02
ムウSide
君の心の奥底にいる人は…
どんなヤツだった…?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「マリューは、なんで軍に入ったんだ?」
ベッドの隣でシーツに包まっている彼女に不意に聞いてみた。
「えっ…?」
一瞬、驚きながらあまり顔に出さずにすぐに切り返してきた。
「そういうムウこそ、どうして?」
まったく…上手く話を逸らしてくれるな…。そう思いつつ顎に手をやった。
「俺? んーっと……」
考えるフリをしてマリューから視線をそらす。が視界の端では彼女を見ていた。
彼女はベッド脇に置いてあるペンダントを見て、何か昔を思い出しているようだ…
まったく、彼女の心を未だに捉えてるなんて…どんなヤツだ…?
そいつを失って、どんな思いをしたんだろう…
まったくもって、羨ましい…としか思えない。…否、もういない人と張り合う気持ちはない。
張り合ったところで、勝負なんかつかないコトくらい分かる。だが、気になってしまうのは…本気で彼女が大事だからだ。
こんな気持ちは、ほとんど初めてにちかい。今まで、オンナがいなかった訳じゃない。
ただ、こんな気持ちにはならなかった。
そう、俺は軍人だ。いつ、死ねか分からない自分…
だから、本気で人を好きにならずにいた。不幸にさせるのが、分かっていたから…
なのに……それなのに…いつの間にか…本気で好きになっていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……そんな理由だったわね」
急に彼女から発せられた言葉で自分も我に返る。
「へっ?」
つい変な声を出してしまったがマリューは微笑した。
「ううん、何でもない」
その微笑み…まいっちまうな…きっと、思い出したな――胸の中に生き続ける男を。
「ほぅ〜」
そう言いながら彼女を擽りいじめてしまう。
「ちょっ、イヤッ! やめて〜フフッ……んもぅ!!」
体を捩らせながら笑う彼女に押し倒され、目の前にある顔を見上げ、ついまた同じ質問をしてしまう。
「で、なんで軍に入ったんだ?……まぁ、なんとなく見当はついてるけど……な。」
ちらりとペンダントに目を向けた。
本当は、軍に入った理由なんてどうでもいい…きっかけになったヤツのコトが知りたいだけだ…
マリューは、ほんの一瞬顔を曇らせるがすぐに笑い、聞き返してきた。
「分かっているんじゃないの?」
「それでも、聞いてみたいんだ。どんなヤツか……」
そう、入った理由は…だいたい分かる。
彼女のコトだ。誰も死んだりして欲しくないコトくらい…
手を伸ばして、彼女の頬に触れる。
「…そうね、その内、話せるわね」
「ちぇっ…」
つまり、まだ心の中で…ってことか。
たぶん、まだ自分が幸せになるコトに戸惑っている…が、少しずつ前向きにもきている。
いつか、話してくれるだろう…
そういうもんだ。
俺が愛してる女
俺を愛してくれる女
俺の気持ちを受け入れ、返してくれる。現在(いま)はそれでいい。
俺たちは、愛し合っているんだから…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そう考えると、自然に笑みが浮かんできた。マリューが気付いて微笑みを返してくれる。
「……ありがとう」
彼女の言葉に色々な意味が含まれている気がする。
「どういたしまして…」
俺は、笑ってそっと甘い口付けをした。
心の中で(俺の方こそ…)と思いながら。
END
あとがき
マリューSideと対になるもの……。なんともいえない駄作。
初槁:2003/08
改稿:2007/07/01
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