(前編)
ある日、艦内の通路を歩いていると、キラはフラガに呼び止められた。
「あ、おい、キラ。ちょっとこいこい」
「なんですか?少佐…」
キラは近寄りながら尋ねると、フラガは秘密めいたように囁いた。
「いいから、いいから、ちょっと渡しておきたいモノがあるんだ」
「はぁ…いいですけど、早くして下さいね。僕これからラクスのトコロに…」
その言葉を聞いて、フラガはニヤリと笑うと
「それは丁度よかった。なんたって、必要不可欠なモンだからな」
「必要不可欠なモノ…?」
「そ、必要不可欠なモノ。ホイっと!」
キラが不思議そうに首を傾げていると、フラガはキラに向かってあるモノを放り投げた。それをキャッチし、手に取るとキラは声を上げた。
「こ、コレって…な、なんなんですか!?」
「あれ?分からない?んな訳ねぇだろ?」
「わ、分かりますけど…じゃなくて…」
キラはなんて言っていいのか分からなくなった。
フラガはキラの言葉を聞いて、ケロリと答えた。
「じゃあ、いいじゃん。必要だろ?」
「で、でも箱ごとって……」
あっさり言うフラガに対し、キラは動揺を隠せなかった。手にある小さな箱を見た。
その箱のパッケージには『明るい家〇計画』と書かれている。
フラガはキラと箱を見比べて、当たり前かのように聞いてきた。
「使うだろ?」
「…はぁ〜…」
キラはなんて言ったらいいのか分からず、困り果てていた。
そんなキラを見て、フラガは不思議そうに聞いてきた。
「あれれ、何?不満そうだな。人がせっかく分けてあげてるのに……足りないのか?」
「!!ちがっ…」
キラは、この人が何を考えているのかさっぱり分からないな。と思った時、後ろから声を掛けられた。
「あら?キラ君、少佐。こんなトコロで何して……!?キ、キラ君!?あなた、何を持っているの!!」
「マ、マリューさん!!」
「げっ…」
突然マリューに声を掛けられてキラとフラガは焦ったが、マリューはフラガの発言に振り向き詰め寄った。
「『げっ』とは何ですか?まさか、コレは少佐、あなたが…?」
慌てて弁解しようとした時、愛らしい声が聞こえた。
「まぁ、キラ。こんなトコロにおいででしたの?」
振り向くと、ふわりとしたピンク色の髪の少女がいた。
「ラ、ラクス…ど、どうしたの?」
「あんまり遅いので捜してましたのよ。でも皆様とご一緒でしたのね。…あら、何を持ってらっしゃいますの?キラ」
ラクスはキラの手のなかにある箱を見て聞いてきた。
「えっ…あ、あの…コレは…」
「コレは?」
キラが慌てて隠そうとするが、ラクスは首を傾げながら見つめてくる。
フラガは心の中で、唱える様に願っていたが……甘かった。
素直なキラは、ラクスとマリューの問い掛けに簡単に答えてしまった。
「しょ、少佐が…ぼ、僕にくれたんだ!…使うだろうって…」
「あちゃー…」
フラガは頭を抱え、がっくりと肩を落とした。
マリューは、フラガの胸ぐらを掴んだ。
「少佐!!あ、あなた、何を考えてっ……」
文句を言おうとした時、ラクスの愛くるしい声が重なった。
「まぁ。それは良かったですわね、キラ。ありがとうございます、フラガ様」
「「「ハァ?」」」
三人はびっくりして変な声を出すも、ラクスはにっこり笑いフラガに礼を言うと、キラの手を取った。
「では、戻りましょう。キラ」
「えっ……ラ、ラクス?」
ズルズルズル〜というように彼女はキラを引っ張っていった。
あとに残された二人は、キラとラクスを見送り、しばし無言だった。
「「…………………」」
しばらく経ってようやくフラガがボソリと呟いた。
「行っちゃったよ…」
「え、ええ…行っちゃっいましたね……」
二人は呆気にとられていたが、マリューは思い出した様にフラガの耳を引っ張った。
「しかし、あなたはなんてモノを子供に渡すんですかっっ!!」
「いててっ!!もう、子供ってわけでもないだろう。特にキラは……あっと…えーっと…だ、だから必要かと…」
ジロリっ!!とマリューに睨まれ、フラガは慌てて口を閉ざした。
マリューはため息を吐いた。
「必要とか不必要だとかの問題ではありません!!なんていうか…その…えーと………あー、もう!!!!」
マリューはなんて言ったらいいのか言葉が続かなかった。
フラガはたじろぎながらもいつもの口調で言った。
「イヤぁ〜…だって、やっぱマズイだろ?……出来ちゃったらさ……」
「………ハァ〜」
マリューは、もうなんだか分からなくなった。
相変わらずフラガ少佐の考えが解らない。
そんな事を思っていると、フラガは不敵な笑いをしてマリューを見つめていた。
「ところで、艦長。俺たちもそろそろ休みませんか?」
「……なんで《俺たち》…なんです?」
マリューは言葉に不信感を抱き、少し後退りした。
フラガは満面の笑みを浮かべた。
「だからぁ〜こういうコトだよ」
強く引き寄せると、そのままマリューの頬に軽くキスをした。
「んなっ…!!!?」
驚いて頬を押さえるが、フラガはマリューを掴むと先程のラクスのようにズルズルズル〜と連れて行った。
「さぁ、行こうねぇ〜」
「…す、すけべ少佐───!!!!」
「ハイハイ」
叫んでるマリューをよそにフラガは自室に引きずって行った。
END
おまけ
一方、キラの部屋では───。
にこやかに笑うラクスは、キラに尋ねた。
「ところでキラ。コレは何に使うモノですの?」
「……ふ、風船だよ……ラクス…」
キラがそう答えるとラクスは瞳を輝かせた。
「まぁ、面白い風船ですのねぇ〜」
喜ぶラクスをよそに、キラはうなだれながら笑いながら答えた。
「……ハハハ…そうだね…(少佐のバカ野郎!!)」
心の中で罵倒しながら。
END
後編は裏においてあります
あとがき
この話、実話です(汗)
高校生の時の体験をネタにしてみました。
まぁ、母親からなんですがね……変な親。
しかも二箱貰いました…
アホか〜〜!!Σ(゜Д゜)
しかもすぐ使いきりました(爆)ってか、兄貴に渡せよ。って感じですね…。
メール公開時は、キララクの最後の会話がなかなか好評でした。
ラクスの風船発言。他に説明しようがなかった(笑)
今読むと、キラもラクスも白くて新鮮です♪
この後、ムウマリュ裏に続きますが、作り話です(当たり前だ)
初のエロ作品だった気がする。
2003/7
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