/28


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